2020年05月27日公開
2024年10月22日更新
いとこ煮(かぼちゃと小豆煮物)の作り方とアレンジレシピを紹介
郷土料理であるいとこ煮について、各地域で伝わる特徴や名前の由来を説明します。そしてかぼちゃと小豆を使った、作り方やいとこ煮のアレンジレシピを紹介していきます。ぜひおかずの一品として参考にしてみてください。
いとこ煮のレシピを紹介!
冷凍しておいたあんこを使って
— あずきなこ (@warabikinako575) May 19, 2020
「かぼちゃのいとこ煮」
塩とおしょう油をちょこっと足しただけで美味しく仕上がりました😋 pic.twitter.com/tnwQPfKZi2
小豆は美味しいだけではなく、健康を保つための栄養素も多く含まれています。そんな小豆を煮て作るいとこ煮の、よく知られている作り方と簡単なアレンジレシピを紹介します。
また、甘すぎるものが苦手な方向けにあっさりしたレシピや、かぼちゃが得意でない方向けに他の食材を使用したいとこ煮も紹介していきます。是非チェックしてみてください。
いとこ煮の特徴と基本レシピ
山形県庄内地方などに伝わる郷土料理
いとこ煮
— 凡鑽(しまがない) (@kyotobon3) May 22, 2019
かぼちゃと小豆の煮物。
おいおい、めいめい、煮るから
「いとこ煮」このネーミングセンス好きだなぁ〜
wikiで調べたらこのいこと煮は奈良のいとこ煮だそうです。
山形や北陸、萩のいとこ煮はちょっと違うみたい。 pic.twitter.com/qBU1Dtymod
いとこ煮は山形県庄内地方や北陸地方(新潟県・富山県・石川県)、山口県萩市や奈良県で伝わる郷土料理です。どの地域も小豆を使うことは共通して同じですが、その調理方法や材料は異なります。
各地のいとこ煮の特徴を簡単に説明します。山形県庄内地方では小豆のみを煮た後、一晩水に浸したもち米の上に小豆を乗せて煮ます。その後、砂糖と塩で味付けします。山形県の方の秋から冬の季節に食卓に並ぶ料理です。
北陸地方では根菜類(大根・人参・ごぼう・里芋等)とこんにゃく・油揚げを調味料で味付けして、茹でた小豆を最後に加えます。地元では精進料理として食べられています。奈良県は小豆とかぼちゃを煮て醤油で味付けしたもので、冬至に食べると風邪を引かないと言われています。一般的によく知られているいとこ煮はこの調理法が多いです。
山口県萩市は他の地域と異なり、だし汁の中に干し椎茸やかまぼこなどを入れて調理します。そして、他の地域のいとこ煮に比べ汁気が多いことが特徴です。よって煮物というより汁物に近い料理です。冠婚葬祭の際の料理として食べられています。このように各地域によって、同じ名前でも全く違う料理を表しています。
名前の由来
なぜいとこ煮という特徴的な名前になったのでしょうか。諸説はありますが、煮る時に食材を火の通りにくいものから入れることを「追い追い煮る」といいます。そこから「追い追い」が「甥甥(おいおい)」つまり、いとこという意味でいとこ煮になったという説が一番有名です。
他にも、別々に食材を煮ることを「銘々(めいめい)に煮る」というので、「姪姪(めいめい)」から、いとこ煮が生まれた説もあります。根菜類を使う地域では、大根や人参など似たような野菜ばかりを煮ることから近い存在、つまり近親関係ということからつけられた説もあります。
いとこ煮という名前の背景には様々な説があります。ただの煮物ではなく、いとこ煮という名前がついていることに地元の方の愛を感じます。
いとこ煮の材料と作り方
【材料】
- 小豆(乾燥) 60g
- かぼちゃ 300g
- だし汁(鰹) 500ml
- 砂糖 小さじ4
- しょうゆ 小さじ4
【手順】
- 小豆をザルに入れ、水で洗います。
- 鍋に小豆と4〜5倍の水を入れ、強火で茹でます。
- 煮立ったら一度茹で汁を捨て、再度4〜5倍の水を加え火にかけます。
- 煮立ったら火を弱め、アクを取りながら柔らかくなるまで煮ます。
- かぼちゃはところどころ皮を削ぎ、一口大に切ってから面取りする。
- 鍋にだし汁とかぼちゃを入れ火にかけ、煮立ったら弱火にして3〜4分煮ます。
- 砂糖、しょうゆを加え味を整えたら、茹でた小豆を加えてかぼちゃが柔らかくなるまで煮て完成です。
奈良県で親しまれているいとこ煮です。時間をかけて小豆やかぼちゃを煮ることで、美味しく仕上がります。また、かぼちゃの面取りはしっかり行うことで口当たりがよく、型くずれしないのでワンランク上の煮物になります。
いとこ煮の人気レシピ
根菜を使ったいとこ煮
【材料】4〜5人分
- 小豆 100g
- こんにゃく 120g
- 厚揚げ 140g
- 人参 90g
- 大根 150g
- ごぼう 40g
- しいたけ 2枚
- 醤油 20g
- みりん 20g
- 砂糖 15g
- 出汁昆布 5cm
【手順】
- 小豆を水から煮て、沸騰したら一旦湯を捨てます。
- 再度、小豆の4〜5倍の水で差し水しながら煮ます。
- ごぼうを乱切りにして酢水につけておきます。
- 厚揚げ・こんにゃく・人参・大根をさいの目切りで切ります。
- しいたけは5mmほどのスライスにします。
- 厚揚げとこんにゃくは湯通しします。切ってからでOKです
- 2カップの水を入れ、昆布も入れます。
- 沸騰したら、ごぼう・人参・大根を加え、よく煮ます。
- 根菜類に火が通ったら、厚揚げ・こんにゃく・しいたけを加え、更に煮ます。
- 煮汁が少なくなってきたら小豆の茹で汁を入れ、醤油・みりん・砂糖で味を整えます。
- 茹でた小豆を加え、ひと煮立ちさせたら完成です。
富山県がある北陸地方のいとこ煮です。かぼちゃと小豆の組み合わせではなく、北陸地方のいとこ煮は昆布だしのきいた味になります。このレシピでは昆布を丸ごと使っていますが、自宅で作る際には昆布だしで代用しても美味しくできます。しっかり味の染み込んだいとこ煮はご飯との相性抜群です。
電子レンジで作るいとこ煮
こちらのレシピは、電子レンジだけを使用して簡単に作れるいとこ煮です。電子レンジでかぼちゃの煮物を作り、小豆はゆであずき缶を使うので手間なく調理できます。初めていとこ煮を作る人でも簡単に作ることができるので、冬至にもおすすめです。
いとこ煮ベーコン
甘いかぼちゃとベーコンのしょっぱさが合わさった甘じょっぱいいとこ煮です。だし汁や醤油も入っているので甘すぎず、いい感じにしょっぱさも加わったご飯と合う一品です。最後に煮汁につけた状態で、少し時間を置いておくと味が染み込みこみます。
さつまいもで作るいとこ煮
「かぼちゃが少し苦手」という方はさつまいもで作ってみてください。少量時から作れるのでおかずをもう一品作りたいという時にぴったりです。糖質が気になる方は蜂蜜で代用するか砂糖無しで作っても美味しいです。糖質と同様にカロリーも抑えられます。
圧力鍋で作るいとこ煮
圧力鍋で簡単に作ることができるいとこ煮です。下準備や長く煮る時間もかからず、圧をかけたら弱火で1分ほどで完成します。甘さが足りないと感じるときには、砂糖を加えると更に美味しくなります。
餅入りいとこ煮
小豆の汁気を多くして、餅を加えるとぜんざい風のいとこ煮が完成です。柔らかいかぼちゃとモチモチな餅の違う食感が相性良いです。意外にも家庭で余りがちな餅を使用して、おやつ感覚で食べられるいとこ煮を作ってみてください。
庄内地方のいとこ煮
山形県庄内地方で親しまれている地元の味、いとこ煮です。見た目は赤飯のように見えますが、食べてみるとおはぎのような味です。炊飯器で簡単に作れるのがポイントです。甘さ控えめで一度食べたら癖になります。
ねりあんでいとこ煮
【材料】
- かぼちゃ 130g
- 水 200g
- 砂糖 20g
- しょうゆ 5g
- みりん 10g
- ねりあん 40g
- 片栗粉 2g
- かぼちゃは種を取り皮を剥き、1cm角に切ります。
- 鍋に水と砂糖を入れ、弱火で柔らかくなるまで煮込みます。
- かぼちゃが柔らかくなったら、しょうゆ・みりんを加え5〜10分弱火で煮ます。
- かぼちゃの煮汁を取り分け、別の鍋に煮汁とねりあんを加えて火にかけます。
- 水溶き片栗粉を入れてとろみを付けます。
- かぼちゃの上にあんをかけたら完成です。
こちらのレシピは、ねりあんをいとこ煮にかけるという斬新な料理です。小豆の皮が苦手な方、お年寄りや子どもが安心して食べられます。口当たりが滑らかになるので、食べやすさを感じられるでしょう。
いとこ煮のレシピまとめ
いとこ煮について紹介しました。小豆とかぼちゃを使うものだけでなく、大根や人参などの根菜類を使った作り方もありました。いとこ煮を作り置きしておくことでお弁当のおかずやちょっとしたおやつ、さらにご飯のおかずを一品追加したいときにも活躍します。
ぜひ一度、いとこ煮を作ってみてください。そして自分なりにアレンジしてみても面白いかもしれません。