日本酒の飲み方を初心者向けに解説!盛りこぼしや升酒のマナーとは?
日本酒の飲み方を知っていますか?最近流行りの日本酒ですが、やはり年配の方々が飲まれているイメージが強いものです。冷やして飲んだり温めて飲んだりと様々な飲み方が出来る日本酒は、グラスを使ったり升を使ったりと酒器もマナーも分からない事ばかりです。少しハードルが高いと思われがちですが、一度覚えると日本酒の美味しさと深みにはまっていきます。そんな美味しい日本酒の飲み方について初心者向けに解説していきます。
目次
日本酒ってどんなお酒?
一昔前までは、若者からの人気があまり無かった日本酒ですが、最近では若者から女性、年配の方まで様々な人たちに飲まれるようになった日本酒です。初心者の方は、お酒の種類や飲み方も多いので慣れるまで時間がかかるお酒です。
日本酒は、米と麹と水から作られるお酒で、昔からの日本独特の作り方をしている、醸造酒に分類されるお酒です。一般的なアルコール度数としては15度前後ですが、最近では6~8度ぐらいの低いアルコール度数でつくられた飲みやすい日本酒もあります。また、発砲日本酒と呼ばれる、5度ぐらいのアルコール度数で、炭酸のような泡を感じられる日本酒もあります。
日本酒は法律上22度以下と定められていますが、様々なアルコール度数の日本酒があるので飲み方も様々です。初心者はアルコール度数の低い日本酒が飲みやすいです。
日本酒の種類
日本酒の種類は非常に多くて、製造方法や原料によって分けられています。まずは、純米酒と醸造酒に大きく分けられます。純米酒とは原料に米、麹、水だけを使って作られたお酒でお米の香りも感じられ、日本酒本来の味が楽しめます。初心者には少し強いお酒として感じるかもしれません。燗にして飲む飲み方が美味しい種類の日本酒です。
醸造酒は米、麹、水に醸造アルコールを加えて作られた日本酒です。醸造アルコールの分量も10パーセント未満と決められていてるので日本酒の初心者には味の違いが分かりづらいかもしれませんが、米と麹だけの味や香りだけでなく醸造アルコールを加えることにより香りを引き立てたり飲み口をまろやかにしているお酒が多いです。日本酒に丸みが出て、香りも広がるので初心者にも飲みやすいお酒です。
純米酒の中にも純米大吟醸、純米吟醸、特別純米、純米と種類が分かれています。それぞれの違いは原料とするお米をどれだけ精米して磨いたかによって変わってきます。お米を削った割合が大きければ、原料となるお米の割合が減るのでより磨かれた味になり、値段も高くなります。
例えば、純米大吟醸は精米歩合が50パーセント以下と決められています。これは、お米の半分を削り磨いて、繊細な良いところだけで日本酒を作っているという事になります。そのため、手間がかかりるので値段も高くなってきます。それぞれ、純米吟醸は精米歩合60パーセント以下、特別純米は60パーセント以下もしくは特別な製法で作られているなど名称により精米歩合が決まっています。
醸造酒も大吟醸、吟醸、特別本醸造、本醸造と米の精米歩合によって名称が決められています。醸造アルコールの添加具合によって名称が変わるわけではなく、コメの精米の割合によって変わります。まずは日本酒初心者の人は、これだけでも知っておくと日本酒に対する見方が変わり、飲み方もわかるようになってくるので覚えておいてください。
日本酒の飲み方のマナー
お酒は楽しくリラックスして飲むものなので、マナーも特に考えずに飲みたいものです。それほど、厳しいマナーもないですが、知っていると日本酒がもっと美味しくなるマナーを紹介します。日本酒は日本特有のお酒であることから、日本酒を飲み交わすという事に大きな意味がある時もあります。
特に、ぐい飲みや、お猪口でお酒を注ぎあいながら飲むときは、注いでもらう時にぐい飲みやお猪口を机の上に置いたままではマナー違反です。お酒を注いでもらう時はぐい飲みやお猪口を手で持ち上げて注いでもらうようにしましょう。目上の方からいただく時には両手を添えておくことをおすすめします。また、注いでもらった後は、そのまま机にぐい飲みやお猪口を置かずに一口飲んでから机に置く方が良いマナーです。
日本酒の製造が盛んな地域では、特有のルールがある場合もあります。注いでもらった時は、必ずご返杯をするとか、机に置く前に飲み干してしまう事がルールのような地域もあります。飲みすぎてしまう可能性もあるので、無理してマナーを守る必要もないですが、地域の飲み方を聞いたり体験する事も面白いかもしれません。
日本酒の美味しい飲み方:冷や
日本酒の種類もたくさんありますが、飲み方も様々です。まず、冷やという飲み方があります。冷蔵庫でキリっと冷えた日本酒を思い浮かべる方もいるかもしれませんが、この冷やという飲み方は常温の事です。日本酒は昔は燗にして温めて飲む飲み方が主流だったので、温かくない日本酒を逆の意味で冷やと呼ばれていました。
冷蔵庫で冷やして飲む飲み方が流行りなので、今ではあまり使われない言葉といえます。居酒屋などで日本酒を冷やで注文すると、冷たく冷やされた冷酒が出てくるかもしれません。冷やで飲むと、お酒の香りが程よく立ち、甘みを感じられるのでおすすめの飲み方です。
日本酒の美味しい飲み方:冷酒
冷酒は初心者にも飲みやすい飲み方ですが、お酒の中でもアルコール度数が高めの日本酒が、スルスルとのどを通って行くので飲みすぎに注意が必要な飲み方です。冷酒は純米酒がおすすめで、冷たくてのど越しが良く、さっぱりとした香りも美味しさを引き立てます。涼しげなグラスや、ガラス製の徳利とお猪口などに入れると美味しさが格別です。
日本酒の美味しい飲み方:燗
冬になると特に年配の方々がお酒を燗にして飲みながら温まっています。燗は旨味のある醸造酒が美味しいです。熱燗という言い方が馴染みがあるかもしれませんが、実は熱燗とは温度を高めに温めた日本酒をさします。
燗にも種類があり、温度が低めの人肌燗や、45度前後をさす上燗、また、55度以上の非常に高めの温度のお酒をさす、とびきり熱燗などがあります。燗の種類があるのは、飲む人の好みにもよりますが、お酒の種類によって低めの温度が美味しかったり、高めの温度が美味しかったりと香りが立ち、飲みやすくなる温度が違う為です。初心者の人は豆知識として覚えておくと良いかもしれません。
酒器による日本酒の飲み方の違い:グラス
冷や酒や冷酒はグラスで飲むと爽やかさがあり、見た目も美味しそうです。グラスの形によって、香りが広がったり、口触りによる味の違いがあるので面白い酒器です。グラスの中には、飲み口が細くなっているものもあり、香りが味の邪魔をしないようになっています。
一番使いやすい酒器で、種類が豊富なのでいろんなグラスを試してみると同じ日本酒を飲んでも違った楽しみ方が出来るかもしれません。
酒器による日本酒の飲み方の違い:升
升は、一般家庭ではなかなか無いと思いますが、祝い事などに使われる酒器です。元々は、米を図るための道具だったために升いっぱいにお酒を入れるとちょうど一合分の日本酒が入ります。飲み屋などで日本酒を頼むと升で出てくることがあり、その升の中にグラスが入っていて、そのグラスにこぼれるまで日本酒を入れて、下の升で受け止める飲み方があります。
これが、盛りこぼしと言われる注ぎ方です。盛りこぼしは盛り切りやもっきりとも呼ばれる豪快な注ぎ方で、注ぐ人の溢れるほどいっぱい飲んで欲しいという心意気を表した注ぎ方です。盛りこぼしで注がれる日本酒は、見ているだけで爽快感があります。盛りこぼしで升いっぱいまで注いでくれると本当にうれしくなります。
盛りこぼしで注がれた日本酒は、グラスの表面までいっぱいになっているのでグラスを持ち上げて飲むわけにはいきません。盛りこぼしの飲み方のマナーは決まっているわけでは無いですが、グラスを持ち上げずに口を近づけて一滴もこぼさないように飲むのが、盛りこぼしで注いでくれた人への感謝の表現です。
その後、グラスを動かせるようになったらグラスを持ち上げて飲み、升に残った日本酒はグラスに移し替えて飲む飲み方が一般的です。しかし、マナーが決まっているわけでは無いので、そのまま升に口を付けて飲んでも問題ありませんし、木の升であれば木の香りを楽しむことも出来ます。
酒器による日本酒の飲み方の違い:お猪口
徳利とお猪口で飲む日本酒が雰囲気も良く、日本酒らしさを堪能できます。冷や酒や冷酒を飲むときにも、燗で飲むときも使われますが、お猪口が小さい理由としては、江戸時代に清酒が主流になって、今まで飲んでいたどぶろくよりもアルコール度数があがり、少しづつ飲むようになったからです。
お猪口で飲むと一口に集中して日本酒を飲むので味わいが違います。小さい器で種類もいろいろあり、女性にも好まれる可愛らしいお猪口もたくさんあります。仲間同士でお猪口に注ぎあいながら日本酒を楽しむのも良いです。
日本酒の飲み方を楽しもう!
日本酒の飲み方、盛りこぼしや升酒について紹介してきました。初心者の人は、お酒の種類の多さだけでなく飲み方の多さにも驚かれるかもしれませんが、いろんな日本酒や飲み方で日本酒を楽しんでみてください。