シベリアお菓子の発祥は東京?風立ちぬにも登場したあのお菓子を紹介!

アニメーション映画『風立ちぬ』にも登場した「シベリア」を食べたことはありますか?東京発祥とも、東北のお菓子ともいわれる、カステラで羊羹をサンドしたお菓子「シベリア」は、昔ながらのお菓子です。ただ、なぜシベリアという名前なのか、いつごろから食べられるようになったのかなど、疑問も多いお菓子です。シベリアの発祥の地、名前の由来などをシベリアの魅力とあわせて調査しました。

シベリアお菓子の発祥は東京?風立ちぬにも登場したあのお菓子を紹介!のイメージ

目次

  1. 1シベリアお菓子の由来が知りたい!
  2. 2シベリアとはどんなお菓子?
  3. 3シベリアお菓子の発祥はどこ?
  4. 4シベリアお菓子の由来となった説7選!
  5. 5シベリアお菓子の種類を紹介
  6. 6シベリアの人気レシピを紹介!
  7. 7シベリアを食べて昔ながらの味を楽しもう!

シベリアお菓子の由来が知りたい!

甘いカステラに、漆黒の羊羹をはさんだ、三角形のずっしりとしたお菓子「シベリア」は、日本ならではのお菓子です。2013年に公開されたアニメーション映画『風立ちぬ』でも、シベリアが物語の中に登場したことで、懐かしいお菓子として、注目もされました。

食べたこと、見たことはあっても、このシベリアというお菓子が誕生した背景や、なぜ「シベリア」という呼ばれるようになったかの由来など、知らない部分が多くあります。そこでシベリアの発祥を調査しました。あわせて、今食べることのできるシベリアの種類やお店、東京ではなく地方だからこその個性的なシベリアや、シベリアに関連したレシピも紹介します。

シベリアとはどんなお菓子?

甘いお菓子であることは確かですが、どのように作られ始めたのか発祥や、「シベリア」というロシアをイメージさせる名前が、お菓子についたのかなど由来は分かっていません。その辺りを先ず調査しました。

カステラと羊羹でできた昔ながらのお菓子

シベリアは、羊羹や小豆を甘くにて潰した餡をカステラに挟んだ、日本ならではのお菓子です。「シベリア」とも「シベリヤ」とも言われ、「羊羹カステラ」という名前で販売しているところもあります。多くの形は、三角形ですが、四角い形のものもあります。日本全国、どこでも見かけるお菓子かというと、そうではなく、首都圏を中心として東日本、中部地方で多くみられます。

シベリアが作られるようになったのは、明治後半から大正時代といわれていて、大正時代の書物には、喫茶店の前身であるミルクホールで、ケーキのように、カステラの間に羊羹をはさんだ、三角形のものがシベリアと称して並んでいる、と記載されているものがあります。また1930年頃には、ミルクホールで、ミルクコーヒーを飲みながらシベリアを食べるのが好き、と記述されたものもあります。

まだ冷蔵庫が普及していない昭和初期では、シベリアの餡の部分がひんやりとした食感と、シベリア地域の寒い大地を夏でもイメージできるような名前という由来もあって、当時は子ども達が食べたいお菓子ナンバー1となったこともあるようです。世界的な大戦がはじまる頃になると、カステラや羊羹といった甘いものも貴重になりつつ、庶民でも手の届く贅沢なお菓子でもあったようです。

実は羊羹を単にはさんでるわけではない!

カステラに羊羹をはさんでいる、お菓子のサンドイッチのようなものが、シベリアというわけではありません。実は、バッドにカステラを敷き、その上に、羊羹が固まる前のやわらかい状態でながし入れて、その上にもカステラをかぶせているので、羊羹部分とカステラ部分の接地面は、癒着しているような状態です。先ずカステラを焼き、小豆を時間をかけて、砂糖とあわせて煮ていることで、手間と材料費もかかるお菓子でもあります。

羊羹部分には、あんこに寒天を混ぜて固めていたり、硬めに炊いたあんこだったりと、製造する店によって違いもあります。また羊羹部分を、抹茶を混ぜた緑色の餡にしたり、カステラの層を何層か重ねていたり、和菓子店のシベリア、洋菓子店のシベリア、パン屋のシベリアなどオリジナルなシベリアもあります。

シベリアお菓子の発祥はどこ?

シベリアのお菓子の発祥の地は、東京と思われていたり、横浜を含め東京近郊、関東、と考えられますが、実際の発祥の地はどこなのかを調べました。

具体的な発祥ははっきりしていない

古い書物では、大正時代には、東京や横浜では売られていたようですが、実際にはどこのお店から始まったものなのか、誰が考案したものなのか、具体的なシベリアの発祥は分かっていません。ただ、東京、横浜辺りでよく見られたということですが、人も多く集まり、食材も集まりやすい土地だったということもあるのかもしれません。

東京には人が集まり、横浜には港があり、海外の文化もいち早く取り入れられていたことから、パン屋などの出店も東京やその近くには多くありました。そうした東京のパン屋で作られ、売られていたシベリアの発祥の地は、東京という風にも考えられ、大正時代や先代からシベリアを作っているというお店はあっても、確かな記録や発祥の地、発祥の店というものにはいきあたりません。

明治時代には東京を中心に販売

横浜港に近い桜木町で、1916年(大正5年)からパン屋をしている「コテイベーカリー」では、今でも当時と変わらないシベリアが売られています。このコテイベーカリーによれば、シベリアというお菓子が誕生したのは、明治後半頃から大正初期、ということです。当時のパン屋では、パン焼き釜で、パンを焼いた後の余熱で、カステラを焼き、あんぱんにつかわれた餡を使って、多くの店で作られていました。

コテイベーカリーで伝わる話しでは、東京のパン店で多く作られていたので、自分の店でも作りはじめた、ということで、明治時代後期、大正時代初期にはシベリアは発祥していて、東京ではよくみられて売られていたものとなります。アニメーション映画『風立ちぬ』で主人公が活躍した1920年代、1930年代の生活感の中で、東京の大学に通い、働くようになってもシベリアを好んでいたことが描かれています。

カステラから洋菓子、羊羹から和菓子と、いう印象もありますが、パン焼き釜の余熱とあんこを材料としたことから、パン屋で売られるお菓子となったようです。それから、材料が手に入りにくい時代もあり、作るのに時間も費用もかかることから、作るお店が減ってしまいましたが、大正時代のまま続けているコテイベーカリーのようなお店と、懐かしい和菓子として、新たに製造するメーカーもあって、現在のシベリアがつながります。

子ども向けお菓子として販売されていた?

大正時代から昭和初期にかけては、今のようにスナック菓子などなく、お菓子の種類が少なく、甘いものというと、甘食かシベリアというのが、パン屋で売られているおやつの定番商品でした。ただ、卵をたっぷりと使うカステラ生地は、上等なお菓子ということもあって、子どもから見ると憧れのお菓子でもあり、子どもに人気のお菓子、おやつでもありました。この時代から親しまれていたことが発祥となり、今に残るお菓子です。
 

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シベリアお菓子の由来となった説7選!

シベリアという名前から、シベリアのお菓子かと思う人もいますが、小豆を使ったお菓子は、アジア圏のものであって、シベリア発祥のお菓子とは言い難いです。ではなぜ「シベリア」という名前がついているのか、何が由来となっているのかを調べました。

見た目が似ている?シベリアの永久凍土説

カステラ、羊羹、カステラという層になっているのが、シベリア台地の永久凍土の地層にもみえることから、シベリアと言われるようになった説があります。シベリア地方には、地中の温度が一年を通じで0度以下で、常に凍った大地が広がっています。その上に春になると柔らかな土壌も現れ、その地層のように見えて、ひんやりとした印象にもなるだろうと、シベリアと名付ける由来となったということです。

カステラが氷原、羊羹が鉄道の線路説

カステラ部分をロシアの広大な土地に見立て、その中央を真っすぐに走るシベリア鉄道の線路のように、羊羹部分を見立ててて「シベリア」と、名付けた説もあります。シベリア鉄道は、世界一長く、漆黒の線路が永遠と続くようにも見えることから、その線路を羊羹の色とも重ね、その両脇を広い大地がはさんでいるという考えで、シベリア鉄道の線路に由来するという説です。

時代的な背景?シベリア出兵と同時代に誕生説

1910年代、大正初期に、シベリア出兵ということで、日本からも多くの兵力と軍事金が送り込まれまたという時代に由来するという説もあります。当時の人たちにとっては、シベリアは日本の隣国であり、身近な外国名でした。そのため、その頃に作られたお菓子で、大福や羊羹、といった和風ではなく、洋風なイメージを名前にしたいということから、「シベリア」に由来して名付けられたと考えられています。

考案した職人の立場か?日露戦争による説

ロシア出兵だけではなく、日露戦争に由来するとも考えられています。1904年に日露戦争が始まり、その時に兵隊とともにロシアに渡った菓子職人が、甘いカステラ風生地に、日本らしい小豆をはさんだものを作り、兵隊に喜ばれたようです。その職人を称え、日露戦争という背景から「シベリア」という名前がつけられた、という説もあります。

愛媛の銘菓「タルト」が庶民化した説

シベリアの発祥が東京ではなく、愛媛に由来するのではないかという説も考えられています。愛媛県には「タルト」というカステラ生地で小豆餡を巻いたロールケーキ状の、有名なお菓子があります。江戸時代に、藩主が長崎に勤めていた当時に、ポルトガル人からふるまわれたカステラをとても気に入り、国に帰ってから、カステラ風な生地を小豆でたいた餡をぬって巻くというようにした、と伝えられています。

「タルト」が大阪、江戸と伝わり、カステラ生地で餡をサンドしたシベリアが、東京となった頃に発祥したという説です。ただ現在「シベリア」と聞いて、すぐにカステラで羊羹、餡をはさんだお菓子と分かるのは、東京から中部辺りとされているので、愛媛のある四国、西日本でシベリアはなじみがなく、愛媛ではタルトとして知名度があり、カステラで餡を巻いたもの、と認知されているのが面白いところです。

恋する乙女の恋心を名前にした説

ロマンチックな伝説のような話しに由来すると考える人もいます。ロシア革命で、恋人を亡くし、神戸に亡命した美しい貴族の娘がいました。その娘が、愛した恋人の眠るシベリアの凍土を思い出しながら、冷たさもやわらかな愛情で包むように、冷たい洋館を優しい味わいのカステラではさんで作りました。それが始まりで、亡き恋人を思い、「シベリア」と名付けた説もあります。

喫茶店「シベリア」に由来する説

昔、北海道小樽に、「シベリア」という名前の喫茶店がありました。そこは、ロシア革命が起きたために、亡命してきたロシア人が経営していたお店で、そのお店にいくと、カステラに甘いあんこをはさんだお菓子が売られていて、それをお土産に買った人が、「シベリアで買ってきたよ」といって持ち帰ったことから、「シベリア」と呼ばれるようになった、と言い伝えもあります。

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シベリアお菓子の種類を紹介

シベリアの発祥の地は、東京でもなく不明ではありますが、今でもおやつになるお菓子として、販売されています。手に入りやすく、有名なシベリアの種類を紹介します。

定番のヤマザキの三角シベリア

全国的に販売しているパンメーカー「ヤマザキ」からは、スポンジケーキでスライスした羊羹をサンドした、シベリアが販売されています。生地はカステラとは違い、ケーキのふわふわっとした食感のスポンジ生地で、しっとりとした羊羹をはさんでいます。特徴的なのは、スポンジ、羊羹、スポンジにさらに羊羹とスポンジを重ねた全五層構造になっている点で、パッケージもサンドイッチのようにラッピングされています。

カステラの場合だとしっとりとしますが、スポンジ生地を使うことでふわっとした食感をだし、甘さをおさえめにした、やわらかめな羊羹なので、多層構造でもちぎったり、噛みきりやすくなっています。スーパーやコンビニでも売られていることがありますが、1個108円~130円ほどとなっています。1個で294キロカロリーで、甘いですが、同じヤマザキの洋菓子の「まるごとバナナ」よりはカロリーは低くなっています。

スーパーなどでの販売用に、4切れ入った「シベリアデラックス」というものもあります。こちらは、五層構造ではなく、スポンジで羊羹をはさんだ、定番といえる三層になっています。発祥の頃の、子ども向けのお菓子でもありつつ、高齢の方がお茶請けとして、買われることも多いようです。250円~300円ほどで販売されています。

少しおしゃれなセブンイレブンのしっとりシベリア

和菓子というよりも、クリームもサンドして、洋菓子のケーキの一員となったのが、セブンイレブンで2015年に東北エリア限定で販売された「しっとりシベリア」です。セブンイレブンならではの、きめ細かなスポンジ生地で、しっかりとこした餡とホイップクリームをサンドしています。羊羹だけでなく、生クリームまでサンドしていることで、甘さが強すぎないように、クリームも羊羹も甘さは抑えめにしているようです。

現在では、取扱いをしていないようですが、販売されていた当時は、1個160円で売られていました。

青森発の工藤パンのシベリア

シベリアが東京発祥ではなく、青森の発祥というようなキャッチコピーで販売されているのが、工藤パンの「シベリア」です。昔ながらの、カステラでこしあんの羊羹をサンドしていて、外観も素朴で、成型したバットから真っすぐにカットしたという感じの、四角い形になっています。羊羹部分はやわらかく仕上げ、カステラはふわふわに仕上げて、軽さをだしています。

1パックに4切れ入って200円前後、1切れのカロリーは130キロカロリーと意外と抑えめになっています。コンビニやスーパーで販売されていることもあります。同じシベリアでも、生地に黒糖を使った、「黒糖シベリア」もあります。1切れ入りのものもあり、100円前後で、ローソンなどで販売されています。

さいたま市にある種類豊富なシベリアが人気のお店

埼玉県さいたま市にある、関根成果は昭和30年から続く、和菓子店です。こちらで作られているシベリアあは、カステラ生地、中央にはさむ羊羹ともに、シベリアのためだけに作られるものです。定番のこしあんの羊羹をはじめ、季節の素材を使って、年間を通しては10パターンもの餡をサンドしたシベリアが販売されています。青梅を練りこんだ緑色の餡、柚子色をして柚子の風味をつけた柚子の餡、マンゴーの餡などもあります。

現在では、シベリア本舗として、ウェブ上にもショップを持たれているので、通信販売でも、60年以上作られているシベリアを購入することができます。珍しいものでは、コーヒー風味のモカ、キャラメル、といったものもあります。冷凍便で届くので、冷蔵庫での解凍か自然解凍をしてから食べることができます。昔ながらの味と人気があります。1つ180円です。

天草の菓子工房にある「合わせ羊羹」

熊本県天草市にある、菓子工房「ル・モンド」では、昔から郷土菓子として「合わせ羊羹」と言われるシベリアに似たお菓子作りをしています。北海道産の白いんげん豆の「大手亡(おおてぼう)」という豆を長時間にて、赤色の餡に仕立てて、餡の甘さに合うようなスポンジを焼いて、サンドイッチのようにはさんだものです。生地が白く、形も四角いのでサンドイッチのようにも見えますが、シベリアと同様のお菓子です。

地元では昔から親しまれているお菓子で、1パック5カットが入って700円(税別)で販売されています。
 

老舗パン店の分厚いシベリア

シベリアの発祥のところでも紹介した、神奈川県横浜市中区花崎町、JR桜木町駅の近くにある「コティベーカリー」は、シベリアの大きなぬいぐるみが出迎えてくれます。大正時代から作り続けられているシベリアは、卵をたっぷりと使ってカステラ生地を作り、寒天を溶かしたところにさらしあん、砂糖、塩を加えて水ようかんを作り、カステラの上に流して重石をのせて固めて作る、オーソドックスな作り方を今でも続けています。

コティベーカリーのシベリアは1カット340円で販売されています。大手メーカー等に比べるとやや高いですが、カステラ生地、羊羹へのこだわりや、時間をかけて作られること、1カットの大きさを考えると、妥当な値段です。

シティベーカリーのシベリアは、2016年4月期のNHKの連続テレビ小説『とと姉ちゃん』でも、主人公がほおばるシーンで使われたこともあり、今でも人気があります。あまりに分厚いのでかじることは難しいので、羊羹部分に包丁をいれて、半分にカットして食べるのがおすすめです。また店主いわく、コーヒーやお茶と合わせて飲むのもよいけれど、一番合うのは牛乳、ということです。

大阪文化に由来する関西ならではのシベリア

大阪市生野区にあった「ベーカリー花岡」でも、シベリアという名前のパンが売られていました。こちらのお店は閉店されてしまいましたが、大阪には、こちらのパンと同じようなシベリアを販売しているお店もあります。大阪発祥ともいえる関西ならではのシベリアは、東京エリア発祥と思われるカステラに羊羹をはさんだものではなくて、その日に売れ残ったパンをギュッとまとめたようなパンのことを「シベリア」と読んでいるそうです。

菓子パンを何種類か混ぜて砕いたところに、シロップを垂らして焼き上げている、リメイクされたパンです。名前の由来は、いろいろなパンを積んでいる、関西弁で「積んどら」、つんどらといえば「ツンドラ」で、そこから発想するのが「シベリア」といった、関西ならではの由来で名前をつけているそうです。余ったパンなので、その日によって味が異なり、ジャムに当たることもあれば、小豆がでたりすることもあります。

ベーシックなシベリアとは違いますが、ものを大事にする、捨てるところなく食べる、といった関西の土地柄に由来するようでもあり、エコな菓子パンとも言えます。

巣鴨で人気のロールタイプのシベリア

東京都豊島区巣鴨にお店を構える「福寿庵」では、シベリアロールという名前のお菓子をメインに販売しています。ここの商品は、甘さ控えめなカステラ生地で、なめらかな口当たりのあんこをふんわりと包んでいます。カステラと餡を使うという点は、ベーシックなシベリアと同じですが、それをロールにしているという特徴があります。1本1500円で販売されています。

福寿餡では、シベリアが発祥して、子どもの人気ナンバー1といわれた頃に育ち、今は高齢となった人たちの多い巣鴨で、懐かしい味に親しんでもらえるようにと販売されています。珍しいのは、紅白のシベリアロールがあって、紅い方はいちご風味、白い方には練乳を混ぜて、通常のものとは両方ともことなる味わいを楽しめるようになっています。おめでたい紅白で、これもまたお祝いの席で喜ばれるものとして、人気があります。

シベリアの人気レシピを紹介!

アレンジレシピ!凍らせて食べるアイスシベリア

カステラにサンドされた羊羹の、基本的なシベリアのアレンジした食べ方として、凍らせるという方法があります。市販されているものを、冷凍庫で2時間ほど冷やすだけですが、アイスのようになって、ケーキのように食べられます。長時間凍らせすぎると、かたくなりますが、カチカチにはならないので、夏場のおやつにもおすすめです。冷凍庫から出して10~15分おいた方が、少しやわらかくなり、もっちりとした食感も楽しめます。

シベリアを凍らせて食べるものとは違いますが、シベリアアイス最中というものも、シベリアロールを販売している福寿庵では、販売しています。最中の中身がバニラアイスとあんこということで、シベリアのような組み合わせで、冷たいアイスで食べられるシベリア風なお菓子となっています。

自家製シベリア!ケーキの素で作るシベリア

シベリアを食べたくなっても、売っているお店が近くにない、すぐにおやつとして食べたい、という時には、シベリア風に手作りする方法もあります。パンケーキミックスを使って、カステラ生地の代わりを作り、羊羹部分は、つぶあんに粉寒天を加えて、羊羹に仕立てて作ります。材料は、パンケーキミックス100g、卵1個、牛乳100cc、つぶあん(加糖されているもの)80g、水180cc、粉寒天小さじ1です。

先ず生地の部分を作ります。ボウルに卵を割り入れてほぐし、そこに牛乳を加えて良く混ぜます。さらにパンケーキミックスを加えて混ぜて、フライパンで厚めになるように生地を流し入れて、焼きます。焼きあがったら、粗熱をとって、バットに半分を敷き詰めます。羊羹部分は、なべにつぶあんと、水を入れてよく混ぜてのばします。そこに粉寒天を加えて、なめらかになるように混ぜます。全体がなめらかに混ざったら弱火にかけます。

寒天が完全にとけるまで、鍋の中で餡をまぜるように練ります。パンケーキを並べたところに、やわらかな羊羹を流し入れて、上からもパンケーキをのせてサンドします。ラップを敷いて、お皿などの重石をのせて1~2時間ほどそのままにしておくと、羊羹がさめてきます。そうしたら、バットから取り出して、お好みのサイズにカットして完成です。バットにはオーブンシートを大き目に敷いておくと、取り出すときに簡単です。

手早く簡単にシベリアの雰囲気を味わうレシピ

パンケーキミックスなどを使って焼いたり、餡を練ったりする手間も惜しいという時には、食パンを使って、簡単にシベリア風な味わいを楽しむレシピもあります。食パンに、市販のあんこを塗ってサンドするだけという、手軽なものです。食パンにバターを塗っておくとあんことバターになり、ホイップクリームを塗ると、少しおしゃれなケーキ風なシベリアになります。サンドイッチのあんこバージョンといったものです。

シベリアに近づけるためには、食パンのかわりに、カステラ、あんこの代わりに、羊羹をスライスしたものをはさめば、ほぼシベリアになります。ただ、市販品のカステラも、羊羹も砂糖を多く使っているので、その組み合わせになると、かなりの甘味とカロリーになりますので、カステラを半分の厚さにしたり、羊羹も甘すぎないものをはさんだりと工夫してください。

本格的なシベリア作りに挑戦!

和菓子や洋菓子作りの経験があれば、本格的なシベリア作りにも挑戦してみてください。カステラ部分の材料は、卵4個、砂糖120g、強力粉110g、はちみつ40g、牛乳20g、みりん20g、サラダオイル10gです。羊羹部分の材料は、こしあん300g、水100cc、砂糖150g、水あめ10g、寒天3gです。これで18cm角の型のサイズのものが作れます。

寒天を40度くらいのお湯に2時間ほどつけておきます。型の内側の側面を少し水で濡らして、クッキングシートを貼り付けるように敷きます。この時には、側面にもシートが行きわたるようにします。耐熱容器に、はちみつ、牛乳、みりん、サラダオイルを入れて混ぜ、電子レンジで30秒ほど加熱して、よく混ぜ合わせて置きます。大きめのボウルに卵を割り入れて、砂糖を加えます。湯せんにかけながら、泡だて器で混ぜます。

泡立て器をハンドミキサーにかえて、角が立つくらいまで泡立てます。きめ細かなカステラにするために、低速にして、大きな気泡がなくなるまで混ぜ、そこにふるった強力粉の半量を入れて、ゴムベラで混ぜ合わせます。用意しておいた、牛乳、はちみつなどを混ぜたものを加えて混ぜ、残りのふるった強力粉を加えて混ぜます。生地の半量を型に流し入れて、机などに平らに落として、気泡をなくし、余熱したオーブンで焼きます。

オーブンは180度で15分焼き、竹串などを指して、生地がついてこなければ焼き上がりなので、型ごと一度平に落とします。水蒸気が外に逃げるので、焼きあがったカステラ生地が縮むのを防いでくれます。型からはずして冷まし、残りの半量も同じように焼きます。

鍋に水と寒天を入れて火にかけて、寒天を完全に溶かします。寒天がとけたら砂糖を加えて、砂糖も粒がなくなるまで、溶かします。そこにあんこを入れて弱火で、練るようにしながら混ぜ合わせます。とろみがついてきたら、火からおろして、水あめを加えよく混ぜます。水をはったボウルなどに、鍋底を当て混ぜながら冷まします。冷めたカステラ生地を敷いた型に、羊羹を流し入れて、表面を平らにならします。

上からもう1枚のカステラをのせて、ラップをして冷蔵庫で冷やし固めます。固まったら型から取り出し、カットします。縦に3等分、横に3等分した四角形を対角線で切るようにすると、食べやすい小さめサイズのシベリアの完成です。手間も時間もかかりますが、昔ながらの作り方で、発祥のころの味を再現できます。

クリームチーズ入りでアレンジしたシベリア

生地は市販のカステラを使い、羊羹部分は手作り、そこにクリームチーズをサンドしたおしゃれで、現代風なシベリアのレシピです。材料はカステラ5切れ、クリームチーズ100g、こしあん70g、水100cc、粉末寒天2gです。カステラは厚さを半分にして、半分をキッチンペーパーを敷いたタッパーや流しかんに敷き詰めます。その上に5mmくらいの厚さにしたクリームチーズを並べて、隙間がないようにスプーンでならします。

カステラ生地とクリームチーズを敷いた型は、ラップをして冷蔵庫にいれておきます。鍋に水をいれて粉寒天をふり入れて、火にかけます。沸騰したら3分ほど弱火でよくかき混ぜながら、煮溶かします。粉寒天が全てとけたら、火をとめてこしあんを加えて、加えてよく混ぜ合わせます。冷蔵庫からとりだした型に、餡をながしいれて、粗熱がとれて表面が固まりはじめたら、残りのカステラを上に敷き詰めます。

再度ラップをして冷蔵庫で1時間ほど冷やし固めたら、型から取り出してカットしてできあがりです。あんこの甘さに、チーズのほのかな酸味と塩味が合わさり、上品な味わいになります。おもてなしのお菓子としてもおすすめのレシピです。

シベリアを食べて昔ながらの味を楽しもう!

昔ながらのお菓子「シベリア」の、詳しい発祥とその名前の由来は分かりません。ですが、ふんわりとしたカステラ生地に、甘い羊羹をサンドしたシベリアは、大正時代には、贅沢なお菓子でもあり、子どもにも人気のおやつでもありました。今では、餡の種類が増えたり、サンドするだけでなくロールにしたりなど、アレンジされたものもありますが、素朴な甘さのシベリアを味わってください。

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