2020年04月23日公開
2024年10月18日更新
赤こんにゃくはなぜ赤い?味は?おすすめの食べ方・レシピも紹介
赤こんにゃくの特集です。赤こんにゃくの由来や赤い理由、どの地域の食べ物かなど詳しく紹介します。また、赤こんにゃくの味の特徴やおすすめの食べ方、とっておきの美味しいレシピも解説。赤こんにゃくの魅力を知って、ぜひ活用してください!
赤こんにゃくの特徴や食べ方・レシピを紹介!
赤こんにゃく
— これたべたことある? (@umaimonsagaso) April 17, 2020
滋賀県近江八幡では、蒟蒻といえば「赤」なんです。
辛そうな赤色ですが、別に辛子が入っているわけではなく、食べてみればお馴染みの蒟蒻です。
最近は「カルシウムや食物繊維が豊富なダイエット食品」として注目されてます pic.twitter.com/e8LjkYux1X
初めて見る人にとっては風変わりなものにも映る赤こんにゃく。馬刺しに例えられることも多い赤こんにゃくは、いったいどのような食べ物なのでしょうか?本記事では、赤こんにゃくの特徴や購入方法、美味しい食べ方について詳しく紹介します。
このこんにゃくが生まれた背景には、有名な戦国武将が深く関わっているともいわれます。その興味深い歴史やおすすめレシピも解説するので、食べたことのない人も試してみてください!
赤こんにゃくの特徴
赤こんにゃくは、どこで生まれたのか?なぜ赤いのか?その由来は?赤こんにゃくについて知らない人からすれば、次々と疑問が湧いてくるかもしれません。詳しく知って行くと、とても興味深いエピソードも隠されています。その特徴について具体的に紹介しましょう。
赤こんにゃくは滋賀県の名物
こんな感じの大量版でした
— ゆず美掲示板❤️書き込み多め(笑) (@yuzumi215) April 16, 2020
今朝はこの残り物食べます
ルンルン♥
赤こんにゃくと筍を炒めたの pic.twitter.com/HfME3Fgyai
赤こんにゃくは、滋賀県近江八幡市の名物です。地元近江八幡でこんにゃくといえば、赤こんにゃく。こんにゃくは赤いものというのが常識になっています。『赤こんにゃくの歌』というアニソンのような楽しい歌があるのですが、そこでもすき焼きに入れたらサイコー、と唄われています。
近江八幡では、おでんも肉じゃがもすき焼きも、こんにゃくレシピで使われるのは間違いなく赤こんにゃくです。四角い形で売られていることが多いですが、他に糸こんにゃくや玉こんにゃくもあります。姿だけを見ると取っつきにくいかもしれませんが、一度食べると美味しくてファンになる人も少なくありません。
現に小さな子供たちだけでなく、近江八幡に嫁いできた女性も喜んで口にしています。給食や郷土料理、地元の飲食店でもお馴染みの自慢の一品として振る舞われることが珍しくありません。
赤こんにゃくの由来
#自宅待機が奨励される今こそ過去のグルメ写真でTLを明るくしよう運動
— Musical Time 高知(定演延期、日時未定) (@MusicalTime2) April 15, 2020
土佐ろっこん(香美市)
『赤こんにゃく』 pic.twitter.com/Bd7AZUnEPJ
近江八幡で赤こんにゃくが生まれた由来は、諸説あります。なかでも最も有名なのが織田信長のエピソードにちなんだ話です。近江八幡には国の無形民俗文化財に指定された三つの火祭りがあり、その内の一つに左義長祭りがあります。
左義長とは、新わらで編んだ約3mの三角推の松明の上に数mの青竹を立て、赤い紙、くす玉、扇、巾着などをあしらった派手な飾り物のことを指します。発祥は中国の厄除け行事ですが、日本では承久元年(1291年)に、五穀豊穣や国家の安寧を祈願して始まりました。
正月飾りを焼いた火で餅を焼いて食べると無病息災で過ごせる、というどんど焼きとしても全国各地で知られています。宮中行事だったものが庶民にも広がり、信長の治世には安土城下で毎年正月に執り行われていました。
天正9年(1581年)の正月に、信長が、赤色の礼服に唐錦の測次、と書き残されている姿で、左義長祭りの舞台で派手に踊りを披露したと伝えられています。つまり今風にいうと女装して赤いドレスで踊ったに等しい珍事です。そのため、現代でも左義長祭りといえば男性が女装して参加することで有名です。
この信長の派手な朱色の衣装にあやかり、赤こんにゃくが生まれたといわれています。信長亡き後、豊臣秀吉が八幡山城を築くと、それに伴って多くの人たちが琵琶湖東岸の近江八幡に移住しました。そして左義長祭りは、現在も毎年3月に行われている日牟禮八幡宮の神事として継承されたといわれています。
他にも近江商人が、左義長祭りで神輿に貼られた赤いチラシをヒントにこんにゃくを赤くしようと思いつき、名物として世に広めたという説もあります。
赤こんにゃくはなぜ赤い?
赤こんにゃくといえば、滋賀県。
— ソウル (@FK7_Soul) April 12, 2020
滋賀県といえば、赤こんにゃく。 pic.twitter.com/3oEadBXRVT
この赤さを目にして、唐辛子が入っているのか?体に悪いのでは?といぶかる向きも多いようです。しかし、実際には唐辛子の赤さではなく、体にも害はありません。赤い色の正体は、食品添加物の三ニ酸化鉄です。かつては、食紅や唐きびを煎じて抽出した赤色を着色していました。
ところが、食紅は1週間もすると色落ちするため、後世になって三ニ酸化鉄に白羽の矢が立ちました。こんにゃくでは赤こんにゃく以外には一切使われていません。他には、バナナを出荷する時に処理の工程で赤い印をつけるために使われまています。三二酸化鉄は害はないどころか、鉄分は貧血にプラスに働きます。
そして、カロリーゼロで食物繊維やカルシウムを含むので、栄養面でもメリットがあるといえるでしょう。
赤こんにゃくの購入方法
赤こんにゃくなんて生まれて初めて聞いた。レバ刺しみたいで気持ち悪いが、どうやって食うんだこれ pic.twitter.com/hQyd73qJy5
— ▽ (@persesquioxane) April 15, 2020
赤こんにゃくは、滋賀県のほとんどのスーパーやこんにゃく販売店で購入できます。特に明治24年創業の老舗の乃利松食品吉井商店は、近江八幡で高い人気を誇る有名店です。地元では知らない人がいないくらい、赤こんにゃくでは圧倒的なシェアを誇ります。直接買いに行けなくても、専用サイトから通販でも購入できます。
楽天でも、様々なお店の商品が買えます。一袋ワンコイン以下と安価なため買い求めやすいでしょう。
赤こんにゃくの味と食べ方
赤こんにゃくの色も目を惹きますが、どのような味がするのかも大事なポイントといえます。その味の特徴とおすすめの食べ方を紹介しましょう。
赤こんにゃくの味
お持ち帰りの粕汁といなり寿司✨
— さくら (@sakurako1130) April 14, 2020
いぶりがっこと赤こんにゃくも!美味しい〜ほっこり😊生野菜がなかったので、ひらまさと芹のお刺身サラダは自分で作りました✨ pic.twitter.com/hVDoqfe0Gl
赤こんにゃくは、普通のこんにゃくよりも若干弾力があるのが特徴です。口の中に入れるともっちりとした粘り気と歯応えがあります。製法は普通のこんにゃくと似ているため、味はこんにゃくと変わりません。しかし、お店によって鰹ベースの出汁や醤油で煮込むなど独自の味付けのため、普通のこんにゃくとはひと味違って感じられるものもあります。
砂糖を加えることもあるので、甘味があって子供には余計に美味しく感じるかもしれません。
赤こんにゃくの食べ方①煮物や和え物に使う
今日のばあちゃん飯は、赤こんにゃくの煮物です🌸 pic.twitter.com/xX2UQemH58
— もも🐾癒しを探す愛犬家&うつ治療中 (@fod_lily_maria7) April 12, 2020
赤こんにゃくは煮物や和え物として使うのがおすすめです。おでん、すき焼き、肉じゃが、しぐれ煮など癖がないので他の野菜や肉などと煮込めばよく馴染みます。糸こんにゃくもあるので、煮込みに使うと出汁ともよく絡んで美味しく食べられるでしょう。豆腐を使って白和えにすれば、副菜やお弁当のおかずとしても活用できます。
赤こんにゃくの食べ方②刺身にする
こないだ、ここ滋賀のスカーレット展行った時に買った、赤こんにゃくをアテに光秀を飲みつつ麒麟がくるを見るぞい!赤こんにゃく、レバ刺しっぽくしてみたがおいしいといいのう… pic.twitter.com/bR2Ym4hYpB
— さくら (@cherrybomb0416) March 29, 2020
刺身にしてシンプルに食べるのもおすすめです。醤油だけでなく、酢味噌につけても酸味とともに爽やかなモチモチ感が広がるでしょう。お酒のあてや食欲が低下する真夏には打ってつけです。
赤こんにゃくのおすすめレシピ
赤こんにゃくのおすすめレシピを紹介します。同じ料理でも、赤こんにゃくが加わるだけで圧倒的な発色によってまったくの別ものに見えてきます。目でも舌でも二重に楽しめる赤こんにゃく料理を、ぜひ作ってみてください!
赤こんにゃくと厚揚げのピリ辛炒め
【材料】
- 赤こんにゃく 40g
- 厚揚げ 100g
- ピーマン 1個
- コチュジャン 大さじ1/2
- ケチャップ 大さじ1/2
- 砂糖 小さじ1
- 醤油 小さじ1
- 酢 小さじ1/2
- 水 大さじ1
【手順】
- 赤こんにゃくを拍子木切りにする。
- 厚揚げとピーマンを短冊切りにする。
- コチュジャン、ケチャップ、砂糖、醤油、酢を混ぜてタレを作る。
- 中火で熱したフライパンに3と水を入れて煮立てる。
- 4に2と1を入れて具材にタレが絡むまで炒めたら完成。
赤こんにゃくにピーマンと厚揚げを加えたピリ辛炒めの簡単レシピです。こんにゃくの濃い朱色にさらにコチュジャンが加わり、ピーマンの緑とのコントラストが鮮やかな一品です。
こんにゃくだけでなく、厚揚げにも鉄分が含まれていますし、タンパク質、カルシウムも取ることができます。体力が落ちやすい夏にはピッタリの時短料理です。
おでん
【材料】
- 赤こんにゃく 1個
- はんぺん 1枚
- 出汁 500cc
【手順】
- 赤こんにゃくとはんぺんを好みの形に切る。
- 鍋に出しを入れて1を加えて煮込めば完成。
はんぺんをつかった簡単おでんです。動画は、赤こんにゃくとはんぺんをそれぞれ赤血球と白血球に似せているので、丸くかたどっています。特にこの形でなくても問題ありません。せっかくこんにゃくとはんぺんを使うのであれば、ここに大根、人参、ゆで卵、ちくわなどを加えて本格的なおでんとして煮込むこともおすすめします。
赤こんにゃくは糸こんを使っても味が良く染みて美味しいでしょう。こんにゃく自体にも味があるので、普通のこんにゃくとは違った味わいが楽しめるかもしれません。
鉄板焼き
【材料】
- 赤こんにゃく 1袋
- ピーマン 適量
- 玉ねぎ 適量
- キムチ 適量
【手順】
- 赤こんにゃくを短冊切りにし、輪切りにした玉ねぎとピーマンとともに鉄板で焼く。
- 1にキムチをトッピングしたら完成。
材料さえあればとても簡単な鉄板焼きの時短レシピです。赤こんにゃくはそのままでも食べられるので、焼き方はレアで良いでしょう。焼き過ぎない方が、本来のもっちり感を楽しめます。一緒に焼く野菜は、お好みで自由に選んでください。キムチを使うことで焼き肉感が出ます。代わりに焼き肉のタレにつけて食べても良いでしょう。
こんにゃくをさらに細くカットして、もやしやキャベツと一緒に炒めても野菜炒め風になります。お弁当のおかずにも使えるでしょう。
赤こんにゃくのきんぴら
赤こんにゃくのきんぴらレシピです。こんにゃくは好みの大きさと形に切りましょう。大きめに切ると弾力性のある食感をより楽しむことができます。水分がなくなるまでしっかりと炒めるのがコツです。甘めの仕上がりが苦手なら、砂糖の量を減らしてください。夕食の副菜やお弁当のおかずにもおすすめです。
牛肉と赤こんにゃくのしぐれ煮
赤こんにゃくと牛肉を使ったしぐれ煮です。しぐれ煮は普通のこんにゃくでも作れますが、赤こんにゃくを入れると見た目のインパクトが大きいでしょう。人を招いたときに出すと驚かれるかもしれません。水分がなくなるまでしっかりと煮込むのがコツです。味を強めにするとお弁当のおかずとしてもピッタリでしょう。
滋賀県は近江牛が有名なので、赤こんにゃくと合わせた郷土メニューも多いようです。美味しい肉が手に入ったら、すき焼きにも肉じゃがにもできる名コンビといえるでしょう。
赤こんにゃくの新食感オムライス
赤こんにゃくの食感が魅力のオムライスです。滋賀県をテーマにして作られたレシピのため、多賀人参が使われています。手に入りにくければ、普通の人参でも結構です。肉代わりのウインナーの味が目立ちますが、小さく刻んだ赤こんにゃくのモチモチ感が普通のオムライスにはない食べ応えを生みます。
卵を使わず、ピラフやケチャップライスにこんにゃくを使っても新鮮かもしれません。子供も喜びそうなおすすめレシピです!
赤こんにゃくカレー
赤こんにゃくを使ったカレーのレシピです。カレーにこんにゃくを使うのも斬新ですが、一度凍らしてから使うのも珍しいでしょう。この工程を踏むことで肉のような食感が生まれるので、他のレシピでも試してください。大きめにちぎって肉代わりに赤こんにゃくを使っても節約レシピになって良いかもしれません。
赤こんにゃくとイカとアボカドのわさび醤油
赤こんにゃくをアボガドとイカと一緒に食べるわざび醤油漬けです。こんにゃくの鮮やかな朱色が、アボガドの緑とコントラストになり目に映えるおすすめレシピです。材料さえあればあっという間に作れるのでおつまみにもピッタリでしょう。
イカはそうめんでなく、普通の刺身のようにしてもこんにゃくのもっちり感とよくマッチします。アボガドはマグロの赤身とともに良く出されますが、初めて見る人はそれと間違うかもしれません。友人と家飲みするときのサプライズメニューにも使えるでしょう。
赤こんにゃくの特徴や食べ方・レシピまとめ
関宿の石垣屋に泊まった時に、同日宿泊した人が持ってきてくれた赤こんにゃく。宿泊する人達と料理しましたが、この時が初めての赤こんにゃくでした。
— メンチ先輩 (@okochamalunch) April 5, 2020
その後、鳥居本の駅前の食堂でも食べました。#ちゃらぽこTwitter散歩会 pic.twitter.com/8D4iE412mI
赤こんにゃくの特徴やおすすめレシピを紹介しました。赤こんにゃくは、近江八幡のソウルフードとして地元では絶大な人気を誇る食材です。戦国時代に端を発し、由緒ある神社の左義長祭りとの関わりも深いものがあります。
文明の象徴といえる火と同じ濃い朱色を帯びた赤こんにゃくは、単なる美味しい食べ物では済まされない存在ともいえるでしょう。ゆえに、子供から大人まで、五体満足、健康長寿を願う願掛けとして数々の郷土料理に登場します。滋賀県まで行けなくても、地元販売店の赤こんにゃくを取り寄せて一度はその味を堪能してみましょう!