2018年11月02日公開
2024年08月14日更新
福岡で「とりかわ」は有名なグルメ!名物のとり皮ぐるぐる巻きとは?
福岡には「とりかわ」というご当地グルメがあることを知っていますか?とりかわは焼き鳥のメニューのひとつですが、一般的な焼き鳥の鶏皮とは全く異なります。鶏皮を串にぐるぐる巻き付けて何日もかけて焼き上げるとりかわは、その圧倒的なコストパフォーマンスから「やりすぎグルメ」の異名を持つほどです。今回はそんな福岡のご当地グルメ「とりかわ」の魅力、福岡でとりかわを味わえる有名店、とりかわをお取り寄せできるお店などについてまとめました。
福岡で有名なとりかわを食べてみたい!
福岡のご当地グルメといえば、とんこつラーメン・明太子・水炊きなどが有名です。しかし最近、地元で愛される福岡県民のソウルフード「とりかわ」が注目を集めています。多数のメディアでも紹介され、その調理工程や独特の食感などが話題となりました。今回はそんなとりかわを食べてみたいという方のために、とりかわの魅力を徹底的に紹介します。
福岡のとりかわについて紹介
福岡の地元で愛される「とりかわ」
とりかわが誕生したのは昭和43(1968)年。福岡市内の「権兵衛」という焼き鳥店が発祥です。権兵衛の創業者が、鶏皮が苦手な娘にもおいしく鶏皮を食べてもらおうと、数日かけて鶏皮をカリカリに焼き上げたことがきっかけと言われています。(所説あり)創業者の思いが実ったのか、現在も「普通の鶏皮は苦手だけど福岡のとりかわは好き」という人もいます。
発祥から50年経った現在では「権兵衛」からのれん分けしたお店・更にそこから独立したお店なども増えました。福岡市内を中心にたくさんのお店でとりかわを味わうことができます。その人気は福岡を飛び出し、県外でもとりかわを食べられるお店が増えてきています。福岡のお隣・長崎を始め、東京・大阪・名古屋・仙台・静岡・富山・三重などにも進出しています。
福岡県民はとり皮が大好きでーす pic.twitter.com/sKKsxwZEds
— まめ◎1105ヒトリエオーラル (@mm_ae__) October 14, 2018
九州では豚肉や牛肉よりも鶏肉が多く消費されています。福岡で鶏肉は「かしわ」と呼ばれ親しまれています。鶏肉が入った混ぜ込みご飯は「かしわ飯」と呼ばれていて、鶏肉は家庭料理として幼い頃から福岡県民の舌に馴染みのある食材なのです。その点から考えても、とりかわはまさしく福岡のソウルフードであると言えるでしょう。
一般的な焼き鳥店の鶏皮とは違う料理
福岡のとりかわは、一般的な焼き鳥の鶏皮と違う料理です。具体的にはいったい何が違うのでしょうか?一般的な焼き鳥の鶏皮は、鶏の皮を一口サイズに切り串に通して焼いたものです。見た目はプヨプヨとしており、やわらかく弾力のある食感が特徴です。焼き鳥の他の具材と同様、長くても数十分でできあがる料理です。
一方で福岡のとりかわは、鶏の首の皮を串にぐるぐる巻き付けたものです。焼きあがるまでに数日かかります。外側のカリカリとした食感・内側のモチモチとした食感の組み合わせが特徴です。このように、福岡のとりかわと一般的な鶏皮は、調理工程から食感までまったく違う料理なのです。「普通の鶏皮は苦手だけど福岡のとりかわは好き」という人がいるのも納得です。
ケンミンショーで紹介され大人気に!
福岡では有名だったとりかわですが、数年前までは地元の人ぞ知る隠れグルメでした。人気番組「秘密のケンミンSHOW」でとりかわが紹介されたことがきっかけで、福岡県外でもとりかわが有名になりました。一般的な焼き鳥の鶏皮との違いや、女性グループがとりかわを40本頼んでいる様子が放映され話題になりました。福岡県出身の篠田麻里子さんも、10本は平気で食べるそうです。
一方で、放送を見た福岡県民の反応は様々です。「あのとりかわは全国共通のものだと思っていた」という人もいれば、「食べたことがない」という人もいます。福岡は意外と広く、大きく北九州周辺・福岡市周辺・筑豊周辺で方言も食文化も異なります。とりかわは福岡県内でも特に博多を中心とした、ご当地中のご当地グルメなのです。
とりかわは通販でも取り寄せ可能!
とりかわが気になるけれど、福岡は遠くて行けないし…と思いましたか?安心してください、福岡のとりかわは通販でお取り寄せすることもできます。お取り寄せの場合、すでに焼き上がったとりかわが真空パックや冷凍で届きます。
お取り寄せのとりかわを食べる時は、フライバンや魚用グリルで軽く温めるとおいしくいただけます。お取り寄せも人気で、2ヶ月待ちのお店も出ています。気になる場合は早めに取り寄せておくと良いでしょう。
福岡のとり皮ぐるぐる巻きについて解説
福岡で食べられるとりかわグルメは「とり皮ぐるぐる巻き」
福岡のとりかわは、その調理工程から「とり皮ぐるぐる巻き」とも呼ばれています。鶏の首の皮を1枚ずつ広げ、串に対してらせん状にぐるぐる巻き付けて焼き上げます。このような作り方なので、一般的な焼き鳥の鶏皮よりも多くの鶏皮の量が必要になります。なんと鶏皮だけで1日に100kgも仕入れているお店もあるそうです。
何日もかけて作られる味はまさに絶品!
福岡のとりかわは、客に提供するまでの仕込みに3~6日もかけて作られます。焼く→寝かせる→焼く→寝かせる…という工程が地道に繰り返された、実に手間暇のかかった料理なのです。数日かけることで鶏皮独特の余計な脂が落ち、旨味がギュッと凝縮したとりかわが完成します。職人が丁寧に焼き上げたとりかわはまさしく絶品です。
こんなにも手間暇と時間がかかっているにもかかわらず、福岡でのとりかわの提供価格は120円前後であるお店がほとんどです。その手間と味からは考えられないほどの価格に「やりすぎグルメ」という異名がつくほどです。コストパフォーマンスも非常に良く、お財布にも優しいのが嬉しいポイントです。
とり皮ぐるぐる巻きの味と食感
とり皮ぐるぐる巻きは、数日かけて余分な脂を落として作られるため外側はカリカリ香ばしい食感になります。店舗ごとに仕込みの日数が異なり、仕込みが長いほどカリカリ度が強くなる傾向があります。一方で内側はモチモチしており、鶏皮の旨味が凝縮されています。一口噛むごとに、口いっぱいにジューシーな旨味が広がります。
伝統的な福岡のとりかわはタレ味が基本です。店ごとに違いはありますが、九州独特の甘い醤油がベースとなっています。脂が落ちているからか、タレでもしつこくなくあっさりした味わいのお店が多いです。甘辛い味付けでサクサクと食べられるとり皮ぐるぐる巻きは、お酒のアテにぴったりです。一部のお店では、オリジナルで塩味のとりかわも提供されています。
コラーゲンが豊富で女性にもおすすめ
鶏皮は様々な食品の中でもコラーゲンが多く含まれることで知られています。コラーゲンの効果で有名なのは美肌効果です。その他にも髪や爪がきれいになる・傷が治りやすくなる・手荒れに効くなど女性に嬉しい効果がたくさんあります。しかし一般的な鶏皮には脂も多く含まれているため、美容には不向きであるという見解もあります。福岡のとりかわなら、余計な脂が落ちていてヘルシーなので女性にもおすすめです。
鶏皮にはナイアシンという栄養成分も豊富に含まれています。コラーゲンほど有名ではありませんが、ナイアシンもお肌を保護する働きなど女性に嬉しい効果を持つ重要な栄養素です。ナイアシンには体内のアルコールを分解する働きもあります。二日酔いの防止が期待され、福岡のとりかわはお酒のアテとしてぴったりです。
一般的な焼き鳥の鶏皮は脂肪分が多いイメージがあり、美容意識が高い女性にとってはやや食べづらいメニューだったかもしれません。しかし福岡のとりかわは、女性に嬉しい栄養素が豊富であるにも関わらず余分な脂が落とされていてヘルシーです。福岡のとりかわは、お酒好きな女性の味方になってくれる最高のおつまみと言えるでしょう。
福岡でとりかわが味わえるおすすめ店を紹介
いつも行列ができている「とりかわ粋恭(すいきょう)薬院本店」
薬院駅・薬院大通り駅からすぐ、福岡の中心地・天神駅からも徒歩12分ほどで行ける「とりかわ粋恭薬院本店」はいつも行列ができている人気店です。3人以上なら予約できます。2人以下なら開店直後がねらい目です。とりかわはタレのみの提供で、何本でも食べられそうなあっさりめの味付けです。店員さんが親切で活気に溢れているのも魅力です。
予約必須の有名店「かわ屋 警固(けご)店」
警固交差点近く、国体道路の裏手に店を構える「かわ屋警固店」は予約必須の有名店です。予約は最低でも数日前、できれば一週間前までに済ませておくと安心です。コショウとたまり醤油のシンプルなタレでいただくとりかわの他、しぎ焼き(半レアのささみ)も人気です。〆はお茶の代わりに鶏ガラスープを出してくれます。
一人でも入りやすいと人気「博多とりかわ大臣駅前串房」
博多駅から徒歩10分ほどの場所にある「博多とりかわ大臣駅前串房」は、仕事帰りのサラリーマンやOLさんで賑わっており一人でも入りやすい雰囲気が魅力です。とりかわはスタンダードなタレの他にオリジナルメニューの塩もあり、2つのとりかわを味わえるのも嬉しいポイントです。
福岡で愛されるとりかわの味を確かめてみよう!
福岡のとりかわは、味はもちろんコスパも栄養も優れており、お酒のお供に最高の一品です。とりかわのクオリティとコストパフォーマンスは、まさに「やりすぎグルメ」と言えるでしょう。近年は福岡以外でもとりかわを食べられるお店ができ、お取り寄せもできるようになりました。福岡県民に愛されるソウルフード「とりかわ」の味を、ぜひ一度ご自身の舌で直接確かめてみてください。