氷に塩をかけると温度が下がるのに溶けるのはなぜ?

水は熱すると水蒸気に、冷やすと氷になるのは誰でも知っていますが、その氷に塩をかけるとさらに冷えるのをご存知ですか?塩をかけると氷は溶けるとともに温度が下がります。氷に塩をかけると溶ける事と温度が下がる原理について紹介します。また、その原理は融雪剤など日常生活にも使われています。氷に塩をかけて温度が下がる原理を利用した家庭でのアイスクリームの作り方も紹介します。

氷に塩をかけると温度が下がるのに溶けるのはなぜ?のイメージ

目次

  1. 1氷に塩をかけてアイスクリーム作ってみよう
  2. 2氷に塩をかけると温度が下がるのに溶けるのはなぜ?
  3. 3氷に塩をかけて温度が下がるのを手作りアイスで実験しよう
  4. 4氷に塩をかけると温度が下がる!実験で確かめよう

氷に塩をかけてアイスクリーム作ってみよう

夏といえば、アイスクリームです。暑い日に冷凍庫で冷やしたアイスクリームを食べると幸せな気分になります。ソフトクリームが各地でブームになるなどアイスクリームは子供から大人まで愛されている夏の風物詩です。今では冬でもアイスクリームの売り上げが上がるほどになっており、夏に限らずアイスクリームを食べる人が増えています。そんな美味しいアイスクリームですが、作り方を知っていますか?

夏休みの自由研究などでアイスクリームを作る実験を行った経験を持っている人もいるのではないでしょうか?アイスクリームは氷と塩を冷却剤として使用して作ることができます。食塩水は凍らない事と、氷に塩をかけるとさらに氷の温度を下げることができることを実験した記憶があるかもしれませんが、その原理を利用して作るのがアイスクリームです。家庭で簡単に作ることができるのですが、意外と作り方は知られていません。

ジュースなどを凍らせると冷凍庫内でガチガチに凍ってしまいます。しかしアイスクリームは温度が低いのに、ガチガチにならずに溶けている状態です。この程よく溶ける状態を作るのが氷と塩の役目です。氷と塩を使ったアイスクリームの作り方を紹介します。作り方は簡単で原材料にアレンジを加えることでオリジナルのアイスクリームを作ることもできます。市販していない、自分だけのアイスクリームを作ってみませんか?

氷に塩をかけると温度が下がるのに溶けるのはなぜ?

氷が解けて水になる仕組み

水は日常生活の身の回りにある物質です。酸素原子と水素原子が結合してできています。水の分子はクラスター結合で構成されています。水は三種類の形で存在しています。普段目にしている液体の水、そして冷凍庫や冬に見る個体の形の氷、そして目には見えない気体の水蒸気です。この三種類の変化は周囲の温度によって決まります。1気圧の下であれば、摂氏0度以下で個体の氷になります。摂氏100度以上で気体の水蒸気に変化します。

水が液体で存在できる状態は水の分子がある程度自由に動きまわれる状態です。水が様々な形に変化できるのは水の分子が自由に動き回れるからなのです。一定の集合状態を保ちつつ自由に動き回るのが水が液体である状態です。しかし熱を加えると水分子は集団で存在することが困難になります。沸騰すると分子の集団は個々にバラバラになります。そして猛烈なスピードで空間を移動します。これが水蒸気である気体の状態です。

水蒸気は目に見えません。やかんを沸騰させると白い湯気が立ち上りますが、これは周囲によって冷やされて液体状態に戻った水です。その先にある目に見えない部分が水蒸気です。空に浮かぶ雲も水が液体状態で浮遊しているため気体ではありません。水蒸気は周囲の空気の中に混ざりこんでおり、無色透明です。一定量の空気の中にどの程度の水蒸気が含まれているかによって水蒸気圧が計算され温度と組み合わせられ湿度となります。

一方、摂氏0度以下になると水分子は熱エネルギーが奪われ、身動きがとりにくくなります。そして動きを止めて互いが結合し合うようになります。分子同士は隙間を維持したまま結合するため、氷は体積が大きくなります。水は他の物質とは異なり個体になると密度が大きくなる特殊な性質を持っています。温度が低くなればなるほど水分子は強固な結合をするため、頑丈な岩のような固さが氷には生じるのです。

氷の温度が上昇すると結合部分が徐々に和らぎます。そして氷の表面付近から水へと変化します。氷の結合を解除するためにはエネルギーが必要です。そのエネルギーが熱エネルギーです。温度上昇に伴う熱エネルギーが水同士の結合を解除し、水へと変化します。この熱を化学分野では融解熱と呼ばれています。周囲の熱エネルギーを取り込むことで氷周辺の気温を下げます。氷が溶ける時にひんやりするのはこのためです。

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氷に塩をかけるとなぜ温度はさがるのか?

氷が水に変化するとき融解熱の影響により周囲の温度を下げる働きをもたらします。氷に塩をかけると今度は塩が水に溶ける過程が生じます。つまり塩が水に溶ける時の融解熱を発生させます。そのため氷が水になるときに下がる温度と塩が水に溶ける際に下がる温度の相乗効果が働き、0度以下に温度が下がるのです。塩水を凍らせようと思って冷凍庫に入れても凍りません。塩をかけた氷はマイナス21.3度まで低下します。

氷に塩をかけると温度は下がるのになぜ氷は溶けるのか?

氷に塩をかけると少しずつ温度が下がっていきます。塩がない純粋な水の場合、摂氏0度で氷になり始めますが、塩をかけた場合、水は食塩水となるため氷になることができません。そして既に氷であったものは徐々に溶けていきます。つまり、温度が下がる一方で溶けずに氷は溶ける一方になります。さらに溶けるスピードも食塩水の占める割合が増えれば、その分速くなります。溶け始めると加速度的に溶けるのです。

塩で氷が解ける原理はこんなことで使われている!

塩で氷が溶ける原理は日常生活の様々な分野で用いられています。一つが融雪剤です。道路にまく融雪剤と凍結防止剤です。降雪地帯の寒冷地で利用されています。冬の道路は雪が降り積もりさらに自動車などによって踏み固められミラーバーンと呼ばれる鏡のような凍結路になります。転倒事故やスリップ事故の要因となります。そのため、塩で氷が溶ける原理を利用して氷点下の中でも凍結しない工夫がなされています。

融雪剤は主に塩化カルシウムが用いられており、特徴は即効性と耐久温度です。まいた直後から融雪機能を有し、さらにマイナス50度でもその効果を持続できます。そのため、ミラーバーンになっている路面や圧接路などにまくことが多くなっています。一方凍結防止剤は塩化ナトリウムで持続性があります。気温が下がり凍るかもしれない道路にまくことで高い効果を期待できます。しかし錆などの塩害という課題もあります。

簡易的なドライアイスの代用として利用することもできます。ドライアイスは二酸化炭素を凍らせたものでマイナス80度くらいの温度であるため、マイナス20度程度の塩と氷では冷却効果は小さいのですが、アイスクリームのちょっとした保存やビールなどドリンクを冷やすには最適です。ただし早々と溶けることを考慮しなければなりません。クーラーボックスで利用すると効果は高いのですが持続性がないためおすすめできません。

氷に塩をかけて温度が下がるのを手作りアイスで実験しよう

用意する材料

氷に塩をかけると温度が下がるという実験はぜひ厚い夏の日に、涼しくなれる実験でもあります。普通の家庭に一般的に置いてあるもので実験できます。そして今回は塩を氷にかけると温度が下がる原理を利用してアイスクリーム作りの実験を行います。理科の実験とともに、終了後は美味しいアイスクリームが待っています。子供が喜びそうな実験です。夏休みの自由研究にアイスクリーム作りはいかがですか?

用意する材料は、まずアイスクリームの原材料となる牛乳、生クリーム、砂糖です。一般的なミルクアイスの作り方です。バニラエッセンスを加えればバニラアイスクリーム、イチゴシロップを使えば、ストロベリーアイスクリームのようにバリエーションが豊かで材料だけでお好みのアイスクリームを作ることができます。アイスクリームを作るための道具として塩、氷、計量カップ、フリーザーバッグ、ハンドタオルか軍手を準備します。

手作りアイスを作る道具として金属製のボウルなどを使う場合もあります。もちろん金属製のボウルでもおいしいアイスクリームは作れますが、冷凍庫で冷やしておかなければなりません。金属製のボウルを冷やすスペースの確保と、使うときに冷たくて扱いにくいなどの欠点があります。ジップロックなどのフリーザーバッグを使うと簡単で洗い物も軽減できます。フリーザーバッグを使った方法を紹介します。

氷のみではアイスは固まらない!

アイスクリーム作りは常温の環境下で実験できます。氷と塩があれば、最大氷点下21度まで冷やすことができるためです。氷の温度は0度です。そのため冷やすための温度としては不十分です。当然、氷だけではアイスクリームを固まらせることはできません。必ず氷に塩を加えて氷を溶かしつつ温度を下げることがアイスクリーム作りのポイントになります。氷1キログラムに対して塩300グラム程度の割合が理想です。

アイスクリームの作り方

まずアイスの原材料をミックスします。牛乳100ミリリットルと生クリーム100ミリリットルを合わせます。生クリームはとても日持ちしない食品です。そのためアイスクリーム作りで使い切ってしまうことが大事です。100ミリリットルでは足りなかったり余ってしまう場合には、比率で計算して生クリームの分量と合わせると生クリームを無駄にせずに済みます。生クリーム100ミリリットルでフリーザーバック1袋が目安です。

砂糖は30グラム用意します。上砂糖でもグラニュー糖でも構いません。アイスクリームのコクや滑らかさを左右するのが砂糖です。いろいろな砂糖を使ってお好みのアイスクリーム作りをするのも面白い方法です。牛乳と生クリームと砂糖が混ざったところで原材料をフリーザーバッグの中に入れます。空気をできる限り抜くようにしてチャックをします。そしてもう一度均等になるように混ぜ合わせます。

アイスクリームが出来上がったときに砂糖が偏っていると甘さが不均等になってしまいます。均一にするようにするのがポイントです。原材料は混ぜ合わせやすい材料ですのでミキサーなど機械を利用して混ぜる必要はありません。手で揉むように混ぜれば均一になります。いよいよアイスクリーム作りの本番である冷やす工程です。原材料を入れたフリーザーバッグの一回り大きいサイズのフリーザーバッグを用意します。

大きいフリーザーバッグの中にまんべんなく氷を敷き詰めます。氷の約1/3の重さの塩を入れます。結構多い量かと感じるかもしれませんが、惜しみなく塩をかけるのがポイントです。氷に塩をかけると融雪剤のようにみるみるうちに氷が溶けるのです。そしてこれと同時に温度も低下していきます。そのため、ここからの作業はスピードが大事です。大きめのフリーザーバッグの中にアイスクリームのフリーザーバッグを入れます。

袋が氷の中に完全に覆われるようにします。冷えるのを均一にするためです。凝固点降下により氷はどんどん溶けていきますが、フリーザーバッグの温度は低下していきます。氷の袋は氷点下20度近くまで下がるため素手で持つのは危険です。凍傷になりかねません。軍手かタオルを利用してつかむようにするのがポイントです。このまま10分程度待ち続けるのですが、均一に冷やすためにたまに袋を振ってあげるのがコツです。

振ったからといって温度が上昇する訳ではありませんので、強めに振ってあげると均一になります。時間が経過すれば、アイスクリームの部分が固まり周囲の氷が食塩水になるため、持つ感覚が変わります。10分程度経過すると周囲の氷はほとんど溶けてしまいます。そして中のフリーザーバッグにはクリーム状に固まったミルクアイスクリームが完成しています。形はいびつですが、立派なアイスクリームの完成です。

スーパーやコンビニなどで販売しているアイスクリームは日持ちさせたりする都合上、添加剤や香料なども含まれています。家庭で作るアイスは無添加の出来立てです。そのまま食べれば、スマートでおいしいアイスクリームになっているはずです。固まるのが足りないと感じたら、もう一度氷のバッグに入れて冷やすと固まります。塩が多ければその分冷えやすくなるため、塩を多めに入れるのがポイントです。

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アイスクリームの美味しい食べ方アレンジ

材料の準備から完成まで所要する時間は約15分です。しかも手間暇かけずに簡単にできてしまう手作りアイスクリームです。アイスクリームメーカーなど家庭でアイスクリームを作れる玩具なども販売されていますが、それを使うより簡単にできてしまいます。冷凍庫に買い置きのアイスクリームがなくても家庭で作ってしまえば、いつでも美味しいアイスクリームを味わうことができます。

アイスクリームの作成する工程は基本的に同じです。あとは原材料でアレンジすることができます。バリエーションはご当地アイスクリームのように無限大です。好きな具材を入れてオリジナルのアイスクリームを作ることができます。家庭で作るアイスクリームの原材料にバニラエッセンスを入れると、おなじみのバニラアイスクリームになります。バニラアイスクリームの食べ方のアレンジ方法を紹介します。

まずは定番の板チョコです。板チョコを砕いてバニラアイスクリームにかけるとチョコチップアイスになります。カロリーが高めなのでダイエット中の人は要注意の食べ方アレンジです。次にオリーブオイルをかけるアレンジ方法です。エクストラバージンオイルは香りも豊かでバニラアイスにかけると有名パティシエが作るようなアイスクリームに変身します。オリーブオイルをかけるだけで大変身します。ぜひお試しください。

意外と合うのがしょうゆです。バニラアイスの甘みとしょうゆのしょっぱさが絶妙なバランスを醸し出す一品になります。和食の食後のデザートとして食べるのがさらに効果的です。ごま油をかけるとさつまいものような風味を味わうことができます。口当たりも滑らかで病みつきになる美味しさです。最近見かけるようになっったのがきなこです。きな粉をかけるとお菓子のような味わいを楽しむことができます。

黒蜜をバニラアイスクリームにかけるとオシャレな味になります。カフェで提供されているようなアイスクリームを実現できます。ヨーグルトもおすすめです。バニラアイスには甘みがあるためプレーンヨーグルトでも甘さは十分です。ヨーグルトを乗せても、少しアイスを溶かして混ぜ合わせてもおいしくいただけます。キャラメルソースもおすすめです。コクが強い香ばしい甘みを体験できます。

さらに黒胡椒もバニラアイスとの相性は抜群です。辛みが甘さを引き締めて斬新な味を楽しむことができます。辛みは冷たさよりも上位にきます。そのため辛さをほとんど感じることはありません。口の中でピリッとする程度がちょうどよい分量です。同じ原理で七味や一味唐辛子も合います。辛い物付きの人はぜひお試しください。山椒をかけると風味が異なります。山椒は清涼感を持っているため、バニラアイスが一層おいしく感じます。

クッキー系のお菓子とも合います。お菓子にバニラアイスを乗せても、お菓子を砕いてバニラアイスにかけてもどちらでもおいしくいただけます。インスタントコーヒーをそのままかける方法もあります。コーヒーの種類を変えれば、バニラアイスの味も変わります。大人のアイスクリームが瞬時に出来上がります。さらに大人のアイスクリームを味わいたいのであれ、リキュールや梅酒もおすすめです。見た目もきれいです。

ブランデーや赤ワインをバニラアイスにかけるのもおすすめです。アイスクリームが大人の夜の贅沢に大変身します。バニラアイスクリームと相性が良い食品はたくさんあります。まだ試したことのない組み合わせがあればぜひチャレンジしてみてください。また、組み合わせる時には出来立ての純粋なバニラアイスがおすすめです。まさに家庭で塩と氷を用いて作ったバニラアイスクリームが最適なのです。

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氷に塩をかけると温度が下がる!実験で確かめよう

夏休みの自由研究で実施したことがある人もない人も、身近にある氷に塩をかけると温度が下がることを実験してみましょう。用意するのは氷と塩とそれを入れる器です。マイナス20度程度なので、手で触ってもドライアイスのように重症になることはありませんが、氷が手にくっつくなど厄介な弊害もあるため軍手やタオルなどを準備しておくことをおすすめします。また実験に使用する器も冷凍庫で冷やしておくことが必要です。

実験方法は簡単です。少しの水を入れた容器の中に氷をたっぷり入れます。そして中心に温度計を指しておきます。摂氏0度近くになっていれば、適切な氷の温度です。そしてこれに塩をかけます。どんどん氷が溶けていくのが目に見えるように分かります。それと同時に温度計のメモリが氷点下に下がっていきます。実験がうまくいけばマイナス20度近くまで下がるのを実験で観測できます。

実験はいくつかのパターンで行い違いを観察するとなお面白くなります。塩を少しずつ振りかけた場合や一気に大量の塩を振りかけた場合の違いを見ると溶けるスピードが異なります。また周囲の気温を変えてみるのも実験として面白い内容です。炎天下の中で行うのと、冷凍庫の中で行う場合の違いを見ることも方法です。さらに、塩の粒子の違いで実験することもできます。粗い粒子と細かい粒子の違いです。

氷点下20度より冷やしたい場合には、融雪剤につかわれる塩化カルシウムを用いると最大で氷点下50度くらいまで下げることも可能です。もちろんこの場合危険を伴いますので、しっかりと安全対策を施して実験を行う必要があります。塩は氷の温度を下げますが、他の粒子の場合でも実験してみるのも方法です。例えば砂糖やこしょう、小麦粉、重曹、片栗粉など家庭にある粉末状の調味料を利用する実験です。塩との違いをみます。

氷に塩をかけて氷が溶け、それと同時に温度が下がる実験は、見ているだけでも面白いものです。簡単なからくりですが、実際に実験してみると感動できる実験内容です。思い立ったらすぐにできるため、夏休みの自由研究の題材に困っているのであれば、この実験がおすすめです。簡単であるにも関わらず奥が深い、実に興味深い実験であるため、大人も夢中になってしまうこと間違いありません。一度試してみませんか?

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