生姜に含まれる栄養素とは?おすすめレシピや保存方法も解説
生姜の栄養や成分とその効果はどんなものでしょうか。本記事では生姜の基本的な情報から栄養素と成分、その効果を解説しています。また、生姜を長持ちさせる工夫やレシピなども紹介します。本記事を読んで、ぜひ生姜を手軽に取り入れてみてください。
目次
「生姜の栄養や効果にはどんなものがある?」
「生姜の辛味や香り成分について知りたい」
「生姜を長持ちさせる保存方法は?」
生姜焼きでおなじみの生姜ですが、栄養価や成分について詳しく知らないという人も多いのではないでしょうか。
この記事では生姜の特徴や種類、含まれている栄養や成分とその効能について解説しています。また、レシピや生姜の選び方、保存方法を紹介しているので、手軽に活用できる内容です。
本記事を読むことで、生姜の栄養価や成分がどのように役立っているのか知ることができるでしょう。レシピや選び方、保存方法などはすぐに試せる具体的なものなので、生活に取り入れるのに便利な情報です。
生姜を生活に取り入れたい人や、生姜の効能を知りたい人はぜひ読んでみてください。
生姜の特徴と種類
生姜には特有の辛味と香りがあります。さまざまな料理やジンジャーエールなどの飲み物にも使われる、用途が広い野菜です。
サイズによって「大しょうが」「中しょうが」「小しょうが」と分けることもあり、「葉しょうが」には「小しょうが」を使います。
また、生姜は根ではなく、茎が土中で肥大化した「地下茎(ちかけい)」です。
生姜とは?
生姜はショウガ科ショウガ属の多年草で、熱帯アジアが原産とされています。世界中で用いられており、香辛料としてだけでなく生薬としても広く利用されている野菜です。
多くの国で生産されており、特にインドや中国、ネパールでの生産が盛んです。日本国内では高知県に生産が集中しています。
生姜の種類1:ひねしょうが
一般的に、生姜は新生姜を貯蔵したものを、年間通して出荷します。「ひねしょうが」とは貯蔵してある生姜の中でも、秋に収穫した生姜を2か月以上保管したもののことです。
「ひねしょうが」は皮が飴色になっています。繊維質が形成され、生姜本来の香りと辛味が強く出るのが特徴です。「根しょうが」「囲い生姜」とも呼ばれます。
生姜の種類2:親しょうが
「親しょうが」とは「種」として栽培に使われた生姜を収穫したものです。普通の生姜より繊維が多く、辛味も強いという特徴があります。
生姜全体の中で10分の1程度の収穫量なので、一般には流通していません。加工品として販売されることが多いのですが、食べてみたい人は自分で生姜を育てることで「親しょうが」を収穫できます。
生姜の種類3:新しょうが
「新しょうが」は「ひねしょうが」の上に出来た新しい地下茎部分にあたります。7月下旬から8月にかけての初夏に収穫し、すぐに出荷されるものを言います。
繊維が柔らかく辛味が控えめで、シャキシャキとした食感とさわやかな香りが特徴です。
生姜に含まれる栄養素と効果
生姜にはさまざまなミネラル、ビタミンなどの栄養素が含まれています。後述するように、身体を温める、血行促進などの効果は主に辛味と香り成分によるものです。
生姜を薬味や香辛料として、ほかの食材とうまく組み合わせながら、栄養素をバランスよく摂りましょう。以下の成分表に生姜の主な栄養素を挙げています。
出典:しょうが (生姜/ショウガ)|カロリーSlism
参照:https://calorie.slism.jp/106103/
生姜の栄養素 | 100gあたり |
---|---|
カロリー | 30kcal |
炭水化物 | 6.6g |
ビタミンB1 | 0.03mg |
ビタミンB2 | 0.02mg |
ビタミンC | 2mg |
ビタミンE | 0.1mg |
ナイアシン | 0.6mg |
葉酸 | 8μg |
カルシウム | 12mg |
マグネシウム | 27mg |
カリウム | 270mg |
リン | 25mg |
食物繊維 | 2.1g |
ビタミンB1・B2
生姜にはビタミンB1とB2が少量含まれており、二つとも免疫力強化が期待できます。
ビタミンB1は免疫力アップのほかに、糖質の代謝やスタミナ、集中力の向上などの効果が期待できます。
ビタミンB2は糖質、脂質、タンパク質の代謝、エネルギー産生に関わる働きがあり、皮膚や粘膜、髪などの細胞の再生に役立つと言われています。
出典:ビタミン(びたみん)|e-ヘルスネット(厚生労働省)
参照:https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-027.html
カリウム
カリウムにはナトリウムを体から排出しやすくする作用があるため、塩分を取り過ぎた時などに役立つ栄養素です。
ほかにも、浸透圧の調整や神経の興奮性、筋肉の収縮、体内のpHバランスを保つことに関わるとされています。
大量に摂取した場合は体内の調節機構によって、ほとんどの場合はカリウムが過剰になることはないとされます。
出典:カリウム(かりうむ)|e-ヘルスネット(厚生労働省)
参照:https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-005.html
食物繊維
生姜に含まれているのはほとんどが不溶性食物繊維です。不溶性食物繊維は小腸で糖質や脂肪の吸収を抑え、食後の血糖値が急激に上昇するのを抑えてくれます。
また、腸内環境を整える効果があるため、便秘の解消も期待できるでしょう。
出典:食物繊維の必要性と健康|e-ヘルスネット(厚生労働省)
参照:https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-05-001.html
生姜特有の成分とその効果とは?
生姜の辛味には「ジンゲロン」と「ショウガオール」があります。香り成分は「シネオール」や「シトロネラ―ル」「ジンギベロール」「ジンギベレン」などの精油成分です。
生薬成分の「ジンゲロール(Gingerol)」は「ギンゲロール」とも読み、加熱すると酸化し「ショーガオール」や「ジンゲロン」などに変化します。
出典:しょうがは身体を温める効果があるそうですが、どのような成分が働いているのですか。|農林水産省
参照:https://www.maff.go.jp/j/heya/sodan/1811/01.html
生姜の辛味成分「ショウガオール・ジンゲロール」
「ショウガオール」には食材の臭みを消す作用や抗菌・殺菌作用があり、血行を促進し身体を温めることで代謝を高めます。抗炎症作用、鎮痛作用、抗酸化作用が高い成分です。
「ジンゲロール」は生の生姜に多く含まれている辛味です。生の生姜は肉を柔らかくする酵素も含んでいます。
「ショウガオール」は「ジンゲロール」よりも、血行促進作用や身体を温める働き、新陳代謝を活性化し発汗作用を高める働きが強くなります。
出典:しょうがは身体を温める効果があるそうですが、どのような成分が働いているのですか。|農林水産省
参照:https://www.maff.go.jp/j/heya/sodan/1811/01.html
出典:夏の旬野菜ショウガ|JAグループ
参照:https://life.ja-group.jp/food/shun/detail?id=39
生姜の香り成分「シネオール」
「シネオール」とは一般的に、植物の精油に含まれている香り成分「1.8シネオール」のことです。天然に広く存在する香り成分で、樟脳(しょうのう)やハッカに似た、スーッとした清涼な香りが特徴です。
生姜の「シネオール」は食欲増進、疲労回復、胃を健やかにする効果や消炎作用があると言われています。夏バテ解消も期待できるでしょう。
出典:しょうがは身体を温める効果があるそうですが、どのような成分が働いているのですか。|農林水産省
参照:https://www.maff.go.jp/j/heya/sodan/1811/01.html
生姜を使ったおすすめレシピ
生姜は年間を通して手に入るので、旬の野菜などと合わせて使うことで上手に取り入れることができます。調理法や食べ方を工夫してみましょう。
薬味や香辛料として主食やおかずに使うほか、スイーツや飲み物のレシピもたくさんあるので、お気に入りのレシピを見つけて活用してみてください。
しょうが黒糖シロップ
生姜シロップは普通の砂糖や蜂蜜でも作れますが、黒糖の素朴な風味が好きな人にはおすすめです。
カットして漬けるだけでも生姜のエキスが出ますが、すりおろせば食物繊維も摂れます。お好みでシナモンやクローブなどのスパイスを入れても美味しいです。
炭酸水で割るとそのまま手作りジンジャーエールになり、ほかの飲み物やスイーツ、煮物などの料理にも使えます。
さっぱりきゅうりの梅肉生姜和え
暑い日が続いていますが体調はお変わりないですか?・・・🥵立っているだけで汗だく!!これからもっと暑くなると考えるだけでバテそうです😅皆さん気をつけて過ごしましょうね😭💓 それではレシピのご説明です😋✨
夏バテ解消や疲労回復、食欲がないときにおすすめです。時間がない時、疲れている時にも混ぜるだけなので簡単に作れます。
梅干しを入れない場合も「中華風のきゅうり合え」として一品になります。冷蔵庫で15分程度寝かすと味が馴染み、つまみとしても美味しい冷製きゅうりができます。
生姜の選び方
生姜の選び方のポイントは以下の四つです。
・ハリがあり、硬くて重みのあるもの
・皮に傷がない
・切り口にカビや干からびがない
・色が均一な黄金色で、できるだけ大きな塊のもの(小さいものや細いものは繊維が多く使いにくい)
「新しょうが」の場合はみずみずしいかどうか確認しましょう。白くツヤがあり、ふっくらとしたもので切り口の赤みが綺麗なものが新鮮です。
生姜の保存方法
生姜を買ったはいいものの、使いきれずに放置していたらカビが生えてしまったというのはよくあることではないでしょうか。一度の料理でたくさん使うことも少ないので、長持ちさせる保存方法を知っておくと役立ちます。
いろいろな切り方で冷凍保存しておく方法は、レシピごとに使い分けられるので常備するのにおすすめです。
基本的な保存方法
旬の新生姜は普通の生姜に比べて水分が多く傷みやすいので、新聞紙orキッチンペーパーで包んで、ポリ袋やジップロックに入れて冷蔵庫で保存がおすすめです!#料理好きな人と繋がりたい#新生姜#料理のコツ pic.twitter.com/UakMLokdC7
— ソノリク農作物劇場【公式】意外と知らない農作物のはなし (@fukuokasonoriku) May 27, 2021
基本的には乾燥を防ぐためにラップか新聞紙、キッチンペーパーなどで包み冷暗所で保存します。
生姜を保存する際の適温は14度程度ですが、冷蔵庫の野菜室は大体7度程度です。長持ちさせたい場合は、湿らせた新聞紙かキッチンペーパーに包んで、冷気が直接当たらないようにするのがおすすめです。
冬場なら冷蔵庫ではなく直射日光の当たらない場所で常温保存できます。
下ごしらえして冷凍保存するのもおすすめ
生姜は生のままで冷凍できるので、必要なときにすぐ使えるように下ごしらえをして冷凍すると便利です。用途に合わせてカットしたり、すりおろしたりして冷凍しておけば、約1ヶ月保存できます。
生姜は皮が薄いので、すりおろして使う場合などは皮をむく必要がありません。むく場合はスプーンを使って生姜の表面の硬い部分をこそげとるようにすると、無駄なく簡単です。
生姜を食べすぎるとどうなる?適量は?
生姜は乾燥させることによって成分が変わり、高い効果が期待できる食品です。身体の状態によっては摂取量に気をつけたい食品といえます。
生姜の効能として食欲増進を紹介しましたが、胃酸過多の人が生姜を多く摂取した場合、胃酸が更に分泌されてしまいます。
また、身体を温める効果があるので高熱がある場合は避けましょう。
生姜の栄養を料理に取り入れよう
生姜は生活に欠かせないものとなっています。生姜の栄養素や生姜特有の辛味と香り成分は、適切に摂ることで健康に役立つでしょう。
薬味や香辛料として使われることが多い生姜ですが、適量を加えることで、主食やおかずだけでなく、スイーツやつまみなどの幅広い料理に活躍します。
長持ちさせる保存方法で常備もできるので、毎日の食事や飲み物などに少しずつ取り入れてみましょう。