たけのこの刺身の作り方と食べ方は?選び方と鮮度を見極めるコツも!

春先になると店頭で見かけるたけのこですが、定番の食べ方は煮物やたけのこご飯です。しかし、たけのこがお刺身として食べられるのを知っていますか。お刺身で食べるには新鮮なものを選ばなくてはなりません。どんなたけのこが新鮮なのか、どんなたけのこを選べばいいのか、見極めるコツはあるのでしょうか。またたけのこはいつまでならお刺身で食べられるのか、お刺身はどうやって作ったらいいのでしょうか。そんなたけのこについて調べてみました。

たけのこの刺身の作り方と食べ方は?選び方と鮮度を見極めるコツも!のイメージ

目次

  1. 1たけのことはどんな野菜?
  2. 2たけのこの産地
  3. 3たけのこの品種
  4. 4たけのこの歴史
  5. 5刺身にするにはどんなたけのこがいい?
  6. 6たけのこの刺身の作り方
  7. 7たけのこの刺身の美味しい食べ方
  8. 8たけのこの刺身:生で食べる場合
  9. 9たけのこの刺身:生で食べる時の注意点
  10. 10たけのこの保存方法
  11. 11まとめ:たけのこの刺身を食べるには鮮度が命

たけのことはどんな野菜?

たけのこの生態

たけのことは竹の芽の部分です。竹にはいくつかの種類がありますが、たけのこはすべての竹の芽のことです。竹は意外にもイネ科の野菜で、温暖な地域に多く生えています。その種類は70種類もあるといわれていますが、野菜として食用できるものは孟宗竹をはじめ、ほんの数種類です。

たけのこの名前の由来「筍」は一旬(たった10日間ほど)で「竹」になってしまうからだそうです。よってたけのこが野菜として食べられる時間もほんの一瞬、いつもでも食べられるわけではないのです。いつ土から出るかを気にしていないと、あっという間に竹になっていたということになりかねません。しかし、たけのこはこれほど成長が早いにもかかわらず、竹の寿命は百年以上もあると言われています。

たけのこの栄養

たけのこはグルタミン酸やチロシン、アスパラギン酸などのうまみ成分でもあるアミノ酸が豊富に含まれている野菜です。これらの成分は疲労回復効果があると言われています。ゆでた時にでる白い粒状のものはチロシンで体に害はありません。また、たけのこにはカリウムも豊富に含まれており、これにはナトリウム(塩分)を排泄してくれ、高血圧の防止に効果があります。また、足などのむくみをとることも期待できます。

食物繊維を豊富に含んでいるため、便秘の解消や大腸がんなどの予防に効果があると言われています。ただし、たけのこは野菜にしては強いアクがあるので、食べ過ぎると吹き出ものやアレルギーに似た症状を起こすことがあります。たけのこ好きにとっていつまでも食べていたいたけのこですが、食べ過ぎは危険です。

たけのこの旬:いつからいつまで?

たけのこはいつからいつまでが旬なのかですが、地方によってかなり差があります。鹿児島などの早い地方では11月頃から収穫が始まり、九州や四国の「早堀たけのこ」と呼ばれるものは12月中旬から本格的に出荷が始まります。京都あたりのたけのこは2月中旬頃から収穫が始まります。孟宗竹の食べ頃の旬は3月から4月ですし、淡竹や真竹はもう少し遅い4月中旬頃から6月にかけて、根曲り竹は更に遅く5月中旬頃が旬となります。

たけのこの産地

たけのこは生産量で見ると福岡が最も多く生産出荷しています。次が鹿児島、熊本と九州が全体の約7割を賄っているという事になります。京都は4位に挙がっています。

たけのこの品種

孟宗竹(もうそうちく)

中国江南地方の原産で一般的にたけのこと言えば孟宗竹のことを言います。大きくて厚みがあり、実は白くて柔らかく、えぐみも少ない品種です。独特の甘味があり、上品な味わいで歯ごたえがあります。京都では酸性土壌で粘土質の地表にワラ敷き、土を盛って孟宗竹を作ることで有名です。この作り方をすることによってやわらかい肉質に仕上がるそうです。味の良さには定評があります。寄生虫のつきやすい品種なので注意してください。

淡竹(はちく)

淡竹は孟宗竹より細く、粉をふいた淡い緑で大変美しいです。この品種のたけのこは九州、関西に多く、一般市場にはほとんど出回りません。アクやえぐみが全くないのが特徴です。はちくの勢いと言う言葉があるように、成長がとても早く、日に10cmくらい伸びてしまいます。新鮮なものだとそのまま食すことが出来ます。

真竹(またけ)

関西、特に京都に多い品種です。細めのたけのこで、皮にうぶ毛が無く、黒い斑点がああるのが特徴です。味はしっかりとしていますが、あくや苦みも強いほうですのでアク抜きをしっかりしてください。固さはないので、美味しく食べることができます。寄生虫のいる場合があるので注意してください。

根曲がり竹

原産国は日本で、東北、北海道など北日本が主な産地のたけのこです。小型で細い竹でたけのこも太さは1.2cm程度です。野菜というより山菜などと同じように売られています。身は白くて独特の風味があり、アクが少なく非常に歯ざわりがいい種類のたけのこです。

寒山竹(かんざんちく)

中国が原産の竹で大名竹とも呼ばれ、笹の一種です。西南日本に広く分布しています。生で食べられるくらい柔らかく、歯ごたえがあります。旬は7.8月頃になります。

たけのこの歴史

孟宗竹は中国江南地方から日本へ江戸時代中期の1736年頃に伝来したとされたそうです。中国から琉球に入り、それが薩摩へ伝わり、さらに江戸にもたらされ、全国に広まりました。大正時代に入り栽培面積が急増しました。ただし孟宗竹は東北より北の地域では気温が寒すぎてあまり生育しません。実は古事記にもたけのこの記載があるので、日本にも別の品種のたけのこが当時からあり、馴染みのある野菜だったようです。

刺身にするにはどんなたけのこがいい?

たけのこは、収穫から時間が経つほどアクや苦みが強くなり、あっという間にお刺身では食べられなくなってしまいます。それはどれくらいの時間、いつまでなのでしょうか。アク抜きをしなくても食べられるたけのこの目安は、頭の先だけが見えている状態で収穫されたたけのこで、採れたその日に食べられる場合と考えてください。それ以上時間が経ってしまっている場合は通常通りの作り方で、アク抜きをしてください。

鮮度のいいたけのことは?

まずは形がずんぐりしているものを選びましょう。ボテッとした形のたけのこは、栄養が全体に行き渡っていて新鮮な証です。そして色が白いものを選びましょう。ブツブツの部分も含め、根元が極力白いものを選んでください。そして最後に先端が黄色ものを選びましょう。たけのこは収穫から時間が経つと、先端が黄色から緑へと変色します。黄色いたけのこは若い証ですので、なるべく先端が黄色のものを選びましょう。

刺身で食べるなら避けたいたけのこ

逆にたけのこの穂先が緑色になっているものは、育ちすぎており、えぐみが強いので避けましょう。また、伸びすぎているものや皮の色が濃いものは避けましょう。短くても、先が開き始めているたけのこもアクが強いです。また、たけのこの根元には赤いぶつぶつがあります。 これが多いものもアクが強いです。刺身として食べるのでしたら、これらは避けてください。また、寄生虫がいないかどうかも確認してください。

 

たけのこの刺身の作り方

たけのこのお刺身の作り方です。新鮮なたけのこを手に入れます。たけのこは繊維が多い野菜ですので、刺身にして食べる場合は薄くスライスするのがおすすめです。たけのこの表面の固い皮を剥いでからカットしましょう。 鍋にたっぷりの水を入れて沸騰させます。沸騰したら、先ほどのカットしたたけのこを入れ、5分程度煮ます。その後すぐに冷水に取り、しめます。作り方は以上、簡単です。

たけのこの刺身の美味しい食べ方

たけのこの刺身にわさび醤油

おすすめの食べ方として、まず基本はわさび醬油です。わさびはチューブでのものでも構いませんが、生のわさびを手に入れられる場合は絶対に生の方が美味しく、たけのこの旨みと香りがよりいっそう引き立ちます。わさびの他にはすりおろした生姜を醤油にプラスした生姜醤油や、にんにく醤油もおすすめです。

たけのこの刺身に酢味噌

わさび醤油に飽きたという人には酢味噌もおすすめです。市販の酢味噌でももちろん美味しいのですが、自分で手作りした方が好みの味にできますのでおすすめです。おいしい酢味噌の作り方のコツは酢、味噌、からしを1:1:1で混ぜることです。ここに木の芽などをプラスすれば、見た目もよくなり、香り高く美味しいたけのこのお刺身になります。

たけのこの刺身の別の食べ方

その他、たけのこの刺身にマヨネーズと七味唐辛子を混ぜたソースをかけても美味しいです。変わったところでは、たけのこをカルパッチョにしてはどうでしょうか。作り方は削ったパルミジャーノチーズとあらびきのこしょうを多めにかけ、オリーブオイルをたらすだけです。たけのこは和食と思っていましたが、こんな作り方なら洋食になります。

たけのこの刺身:生で食べる場合

刺身というからには生で食べることではないのと思った方もいるでしょう。実はたけのこは生でお刺身として食べることもできるのです。ただし、鮮度のいいたけのこのみ生食ができるのです。たけのこはアクの強い野菜で収穫後、すぐアクが強くなってしまうのでまず、たけのこ掘りに行ってください。そしてその場で堀りたてのたけのこをスライスすれば生でも食べることができます。わさびと醤油、ナイフなどをたけのこ堀りに持参するといいでしょう。

たけのこの刺身を生で食べられるのはいつまで?

たけのこはいつまで生食できるのかというと、収穫後2時間程度と言われています。その他にも生食してアクが気にならないたけのこの条件として、まずは南の側にある斜面で育っているたけのこを選ぶことです。それ以外のものはアクが強いと言われています。さらにおいしいものを求めるなら、赤土に生えるものや、3月上旬頃の地表に4~5センチ程度穂先が出てきたくらいのものがよりいいです。

そして新鮮であればあるほど、アクも気にならないので、できるだけ収穫したら時間をおかず、すぐに食べるのがお刺身にするのであればがおすすめです。作り方は簡単なたけのこのお刺身ですが、新鮮な全ての条件をクリアできるたけのこを探す方が大変そうです。

たけのこの刺身:生で食べる時の注意点

刺身の注意点:寄生虫

たけのこの中には寄生虫がいるものがあるようです。たけのこの皮にいくつも穴が空いていて、中に寄生虫がいたということがありました。これはハジマヨトウなどの寄生虫で蛾の幼虫です。幼虫は竹の先端から内部に侵入し、竹の内部を食い散らかします。主に竹を好んで食べる寄生虫で土の中で蛹になり、成虫は6~8月にけて活動するそうです。特に生で食べる場合はこのような寄生虫には要注意です。

他にもベニカマキリの幼虫も寄生虫として竹に寄生するそうです。成虫は竹に卵を産み付け、幼虫は羽化すると中に入り成長し、成虫になったら出てくるそうです。寄生虫のいるたけのこは食べるのをやめましょう。

刺身の注意点:アク

たけのこには、尿路結石の原因となるシュウ酸が含まれています。シュウ酸は野菜の中ではほうれん草にも含まれていますが、えぐみの1つでアク抜きをすることで減らすことができます。結石の約80%はシュウ酸カルシウムといわれているので、健康な人は問題ありませんが、すでに結石のある人はアク抜きのしていない生のたけのこを食べすぎると尿路結石がおこりやすくなるとも考えられますので注意してください。

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たけのこの保存方法

お刺身で食べられるたけのこはすごく新鮮な場合のみです。そうでない場合は通常通り、アク抜きをしてください。いつまでにアク抜きをしたらいいかというと、できれば入手したらすぐにしてください。この時間が長くなれば長くなるほど苦味が増していきます。

たけのこのアクの取り方

まず、たけのこの外側の固い皮を2~3枚取ります。そして水洗いし汚れを落としましょう。次にたけのこの頭の部分を斜めに切り落とし、皮の部分に縦に切れめを1本入れます。鍋にたけのこがかぶるぐらいの量の水を入れ、米ぬかを一握りと唐辛子2本を入れます。ない場合は米のとぎ汁でもいいです。落とし蓋をし、1時間ほど茹でます。竹串などを通して見て、すっと入るようであればできあがりです。

たけのこの保存方法


掘り出された後、時間が経てば経つほどどんどんアクが強くなってしまいます。出来るだけ早く下ゆでしましょう。茹でずに保存する事は考えられません。茹でたものは皮を剥き、水に浸した状態で蓋をして、冷蔵庫で保存します。いつまで保存できるのかというと水を変えながらであれば1週間程度はもちます。

たけのこを長期に保存する方法

長期保存の塩漬けの作り方です。下ごしらえしたたけのこをざるに入れ水気を切ります。その後、たけのこを半分に切り、密閉容器の底に塩を敷き詰めその上にタケノコの内側を上にしてかぶせていきます。内側の隙間にも塩をしっかり詰めて下さい。そして塩でまわりを覆います。塩はたっぷり使ってください。この方法だといつまで保存できるのかというと1年はもつそうです。常温でも問題ないですが気になるなら冷蔵庫に入れて下さい。

 

この塩漬けしたたけのこを使う時は、うすめの食塩水につけて丁度いい塩辛さにします。ここで真水を使うと、塩分とともにうまみも流れ出てしまうので注意が必要です。塩漬けを行うことで1年中いつまでもたけのこを食べれることになり、たけのこ好きにはありがたいです。

まとめ:たけのこの刺身を食べるには鮮度が命

たけのこは野菜にしてはアクが強く、通常はアクを取らなくては食べられません。それが面倒でなかなか調理できない人も多いのではないでしょうか。そんな方は鮮度のいいたけのこを探してください。たけのこを獲ってそれほど時間の経っていないもの、その日のうちに食べられるものはアク取りをせず、簡単な下茹でで食べることができます。

アクは収穫して時間が経てば経つほど強くなってしまいます。時間が経っているもの、先端が黄色でなく緑になったものはアク取りが必要です。たけのこの刺身を生で食べたいなら、たけのこ狩りに行き、その場で食べるのがおすすめです。作り方は簡単、皮をむいてスライスするだけです。できればたけのこを掘って30分以内に食べてください。その場合は寄生虫がいないかどうかよく見てから食べてください。

たけのこはいつまでも生で食べられる野菜ではありませんが、その分、そのような機会は稀なことなので、チャンスがあれば、ぜひ一度はたけのこの生刺身に挑戦してみましょう。

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