葛湯の効果効能がすごい!簡単な作り方と芯から温まるアレンジメニュー紹介
皆さん、葛湯をどんな時に飲みますか?そもそも、葛湯はなんとなく体に良いことは分かっているけれど、具体的にどんなもので、どんな効果があるのか、詳しく知らない人も多いのではないでしょうか?今回は、葛湯がそもそもどんなものなのか、また、私たちの体にとってどんな効果をもたらしてくれるのか、簡単な作り方やレンジメニューなど、詳しく紹介していきます。皆さんも、葛湯について詳しく知り、ぜひ皆さんも取り入れてみてください。
目次
葛湯とは?
皆さん、葛湯を飲んだことはありますか?風邪を引いたときなど、飲んだことがある人も多いのではないでしょうか?葛湯とは、葛粉を溶いた暖かい飲み物で、体調不良などで弱っている時にはほっと一息、体も気持ちも和らぎます。とろみがあり、体を内側からじんわりと温めてくれる飲み物です。作り方も簡単で手軽に取り入れることができることから、冷え性の人など愛飲している人が多いです。
とろみのおかげで冷めにくく、温かいまま最後まで飲むことができ、幅広い年齢層の人から今も愛されています。皆さんはこの葛湯のこと、どのくらい知っていますか?なんとなく体に良いことは知っているけれど、という人がほとんどではないでしょうか?今回は、意外と知らない葛湯の魅力をたっぷり紹介します。どんな効果効能があるのか、どんな時に飲むと効果的なのか、葛粉を使った驚きの簡単アレンジレシピなども紹介します。
葛湯の歴史
葛湯の歴史はとても古く、実は万葉集の歌の中にも葛について詠んだ歌があり、昔から私たち日本人にとって親しまれていた食材のひとつでした。ですが、葛がそもそも和菓子の歴史に出てくるのは、鎌倉・室町時代になってからだといわれています。中国に留学した禅僧が日本に点心という食事と食事の間の小食を伝えたところ、その材料の一つとして葛が用いられるようになり、葛まんじゅうや葛切の原形になったとされています。
葛粉は昔、穀物などがなかなか採れない山村でお米の代わりとしてとして作られ、災害や飢謹の時の非常食として、また質の良いデンプンで滋養強壮に良い効能があるとされていたので、病で苦しむ人や小さい子どもの栄養食としても大事にされてきました。皆さんが知っている漢方の「葛根湯」の主成分も、実はこの葛の根から作られていて、葛根にある解熱作用を生かして作られた風邪薬なのです。
葛湯って何からできているの?
出典: https://horti.jp
葛粉は、葛というマメ科クズ属のつる性の多年草から取ることのできるものです。この葛という植物はつるを伸ばして広い範囲で根を下ろす、とても繁茂力の強い植物です。放っておくと低い木などはあっという間に覆ってしまうほどです。根元は大変固く木質化していて、地中の根は塊状の形に大きく肥大します。花は写真のような可憐な花ですが、実はとても生命力の強いたくましい植物なのです。
葛は秋の七草としても有名です。「くず」という名前は、吉野地方にある地名の「国栖(くず)」から由来されたといわれています。国栖は手漉きの和紙や割り箸作りなどでも有名な地域です。葛粉で有名な地域は他にもあり、石川県の宝達葛、宮城県の白石葛、奈良県の吉野葛、静岡県の掛川葛、三重県の伊勢葛、福井県の若狭葛、福岡県の秋月葛などが有名です。
葛粉とは?
大きく肥大した葛の塊根に含まれるデンプンを取り、精製して粉にしたものが葛粉です。秋から冬にかけて掘りおこされたものを砕いて洗い、そこから精製します。葛自体は、昔から中国などで花や根を乾燥させたものを生薬として取り入れいていました。発汗作用や鎮痛作用の効能があるとされ、風邪を引いた時や胃腸不良の時などに、民間治療薬として愛されてきたのです。
葛の根を細かく切ったものを水に浸け、下の方にデンプンを沈殿させます。何度も水を入れ替えながら繰り返しそのデンプンから不純物を取り除いて乾燥させると、まっ白な葛粉が完成します。葛粉が高価なのも納得です。葛粉は冷えると固まる性質を生かして和菓子や洋菓子のとろみ付けとして用いられ、葛のデンプンのみで作られた本葛は希少なためとても高価です。安価なものは葛以外にじゃがいもやなどのデンプンが使用されています。
葛湯の効能は?
作り方が簡単で、なんとなく体に良いことは分かっているけれど、具体的に葛湯にはどんな効果・効能があるのか知らない人もたくさんいるかと思います。どんな効果・効能があるのか、なぜ体に良いのか、葛湯を飲むときに気を付けたいことなど、今回はその点も詳しく紹介します。皆さんもこれを知ったら、もっと葛湯が飲みたくなるはずです。
腸の働きを整える
炭水化物と糖分でできている葛湯ですが、腸の働きを整えてくれるという効能がるとされています。腸内環境が整い、便秘や下痢の症状を緩和してくれるのです。そして、体調が悪く胃腸も弱っている時などは、消化の良いこの葛湯が効果を発揮してくれます。食欲がないけれど薬を服用しなければならない時、なるべく胃腸に負担をかけないものを取り入れたいものです。そんな時は是非、葛湯を飲んでみましょう。
悪玉コレステロールを排出する
葛粉には、ステロールという栄養成分が含まれています。悪玉コレステロールを胆汁に変化させ、体外へ排泄させるように働きかけてくれる嬉しい成分です。悪玉コレステロールは、基準とされている値より高くなってしまうと、色んな病気の原因となってしまう可能性が高くなるため、健康診断などで気になる結果が出てしまった人など、健康管理に気を付けたい人には嬉しい効果効能をもたらしてくれる、頼もしい食材です。
更年期症状の予防・緩和
葛粉に含まれるイソフラボンは、ポリフェノールの一種です。女性ホルモンと同じような働きをしてくれます。女性は閉経すると、エストロゲンが減少することで更年期の症状が出やすくなります。イライラしたり気分が落ち込みやすくなるなど人それぞれ症状は違いますが、更年期障害で悩まされる人がいます。このエストロゲンに似た働きをしいてくれるイソフラボンによって、更年期症状を予防緩和してくれるのです。
骨粗しょう症の予防
前述したエストロゲンは、カルシウムが骨から溶け出してしまうのを防いでくれる働きがあります。女性が閉経してエストロゲンの分泌が減少してしまうのと同時に、カルシウムが少なくなっていき、骨粗しょう症になる可能性が高くなってしまいます。葛に含まれるこのイソフラボンを取り入れると、骨密度が高まり、骨粗しょう症の予防に効果的なのです。
妊婦さんや授乳期には葛湯は飲まないで!
葛粉にイソフラボンが含まれていることが分かったところで、気付いた人もいると思いますが、イソフラボンは妊娠中や授乳期にはあまり良くない成分とされています。ですので、該当する人は葛湯を飲むのは控えるようにしましょう。
葛湯のカロリーは?
葛湯は、製造方法によって含まる糖分の量が変わってきますが、1杯約150mlの葛湯で、平均約40~50キロカロリーになります。お店などで売っているものは砂糖やはちみつを多く配合して飲みやすくしていたり、フルーツ味や抹茶味など、甘みの強いフレーバーになっているので、この値よりもカロリーは高くなってしまうと覚えておきましょう。ダイエットを頑張っている人や、カロリーが気になる人は購入の際気をつけましょう。
葛湯にはダイエット効果も期待できる!
葛湯は、ダイエットを頑張りたい人の強い味方でもあります。ちょっと食事の量をセーブしたい時や、食べ過ぎに注意したい時など、この葛湯を飲むと、低カロリーですが満足感が得られ、空腹感が和らぎ、食べ過ぎを防いでくれるのです。葛湯は体の芯から温めてくれるので、体の基礎代謝が上がり、太りにくい体へと導いていくれる効能があります。
毎日忙しくて朝食をおろそかにしている人は、朝食に葛湯を飲んでみてはいかがでしょうか?起きたての体にじんわり温かい葛湯が染みわたって、血液の巡りも良くなり、気持ちのいい朝が迎えられます。低血圧で毎朝起きるのがつらい人も、ぜひ葛湯でこの効果を実感してみてください。
どんな時に葛湯を飲めばいいの?
私たちの体に嬉しい効能があることが分かったこの葛湯ですが、どんな時に飲むのが一番良いのでしょうか?実は、葛湯は前述した通り様々な効能があるので、私たちが想像しているよりもたくさん、飲むのに適したタイミングがあります。
体調が良い時でも、普段から体が冷えないように葛湯を取り入れるのもおすすめです。朝食の代わりに、寝る前に、体を常に温かい状態に保ってくれるので、快適に一日を過ごすことができます。寝るときなど、夜に葛湯を飲むと、変なタイミングでお腹が空いて夜食を食べてしまうこともなくなるので、スタイルが気になる女性にとっても強い味方になります。
便秘や下痢が気になる時ももちろんおすすめです。そして、離乳食を始めたばかりの赤ちゃんは、なにかと便秘になりがちになるのですが、そんな時も、この葛湯はピッタリです。悩んでいるお母さんがいたら、ぜひ試してみてください。葛湯の嬉しいところは、幅広い年齢層の人の健康維持に役立つところです。
葛湯の簡単な作り方
葛湯は作り方もとても簡単です。今回を機に皆さんもぜひ葛湯の作り方を覚えて、自分で作ってみましょう。マグカップ1杯分を作る時は、スプーン1杯分の葛粉を水150ml位に溶かし、鍋でゆっくり加熱していきます。透明になり、とろみが出てきたら、お好みで砂糖やはちみつで甘さを調節し、生姜などを入れたら完成です。マグカップなどはあらかじめ熱湯で温めておくと保温効果があがり、冷めにくくなります。
葛湯をアレンジしてみよう!
オレンジ葛湯
簡単に作ることのできる葛湯、ぜひ色んなアレンジで皆んさんのお好みの葛湯に挑戦してみましょう。まずおすすめはオレンジ葛湯です。作り方はとても簡単で、葛湯にオレンジマーマレードを入れるだけです。自分の好きな分量で調節しましょう。普通の葛湯は小さい子どもはなかなか飲めなかったりします。簡単な作り方ですが子のアレンジだけで、小さい子どもでも美味しく飲んでもらうことができます。
梅葛湯
飲み過ぎてしまって二日酔いの時や、試験勉強を夜遅くまで頑張って少し眠くなった時などにおすすめなアレンジが、梅葛湯です。葛湯に、梅干しを少しつぶした状態で入れるだけで、こちらも作り方はとても簡単です。ほんのり酸味が葛湯全体に広がり、体がスッキリします。大きめの梅干しを入れるのがおすすめです。酸味が苦手な人は、はちみつを少し多めに入れてアレンジしても良いかもしれません。
砂糖いらずのリンゴ葛湯
砂糖はなるべく使いたくないけれど、葛湯そのものは味もしなくて飲みづらい、という人におすすめなアレンジが、リンゴ葛湯です。リンゴの果肉をお好みの粗さにすりおろして、葛湯に入れるだけというまたまた作り方の簡単なアレンジですが、リンゴの糖分だけで十分甘みのある葛湯に変身します。風邪を引いた時なども活躍しそうな葛湯です。
葛湯の粉末を使ったもっちりパンケーキ
葛湯だけでなく、葛粉を使ったアレンジもあります。普段焼いているパンケーキに葛粉を入れることで、ふっくらもっちりとした葛粉パンケーキになります。普通のパンケーキミックスの半分の量を葛粉に置き換えるだけという簡単な作り方ですが、いつものパンケーキよりももっちりとした食感が味わえます。カロリーが抑えられるので、ダイエット中のおやつとしてもおすすめです。
葛粉を使ってかき揚げもできる!
野菜のかき揚げに葛粉を使うという大胆なアレンジも、実は美味しいのでおすすめです。通常のてんぷら粉よりもカロリーを抑えられるので、ダイエット中でも気にせず揚げ物が食べられます。普通のかき揚げの作り方と変わらないので、チャレンジしやすいのも魅力です。普通のかき揚げよりもサックサクに仕上がるので、家族にも喜んでもらうことができます。
アレンジする時はカロリーや糖質に注意!
さまざまな形でアレンジできる葛湯、そして葛粉を使った料理ですが、合わせて使う食材や調味料などによって、りょうりそのもののカロリーや糖質の量ももちろん変わってきます。アレンジする際は、全体的なバランスもみてチャレンジするようにしましょう。葛粉を購入する際も、表示をよく見て購入しましょう。
葛粉の保管方法
葛粉を買ってみたものの、なかなか数回では使い切ることはできません。そんな時は、購入した時の袋をさらに保存用のポリ袋などに入れて、高温多湿を避けた涼しい場所で保管するようにしましょう。使う際は粉が舞い散らないように気を付けましょう。
お気に入りの葛湯で体の芯から温まろう!
いかがでしたか?今回はなかなか普段注目することのない葛湯について色んなことが分かりました。古くからその効果・効能で人々から長く愛されてきた葛湯は、現代の私たちにも嬉しい効果がたくさんあります。現代人女性の多くが冷え性で悩んでいます。ぜひ皆さんにこの葛湯を取り入れてもらって、健康な体作りに役立てて欲しいと思います。
詳しい栄養素や効能が分かると、取り入れるタイミングや、逆に摂取を控えたい時なども分かります。季節的にはこれから暑くなりますが、冷房で逆に体が冷えやすい時期なので、夏こそこの葛湯を取り入れてみてください。そして、自分好みの葛湯のアレンジレシピを考えてみたり、普段の料理にも葛粉を使ってみると、新しい発見があるかもしれません。