とうもろこしの蒸し方や時間は?皮付き・圧力鍋を使った簡単なやり方など解説

気持ちの良い気候で過ごしやすい季節を通り過ぎると、あっという間にジリジリと照りつける太陽と青い空の夏がやってきます。夏といえば夏野菜!BBQでも欠かせないフレッシュなとうもろこし。沢山の朝採りとうもろこしが安く出回る季節が待ち遠しくなります。今回は夏野菜の中でも「とうもろこし」について茹で方・蒸し方や圧力鍋を使った調理法の紹介や、さまざまな調理器具を使った蒸し方など。また、とうもろこしの栄養価や、とうもろこしって野菜なのか果物なのか?などとうもろこしの豆知識も含めて紹介したいと思います。

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目次

  1. 1とうもろこしは世界の三大穀物
  2. 2とうもろこし豆知識
  3. 3とうもろこしって野菜?
  4. 4とうもろこし蒸す?焼く?
  5. 5とうもろこしの蒸し方・茹で方
  6. 6甘味を引き出すとうもろこしの蒸し方
  7. 7圧力鍋での蒸し方
  8. 8とうもろこしの蒸し方・炊飯器
  9. 9とうもろこしの蒸し方・電子レンジ
  10. 10とうもろこしの蒸し方・フライパン
  11. 11とうもろこしは皮付きがいい訳

とうもろこしは世界の三大穀物

とうもろこしはイネ科の一年生植物で、コーンスターチや油などとして人間の食料として使われたり、バイオエタノールの原料としても使われています。英語圏では広くcorn(コーン)と呼ばれていますが、本来cornとは穀物全般を意味する語句です。イギリスではとうもろこしのことをmaize(メイズ)と言い、穀物全般をcornと言います。

高温の環境を好み、大型の作物のため育成期間中に10アールあたり350~500トンの水を必要とします。旬は夏で日本では6~9月ごろに多く出荷され、特に7月ごろが最盛期です。

とうもろこしの起源

とうもろこしの起源は遺伝子解析などの結果から裏付けられている、テオシント起源説が最も支持されています。テオシント起源説とは、メキシコ周辺に自生していたテオシントと呼ばれるイネ科の野生植物を起源として、改良を続けたか、もしくは突然変異を起こして、今日のとうもろこしになったとされています。

紀元前5000年ごろまでには大規模に栽培されるようになり南北アメリカ大陸の主要な農産物となっていました。起源地からメキシコ高地で多様化し、メキシコ西部・北部→北米南西部→北米東部→カナダ或いはメキシコ南部・東部→グアテマラ→カリブ諸島→南アメリカ低地→アンデス高地へと伝わっていったと考えられています。

1492年、コロンブスがアメリカ大陸を発見した際に、カリブ人が栽培していた「とうもろこし」を、持ち帰ったことでヨーロッパに伝わり、1500年にはセビリアにおいて栽培食物としての記録が残っています。16世紀半ばには地中海沿岸一帯に広がり、16世紀末までにイギリスや東ヨーロッパ全土に広がりました。

日本へのとうもろこし伝播

日本へは3つの経路から伝わったとされていますが、最も古い経路は南西経路と呼ばれるヨーロッパから伝えられた経路です。1868年頃にアメリカの早生デント種・フリント種が北海道で導入され、開拓使によって大規模なとうもろこしの畑作が始まりました。そこから日本全土に広がっていきました。

とうもろこし豆知識

とうきびワゴン

とうもろこしと言えば北海道ですが、北海道ではともうもろこしの事を「とうきび・唐黍」と呼びます。札幌大通り公園へ行かれたことのある人はご存知かとおもいますが、名物の「とうきびワゴン」として、とうもろこしが販売されています。これは焼きとうきびと、茹でとうきびの2種類があります。

美味しいとうもろこしの選び方

皮付きのとうもろこしが売っていたら、出来るだけ皮の緑色が濃いものを選びましょう。また、皮に真っすぐの筋が入っていることも美味しさのポイントです。皮付きのとうもろこしの方が粒の水分がより残っていてジューシーです。

とうもろこしに茶色のヒゲが付いたものは、鮮度が保たれている証拠であり、ヒゲの茶色いものは十分に熟している証なので、茶色いヒゲのものを選びましょう。また、茎の断面が綺麗に丸いものは生育中に余計なストレスがかかっていないので粒が揃っています。選ぶときの参考にしてください。

とうもろこしの栄養価

とうもろこしの主成分は炭水化物です。炭水化物はエネルギー源として疲労回復にも役立ちます。とうもろこしの粒の周りにある皮はセルロースというものでサツマイモの約4倍もの食物繊維があり、便秘解消や腸の蠕動運動(ぜんどううんどう)の促進に役立ちます。

またビタミン類ですが、糖質の代謝にかかわるビタミンB1・タンパク質の代謝に必要なビタミンB6・血流を促すナイアシン・抗酸化作用の高いビタミンEなどのビタミンを含んでいます。そしてむくみの解消や高血圧予防に効果的なカリウムも含んでいます。便を柔らかくするマグネシウムや白米の8倍の鉄分、血を作るのに必要な亜鉛や銅も含んでいます。

またアミノ酸や脂肪酸も含んでおり、体液バランスを整える働きをするアミノ酸であるアスパラギン酸や必須脂肪酸の一つのリノール酸を含んでおりコレステロールを下げてくれます。

食用とうもろこしの種類

甘味種(スイートコーン)・爆裂種(ポップコーン)・馬葉種(デントコーン)とおおまかに三つあります。甘味種は一般的に茹でて食べられているものですが、コーンフレークの材料としても使われています。品種改良されて生食が可能な品種やベビーコーンもこの種類です。

爆裂種は、皆さんご存知のポップコーンが作れる種類です。そして馬葉種は、そのままでは食べられませんがでん粉を抽出するとコーンスターチの原料として使えます。また家畜用飼料としてよく使われています。

とうもろこしはカロリーが100g当たり生では92kcal、茹でたものでは99kcalと穀物の中では低カロリーで水分以外の80%が糖質ですので成分的には野菜というよりも主食と言った方が正しいでしょう。現に中南米ではトルティーヤやタコスなどのように、とうもろこしの粉から加工したものを主食としています。

とうもろこしって野菜?

ところで、とうもろこしって野菜?果物?どっちなのでしょう?果物と野菜の区別の基本を少し調べてみました。学術的にはそもそも野菜と果物を区別されていないようで、分類する明確な定義はないのですが、あえて野菜と果物を区別するならば、「草として生えるものか」「木になるものか」という違いで区別されているそうです。

また農林水産省では、野菜は、【食用に供し得る草本性の植物で、加工の程度の低いまま副食物として利用されるもの】とし、果物(果樹)は、2年以上栽培する草本植物及び木本植物であって、果実を食用とするものとして取り扱うとしています。この農林水産省の定義で考えると、とうもろこしは野菜です。

そして毎日大量の野菜や果物が取り扱われている中央卸売市場ではどういう分類がされているのか調べてみると、野菜は大きく分類すると「根菜類」「葉茎菜類」「果菜類」「豆類」「土物類」「香辛野菜」「小物・特殊野菜」「山菜・つま物」「キノコ類」「京野菜・加賀野菜」というくくりでした。果物の分類は「果物」「輸入果物」ととてもシンプルな分類でした。

そして「とうもろこし」の中央卸売市場での分類は何処に属しているかというと、野菜の分類の中の「果菜類」にありました。一応、野菜の方に記載されてますが「果菜類」を分解してみると、果=果実の果と菜=野菜の菜です。野菜とも果物とも解釈できる分類でした。

とうもろこし蒸す?焼く?

とうもろこしと言えば、一本そのままを両手で持ちガブリとかぶりつくイメージがあると思います。先ほど紹介した札幌のとうきびワゴン、夏祭りの屋台で売ってる焼きとうもろこしや、子供のころに母親に蒸してもらったとうもろこしなど誰もが経験のある食べ方ではないでしょうか?

今回は蒸した「とうもろこし」と茹でた「とうもろこし」にクローズアップして、どんな蒸し方・茹で方がいいのか?どのくらいの過熱時間がいいのか?など紹介したいと思います。

とうもろこしの蒸し方・茹で方

北海道の茹で方

北海道の農家では、大きな鍋にたっぷりのお湯を沸かします。お湯がぬるま湯程度になってきたら、とうもろこしを入れます。お湯がまだグラグラしてこないうちに手のひらで塩をすくうように2回入れて沸騰したら10~15分茹でます。茹であがったらすぐにラップに包んでおくと粒がしわしわになりません。

ちなみに、北海道民の驚くほど綺麗な、とうもろこしの食べ方が上写真の様に縦に一列ポロっと親指で取って食べるのです。まだこの方法を知らなかったという人は一度試してみてください。気持ちいいくらい綺麗に取れて驚きます。

一般的な蒸し方

とうもろこしの皮を剥きますが、最後の皮つまり一番内側の皮は残しておきましょう。その方が旨味が凝縮されて甘味を逃さず食べられます。しっかり湯気の立った蒸し器(せいろなど)に入れて5分蒸します。蒸せたとうもろこしを氷水に漬けておきましょう。時間の目安は1分くらいです。そうすると冷めても実がしわしわになりません。

とうもろこしに塩味を付けるタイミングは、人によって色々とあるようです。蒸す前に軽く塩をふっておく方法と、蒸しあがってから塩水にさっと通す方法があります。塩水を使いたい場合は200mlの水に対して塩4gを目安にしてください。

甘味を引き出すとうもろこしの蒸し方

茹でるのは皮付きがポイントです。とうもろこしの最後の薄い皮は残しておきます。薄い皮付きにしておくことで、とうもろこしの旨味を閉じ込めることができるのです。外側の厚い皮を残すと青臭さがとうもろこしに移ってしまいますので、厚い皮は必ず取りましょう。ヒゲは切り取ってください。

準備が出来たら鍋にとうもろこしを入れ、ひたひたになる程度に水を入れます。中火で加熱しながら沸騰しないように気を付けましょう。薄皮の間から見える粒の色が鮮やかな黄色になったら茹で上がった印です。おおよそ茹で時間は5分が目安です。ゆっくり火を通すことで、とうもろこしのでん粉が糖に変わり甘くなるようです。

茹で上がったら鍋から、とうもろこしを取り出し冷まします。皮を全部取り除き1本ずつラップで綺麗に包んで冷蔵庫で保存しましょう。冷蔵なら1~2日、冷凍なら2~3週間保存が可能です。冷凍を使うときは自然解凍かそのまま加熱して調理しましょう。

圧力鍋での蒸し方

鍋での蒸し方は殆ど抵抗なく、皆さん自然に蒸しておられると思います。では圧力鍋での蒸し方はどうしたらいいのでしょう?時間はどのくい?水はどのくらい入れるの?など圧力鍋での蒸し方を紹介したいと思います。

鍋での蒸し方と同様薄皮を残す

やはり圧力鍋で蒸す場合も、鍋の時同様に薄皮は一枚残しましょう。圧力鍋の底にすのこを置いて水を300ccくらい入れます。すのこの上にとうもろこしを並べて入れます。圧力鍋の蓋をきっちり閉めたら火にかけます。沸騰してきて錘が揺れ始めたら弱火にいして加圧時間は5分です。火を止めてそのままで蒸らし時間は10分くらいでいいと思います。

薄皮とヒゲを取り除いて、1リットルの水に対して20g位の塩の食塩水にとうもろこしを浸して塩味を付けます。

圧力鍋の種類によって加熱時間は違う?

圧力鍋の種類は、アルミ製・ステンレス製・多層式と素材だけでも違いがあり、またおもり式とスプリング式の違いであったり、ガスコンロで使えない電気圧力鍋や電子レンジ圧力鍋など結構種類があります。全ての圧力鍋の知識を入れてどれを使うかを決めるのは、とても選びきれないので、初心者でも使いやすい圧力鍋を選ぶポイントを紹介します。

まず「おもり式」か「スプリング式」どちらの圧力鍋を選ぶかですが、「おもり式圧力鍋」は蒸気口を金属製のおもりで塞ぐ単純な構造で圧力がかかり蒸気が出始めると、蒸気の力でおもりが揺れてシュッシュと音が鳴ります。

次に「スプリング式圧力鍋」は蒸気口にバネが入れられておりバネの力で圧力を調整するという複雑な仕組みになっており、蒸気もほとんど出ずに音が静かで匂いも漏れてきません。静かなスプリング式の方が一見よさそうに思うでしょうけれど、おもり式の方が圧力がかかった時が分かりやすいのです。圧力鍋の過熱時間は、圧力がかかってから何分というレシピがほとんどですので初心者には「おもり式」が向いていると言えます。

さて、肝心な高圧力鍋だと時間が短縮できるのか?ですが。答えは出来ます。普通の鍋の調理温度は100度ですが、一般的な圧力鍋で115度~118度になります。更に高圧力鍋だと124度~126度ほどになるので、加圧時間は普通の圧力鍋よりも約半分くらい短くてすみます。時間の短縮と省エネになります。

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とうもろこしの蒸し方・炊飯器

スイッチを押すだけガスも使わない蒸し方

とうもろこしの下準備(薄皮付き)ができたら、炊飯器に水400mlを入れて、とうもろこしを入れます。早炊きモードでスイッチを入れ、20分経過したら途中でスイッチを切ります。炊飯器からとうもろこしを取り出し、塩水に浸します。ガスを使わず簡単に蒸せます。

とうもろこしの蒸し方・電子レンジ

ラップも水も使わない蒸し方

とうもろこしの下準備(薄皮付き)をしたら、そのまま電子レンジに入れて600wで約10分加熱します。途中で、トウモロコシの上下をひっくり返すと均等に熱が伝わり上手く蒸せます。

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とうもろこしの蒸し方・フライパン

1cmの水での蒸し方

とうもろこしを下準備(薄皮付き)したら、とうもろこしが入るサイズのフライパンに水を深さ1cmほど入れます。蓋をしたまま沸騰させたら弱火にして10分蒸します。フライパン一つで本当に簡単で後片付けもフライパンを洗うだけです。

どんな蒸し方でも薄皮付きで調理すべし

折角、皮付きのとうもろこしを買ってきたのに邪魔だとばかりに全部皮を剥き、ごみ箱に捨てていた人は今回紹介した薄皮付きのとうもろこしで調理をしてみて下さい。本当に鮮やかに黄色くふっくらとした蒸しとうもろこしができます。

とうもろこしは皮付きがいい訳

とうもろこしを買う際は、水分を逃さず保たれている皮付きを選ぶようにするとか、茹でる時も蒸すときも薄皮付きで加熱すると、ラップをしなくてもとうもろこしの粒がふっくらと蒸しあがり、しわしわになりにくいということも分かりました。また、レンジで加熱する際も皮付きを使えば旨味と水分を上手く保ったまま蒸しあがり、美味しく食べられます。

それから、美味しいとうもろこしを選ぶ時にも皮の筋が縦に真っすぐのものを選ぶとか、ヒゲが茶色いものは熟しているなどの判断材料になることも分かりました。とうもろこしの蒸し方・茹で方を深く掘り下げて調べてみましたが、いかがでしたでしょうか?少し知識があれば安いとうもろこしも数倍美味しく食べられるので、色々と試してみてください。

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