2018年11月19日公開
2024年08月19日更新
純喫茶とは?「純」ってなに?カフェや喫茶店との違いを詳しく解説!
世間がおしゃれなもので溢れているなか、どこか昭和レトロな雰囲気を残す純喫茶が好きだという方は少なくないのではないでしょうか?しかしこの純喫茶とはいったいなんなのか知らない方も多いと思います。そんな方向けに今回は純喫茶とはなにかについて詳しく調査しました。純喫茶とは?喫茶店やカフェとの違いは?など気になる情報をたくさん紹介していくので、ぜひチェックしてみて下さい。
純喫茶とカフェには違いはあるの?
お店ごとに香りも味わいも違うコーヒーを嗜む方にとっては、自分のお気に入りのお店と出逢えたら心躍る気分になりますよね。昔ながらのレトロチックな古民家カフェが好きという方もいれば、おしゃれなアンティーク家具の揃う落ち着いた雰囲気のカフェ、はたまたマスターと気軽に会話が楽しめるような昭和風の喫茶店が良い、お酒も提供してくれる居酒屋の延長戦にあるようなお店が良いという方などお店の好みは人それぞれです。
そんなコーヒーを提供するお店には、喫茶店やカフェ、純喫茶といった呼び方がいくつかあります。この喫茶店、カフェ、純喫茶という呼び名にどんな違いがあるのか詳しく知らないという方も多いのではないでしょうか?呼び方が違うだけで種類に違いはないと思っていた方もなかにはいらっしゃるかもしれません。そんな方向けに、今回は喫茶店、カフェ、純喫茶の違いについて詳しく調査しました。
出典: http://trapro.jp
どれも身近にある言葉なので一見同じように思えますが、じつはこの呼び方にはちゃんとした決まりがあります。その種類を明確に区別をするのは難しいこともありますが、その境界線は昔から今まで変わってはいません。普段から利用しているお店がどの種類に属するのかこの機会に確かめておくと良いでしょう。ということで、次項ではまず純喫茶とはなにかについて解説していきます。
純喫茶と喫茶店、そしてカフェの違いについても後の項で説明しますが、普段はお客さん側の人にとって触れることのない専門用語が出てきます。営業側にいる人にとっては喫茶店を営業するにあたって当然悩んだ事柄だと思いますが、普段あまりなじみのない言葉は一般人には難しく感じてしまうかもしれません。そんな方は、端的にでも仕組みを理解するだけで認識が違ってくるので難しくとらえず気軽な気持ちで読んでみて下さい。
純喫茶という呼び名について解説
コーヒーを提供するお店にもいくつか呼び方があるのは知っている方も多いと思いますが、その明確な違いについては普段お客さん側にいる人にとっては触れる機会がない裏事情なので知らないという方が多いです。なのでここからは喫茶店、カフェ、純喫茶とはなんなのか、そしてその違いについてひとつずつ解説していきます。そこでまずは純喫茶とはなにかについて触れておきましょう。
純喫茶という呼び名には時代の背景が関係している
そもそも純喫茶とは、端的に表すとお酒を提供しない喫茶店のことを指します。というのも、純喫茶とはあくまでコーヒーや軽食を主体とし、お酒や凝った料理は提供しません。ゆったりとした空間でのんびりコーヒーを嗜む昔ながらのお店のことを純喫茶と呼ぶのです。しかしこれには時代背景が深く関係してきています。
少し話がずれますが、じつは現在の法律上では喫茶店というものもお酒は提供できないように定められています。しかし大正から昭和初期の喫茶店のなかにはお酒を提供するところが多くみられ、本来の喫茶店とはどんどんかけ離れてしまっていました。このタイプのお店では、昼はコーヒーを提供するものの、夜になると女性がウェイトレスとなりまるでクラブやバーのようにお酒を提供します。
そのうちにこのサービスはエスカレートし、ついにはキャバクラのような風俗営業のようなものに変化していったと言われています。当時はこのようなお店が人気を獲得していましたが、本来の喫茶店とはずいぶん遠ざかってしまっていたのが現状でした。そのようなお店と差別化するために、お酒の提供はいっさい行わない本来の喫茶店の形で営業しているお店を純喫茶と呼ぶようになったのです。
つまり純喫茶とはこのような時代の背景のなかで生まれた呼び名であり、法律上で喫茶店とカフェの違いが明確にされた今ではあまり聞かない用語となっています。そのため現在は昔ながらの昭和レトロな雰囲気の喫茶店のことを純喫茶と呼ぶこともあるようです。純喫茶とは言いつつお店でお酒を提供しているところがあったら、それもまた時代が流れたからだと思って良いでしょう。
大正から昭和初期にかけて多くなった「特殊喫茶」
女性がウェイトレスとなってお酒を提供するというサービスがエスカレートしていくなかで、このような喫茶店は特殊喫茶と呼ばれ、警察の管轄下に置かれるようになっていきました。風俗営業と化し喫茶店とは名ばかりのものとなってしまった特殊喫茶で働く女性は、なんと基本的に無収入で収入源はお客さんからもらうチップだけだったと言います。
この特殊喫茶は関東大震災後からはじまり昭和初期にかけて増えていったと言われています。第二次世界大戦後はこのようなカフェはバーやクラブと称されるようになり、現在の形へと変化していっています。後の項目で詳しく触れますが、カフェは法律上お酒を提供可能な飲食店となっています。つまり、喫茶店と呼称がありながらお酒を提供しているお店は、実質カフェ営業をしているお店だということになります。
純喫茶とは純粋にコーヒーや軽食を楽しむお店として定着
以上のことから、純喫茶とは純粋にコーヒーや軽食を楽しむことが出来るお店のことを言います。お酒の提供はなくただゆったりとした空間のなかでコーヒーを味わえるお店は今ではだいぶ数を減らしてしまいましたが、昔ながらの喫茶店ではいまだに純喫茶という呼称のもとで営業をしているお店もあります。
もし純喫茶と店名にあるお店があったら、本当に純喫茶という枠組みのなかでの営業なのか確かめてみるのも面白いかもしれません。純粋にコーヒーや軽食だけを楽しみたいという方にはもってこいの純喫茶、ぜひ喫茶店を訪れる際は確かめてみてください。これまで知らなかった新たな発見があるかもしれません。
昔なら他のお店を純喫茶と呼ぶ場合もあり
なかなか明確な区別をつけにくい純喫茶ではありますが、前述したとおり長い歴史のある喫茶店では昭和レトロな雰囲気が残っており、その雰囲気から純喫茶と呼ぶこともあります。現在は最先端風のおしゃれなカフェや喫茶店が普及していますが、たまにはそんな純喫茶でコーヒーを静かに味わってみるのもおすすめです。
しかし若者はやはりおしゃれな雰囲気の喫茶店やカフェの方が好きという方も多いでしょう。最近では提供されるものもひとつひとつ細部まで凝っていたり、写真に撮ったときに映りがよくなるよう盛り付けを工夫したりと非常に若者を意識したものが増加しています。喫茶店やカフェの内装に絞っても、飽きさせないような万人受けする内装であることが多いです。
もちろん純喫茶のような落ち着いた雰囲気が好きか、おしゃれな空間を楽しむカフェのようなお店が好きかは好みの問題なので好きな方を選びましょう。しかしたまには普段行ったことがないような雰囲気のお店に行くのも新鮮で楽しいかもしれません。純喫茶に行ったことがない方は純喫茶に顔を出してみる、カフェのような明るい雰囲気のお店は好まないという方はあえてチャレンジしてみるなど、それだけで世界は広がるでしょう。
純喫茶と喫茶店の違いは?
さて、前項では純喫茶とはなにかについて詳しく説明してきましたが、ここからは具体的な純喫茶と喫茶店の違いについてお話していきます。純喫茶とはお酒を提供しない純粋にコーヒーを楽しめるお店と言いましたが、現在では法律上で喫茶店営業もお酒を提供できないことになっているのでなかなか区別が難しいです。法律上の喫茶店についてきちんと理解してきましょう。
アルコールを提供するには飲食店営業許可が必要
まず最初に押さえておきたいのは、お店でアルコールを提供するには飲食店営業許可というものが必要だということです。これはカフェの営業に該当するもので、アルコール類を提供しても良いという規定の他にも加熱料理以外の料理も提供できるといったコーヒーを主体として楽しむわけではなく、いわば飲食店としての営業を指しています。
しかし喫茶店を開くというだけなら、この飲食店営業許可は必要ありません。喫茶店というのはあくまでコーヒーを主体として提供するお店なので喫茶店営業許可というものさえあれば開くことが出来るのです。この喫茶店営業許可の規定では、アルコールの提供が禁止されているだけでなく、料理も加熱以外のものを提供不可となっているので本来の喫茶店としての営業が最高ラインとなります。
喫茶店営業許可で営業している店を純喫茶として分類できる
つまり喫茶店営業許可で営業しているお店というのは、純喫茶として分類できることになります。大正の頃の風俗営業と化していた喫茶店との差別化のために生まれた純喫茶という呼称ですが、時代の流れとともにきちんと規定され喫茶店と純喫茶は今では同じものとなっているのです。しかし困ったことに、飲食店営業許可のもと喫茶店という名の下でアルコールを提供するという実質カフェ営業のお店も多く存在します。
そのため、お店の名前に喫茶店とついているのにアルコールの提供を行っているお店は喫茶店という名のカフェということになります。紛らわしいのですがこのパターンは特に多いので、きちんと頭に入れておくと良いかもしれません。そういう意味での純喫茶とは、もともと風俗営業と化した喫茶店との差別化のために生まれtた呼称なので、大抵はお酒の提供をしていない純粋な喫茶店だと考えても良いでしょう。
純喫茶では子供の利用でも安心できる
純喫茶とはお酒の提供のない喫茶店であり、加えて喧騒のない落ち着いた空間のお店が多いことから、子どもの利用にも安心できるのでおすすめです。アルコールの提供がないため酔っぱらっているお客さんもおらず安心して楽しめるため、小さい子供を連れていても心配することなくコーヒーを味わうことができます。喫茶店かカフェか純喫茶のどこに行こうか迷っているという方は状況とどの程度の飲食を望むのか判断して決めましょう。
しかし純喫茶では静かにコーヒーを嗜むのが楽しみという方もいるので、小さいお子さんが騒いでしまったりすると迷惑に思う方もなかにはいらっしゃるかもしれません。そのため、迷惑になるかもしれないと不安な方は純喫茶ではなく子どもが騒いでも目立たない明るい雰囲気のカフェを選んだ方が安心出来るでしょう。そのときそれぞれの状況とお店の雰囲気によって判断することが大切です。
純喫茶とカフェとの違いは?
前項では純喫茶とカフェの違いについて触れましたが、ここからは純喫茶とカフェの違いに触れていきます。純喫茶とはお酒を提供しない喫茶店のことを指すというのはもうお話しましたが、一方のカフェとは具体的にどのような枠組みのなかで営業しているお店なのでしょうか?身近にあるカフェがカフェ扱いなのか、はたまた喫茶店扱いなのかについて知るチャンスです。ぜひチェックしてみて下さい。
カフェの定義とは?
カフェという言葉を法律上で分けなければ、カフェと喫茶店に明確な違いはないのが現状です。そのためお店の名前だけでは、なかなか判断しづらいものもあります。例えば落ち着いた雰囲気のどこかレトロチックなお店のことを喫茶店と呼び、若者のなかで流行るようなおしゃれなお店をカフェと呼ぶなど人それぞれ感覚で呼んでいるところがあるからです。
またカフェの定義自体は明確に定められていないので、非常に広い認識でとられています。そのためカフェはコーヒーを楽しむお店というよりは軽食をとることを目的として訪れる方が多いのではないでしょうか?お店にもよりますが、カフェではパスタやサラダ、スイーツといったレストランと変わらない食事がとれるところも多くあります。またドリンクに関してもアルコールを含め、カフェでは非常に幅広い提供をしています。
飲食店営業許可が必要なカフェ
純喫茶とはアルコールの提供を行わない喫茶店であることはもうお話しましたが、この喫茶店は喫茶店営業許可というもので営業しています。この喫茶店営業許可は喫茶店を営業する際に必ず必要なものです。そしてこれと同様に、カフェの営業にも飲食店営業許可というものが必要となります。
誤解しがちなのは、喫茶店営業許可を持っていればカフェも営業できるのではないかということです。たしかに喫茶店営業許可のもとで営業している喫茶店もお店の名前にカフェとつけているところは少なくありません。しかしこれはあくまで喫茶店としての営業なので、カフェと名は付いていても実質アルコールの提供は出来ないのです。
つまり逆にたとえると飲食店営業許可というものがあれば、たとえ喫茶店と名がついていてもアルコールの提供が出来るということになります。以上のことから、喫茶店とカフェの違いを端的にまとめるとアルコールの提供ができるかできないかという結論に辿り着きます。明確な違いはないと言いましたが、お客さん側ではなく営業側ではそのような違いがあるのです。
まとめると、お酒ありきの飲食店としてカフェを営業したいなら飲食店営業許可を取得し、コーヒーを主体に提供する喫茶店を営業したい場合は喫茶店営業許可を取得すれば良いということになります。そしてこのふたつの営業許可を比べると、飲食店営業許可の方が取得が難しいと言われています。自分が営業する側になった際は、お店のコンセプトとよく相談しながらどちらの営業許可を取るか判断しましょう。
純喫茶とカフェの違いは営業許可の違い
上記の通り、純喫茶とは喫茶店営業許可のもとで営業するアルコールの提供をしない喫茶店のことを指し、カフェは飲食店営業許可のもとで営業する飲食店を指します。お客さん側にはあまりなじみのないものなのでこれまで知らなかった方も多いと思いますが、実際にはこのような違いがあるということを頭に留めておくとカフェや喫茶店めぐりをする際に新しい発見に出逢うかもしれません。
純喫茶と喫茶店とカフェの違いをまとめてみよう
ここまで純喫茶とはなにか、喫茶店とはなにか、カフェとはなにか、またそれらの違いについて紹介してきましたがいかがでしたか?純喫茶とはアルコールを提供せず純粋にコーヒーを楽しめる喫茶店のこと、カフェとはアルコールの提供を含めた飲食店として営業しているお店のことと覚えておくと良いでしょう。
しかし法律上でそのような販売許可の違いが定められていても、実質は明確な定義や違いはないと言っていいでしょう。そのお店ごとのスタイルや、内装によってイメージされる呼称を用いていることがほとんどだからです。お店の名前に喫茶店やカフェといった呼称がついている場合は、営業許可云々ではなく、多くがこのイメージから付けられています。なのであまり深く考えはせず喫茶店やカフェを楽しんでくださいね。
純喫茶のメリット
純喫茶とは昭和レトロま雰囲気のお店で純粋にコーヒーを楽しめる喫茶店のことですが、メリットを挙げるとするならなにが思いうかぶでしょうか?カフェのように食事を目的としたお店ではありませんが、純喫茶とはいえどもコーヒーのお供になるような軽食は用意されていることが多いです。そして薄れつつある昭和の雰囲気を楽しみながらこだわりのコーヒーをゆったりと頂ける空間は純喫茶のいちばんの魅力と言えるでしょう。
純粋にコーヒーなどを楽しむのでゆったりと過ごせる
アルコールの提供がない純粋にコーヒーを楽しめる純喫茶は、どこか昭和チックな雰囲気のあるお店が多く、日々喧騒のなかで過ごしている人々にとって、まるでその空間だけ昭和にタイムスリップしたような感覚さえ覚えるほどゆったりと過ごすことが出来ます。お店によってはコーヒーにこだわっているところもあるので、ぜひ近くに純喫茶がないかチェックしてみて下さい。
しかし純喫茶とはいいつつ、大正、昭和から続く喫茶店をそう呼んでいる場合もあるので注意しましょう。昭和な雰囲気を魅力として打ち出している純喫茶も今ではかなり少なくなってきていますが、たまにはそんなレトロチックな落ち着いたカフェでコーヒーを嗜んでみるのも良いかもしれません。
子供でも利用できる
純喫茶の魅力として挙げられることのなかに子どもでも利用できるというのがあります。純喫茶とはアルコールの提供を行わない喫茶店なので、小さなお子さんや未成年者でも入りやすく居心地の良いお店だと言えるでしょう。昭和レトロな雰囲気が落ち着くとしてそのような純喫茶で仕事をしている方もなかにはいるようです。
たしかに騒がしくなく静かにコーヒーを嗜んでいる方が多い印象のある純喫茶なので、パソコン業務などの仕事に静かに集中したいときなどはうってつけかもしれません。学生の方なら、美味しいコーヒーを味わいながらちょっと贅沢に勉強をするなどもおすすめです。普段と少し違った場所で新鮮味はありながらも、昭和レトロな懐かしい空間に癒されて捗ること間違いありません。
今では少なくなっている昭和な雰囲気を味わえる
平成の時代になってからだいぶ時が経ち、昭和時代の頃の雰囲気はどんどん世のなかから消えていっています。しかし昭和生まれの人はまだ世のなかにはたくさんおり、自分が生まれた時代のことを懐かしく思うのは当然のことです。そんな方にとって、昭和レトロな雰囲気の残る純喫茶は非常に感慨深いものと思います。
身近に子どもの頃を思い起こさせてくれる場所があるというのは、今の時代ではなかなか難しいことです。古くから営業している老店舗の純喫茶などではとくに昭和当時のものがインテリアとして残っていたり、そこかしこに昭和の名残が感じられることでしょう。子どもの頃や昭和時代の思い出に浸りたいという方はぜひ近くに純喫茶がないかチェックしてみて下さいね。
純喫茶とは喫茶店やカフェとは違った意味合いを持つお店
これまで純喫茶とはなにかについて紹介してきましたがいかがでしたか?純喫茶とは昔の喫茶店との差別化をはかるために生まれた呼称であり、カフェともまた違った意味合いを持つお店です。喫茶店営業許可と飲食店営業許可の違いをきちんと把握して、純喫茶とはなにか、カフェとはなにか理解しましょう。そして純喫茶ならではの昭和レトロな雰囲気の喫茶店をぜひチェックしてみて下さい。