ホンビノス貝の砂抜きはお湯で時短!スーパーで買ったのはどうする?

「白ハマグリ」「大アサリ」とも呼ばれるホンビノス貝。ハマグリやアサリ、シメジなどの他の貝類と同様、美味な貝としてホンビノス貝の流通量は増えています。そんな美味しいホンビノス貝ですが、砂抜きや塩抜きなど、面倒な準備作業をこなさなければ調理ができません。そんなとき、それらの作業を手早く済ませる方法を知っていたら、役に立つこと間違いありません。ここでは美味しいホンビノス貝をできるだけ時間をかけず砂抜きする方法をメインに紹介したいと思います。

ホンビノス貝の砂抜きはお湯で時短!スーパーで買ったのはどうする?のイメージ

目次

  1. 1ホンビノス貝についての簡単な紹介
  2. 2貝を食べる上での注意点
  3. 3貝の砂抜きについて
  4. 4塩抜きも重要
  5. 5ホンビノス貝の砂抜きはどうなるのか?
  6. 6ホンビノス貝の砂抜きにかかる時間と時短で済ませる方法!
  7. 750度ぐらいのお湯を使うことで素材がふっくらする!
  8. 8お湯を使った「砂抜きスーパー時短ワザ」の具体的な要領
  9. 9ホンビノス貝の塩抜きも忘れずに!
  10. 10余談!ホンビノス貝の中腸線の切除の仕方について
  11. 11砂抜きのスーパー時短ワザでホンビノス貝をもっと身近に!

ホンビノス貝についての簡単な紹介

現在では日本で盛んに食用にされている外来種であるホンビノス貝

ホンビノス貝は元々日本にいた貝ではなく、本来の生息域はアメリカの西海岸です。それがやがて船に紛れて来日し、1990年代あたりから一般家庭の食卓に上がるようになりました。よって日本における食用の歴史は浅いです。しかし東京湾や大阪湾を中心にその生息域が広がり、今では日本に昔からいた貝と同様、頻繁に食されるまでになっています。漢字で書くと「本美之主貝」となり、ローマ神話の美の女神ウェヌス神に由来します。

「ハマグリ」や「アサリ」と似ている部分と違う部分

ホンビノス貝の形状は日本在来の貝であるハマグリやアサリと基本的には似ています。ただホンビノス貝の場合は、殻の頂点の曲がりがやや大きく、微妙に左右対称ではなく、他の貝よりも綺麗な丸みを帯び、殻はやや分厚く、味はハマグリとアサリの中間のような旨味と甘みでシャキッと存在感があります。最大で10cmぐらいになることがあり、英名では成長段階において名前が変わっていく“出世魚”ならぬ「出世貝」となっています。

近くのスーパーで売っていない場合は通販でも購入可!

ホンビノス貝が流通しているのは主に首都圏です。そのため関東地方以外の場所では、近くのスーパーや鮮魚店などでホンビノス貝を売っているのを目にしないことが多いでしょう。そういう場合は通信販売を活用すると良いです。値段は様々ですが、手頃な値段で手に入れることもできます。大手の通販サイトだけでなく、水産会社のホームページから直送で注文することもできますので、インターネットで色々と検索してみましょう。

貝を食べる上での注意点

貝は例外をのぞいて生食厳禁!ホンビノス貝も生食ダメ

本題に入る前に、貝は基本的には生食厳禁です。生だと食中毒を起こす危険が高く、命にかかわるケースもあります。昨今、集団食中毒の原因で有名になったノロウイルスは、貝の中にも含まれていることがあります。寿司ネタとして提供される貝や、“海のミルク”と呼ばれ「市販」されている生食用の牡蠣などを除き、生で食べることはできません。お湯で熱処理(ボイル)が必要です。ホンビノス貝も同様であり、厳重に注意しましょう。

熱処理しても毒性が消えない「貝毒」

熱してウイルスや細菌などを殺せても、「貝毒」と呼ばれるものは消せません。これは毒性プランクトンを貝が食べて濃縮したもので、人体に入ると下痢や麻痺、死の危険などがあります。海が温かい時期、3月から11月期にプランクトンが多く発生します。この毒は黒く透き通った「中腸腺」という部分にあり、潮干狩りで獲った貝には特に大きな危険があります。市販のホンビノス貝を調理する際も、念のため切除しておくと安全です。

貝の砂抜きについて

「砂抜き」とは何?

最近では貝を食べる習慣がない人も増えていて、その理由には先ほどのウイルスや貝毒などに加え、この「砂抜き」の作業が面倒だからというのがあるかも知れません。貝はご存知の通り海底や浜辺などに生息し、藻類や海藻、プランクトンなどを食べています。その際どうしても貝の体内に砂が入ってしまい、それを人間が食べると口の中がジャリジャリして非常に不味くなります。したがって「砂抜き」という準備作業が必要となるのです。

「砂抜き」の具体的作業

まず死んでいる貝と生きている貝を選別し、生きている貝だけを流水で丁寧に洗いましょう。そして底が広めのバケツの中に、20度位の水を貝の頭が出る程度に浅く注ぎ、その中に塩分濃度が3%位になるように塩を入れてきちんと溶かします。そして洗浄済みの貝を入れフタをして暗くし、冷暗所にて5~8時間ほど放置しましょう。砂を吐いていることを確認し、バケツから貝を取り出して、綺麗な水で洗い流せば砂抜き作業は終了です。

塩抜きも重要

砂抜きのあとに実行する準備作業が「塩抜き」です。貝は海水も一緒に吸って味がしょっぱくなっているため、海水を吐かせて塩分を薄める必要があるのです。塩抜きは砂抜きほど手間がかかりません。砂抜きをしたあとザルに貝を入れ、その下に新聞紙を敷き、1時間から3時間ほど放置して、最後に流水で綺麗にするだけです。砂抜きと塩抜きを合わせると最長で半日程度もかかってしまいますが、美味しく食べるには仕方ありません。

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ホンビノス貝の砂抜きはどうなるのか?

ホンビノス貝の場合は泥を抜くという意味での「砂抜き」が必要

ホンビノス貝の生息地は沼地で泥の中です。そのため泥が多く体内に残り、モヤモヤしたような感じになっています。砂を噛むような感触はありませんが、ホンビノス貝の体液と泥が混ざり合ったものが含まれていますので、潮干狩りで獲ったホンビノス貝は必ず砂抜きをしましょう。そうすることで口の中で違和感や臭みがなくなり、美味しさが増し、満足感が大幅にアップします。砂抜きは美味しい貝を美味しく食べるのに必須です。

スーパーで買ったホンビノス貝も念のため砂抜きすると安心!

スーパーで売られているホンビノス貝は砂抜きが不必要といわれています。それどころか塩抜きすらも必要ないとされます。それは先ほど説明したように砂が入っていないのと、水揚げの後パックしているため塩抜きも終わっているからというのが理由です。判断は消費者に任されますが、ここではそれでも念のため砂抜きや塩抜きをすることをオススメします。そうすることでより美味しく、より安全・安心に食べることができるからです。

ホンビノス貝の砂抜きにかかる時間と時短で済ませる方法!

砂抜き時間は他の貝類より短い

ホンビノス貝は砂というより泥なので、他の貝類と違い砂抜きにそれほどの時間をかける必要がありません。潮干狩りでとってきたホンビノス貝は4時間ほど、スーパーで購入したホンビノス貝は1時間から3時間ほどの砂抜きを行えばOKです。塩抜きは潮干狩りのホンビノス貝で3時間、スーパーのホンビノス貝で1時間程度になります。最長ケースでも7時間以内に終わらせることができますので、他の貝類より時間が短いことが分かります。

砂抜きをさらに時短で済ませる方法は「お湯」を使う

他の貝類と比べて砂抜きにかかる時間が少ないホンビノス貝ですが、さらに時短にする方法として「お湯」を使うというのがあります。お湯といって「50度位のぬるま湯」のことで、このお湯にホンビノス貝を浸ければ大幅に時間を短縮して砂抜きを完了させることができるのです。後で説明しますが、スーパー時短といってもいいぐらいの短縮ぶりです。どれぐらい短縮できるかを知れば、お湯に浸ける方法を使わない手はないです。

50度位のお湯を使うと時短で砂抜きできるのは何故?

50度位のお湯を使うことで、砂抜きが大幅な時短できるようになる理由は明確にはよく分かっていない部分もあるようです。しかしだいたいの見当は付いていて、それはお湯に浸けることでホンビノス貝がヒートショックを受け、防衛反応で水分を大量に吸収、それに伴い中身が殻の外に出てくると考えられています。そして身が外に出たら泥や体液の一部も一緒に出やすくなるということです。砂抜きの時短以外にも良い効果があります。

50度ぐらいのお湯を使うことで素材がふっくらする!

50度のお湯を使うというのは、野菜や果物、肉や刺身の調理の際にも使われる裏ワザです。鮮度や甘みの増加、脂分に酸化物や臭みの除去など優れた効果があるといわれています。お湯で洗ったものを冷蔵保存すれば、鮮度が維持できる期間も長くなるようです。ホンビノス貝の場合は砂抜きの時短効果の他、肉質がふっくら柔らかになり、食感が増すという効果も期待できるようになるのです。時短だけでなく、一石二鳥の効果です。

お湯を使った「砂抜きスーパー時短ワザ」の具体的な要領

忘れてはいけない!始めは流水でホンビノス貝を丁寧に洗う!

ホンビノス貝の表面はザラザラしているため、手を守るのに手袋を装着します。流水の前でも途中でも良いので、死んだ貝と生きている貝を選別します。死貝は軽いので気付くはずです。そして一つ一つを丁寧に洗い、表面に付着した雑菌を除去しましょう。雑菌には食中毒の原因となるものも含まれていますので、きちんと洗い落とします。そしてこの作業は菌をまき散らさないよう、台所で行わないことが重要なポイントになります。

次に50度ぐらいのお湯を作ろう!

厳密に50度でなくてはならないというわけではありません。あくまで50度前後の温度で構いません。あまり熱過ぎるとホンビノス貝が死んでしまうこと、低過ぎると効果がなくなることにだけ注意します。温度計がある場合は数値が50度を示すまで火を加えましょう。温度計がない場合は沸騰した熱湯と同じ量の冷水を混ぜることで、だいたい50度になっています。たくさんの量を作る必要はなく、貝が余裕でスッポリ入る量でOKです。

塩は入れずお湯に30分から1時間ぐらいホンビノス貝を浸す!

お湯で砂抜きする場合、塩を入れる必要はありません。ヒートショック効果で砂抜きができますし、短時間お湯に浸すだけなので死ぬことはないからです。だから3%ぐらいの塩水にするなんて全く考える必要ありません。そして砂抜きにかかる時間は具体的に30分から1時間程度です。そういう手間要らずでできるところ、時間を想像以上に短縮できるところを考えると、まさに「スーパーな時短ワザ」だということが分かるでしょう。

お湯に浸けている間は殻がこすれるように混ぜる

お湯に浸けている間はホンビノス貝の殻をこすり合わせて優しく混ぜましょう。その殻と殻がこすれる振動で中に入っている体液や泥などが出やすくなります。ずっとかき回す必要はなく、あくまで少しの間かき回すだけで十分です。こすり付けた後は、5分から15分ほど放置すれば、次第に黒っぽい汚れが出ていることを確認できるでしょう。激しくかき回すとホンビノス貝が驚いたり殻がかけたりしますので、その点は注意しましょう。

お湯が汚れた場合は新しく綺麗なお湯と入れ替える

スーパーや鮮魚店などで買ったホンビノス貝は、それほどたくさんの砂を吐くことはないでしょう。しかし潮干狩りで手に入れたホンビノス貝の場合、汚れが目立つ場合もあります。殻がこすれるようかき混ぜてからすぐ汚れがたくさん出るようなら、また新たに作った50度前後の綺麗なお湯と交換しましょう。そしてもう一度かき混ぜればOKです。これでほとんどの汚れが外に出て、調理したあとの食感や味わいが増すでしょう。

ホンビノス貝の塩抜きも忘れずに!

ホンビノス貝の塩抜きも1時間から3時間

他の貝類と比べて砂抜きにかかる時間が少ないといわれるホンビノス貝も、塩抜きには1時間から3時間かける必要があります。貝である以上、海水をふんだんに吸っていますので、塩抜きしないとしょっぱくて食べにくくなってしまいます。潮干狩りで採取したホンビノス貝は約3時間、スーパーや鮮魚店などで購入したホンビノス貝なら約1時間を目安に放置して、塩を吐かせるとよいでしょう。これで十分に塩辛くなくなります。

塩抜きの最後は再び流水で洗って下処理終了

ホンビノス貝に限らず貝類を調理する前の準備作業、つまり下処理作業の始めと最後は、「流水洗浄に始まり流水洗浄で終わる」と覚えておいて間違いありません。雑菌を念入りに落とすことで、食中毒の危険を可能な限り少なくするためです。そして菌が飛び散らないよう台所以外の場所で行いましょう。くどいようですが、これらを徹底することで食中毒をなくせます。もし台所で洗浄した場合は台所を綺麗に洗って除菌・減菌しましょう。

塩抜きで旨味成分「コハク酸」が醸成されるかも!?

アサリ貝は砂抜き後に塩抜きするとき、濡らして絞ったタオルをアサリの上にかぶせ常温にて3時間ぐらい放置しておくと、コハク酸といわれる旨味成分が作られるといわれています。これと同様の処置をホンビノス貝の塩抜き時にもすることで、美味しいコハク酸が醸成される可能性があります。試しにやってみるといいかも知れません。放置時間はもちろんホンビノス貝に合わせ、潮干狩り採取で3時間、スーパー購入で1時間です。

余談!ホンビノス貝の中腸線の切除の仕方について

潮干狩りで採ったホンビノス貝は貝毒が危険

始めの方でも軽く触れましたが、貝には貝毒というものがあり、これは毒性のあるプランクトンを貝が摂取したことで、貝の消化器官にあたる「中腸腺」という部分に毒が溜まり危険だというものです。これは特に潮干狩りで採取した貝にその危険が強くあり、それはホンビノス貝も同様です。貝毒の危険がある時期には警告情報が流されるようですが、危険がない時期でも潮干狩りで採取したホンビノス貝には貝毒があると認識しましょう。

中腸腺切除の具体的な要領

調理時に湯がくとホンビノス貝が死にます。そうすると貝殻が少し開きますので、そのとき熱湯から取り出して冷水をかけ、貝柱をナイフで切って中身を外に出します。そうすると黒い色をした透き通った部分があり、そこをナイフで半開きするかのように切りこみを入れ、黒い部分をこそぎ取りましょう。その際は黒いのを残すことなく、丁寧に除去するのがポイントです。そんなに難しい作業ではありませんので、安心して挑戦しましょう。

市販のホンビノス貝は個々人の判断で

これも始めの方で軽く触れましたが、市販されているホンビノス貝には貝毒の危険はそれほどありません。ここでは「念のため」に切除することをオススメしていますが、それほど気にする必要はないともいえます。なぜなら漁場や市場などにおいて検査した上で、「安全」だと認められたものだけを流通する体制が日本では整えられているからです。ですから最終的には個々人の判断に委ねられます。できれば切除するとよいでしょう。

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砂抜きのスーパー時短ワザでホンビノス貝をもっと身近に!

「貝類の調理は面倒だ!」と敬遠していた人は、下処理のスーパー時短ワザを習得すれば、「貝を食べたい!」と思えるのではないでしょうか。ホンビノス貝をはじめ、貝類は旨味があってとても美味しいです。あとは調理の仕方を知るだけで美味しく食べることができます。その豊富な旨味は出し汁にも使われるほどです。砂抜きの時短ワザの次には調理法をマスターして、ホンビノス貝をもっと身近に感じ、心ゆくまで堪能してください!

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