2018年11月29日公開
2024年08月21日更新
北海道の日本酒おすすめ人気をランキング!レアで美味しい銘柄は?
日本酒の美味しい酒蔵があるところというと、北陸や東北を思い浮かべる人も多いですが、北海道も今注目の日本酒が造られています。他県に比べると、日本酒造りの歴史は浅いですが、北海道ならではの雪深く安定した低温になる気候、豊かな自然の水、そこに近年盛んな米造りも加わり、人気の日本酒も誕生しています。こうした北海道のおすすめ日本酒をランキングで紹介するとともに、北海道の日本酒の特徴や、おすすめな酒蔵をまとめました。
北海道にはおすすめの日本酒がたくさん!
日本全国には、日本酒造りが盛んな地域がいくつかありますが、どこも古い時代から日本酒をつくり200年300年といった歴史のある蔵もありますが、北海道では、明治時代頃から日本酒造りが始まり、比較的歴史の浅くなています。この北海道では、10数か所の蔵が現在あります。ここで造られる日本酒の特徴や、おすすめの北海道日本酒を紹介していきます。
北海道の日本酒の特徴は?
北海道の日本酒は、淡麗辛口が主流といわれますが、蔵元の工夫や消費者の要望から、濃厚で芳醇な日本酒も造られるようになっています。北海道の日本酒の特徴としては、純米酒の出荷比率が高いということがあります。純米酒は、米と米こうじを原料としているもので、吟醸酒でも純米大吟醸、特別純米酒、といった日本酒の名称に「純米」と表記されます。
これに対して、本醸造酒があり、米と米こうじの他に、醸造アルコールを原料に加えて、味や香りに丸みを持たせるようにしています。北海道の場合は、近年になって、北海道のブランド米が全国的にも知られるようになり、米づくりが盛んになってきました。そうした中で日本酒造りに適したお米の栽培も広まり、原料となる良質な米が比較的安く、安定して仕入れられるということで、米を磨いて造る純米酒が多くなりました。
北海道の冬は厳しい寒さが続くという土地柄が、日本酒造りに影響をしているというのも特徴です。雪と氷で天然の冷蔵庫を作り、その中で日本酒造りをする蔵があったり、流氷を溶かした貴重な水を仕込みに使う蔵もあります。また、冬に仕込んだ日本酒はひと夏を超えて熟成させますが、長い冬の期間を利用して、仕込んでから一年を待たずに、にごり酒、搾りたて、汲みたてといった新酒があるのも、北海道日本酒の特徴です。
北海道の日本酒を選ぶポイントは?
北海道の日本酒を選ぶポイントは、先ず原料の酒米は、どこのものを使っているのかを確認してみてください。北海道では、酒米に適したお米として「吟風(ぎんぷう)」「彗星(すいせい)」の2品種が広く栽培されるようになり、ここ数年で栽培されるようになった新品種の「きたしずく」も注目される酒米となっています。
北海道の日本酒は歴史が浅いながら、全国の品評会で注目されるようになったのは、酒米の旨さによるものが大きいともいえます。「吟風」は味わい深く、「彗星」はすっきりとした飲み口になるという特徴があって、その良いとこどりをしたものが「きたしずく」と評されています。こうした酒米に注目して、いまでは北海道以外の酒蔵でも、これらの酒米を使って仕込みをしているところもあります。
北海道へ出張や旅行に行ったときなどには、実際に味見をして、好みの日本酒を購入すればよいですが、通販などでも手に入ります。その時には、原料をチェックすることと、送料も確認するのもポイントです。本州内で日本酒を通販で手にするよりも、送料が高くなるので、この点も忘れずにチェックしてください。
北海道で有名な日本酒の蔵元
雪の中で熟成させている「高砂酒造」
明治32年に小檜山酒造という高砂酒造の前身は、福島県会津から北海道に渡り、雑穀商を営んでいた小檜山鐵三郎が、旭川の地で酒造業を始めたことから創業されました。その頃北海道では4番目の酒蔵であり、旭川の水資源の豊富さ、米を蒸すための燃料となる資源の豊富さから、明治後期に日本酒造りが盛んになっていきました。当初は、旭川の日本酒は評価が低かったのですが、開拓精神で他の蔵との技術交流などで評価を上げていきます。
昭和に入り戦後、同じ旭川の酒造会社を合併吸収して「高砂酒造」と名前を改め、昭和50年には全国的に知られる銘酒「国士無双」を発売します。平成になると、雪氷室絞りの大吟醸が注目され、北海道でも名の知れた酒蔵になっています。特徴的なのは、「雪中貯蔵」という、タンクごと野外に運び出し、雪に埋めて100日間低温熟成さえるという製法です。タンク内が0度ほどに保たれ、熟成環境が安定しゆっくりと熟成していきます。
人気ランキング上位の国士無双の製造工程をわかりやすく見ることができる、酒造工場の見学もできます。3日前までの予約が必要になり、1度に10名までです。10時からまたは、15時からとなり、年末年始は見学が休止となっています。旭川駅から徒歩では15分ほど、タクシーなら5分ほどの場所にあります。直営の売店もあって、日本酒はもちろん、酒粕、甘酒、国士無双ブランドのTシャツや前掛けなども購入ができます。
最も北に位置する「国稀酒造」
北海道増毛郡にある「国稀酒造」は、札幌から車で約2時間、暑寒別天売焼尻(しょかんべつてうりやぎしり)国定公園の近くにある、国内では最北の酒蔵です。明治15年創業で、呉服商を営んでいた本間泰蔵が、手広く商売を広げるなか、当時本州から運ばれる日本酒が高いものだったため、自家醸造を思い立ち、日本酒造りがはじまりました。設立から100年の節目となった平成13年に「国稀酒造」と名を改めて、現在に至ります。
増毛の町民もたくさん亡くなった日露戦争の戦没者を弔うために、初代が乃木大将に面会し、碑文の揮毫を依頼したところ、人格に感銘を受け、乃木希典元陸軍大将の名前の希にあやかり、それまで「國の誉」という銘柄を「國稀」と名前を変え、現在の社名ともなっています。国稀酒造は、明治時代の歴史的建造物も残り、増毛の観光スポットにもなっています。
年末年始を除き、9時から16時30分まで酒蔵の見学をすることもできるようになっています。JR留萌駅から沿岸バスに乗車、旧増毛駅で下車して徒歩5分ほどの場所にあります。利き酒ができるコーナーがあり、人気ランキングにも入る「国稀」や、数量限定のレアな日本酒も味わうことができます。明治の趣きを残す建物をゆっくりとみてまわることもでき、お土産用に日本酒の購入もできます。
観光とあわせていきやすい「千歳鶴醸造所」
明治5年、石川県能登から北海道に渡ってきた柴田與次右衛門が、どぶろくなどのにごり酒を造り始めたことから、千歳鶴酒造の日本清酒株式会社はスタートします。明治の中頃になると、清酒を作り始め、北海道での日本酒造りの先駆者となっていきます。時代を重ねるとともに、同業者を束ね、会社を大きくし、昭和3年に「日本清酒」に社名を変え、今でも人気銘柄の「千歳鶴」というブランド名をつけました。
千歳鶴の酒文化の発信と、日本酒のあるライフスタイルを提案する「千歳鶴酒ミュージアム」が、北海道札幌市中央区にあります。ここでは酒造りの道具を見たり、試飲カウンターも備えています。千歳蔵ブランドの人気ランキングに入る日本酒だけでなく、リキュールや甘酒といったものを試飲することもでき、日本清酒が造る与市ワインや味噌なども購入することもできます。
酒蔵見学については、10名以上の団体のみ、事前の予約があれば対応してくれます。平日のみで、仕込みを正念場となる冬季は見学できませんので、千歳鶴酒ミュージアムへ行くのがおすすめです。地下鉄東西線、バスセンター前駅9番出口から徒歩5分ほど、駐車場もあります。札幌観光とあわせて、お土産購入場所としてもおすすめです。
北海道ならではの地酒造りの100年「金滴酒造」
北海道樺戸郡にある「金滴酒造」は、函館本線と根室本線が交わる滝川駅や陸上自衛隊滝川駐屯地の近く、石狩川の脇にあります。金滴酒造が創業された背景には、奈良県吉野郡の十津川村が、明治22年に大洪水で全村全滅とい大きな被害を受けたことから、北海道へ移住を決意した2,300人が開墾したことに始まります。ようやく大地に実った米で、自分たちの飲む日本酒は自分たちで造ろうということから、酒蔵としてスタートしました。
当時では北海道初の、法人組織として、新十津川酒造株式会社を設立し、以降増資を続け、金滴酒造株式会社と改称し、地域に根をおろした人たちによる、北海道の自然の恵みで造る日本酒を、発売し続けています。仕込み水には、ピンネシリ山系が源になる雪清水が流れをつくる徳富川の伏流水を使い、北海道産の酒米をつかい110年以上の歴史ある酒蔵です。
人気ランキングで紹介するおすすめの日本酒が購入できる直売所もあって、蔵元だからこそ購入できる、レアな日本酒もあります。正月三が日は定休で、平日は8時30分から17時30分、土日祝日は10時から16時の営業をしています。
北海道の日本酒人気ランキング
第10位:北海道産の酒米の飲み比べもできる「金滴」
北海道の日本酒人気ランキングで第10位で紹介するのは、「金滴(きんてき)」です。明治からある酒造の金滴酒造のブランドで、北海道産の酒米を使った酒造りを長く続けています。おすすめは「金滴 純米大吟醸」で、北海道産の酒米「彗星」100%使用、精米歩合は40%で仕込みをしています。まろやかな味わいと、吟醸香のハーモニーが楽しめる日本酒で、日本酒度はマイナス3の芳醇甘口といわれています。
甘口でふくよかさがあるので、ロックで味わってみるのもよく、常温で飲めば「彗星」の旨味を堪能することができます。1,800mlで5,658円です。金滴シリーズには、北海道の酒米を前面にだしたものもあって、「彗星」「吟風」「北雫」と揃えて飲み比べると、北海道日本酒の味比べもできます。
第9位:ぬる燗が美味しい「福司」
北海道の日本酒人気ランキングで第9位は、「福司(ふくつかさ)特別純米酒」です。福司酒造の看板ブランド「福司」の中でも、味にこだわり、日本酒ファンに特に愛されているのが、特別純米酒です。酒米は全国的にも日本酒造りでよくつかわれる五百万石を使い、精米歩合は60%、日本酒度プラス4、酸度1.5というやや辛口ながら、芳醇な日本酒です。ぬる燗にすると、特に旨味が引き立ちます。1,800mlで2,850円です。
淡麗辛口として愛飲している人もいて、冷酒で飲むとすっきりとしたキレがあり、少し高めの温度の方が、淡麗にくわえて旨味も感じられるとおすすめする人もいます。同じ福司酒造では、「海底力(そこぢから)」というブランドもあって、北海道産の酒米を使い、とくちょうてきなのは、海底炭鉱の坑道で醸造したものがあります。紫外線の影響がほとんどなく、やらかくまろやかな味で、数量限定というレアなものです。
第8位:北海道の中でも歴史あるブランド「十一州」
北海道の日本酒人気ランキングで第8位は、日本清酒株式会社が醸造している「十一州」です。明治になってから北海道を11ヶ国に分けていたことに由来する名前で、明治時代には、この「十一州」が北海道全域に流通していたという、北海道の日本酒の中では、歴史ある銘柄です。北海道産の酒米「吟風」を使っているものがほとんどで、吟醸からひやおろし、無濾過といった幅広い日本酒のラインナップがあります。
「十一州」の中で特におすすめは、最高峰の「純米大吟醸 十一州」で、吟風を45%まで磨き、日本酒度はプラス4と辛口ながら、ほんのりとメロン系の吟醸香がして、なめらかな飲み口の中に酒米の旨味を感じられる日本酒です。上品だけれど、落ち着いた印象で、べたつきがないので、何杯も飲めてしまうという人もいます。常温でも美味しく、冷やして飲むのもおすすめです。720mlは1,706円、1800mlが3,413円となっています。
第7位:フランスのコンクールで金賞受賞「北の錦」
北海道の日本酒人気ランキングで第7位は、「北の錦 純米大吟醸 暖簾ラベル」です。北海道産の酒米「彗星を45%まで磨き、華やかな香りと、米の旨味のバランスが良いお酒で、甘口だけれどすっきりとした酸味がのどごしを良くしてくれています。1,800mlで5,400円、720mlは2,700円です。フランスで行われた、日本酒コンクール「KURA MASTER2018」で、金賞受賞した銘柄で、これからの注目の一本でもあります。
日本酒度はマイナス2で、酸度は1.3ということの数値でも、ふわりとした甘さと、きれいなすっきりさが混じっていることが分かります。同じ北の錦での最高級とされるのが、「純米大吟醸 雪心」で、こちらは、北海道産の酒米「吟風」の旨味、「彗星」のキレイな甘さの特徴を活かしたやや辛口になります。1,800ml入りが10,800円です。
第6位:ワイングラスで味わいたい「絹雪」
北海道の日本酒人気ランキングで第6位は、「純米吟醸 絹雪(きぬゆき)大雪乃蔵」です。「大雪乃蔵(たいせつのくら)」は、北海道ならではの旨い地酒造りを目指し、北海道産の酒米にもこだわったブランドです。その中でも「絹雪」は、その名前の通りに、絹のような、なめからかさに特徴があって、地元旭川の酒米「吟風」を50%まで磨き、低温で仕込みをしています。
中辛口といわれる味わいに加えて、メロンのような優雅な香りがするので、ワイングラスで香りを広げてから飲むのがおすすめの日本酒です。優雅な香りが口に入ると滑らかに舌をすべるように喉に入り、キレもあります。香りがよいので、冷やして、湯豆腐や刺身といったシンプルなものとあわせて食べるのも、おすすめです。
第5位:北海道産酒米を堪能「北の稲穂」
北海道の日本酒人気ランキングで第5位は、「北の稲穂 大吟醸」で、北海道産の酒米100%の日本酒で、時間をかけて醸造することで、雑味を抑えた上品な余韻を楽しめる日本酒です。720mlが1,990円、1800mlは3,880円です。40%まで北海道産酒米を磨き、フルーティーな柔らかな味わいの後に、上品な余韻を心地よく堪能できます。
この「北の稲穂 大吟醸」は、北海道が命名150年を記念した特別事業「北海道みらい事業」の一環として取り組まれたもので、酒米だけでなく、大雪山系の伏流水を使っていて、北海道の日本酒の旨味を感じられるようになっています。2017年に北の稲穂のラインナップに加わったもので、フルーティーな優しい甘さが、女性でものみやすい日本酒の一本です。
第4位:飲まさる酒「上川大雪」
北海道の日本酒人気ランキングで第4位は「上川大雪(かみかわたいせつ)」で、2016年に新設された、北海道の中でも若い酒蔵の日本酒です。元は三重にあり酒造りを休んでいた蔵を、北海道大雪山系の麓にある上川町に移し、北海道ブランドの日本酒造りを進めています。北海道弁でついつい飲んでしまう酒を「飲まさる酒」ということで、家庭でも飲みやすい日本酒です。
「上川大雪」のレギュラー品として、特別純米、順街吟醸、純米大吟醸、純米大吟醸35%の4種があります。特別純米は、「飲まさる酒」の原点ともいえるもので、米、米こうじとも北海道産のものを使い、精米歩合は60%、アルコール16度、720mlで1,900円です。穏やかな飲み口で、食事とも合わせやすく、リピートする人も多いものになっています。
最高品質の「上川大雪」十枚大銀業35%は、大雪酒造の最高峰の日本酒で、北海道の契約農家から届く酒米の中でも、最高品質のものを35%まで磨いて醸造しています。720mlで4,752円と高めの設定ですが、贈り物としてもおすすめな1本です。
第3位:辛口淡麗の純米「国士無双」
北海道の日本酒人気ランキングで第3位は「国士無双」で、高砂酒造のものです。この酒蔵は、醸造した日本酒をタンクごと雪の中に埋めて、一定期間安定した低温の中で熟成させるという手法が有名な蔵です。大吟醸から、本醸造、純米と幅広くある国士無双の中でも、おすすめが純米酒で、米の旨味、穏やかな香りが感じられて、キレとコクのある淡麗辛口です。720mlで、1,185円で販売されています。
純米国士無双は、酒米は深山錦、日本酒度はプラス3、酸度1.3で、ぬる燗にすると余韻が広がる日本酒になります。北海道の酒米の味を楽しみたい人には、「純米大吟醸 国士無双 北海道限定」720ml、2,080円がおすすめです。北海道産の「彗星」を100%使い、洋ナシのような香りと、飲み飽きることのないような穏やかな飲み口が特徴で、冷やで飲むのがおすすめです。
国士無双の感想では、値段の割に美味しい日本酒という声も多く、北海道のお土産として購入する人もいます。冷やしすぎるよりも、少し冷えたくらいが美味しいという声もあります。
第2位:燗酒コンテスと金賞受賞「国稀」
北海道の日本酒人気ランキングで第2位として紹介するのは、国稀酒造が醸造している「国稀(くにまれ)」です。明治の創業当時は「国の誉」という銘柄だったものを、大正時代に「国稀」とし、近年では北海道産の酒米使用も増やしています。精米歩合65%の国稀は、1,800mlで1,565円とリーズナブルな本醸造酒で、芳醇な味わいの日本酒になっています。
特別純米「国稀」は酒米は五百万石100%で、日本酒度プラス5前後のすっきりとした飲み口で、1,800mlで3,410円です。「純米 吟風 国稀」は、全国燗酒コンテスト2018で、プレミアム燗酒部門で金賞を受賞、全国新酒鑑評会でも2年連続受賞と、全国的にも注目されつつある銘柄です。北海道産の酒米「吟風」を65%まで磨き、純米酒ならではのコクがありながら、さわやかな後味で、冷やでも燗酒でも美味しい1本です。
純米の国稀を飲んだ人は、ほど良い軽さ、水のようにスーッと通る感じが好きという感想が多くあります。甘味がほとんどなく、淡麗、後味に程よい辛味があって、飽きがこないと高評価をする人もいます。これに対して、特別純米の方は、ブドウなどのフルーティーな香りがして、北海道の海産物と合わせて飲むのがおすすめという声もあります。
第1位:限定販売のレアな地酒「北斗随想」
北海道の日本酒人気ランキングで第1位は、北海道だからこその逸品といえる「北斗随想 純米吟醸」です。酒米も北海道産の純米酒で、限定数しか造られないため、レアな日本酒ですが、北海道の日本酒らしさを堪能できるものです。この「北斗随想」は、北海道内の酒屋有志による「北都千国会」がによるプライベートブランドの日本酒です。
北海道産の酒米を45%まで磨き、米こうじも北海道産のものを使い、北海道出身の杜氏が造るという、北海道への強いこだわりによって造られています。純米吟醸種なので、フルーティーのような香りが広がり、飲むと旨味と甘味を感じますが、ベタっとするのではなく、キレがよく、後味余韻とも辛口の美味しさを堪能できます。冷で甘みを前面に感じて味わうのにも、少し燗をつけて辛みと酸味を強くして味わうのにもおすすめです。
味わった人たちの口コミでは、「甘さと酸味苦味のバランスがとても良い」「北海道で一番と思えるぐらい美味しい」「メロンやブドウのようなフルーティーさだけれど、しっかり辛さが来てスツときれていく」といったものがあります。数量限定酒なので、毎年の出荷を待ち望むファンもいます。
小林酒造で醸造していて、アルコール度数は16.5、日本酒度はプラス5、酸度は1.4ですが、醸造年により変わることもあります。1.8リットル入りは3,240円、720mlサイズもあり、こちらは1,620円です。男性に限らず、女性にもおすすめな、北海道の味わいを堪能できる人気の日本酒です。
北海道で日本酒製造の見学ができる酒蔵
兵庫県伊丹の蔵元の後継蔵「男山」
「男山」というと、東北の日本酒をイメージする人もいますが、北海道旭川で造られる「男山」は、江戸時代に関西の伊丹で、幕府の官用酒でもあり、浮世絵にも描かれるほどの人気を誇った清酒が「男山」の始まりです。1887年に北海道で創造した男山酒造の前身、山崎酒造から、もっとよい酒造りをしたいという思いで、本家から銘酒「男山」の正統継承をして以来、現代までその伝統を守り、男山を北海道で醸造しています。
男山株式会社では、「男山」の350年以上の歴史と酒造りを伝える「男山酒造り史料館」があります。この史料館では、江戸時代の貴重な資料や酒器などを展示していてい、仕込みの時期には酒造りの様子も一部で見学ができます。資料館の中には、試飲・売店コーナーがあり、人気ランキングでも紹介した日本酒だけでなく、季節限定酒、蔵元限定の数少ない日本酒も試すことができます。
資料館のすぐそばには、男山の仕込み水でもある、大雪山の伏流水もあって、1人18Lまでは無料で汲むこともできます。資料館は無料で入館でき、年末年始が休館となるほかは、9時から17時の間、自由に見学できます。旭川空港からは車で30分ほど、旭山動物園からは15分ほど、道北バスの永山2条6丁目バス停のそばにあります。
北海道最古の日本酒造「小林酒造」
北海道最古の酒造といわれるのが「小林酒造」です。1878年(明治11年)に、北海道内でも先駆けとなる酒造業を札幌ではじめ、明治33年には、豊かな自然に恵まれた、現在の栗山町に酒造を移転させ、北海道から樺太、満州にまで販路を広げていきました。100周年を迎えた頃には、現代では増えつつある、北海道産米100%の清酒の販売を始めていて、平成になると、ニューヨークへの定期輸出も始めるなど、先駆け的な酒造です。
歴史ある蔵は、映画のロケ地になり蔵そのものが知られるようになり、2018年フランスで開催された日本酒コンクールでは、人気おすすめランキングでも紹介した「北の錦純米大吟醸」が金賞を受賞するという、旨い酒も造り出しています。
昭和20年から30年代にかけて、夕張炭鉱の鉱員たちでにぎわった時代に、北の錦が出荷量を大きく伸ばし、石倉も多数造られました。その時の、冬の寒さの中でも酒造りを可能とした、レンガ造りの蔵が現存していて、記念館として見学をすることができます。5,000点ほどもある蔵人の生活道具や酒器などを展示していて、10時から16時まで資料館は営業しています。酒蔵見学は予約が必要ですが、1時間ほどのコース見学ができます。
北海道産米100%の日本酒造りを見学「田中酒造」
北海道小樽市にある「田中酒造」は、1899年(明治32年)に創業し、戦時中は販売のみとなったこともありますが、1950年代になり、3代目が酒造りを復活させ、現在では、酒蔵見学も自由にできるよう整備されています。酒蔵見学ができるのは「亀甲蔵」という蔵で、年中無休で9時から17時30分まで、15分から30分ほどかけて自由に見学することができます。団体や見学案内を希望する時には、事前の予約が必要です。
見学できる亀甲蔵は、1905年頃建てられた石造りの倉庫群になっていて、小樽市の歴史的建造物に指定されています。搾りたての限定酒をこうにゅうできたり、甘酒なども試飲できます。亀甲蔵は、JR南小樽駅から徒歩5分ほど、中央バスのぱるて筑港線などで「田中酒造亀甲蔵前」バス停下車してすぐの場所にあります。
蔵の見学はありませんが、JR小樽駅から徒歩10分ほど、小樽運河の近くには、田中酒造の本店があり、木造2階建ての建物で、こちらも小樽市の歴史的建造物に指定されています。昭和初期の古い看板などがあり、昔ながらの酒屋の雰囲気を味わえる店舗になっていて、10種以上の日本酒の試飲もできます。こちらは9時から18時の営業で、日本酒のほかみりんなども小樽のお土産としておすすめです。
酒蔵ならではのメニューを味わえる「上川大雪」
三重県で酒造りを休止ししていた酒造会社を、北海道の上川に移転させたのが、「上川大雪酒造」の始まりです。この土地を選んだのは、冬にはマイナス20度にもなる大雪山系の麓で、豊富な天然水があり、広大な農地があることとあわせて、年間200万人近くが訪れる層雲峡温泉があるということです。この土地だからこそ造れる酒造りをスタートさせ、地元の酒米、天然水で人気ランキングにも入る銘酒を醸造しています。
醸造蔵の見学は、棟の屋外からみることはできますが、蔵の中には衛生管理上、見学対応をしていません。それに代えて、上川町にある「大雪森のガーデン」という、自然豊かな大きな公園内にあるガーデンカフェ、「上川大雪カフェ 緑丘茶房(りょっきゅうさぼう)」で、酒蔵の酒粕などを使ったオリジナルメニューを食べることができます。
人気メニューは「カムイミンタラ」700円で、アイスと酒粕のペースト、ココアのクランブルに抹茶を使って、大雪山の自然をイメージしたパフェです。酒粕を混ぜたバターをのせたホットドックや、甘酒ジェラートといったものも味わうことができ、日本酒の新しい一面に出会えます。カフェは春から夏にかけての営業で、JR上川駅からは車で15分ほど、温かい季節には花が咲き誇り、豊かな自然を満喫できるようになっています。
北海道の日本酒を飲み比べしよう!
北海道は広大な土地があり、そこで造られる豊富な米、大自然からの恵みの清流も豊富、しかも冬場は安定した低温が保てるという、酒造りには向いている土地です。まだまだ歴史のある酒蔵がたくさんあるエリアほどに、酒蔵はなく、歴史も浅いですが、だからこそ新しい酒の味が誕生しています。日本酒好きな人なら、北海道外ではあまりみられない、酒米の味にも出会えるので、北海道の日本酒をぜひ飲み比べてみてください。