高級魚「キュウセン」の味・美味しい食べ方まとめ!ベラとの違いは?

高級魚であるキュウセンの生体や特徴、その味わいや美味しい食べ方などについてまとめました。また、 同じベラ科の魚であるベラとの違いについても徹底解説!キュウセンの持つ旨味が存分に楽しめる特選レシピが満載です!

高級魚「キュウセン」の味・美味しい食べ方まとめ!ベラとの違いは?のイメージ

目次

  1. 1キュウセンの特徴や美味しい食べ方を紹介
  2. 2キュウセンの特徴
  3. 3キュウセンの生態
  4. 4キュウセンの味と口コミ
  5. 5キュウセンの下処理方法
  6. 6キュウセンの美味しい食べ方
  7. 7キュウセンのおすすめレシピ
  8. 8キュウセンの特徴や美味しい食べ方まとめ

キュウセンの特徴や美味しい食べ方を紹介

東日本では馴染みのないキュウセンですが、西日本では非常にポピュラーな魚として親しまれている存在です。カラフルな見た目が特徴で、その身には独特の味わいがあります。そこで、本記事では高級魚としても知られるキュウセンの生体や特徴、その味わいや美味しい食べ方などについてまとめました。

また、 同じベラ科の魚であるベラとの違いについても徹底解説!本記事を参考に、キュウセンならではの濃厚な旨味をたっぷりと堪能してください。

キュウセンの特徴

キュウセンの味わいについて説明する前に、まずはキュウセンの特徴について簡単に紹介しておきます。キュウセンという魚の名前を、本記事で初めて耳にしたという方も少なくないでしょう。西日本ではポピュラーなキュウセンですが、果たしてこの魚はどの様な特徴を持つ魚なのでしょうか?覚えておくべきポイントについてまとめました。

キュウセンとは?

キュウセン(求仙)はスズキ目ベラ亜目ベラ科に分類される魚の1種です。成長するとメスで約20cm、オスで約30cm程度の体長となり、体色も黄褐色と黄緑色に変化します。この体色の違いからメスには「アカベラ」、オスには「アオベラ」といった別名が付けられているそうです。

表皮に独特のぬめりがあり、調理の際には下処理が必要となります。また、魚体サイズに対してかなり大きめのうろこを纏っており、このうろこが非常にはがれにくいことでも有名です。また鰓蓋があまり開かないので、調理にはそれなりの技術が必要となります。それ故に、調理経験の少ない人には若干ハードルが高い魚かも知れません。

キュウセンとベラの違い

先程説明した通り、キュウセンはスズキ目ベラ亜目ベラ科に分類される魚の1種です。ただし、同じベラ科の魚といってもベラにも非常に多くの種類があり、その数は何と約500種に渡るとも言われています。キュウセンはこのベラ科の中の1種である「キュウセンベラ」に該当します。

これらベラ科の魚は、簡単に言うと全てが「ベラ」です。つまり、キュウセンとベラに大きな違いはなく、どちらも同じ種類の魚ということになります。キュウセンやベラに限らず、地方によって魚の呼び方が異なることは決して珍しくありません。キュウセンとベラもそうした習慣や土地柄に拠る違いと考えて間違いないでしょう。

名前の由来

キュウセンの背面中央と体側には黒色の太い縦帯が入っており、この線の合計数である9本がキュウセンという和名の由来となったそうです。この「キュウセン」という呼び方は神奈川県三浦半島で使われていた呼称だそうで、それがやがて全国に定着する形となりました。

キュウセンにはこの他にもギザミ、ギサミ(瀬戸内海沿岸)、シマメグリ(青森県)、モズク(富山県)、ヤギ(島根県)、スジベラ(和歌山県)、ベロコ(香川県)、クサビ(長崎県)、モバミ(鹿児島県)など、地方によってさまざまな呼び方があります。さかなクン宜しくちょっとしたネタ話にもなるので、この機会に覚えておくとよいでしょう。

キュウセンの生態

キュウセンの特徴を理解したところで、続いては生態についてチェックしていきましょう。ここではキュウセンの食性や生態系、そしてキュウセンの生息地などについて解説します。また、成長したキュウセンの一部に見られる性転換の仕組みについてもまとめました。

食性

まずはキュウセンの食性についてチェックしていきましょう。キュウセンの口は、ベラの同様に鰓蓋が僅かしか開きません。その為捕食対象もかなり限られており、小えびやプランクトンといった水生の小型生物が主な餌となります。ツンツンと餌を啄むタイプの魚がいますが、キュウセンはまさにそれです。

その可愛らしい捕食行動とは対象的にキュウセンの食欲は非常に旺盛で、釣り針の餌を片っ端から啄んでいくことも珍しくないのだとか。当たりを待つ間に餌が失くなってしまったら、それはキュウセンの仕業かも知れません。

キュウセンは性転換する

キュウセンのメスの一部は成長後に性転換を行います。これは「雌性先熟」と呼ばれるもので、繁殖に参加したメスの成体がオスへと性転換を果たし、今度はオスとして繁殖に参加することを意味しています。キュウセンの性転換が行われるのは体長が9〜15cm程度の頃で、身体の大きなメスの個体がオスへと性転換してハーレムを形成します。

アオベラと呼ばれるキュウセンは全てこのタイプに該当するオスであり、これらの個体を二次オスと呼びます。一方生まれながらのオスも存在しており、これらの個体は一次オスと呼ばれているそうです。ただ、一次オスの見た目はメスと全く同じで、見た目だけでは全く区別することができません。

性転換を行う魚はキュウセンをはじめとするベラ科のみではありません。他にも、ブダイ科、ハタ科、モンガラカワハギ科、ハゼ科など、サンゴ礁に暮らす多くの種類で性転換が行われています。

キュウセンが性転換を行う理由は繁殖の為です。一夫多妻の繁殖形態を持つベラ科の場合、身体の小さなオスは繁殖の機会をなかなか得ることができません。そこで、身体が小さなうちはメスとして繁殖を行い、縄張りを持てる大きさになった段階でオスへと性転換を行うのです。
 

キュウセンの生息地

キュウセンは北海道の函館市以南及び朝鮮半島、東シナ海に南シナ海沿岸と幅広く分布する魚です。ベラ科の魚としては低温に強く、温帯域にも分布できる数少ない種類といえるでしょう。日本沿岸には多数の個体が生息しており、特に関西よりも西の地域では非常に馴染み深い魚として知られています。

どちらかといえばキュウセンは内湾性のある魚で、岩礁の点在する砂礫底や砂底等を主な生息地としています。また、産卵期は6月下旬から9月頃までですが、これも地方により多少の差異があるそうです。

キュウセンの味と口コミ

キュウセンの生体や特徴を把握したところで、いよいよその味と口コミについてチェックしていきましょう。関東ではほぼほぼ見かけることのないキュウセンですが、関西圏では非常に人気があり、高級魚として高値で取引されています。となると味の方もかなりの期待が持てるところですが、果たしてその味わいは如何なる物なのでしょうか?

キュウセンの旬

キュウセンの旬は産卵期に当たる7月から9月頃であるといわれています。先程も触れた様にこの産卵期は地方によって多少の際がありますが、おおよそその時期であると捉えておけば間違いありません。中でも夏真っ只中である8月は、一年でもっともキュウセンを美味しく食すことができる時期といわれています。

この期間は釣り人にとっても絶好のシーズンです。関西圏ではキスとともに夏場を代表する釣魚で、専用の釣り船が出るほどの人気があります。キュウセンは当たりが小さいので、釣り人の経験や腕の差が現れやすいといった特徴を有しています。

キュウセンはまずい?

肝心のキュウセンの味についてですが、一部には「キュウセンはまずい」といった噂があるようです。先程説明した通り、キュウセンは関西圏で高級魚として取引されている魚です。その魚がまずいとは考えにくいところではありますが、実際のところはどうなのでしょうか?

結論から言うと、これはデマである可能性が大です。先程キュウセンの生体で説明した様に、キュウセンは釣り人が垂らした餌を掻っ攫う「外道」として、日頃から一部の釣り人に忌み嫌われる存在です。そうした釣り人はキュウセンに対して日頃から悪印象を抱いており、鬱憤を晴らす形でまずいという噂を流したと言われています。

そもそも本当にまずければキュウセンが高値で取引される訳がありません。鑑賞魚ならまだしも、食用の魚であるキュウセンがまずいにも関わらず高値で取引されることがあるでしょうか?高値で取引されるのは、それだけ需要があるという証拠です。そのキュウセンがまずいというのは、単純に考えて有り得ません。

上品な白身

白身魚であるキュウセンは、クセのない上品な味わいが特徴です。しっとり柔らかめの食感で、口の中に入れた途端にホロリとほどける様な感覚が楽しめます。そのままお刺身として食べるのはもちろん、煮付けや素揚げ等の加熱調理もおすすめで、どの様な料理に仕上げても絶品の味わいを堪能することができます。

白身魚が好きな方なら、キュウセンは間違いなく気に入るタイプの魚といえるでしょう。高級魚ということでおいそれとは手が出しづらいですが、とはいっても腰が抜ける程の値段ではないので、外食先で見かけた際には、その味わいを試してみてください。

刺身の味は?

キュウセンを食する上で、最もおすすめなのがお刺身です。素材の持つ旨味や食感をダイレクトに楽しむなら、やはりお刺身が最適といえます。加熱調理したキュウセンももちろん美味しいですが、はじめてキュウセンを味わう際にはひとまずお刺身からオーダーするのがおすすめです。

キュウセンの身はプリプリとした弾力としっとりとした食感が特徴です。脂乗りもよく、品の良い旨味と風味が楽しめます。この奥深い味わいを一度でも味わってしまうと、もうヘタな白身魚は食べられなくなるかも知れません。白身魚のお刺身が好きな方は、ぜひ一度キュウセンの刺身を試してみてください。

口コミ・評判

では実際にキュウセンを食べたことがある人々の口コミや評判をチェックしていきましょう!本記事ではTwitterに寄せられていたキュウセンに関する評価や口コミをまとめてみました。結果から言うと、キュウセンの味に関する評判は上々で、Twitterにも多数の高評価が寄せられていました。

評価内容はさまざまですが、「キュウセンはどの様な食べ方をしても美味しい」というのが大方の意見となっています。特に西日本に暮らす人々にとってこのキュウセンは非常に親しまれている魚ということで、非常に高い評価が寄せられているようでした。

逆に関東では殆ど出回ることがない魚ということで、味についての口コミや評判どころか、食べたことがあるという口コミ自体が見当たらないといった状況です。この辺りもまたキュウセンが持つ特徴の1つであるといえます。

キュウセンの下処理方法

味わい深くて美味しいキュウセンですが、残念なことに調理にはそれなりの手間が必要です。ここではキュウセンを調理する際に必須となる、下処理についての解説を行います。

ぬめりの取り方

前述の通りキュウセンの表面には大量のぬめりがあり、そのままでは刺身はおろか焼き物にも煮物にも使うことができません。よって、まずはこのぬめりをきちんと取り除いておく必要があります。では、実際にキュウセンの表面からこのぬめりを取り除くやり方を説明していきましょう。

まずは大きめのボウルを用意し、その中にキュウセンとたっぷりの塩を投入してください。投入する塩の量はキュウセン全体に塩が被る程度を目安としてください。次に手でじっくりとキュウセンを塩揉みし、表面からぬめりを浮き上がらせてください。

暫く揉み込みを続けているとぬめりが浮かび上がってくるので、今度はキュウセンを固定したままボウルをひっくり返してみましょう。そうすると更に浮かび上がったぬめりが出てくるはずです。そうしてぬめりを取り除いたら、キュウセンをしっかりと水洗いして、丁寧に捌いてください。後は酢を投入して寝かせておけば下処理の完了です。

ぬめりを取り除く工程と同様に、この酢じめもキュウセンの下処理には欠かせない工程です。雑食性であるキュウセンの匂いはしぶとく、塩で揉み込んだだけでは落とすことができません。しかしその身を酢で浸すことで、驚くほどサッパリと匂いを取り除くことができます。

捌き方

キュウセンの捌き方ですが、それ自体は特に難しいことはありません。まずは他の魚同様ウロコをはがし、頭を落として腹に包丁を入れてください。そこから内臓を取り除いたら、後は3枚におろしてして完成です。魚を捌いた経験がある方なら、難なく三枚におろすことができるでしょう。

ただし、一点だけ厄介なのがウロコ剥がしです。前途の通りキュウセンのウロコは大きくて硬さがあり、かなり剥がしにくい部類に入ります。手で剥がすとなるとかなりの時間が必要となるので、もしウロコを剥がす道具を持っているようでしたら、そちらの使用をおすすめします。

キュウセンの美味しい食べ方

続いてはキュウセンの美味しい食べ方について紹介します。スタンダードな食べ方から郷土料理まで、おすすめの食べ方を幾つかまとめました。

刺身

先程も説明した通り、やはり最初は刺身がおすすめです。刺身にしたキュウセンは、プリプリっとした身の弾力としっとりとした優しい歯ざわり、そして濃厚で奥深い旨味を堪能することができます。

煮付け

続いては煮物です。時間を掛けてじっくりと煮込んだキュウセンは、これ以上無い極上の逸品に仕上がります。その上品な味わいと風味には必食の価値ありです。

素揚げ

素揚げにしたキュウセンもまた格別なモノがあります。口コミでも非常に人気が高い食べ方で、「ふわっとした風味と旨味が、口の中一杯に広がっていくのがたまらない」との評判です。

ハブテ焼き(広島郷土料理)

ハブテ焼きとは広島の郷土料理で、予め煮付けておいた魚を焼くという独特の料理です。水分の多いベラ科の魚にとってこの方法は非常に効果的であり、どの様なベラでも美味しく食べることができます。その分調理にはそれ相当のスキルが求められるので、マスターにはかなりの時間が必要となります。

その他の料理

他には天ぷらや唐揚げなど、さまざまな食べ方で楽しむことが可能です。興味が有る方はこの機会にぜひ「キュウセン 料理」で検索してみてください。

キュウセンのおすすめレシピ

最後はキュウセンを使ったおすすめ料理のレシピを紹介しておきましょう。どの料理もキュウセンの旨味が存分に味わえるモノばかりですので、この機会にぜひマスターしてください!

キュウセンの煮付け

定番であるキュウセンの煮付けの作り方です。こちらのレシピでは煮付ける前に一度素焼きを行ってから調理を行っています。これにより味の入りにくいキュウセンの身に、しっかりと味を染み込ませることができるのです。つまりハブテ料理の逆バージョンとなりますが、実際かなり効果的な調理法といえるでしょう。

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キュウセンの酢漬け

香ばしく焼き上げられた皮目の旨さがたまらない、キュウセンの酢漬けのレシピです。クセのないサッパリとした白身に、スッキリとして爽やかな酢醤油の味わいが程よくマッチしています。南蛮漬けの様に、夏場の暑い時期におすすめの一品です。

皮目の旨さ。青ギゾ(キュウセン)の酢漬け by オヤビッチャ 【クックパッド】 簡単おいしいみんなのレシピが337万品

キュウセンの素揚げ

背中を開いて揚げるだけの超シンプルな一品、キュウセンの素揚げの作り方です。面倒な下処理を済ませた後のキュウセンからしっかりと水分を取り除き、170度の油でカラリときつね色になるまで揚げています。味付けは塩のみでも充分美味しいですが、好みでネギポン酢などを使用してもよいでしょう。

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キュウセンの一夜干し

何とも言えない贅沢な味わいが楽しめる、キュウセンの一夜干しの作り方です。下処理後三枚におろしたキュウセンを塩水に浸け、乾くまで丸一日掛けて天日干しにした一品です。透き通った飴色が特徴で、濃厚な旨味とふんわりとした風味を堪能することができます。

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キュウセンの特徴や美味しい食べ方まとめ

キュウセンの特徴や美味しい食べ方などについて紹介しました。主に西日本で人気のキュウセンは、下処理に多少の手間は掛かるものの、実に見事な味わいを楽しませてくれる魚です。関東及び東日本ではなかなかお目に掛かる機会もありませんが、見かけた際にはぜひともその奥深い味わいを堪能してください。

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