2018年12月26日公開
2024年08月25日更新
ジンバックとジントニックは違う?作り方や名前の意味・由来も紹介!
カクテルで定番のジンバック。お酒に詳しくない人でも名前だけ聞いたことがあるという人は多いと思います。「ジン」という名前を使ったカクテルは他にもあり、ジントニックという名前のカクテルも定番カクテルです。こちらもなんとなく聞いたことがあるという人も多いはず。こちらの記事では、ジンバックとジントニックの違いや、トニックウォーターを使ったアレンジレシピ、その作り方を紹介していきます。
目次
ジンバックはどんなカクテル?
レストランなどのアルコールドリンクメニューの中でよく見かけるジンバック。名前もよく知られていて、すっきりとした味わいで飲みやすいのでついつい注文してしまう人も多いと思います。名前が似ているジントニックと間違われやすいジンバクですが、実際にはどんなカクテルなのかを紹介していきます。
ジンバックは飲みやすい人気のカクテル
ジンバックは、レモンやライムなどの柑橘系のフルーツをスライスした物がグラスの中に入っていたり、グラスのフチに飾られていることが多くあります。その見た目の通り、柑橘系の爽やかさが特徴のカクテルです。爽やかで飲みやすいので、何で作られているか分からないけれど名前を知っているからということで、注文している人も多いかと思います。
ジンをベースにしたカクテルの一つ
では、ジンバックの中身についてです。そもそも「ジン」はスピリッツと呼ばれています。このスピリッツとは蒸留酒のことを指しています。このスピリッツはビールやワインなどのお酒を蒸留することで、アルコール度数をより高めたお酒です。スピリッツには「世界4大スピリッツ」と称される蒸留酒があり、「ジン」「ウォッカ」「テキーラ」「ラム」が当てはまります。
これらのスピリッツをベースに様々なカクテルが作られます。例えば、ウォッカとオレンジジュースで作られるかっくてるは「スクリュードライバー」。ウォッカにトマトジュースを合わせると「ブラッディ・メアリー」。ラムにコーラとライムを合わせれば「キューバリブレ」。といったように、カクテルは基本的にスピリッツをベースにアレンジされて作られています。ジンバックも例にもれず、ジンをベースに作るカクテルです。
ジンバックとジントニックの違いを解説
カクテルの基本が分かってきたところで、本題に入っていきたいと思います。名前の始めに同じ「ジン」が入った「ジンバック」と「ジントニック」の2種類のカクテルの違いを説明していきます。
ジンバックはジンジャーエールとレモンジュースで割る
世界4大スピリッツの「ジン」というスピリッツをベースに使い、そこにジンジャーエールとレモンジュースを使って作るのがジンバックというカクテルなのです。「ジンバック」という名前からは、使っている材料など全く想像できないので、驚いた方も多いのではないのでしょうか。柑橘系の爽やかな香りがするのは、飾られているレモンからだけではなく、中身にもレモンジュースを使用しているからなのです。
ジントニックはトニックウォーターで割る
ジントニックはストレートな名前なので、何となくどんな物で作られているのか分かる人も多いと思います。ジンをベースにトニックウォーターで割ったものは「ジントニック」になります。使っている材料が分かっていても、改めて考えてみるとトニックウォーターって何だろうと疑問に思った方もいると思います。またはトニックウォーターを炭酸水と思い込んでいる人もいるかもしれませんが、それは間違いなのです。
トニックウォーターは、炭酸水やサイダーにレモンやライムなどの柑橘類の果皮や糖分、ハーブから抽出したエキスなどを加えたものを指します。炭酸水は基本的に砂糖が添加されていないものを指しています。ちなみにサイダーは炭酸水に砂糖を添加したものを指しています。炭酸水やサイダーと違い、柑橘類やハーブの独特な苦みが特徴的な味わいです。トニックウォーターは様々なカクテルのアレンジに使われています。
トニックウォーターはジントニックだけではなく、その他のカクテルにも多く使われています。炭酸を使ったカクテルが飲みたいときは、リキュールなどベースになるお酒にトニックウォーターを加えるだけで立派なカクテルに仕上がります。ちなみにトニックウォーターを使用したカクテルで一番有名なのがジントニックと言っても過言ではありません。
例えば、カンパリにトニックウォーターを加えれば「カンパリ・トニック」、リンゴのブランデーであるカルヴァドスにトニックウォーターを加えれば「ブラー・トニック」、薬草の香りが特徴的なリキュールであるシャルトリューズにトニックウォーターを加えれば「シャルトリューズ・トニック」などトニックウォーターを使用し、アレンジしたカクテルのレシピは数多く存在しています。
ジントニック同様に、トニックウォーターを使用したカクテルは作り方も簡単なので自宅でも作りやすいカクテルです。上記で紹介したように、トニックウォーターを使用したカクテルはジントニックだけでは無いので、好みのリキュールなどを使って自分でオリジナルのカクテルをアレンジするのもおススメです。
ジンバックの由来や意味を紹介
「ジントニック」はこんなにも分かりやすい名前なのに、なぜ「ジンバック」はこのような名前になったのでしょうか。もちろん理由はちゃんとあります。ジンバックの由来を知って、周りの人に雑学として披露するのもおススメです。
ジンバックのジンとは?
「ジン」というスピリッツは蒸留酒と言い、大麦やじゃがいも、ライ麦などを原料として造られる蒸留する作り方です。蒸留してジンを作る際に、薬草を加えて作っており、オランダでは薬用酒として使われていました。ジン特有の鋭い切れ味や口の中に広がる独特の香りは、この薬草成分からくるものなのです。
蒸留する際に加えられる薬草の中には、ジュニパーベリー(セイヨウネズの実)というものが必ず使用されています。このジュニパーベリーという言葉が訛ったり短縮された結果、「ジン」と呼ばれるようになったそうです。
一口に「ジン」と言っても、作られている会社の違いや作り方やレシピの違いなどによってたくさんの種類があります。こちらでもいくつか紹介したいと思います。種類は大きく4つに分類されます。「ドライジン」「ジュネヴァ」「シュタインへーガー」「オールド・トム・ジン」の4種類です。
「ドライジン」は現在主流となっている、一番ポピュラーなジンです。主にロンドンで生産されているので「ロンドン・ジン」「イングリッシュ・ジン」とも呼ばれています。香料としてさらに薬草のジュニパーベリーを加えているので、香りの癖が強いのが特徴です。商品名をいくつか挙げると、「ビーフィーター」「ボンベイ・サファイヤ」「タンカレー・ロンドン」などが知名度の高いものになります。
上記のビーフィーターのビンのデザインは、お店などでもよく使われており、飾ってあることが多いので見かけたことがある人が多いと思います。
「ジュネヴァ」は昔ながらの製法で作られているジンで、このことから「クラシックジン」の別名があります。また、主にオランダで作られおり、「オランダ・ジン」とも呼ばれています。他の種類のジンよりも、蒸留している回数が少ないレシピなのでコクが深く、味が濃いのが一番の特徴です。製造の過程で糖化発酵という工程を経るので、独特の甘味とまろやかな口当たりのカクテルをアレンジできるのがジュネヴァの特徴です。
ジュネヴァは「ボルス・バレル・エイジド・ジュネバ」「ノールズ・ジュネヴァ」「ロッジ・ジュネヴァ」といったっ商品名になります。見慣れない、聞きなれないものが多いと思いますが、これを機に見かけてみたらぜひトライしてみて下さい。
「シュタインへーガー」は、ドイツにあるヴェストファーレン地方のシュタインハーゲン村で生まれたジンになります。作り方が特徴的で、通常ジンの製造過程で加えられる薬草のジュニパーベリーは乾燥したものが使われていますが、シュタインへーガーは生のまま加えられています。これによりジュニパーベリーの癖が抑えられ、控え目な香りや甘味を楽しむことができるカクテルをアレンジできるのが大きな特徴です。
シュタインヘーガーは「シュリヒテシュタインヘーガー」が最も有名な商品です。ドイツ発症ということで、本場ドイツでの飲み方を紹介します。ドイツではビールを飲む前に胃を活性化させるとう名目で、ビールを飲む前にショットグラスで1杯飲むのが主流になっています。さすがビール大国ドイツの飲み方です。
「オールド・トム・ジン」は作り方がドライジンとほとんど同じですが、雑味を抑えるために2%ほどの砂糖を加えて作られているレシピが最大の特徴です。18世紀に流行った、猫の口にコインを入れると足元から甘口のジンが出てくる自動販売機が名前の由来になっているようです。ドライジンよりも甘味を強く感じやすいので、カクテルに使用すると、飲みやすいカクテルに仕上がります。
オールド・トム・ジンはそのまま商品名が「オールド・トム・ジン」という商品が多いです。製造会社でいえば「ヘイマンズ」「タンカレー」が有名どころとなっています。名前の由来から猫をモチーフとしたデザインのビンが多く、可愛らしいデザインです。
ジンの種類は4つだけですが、それぞれの種類の中にたくさんの商品があります。種類によって味わいも変わってくるので、同じジンを使ったカクテルレシピでも、ドライジンをベースにしたカクテルレシピと、オールド・トム・ジンをベースに使用したカクテルレシピでは、違った味わいを楽しむことができます。お酒の種類が豊富なバーに行くと、いくつか種類を揃えて用意しているお店もありますので、試してみて下さい。
ジンバックのバックとは?
ジンバックの「バック」の由来についてはいくつか説があるようです。有力説を2つほど紹介していきます。まず一つ目です。ジンバックはイギリスのロンドンにある有名なバー「バックスクラブ」で誕生したと言われています。「バック」という単語がスピリッツにジンジャーエールとレモンジュースを加えて作るスタイルのことを表すので「ジンバック」という名前なのです。別名「ロンドンバック」とも呼ばれています。
二つ目は、バックという単語の別の意味にあります。ジンバックを英語表記にすると「gin buck」。"後ろ"を意味する"back"とは違うという点に注目です。"buck"は"stag"(雄鹿)の意味を持っており、「雄鹿の蹴り足のようにキック力のあるカクテル」や「雄鹿に蹴られたように酔いが回ってふらつく」という意味もあるそうです。
ジンバックが持つ意味は正しき心
カクテルにも誕生石のように365日それぞれに誕生カクテルが決まっていたり、花言葉のようにカクテルに意味や想い込められたカクテル言葉があるということをご存知ですか?ジンバックは5月3日の誕生カクテルで、カクテル言葉にあたるいみは「正しき心」です。誕生カクテルやカクテル言葉を調べて、友人や大切な人のお祝いをさらに思い出深いものにできます。
ジンバックのおいしい作り方と割合
ジンバックは、ジンとジンジャーエール、レモンジュースがあれば簡単にお家でも作ることができます。どの材料もスーパーやコンビニなどで手軽に買うことができます。こちらでアレンジレシピなどの作り方を紹介していきますので、オリジナルアレンジなどにも挑戦してみましょう。まずは通常のジンバックの作り方から紹介していきます。
1.タンブラーに氷を入れる
まずはタンブラーに氷を入れていきます。氷はタンブラーの半分以上になる6~7割くらいを目安に入れます。タンブラーはガラス製のものを使用すると、泡やレモンの切り口が見えてお洒落になります。
2.ジンとレモンジュースを加える
タンブラーに氷を入れたら、ジンを45mlとレモンジュースを20mlをタンブラーに注ぎ入れます。ジンとレモンジュースの割合は、およそ2:1の割合になれば大丈夫ですので家に測りや計量カップが無い場合でも目分量でOKです。
カクテル専用のレモンジュースを売っていることもありますが、見つからなかった場合にはポッカレモンなどのレモン汁やレモンを買ってきてそのまま絞った果汁を利用することもできます。絞ったレモンをカットしてそのままグラスに入れることも可能です。
3.ジンジャーエールを加える
氷の入ったタンブラーに、ジンとレモンジュースを加えたら最後にジンジャーエールを注ぎます。ジンジャーエールはタンブラーにの8分目ほどまで注げば大丈夫なので、厳密な分量のレシピはありません。ジンジャーエールを注ぎ終えたら2~3回ほど軽く混ぜ合わせておきましょう。
4.レモンを飾って完成!
タンブラーに全て注ぎ終えたら、最後にレモンを飾っていきます。レモンは8等分のくし形切りにしてそのままタンブラーの中に入れるか、タンブラーのフチに差し込むようにして飾ることレシピが多いです。輪切りにしてタンブラーの中に入れると、レモンの美しい断面がお洒落さを増してくれるのでおススメです。飾りでアレンジするのも簡単でおススメです。
一般的な作り方を紹介しましたが、ベースのジンやレモンジュース、ジンジャーエールの分量を自分の好みに増やしたり減らしたりして、オリジナルジンバックをアレンジしてみるのも楽しくておススメです。
ジンのアレンジレシピ
ジンをベースに使用し、アレンジしたカクテルはたくさんあります。最初の方に記載したジントニックももちろんアレンジレシピの一つです。その他にもこちらでいくつか有名な美味しいカクテルのレシピやその作り方を紹介していきます。
まずは「マティーニ」です。作り方はマティーニはドライジンと、ドライベルモットという香草の香りがするワインを合わせて作ります。数多くあるカクテルの中でも、「カクテルの王様」という別名を持つほどの定番カクテルです。バーテンダーにとっても力量が試されるカクテルであるとも言われており、「マティーニに始まり、マティーニに終わる」という言葉があるほどです。
続いて「シンガポール・スリング」です。名前の通り、シンガポール発祥のカクテルになります。作り方は、ジンにチェリーブランデーとレモンジュースを加えて、ソーダ水で割って完成です。カットしたパイナップルをグラスに飾ることが多く、カクテル自体の色もトロピカルな色合いなので南国雰囲気たっぷりのカクテルレシピです。
次は「ブルームーン」です。作り方は、ジンにすみれのリキュールとレモンジュースを加え、シェイクさせて作ります。すみれのリキュールを使用しているので、名前の通りキレイな青色のカクテルです。レモンジュースの酸味に加えて、すみれの香りを楽しむことができるカクテルになっています。
続いて「ピンクレディ」です。ジンにグレナデンシロップというザクロから作られるシロップと卵白を加え、シェイクして作られるカクテルです。1912年にロンドンで大ヒットした舞台「ピンクレディ」を記念して作られたそうです。グレナデンシロップをブルーキュラソーに変えると「ブルーレディ」、卵白を除いてホワイトキュラソーを加えると「ホワイトレディ」というカクテルにアレンジすることができます。
次は「トム・コリンズ」です。ジンをレモン果汁とソーダ水で割った、シンプルで飲みやすいカクテルです。19世紀の終わりにイギリスのジョン・コリンズという人が作ったのが始まりで、オールド・トム・ジンを使って作るようになってから「トム・コリンズ」という名前が付けられました。子のカクテルには、甘いカクテルによく使用されるマラスキーノチェリーを飾るのが特徴です。
続いて「オレンジ・ブロッサム」です。ジンをベースにオレンジジュースを加えたカクテルです。ウォッカをベースにオレンジジュースを加えて作られる「スクリュードライバー」というカクテルのベースであるウォッカをジンに変えたカクテルになります。元々はショートカクテルで、足の付いたワイングラスのような形のカクテルグラスで作られていましたが、今は大き目のグラスを使うロングカクテルが主流です。
次は「セブンス・ヘブン」です。材料はデュポネという樹皮を使って作られるワインと、マラスキーノというサクランボのリキュール、アンゴスチェラ・ビターズという香りづけとしたラムベースの苦味酒です。7番目の天国と訳される「セブンス・ヘブン」は、キリスト教徒などが信じる7つの階層に分かれた天国のうちの最も上の階層を示す名前のカクテルです。
ジンバックのカロリーや度数は?
美味しいジンバックをお家でも作れるようになったら、毎日でも飲みたくなってきます。そこで気になってくるのがジンバックのカロリーです。カロリーに合わせて、スピリッツであるジンのアルコール度数なども紹介していきます。
度数はやや高め
ジンバックのアルコール度数は14度です。他のお酒と比較すると、ビールのアルコール度数は約5度、ワインのアルコール度数は約14度、日本酒のアルコール度数は約15度となっており、ワインや日本酒と同様にやや高めのアルコール度数となっています。
出典: https://wired.jp
ジンを含めたスピリッツは蒸留酒であり、ビールやワインなどを蒸発させて作られています。よって、ジン自体のアルコール度数は約40度ととても高いです。ジンバックは、このジンをジンジャーエールやレモンジュースで割って作っているので、ジンバックのアルコール度数はベースの蒸留酒であるジンのアルコール度数よりも低くなっているのです。
カロリーは約170キロカロリー
ジンバックのカロリーは1杯で174キロカロリーです。他のお酒と比較すると、ビールは中ジョッキ1杯で145キロカロリー、ワインはグラス1杯で90キロカロリー、日本酒は1合で200キロカロリーとなっています。他のお酒と比較するとカロリーは少々高めなので、飲み過ぎるとすぐにカロリーオーバーになってしまうので気をつけましょう。
ジンバックを知っておいしく飲もう!
いかがでしたか。ジンバックの名前の由来や作り方、ジントニックとの違いだけではなく、ジンやカクテル、アレンジレシピまで深く知ることができたと思います。カクテルにあまり馴染みが無い人は挑戦しにくいとは思いますが、まずは今回学んだジンバックから、お店で注文してみてぜひトライしてください。