成型肉とは？普通の肉との見分け方やおすすめレシピもチェック！

成型肉とは、その名の通り成型した肉のことをいいます。あまり耳にしない言葉でも、実は日々の食生活の中で、知らないうちに口にしているかもしれません。それほど、成型肉は食生活と密着した存在なのです。

本記事では、成型肉とはどういう肉なのか？特徴や調理する際の注意点なども、詳しく解説しましょう。成型肉の焼き方や普通の肉との見分け方なども、チェックポイントです。

成型肉は肉の赤身や脂身、横隔膜などに結着補強剤や植物タンパクなどを加え、肉をやわらかくして人工的に結着たものです。それをサイコロステーキなどに成型して、販売されています。成型肉は他にも、圧着肉もしくは結着肉と呼ばれることもあるそうです。使用される肉は、商品価値の低い端肉や内臓肉などの、いわゆる屑肉が主になっています。

インジェクション加工とは、固い赤身の肉に牛脂を注入することです。この加工法で、人工的にやわらかい霜降り肉を作ることができます。インジェクション加工された肉は、焼いても縮まらずパサつきが少ないのが特徴です。外食のステーキ肉や豚カツなどに、使用されていることもあります。

また、スーパーなどで販売されている肉のパッケージに、やわらか加工などと表記されているものがあります。やわらか加工とは、肉の筋や繊維を細かく切断し、酵素などを加える方法です。そのような肉も成型肉になります。焼肉用のハラミなどに活用されることが多い、加工法だそうです。

成型肉の一番の魅力は、何といっても柔らかい食感です。肉の繊維が細かく断ち切られているため、どんなに硬い肉でも柔らかくなります。お箸で簡単に切れるほど柔らかいのが特徴です。

また、注入する牛脂の中にスパイスや和牛のエキスが含まれていることも多く、ジューシーさも堪能できます。販売業者は柔らかくておいしい成型肉を目的に製造しているため、食感や味においては満足できるものが多いです。

成型肉は加工技術が高度になり、焼き方や味付けを工夫すれば、普通の肉とほとんど変わらないおいしさになります。味の見分け方ではなかなか成型肉かどうかを、判断するのは難しいでしょう。値段が安いわりには柔らかくてジューシーだと感じれば、成型肉の可能性が高いです。

成型法は高価なサイコロステーキなどを、安価で提供するために生まれた加工技術です。そのため、サイコロステーキが豚肉や鶏肉と同じくらいの値段で販売されている場合も、成型肉かどうかの見分け方の一つになるでしょう。

一番分かりやすい成型肉の見分け方です。加工された販売食品は全てにおいて表記義務があります。そのため、ラベルの名称の欄に成型肉または加工肉と、表記しなくてはなりません。ラベルを見るとすぐに成型肉かどうかが分かります。

また、成型肉には乳化剤やタンパク質、リン酸塩などの添加物が入っているのが特徴です。それらも栄養成分表に表記されています。特に成型肉を避けたい方は、パッケージのラベルを確認してから購入すると良いでしょう。

見た目で判断する見分け方もあります。成型肉の断面をよく見てみると、肉の繊維が様々な方向から入っており、繊維同士が不自然に結びついているのが特徴です。普通の肉であれば、繊維の向きが同じで縦なら縦のみ、横なら横のみで統一しています。

また、焼肉店などに並んでいる生肉の盛り皿を見てみて、皿の底に大量の赤い汁が溜まっているようなら、成型肉の可能性が高いです。そして、普通の肉と焼き方は同じでも、成型肉の方が火の通りが早く焦げやすいのも特長になります。

成型肉は肉のさまざまな部位から作られています。先述したようにくず肉を使用しているので、一般的でない内臓部分や腹横筋、横隔膜なども含まれていると、考えて良いでしょう。本来、肉の雑菌は表面にしか付かないため、表面さえしっかり焼いておけば、レアの焼き方でも食べれます。

しかし、成型肉はさまざまな部位のくず肉を固めたものであるため、内部まで雑菌が繁殖する可能性が高いのです。そのような理由から、しっかり中まで火を通す焼き方で、食べるようにしてください。焼き方が悪いと食中毒になる可能性もあります。また、保存環境にも気を付けて、購入したらすぐに冷蔵または冷凍保存をしておきましょう。

成型肉の材料は、肉だけではありません。成型する過程で、いくつかの添加物を使用しています。肉の繊維同士を繋げる結着剤には、リン酸塩を使用していることが多いそうです。リン酸塩は肉の変色を防ぎ日持ちを良くするメリットがありますが、摂取し過ぎると骨の性質を弱くするというデメリットもあります。

また、牛脂を注入する時に脂が凝固するのを防ぐために、乳化剤を使用します。その乳化剤の独特のにおいを消すために、さまざまな化学調味料を使うのが一般的です。

このことからも、成型肉に無添加なものはないと考えて良いでしょう。無添加思考の方に、成型肉は向いていない食品です。しかし、添加物が含まれている食品は、成型肉に限らず私たちのまわりに多くあります。添加物の摂りすぎはおすすめできませんが、日々の食生活に上手に活用するのも一つの方法です。

スーパーなどで販売されている成型肉に対しては表示義務がありますが、外食産業に対しては表示義務が定められていません。もちろん中には、成型肉であることをメニューに表示しているお店もあります。しかし、全てのお店がそうではないので、注意が必要です。

例えば、メニューに「やわらか加工をしています」「よく焼いて食べてください」などと記載されている場合は、成型肉かもしれないと思った方が良いでしょう。食中毒を防止するためにも、自分で肉を焼くスタイルの焼肉店などで食べる場合は、しっかりと火を通す焼き方で食べるのが原則です。

成型肉で加工されたサイコロステーキはよく知られており、実際に食べたことがある人も多いでしょう。ちなみに、全てのサイコロステーキが成型肉であるとは限りません。値段は高めですが、肉だけを使用したサイコロステーキもあります。

現在は加工技術が発達しており、サイコロステーキ以外にも、成型肉はさまざまな食品に加工されています。例えば、豚カツや唐揚げ、チキンナゲットなどにも使用されており、外食した時や市販のお弁当などで、知らないうちに口にしていることがあるかもしれません。

にんにくをたっぷり使用した、スタミナ補給にピッタリの料理です。ガーリックを炒めたフライパンで焼くことで、肉にガーリックオイルが絡んで風味が染み込みます。使用するにんにくは、生でも乾燥タイプでもOKです。

おいしい焼き方のコツは、ステーキの1個1個を丁寧に裏返すことです。そうすると、まんべんなく火が通り香ばしく焼き上がります。メイン料理やおつまみにはもちろんのこと、お弁当のおかずにもおすすめです。

厚揚げや長ネギと組み合わせて、麻婆豆腐風に仕上げた人気レシピです。牛成型肉のくさみを消すために、香辛料を使って味付けしました。

おいしい作り方のポイントは、香味野菜を炒め過ぎないことです。炒め過ぎると、焦げたり苦味が出てしまいます。また、厚揚げは熱湯に1分ほどさらしてから、調理に使いましょう。白ご飯がすすむおすすめの一品です。

ゴーヤと一緒に卵炒めにした人気レシピです。焼肉のタレと塩こしょうだけの簡単な味付けで、おいしい炒め物ができます。ゴーヤは苦味の元である種を取り除き、砂糖と塩をなじませておくと、独特の苦味と青臭さが取れます。肉の旨みと歯ごたえのあるゴーヤ、まろやかな卵が絡み合い、とてもおいしい一品です。

ボロネーゼといえばひき肉ですが、あえてサイコロステーキを使って肉感を出しました。成型肉であるため炒めているうちに、ひき肉のようにパラパラになっていきます。

作り方のコツは肉にしっかり焼き目をつけておくと、香ばしくなりおいしいです。また、赤ワインを入れて強火で煮詰めると、肉のくさみも気になりません。食べ応えのあるパスタに仕上がるので、ぜひ作ってみてください。

【材料】

• ご飯：1人分
• ネギ：適量
• サイコロステーキ：150g
• 卵：2個
• 塩、醤油、味の素：少々
• ブラックペッパー：少々
• ごま油：適量

1. ネギは適当な大きさにカットします。
2. サイコロステーキは細かくカットします。
3. ボウルに卵を入れて、混ぜ合わせます。
4. フライパンにごま油をひき、2を入れます。
5. 肉に火が通ったら、溶き卵を加えます。
6. 卵に膜が張ってきたら、白ご飯を入れます。
7. ご飯をほぐしながら、強火で全体を炒め合わせます。
8. ブラックペッパーと味の素をふって、さらに炒めます。
9. ご飯を端に寄せて、空いたところに醤油を入れて蒸発させながら香りを出します。
10. 全体に味がまんべんなく行きわたるように、炒めます。
11. 仕上げにネギを加えて、塩で味を調整して完成です。

成型肉のサイコロステーキを、ひき肉風に細かくしてチャーハンの具材にしました。牛肉ならではのコクが出て、とても美味しいチャーハンに仕上がります。チャーハンをパラパラにするコツは、溶き卵に膜が張る状態の時にご飯を入れることです。

成型肉にはすでに味が付いているものもあるので、塩分の調整には気を付けてください。入れすぎるとしょっぱくなるため、塩は最後の味の調整の時に加えると良いでしょう。

子供から大人まで大好きな、サイコロステーキ丼の人気レシピです。焼いたあとに残った肉汁で、おいしいステーキソースも作りました。肉は濃いめの味付けですが、ご飯の上にキャベツの千切をのせることで、丁度良い味のバランスがとれています。

お好みでネギやごま、七味唐辛子などをトッピングしてください。ジャムは砂糖の代用で入れているので、ジャムがなければ砂糖でOKです。

カレーとデミグラスソースのルーをミックスして使った、絶品デミカレーの人気レシピです。通常よりサラサラしたカレーに仕上がります。トロトロが好きな方は、水の量を減らしたりカレーやデミグラスのルーを増やしたりして、調節ましょう。成型肉は柔らかい上に値段も安いので、惜しみなくたっぷり入れて、美味しいデミカレーを作ってください。

【材料】8皿分

• サイコロステーキ：500g
• 人参：1本
• じゃがいも：2個
• 玉ねぎ：2個
• ビーフシチューのルー：1箱
• 水：1000ml
• 油：適量
• 味塩こしょう：適量

1. 人参、じゃがいもは食べやすい大きさにカットします。
2. 玉ねぎは厚めにスライスします。
3. 鍋に水、人参、じゃがいもを入れて茹でます。
4. フライパンに油をひいて、玉ねぎを炒めます。
5. 玉ねぎにある程度火が通ったら、3に加えます。
6. フライパンにサイコロステーキを入れて焼きます。（油不用）
7. 6に味塩こしょうをふります。
8. 肉が焼けたら鍋に加えます。
9. アクを取りながら、煮込みます。
10. 火を消してルーを入れます。
11. ルーが溶けたら、再び火を付けて煮込みます。
12. 具材がお好みの柔らかさになったら完成です。

業務スーパーで販売されている、成型肉のサイコロステーキを使用しています。サイコロステーキを焼く時に、かなり脂が染み出てくるので、余分な脂はキッチンペーパーで吸い取ってください。

また、肉にワインやスパイス、ハーブなどで、強めに味を付けてもおいしく食べれます。肉がゴロゴロ入っているので、お酒にもよく合う一品です。お好みで具材の量は加減しても構いません。きのこ類を足してもおいしいでしょう。

成型肉をしぐれ煮にした、ご飯にピッタリ合う人気料理です。そのまま食べても良いし、丼や野菜炒めに活用しても良いでしょう。煮込み始めは肉の脂とアクが出てくるので、きれいに取り除くことが美味しく仕上がるポイントです。生姜を効かせることで、成型肉独特のにおいが消えて、柔らかく味の染みた逸品になります。

たっぷりの豆とセロリ、玉ねぎを使った、スパイシーなチリビーンズです。チリビーンズはひき肉を使うことが多いですが、成型肉を使ってさらに肉のごろごろ感を楽しめるようにしました。トマト缶の酸味が強く感じたら、砂糖を少量加えてください。

カイエンペッパーは加熱すると辛くなるので、味が決まってから入れた方が良いでしょう。カイエンペッパーがなければ、赤唐辛子でもOKです。

成型肉について徹底解説しました。成型肉のメリットは、安くて手軽に購入でき、食感も柔らかくおいしいという点です。しかし、添加物が含まれており、焼き方が悪いと食中毒になる可能性があるという、デメリットもあります。

添加物を避けたい人には向いていない食品ですが、成型肉の特性を知った上で、たまには献立に取り入れて上手に利用するのも良いでしょう。