シャインマスカットの育て方を詳しく解説!植え方や注意点は?

シャインマスカットの育て方を徹底解説します。ぶどうの中でも大人気の品種シャインマスカットの地植えやプランター、鉢植えでの育て方、剪定時期や病気対策など初めての人にも分かりやすく紹介しますので、興味のある人は早速チェックしてみましょう!

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目次

  1. 1シャインマスカットの育て方が知りたい!
  2. 2シャインマスカットを家庭で育てる時に準備するもの
  3. 3シャインマスカットの育て方
  4. 4シャインマスカットの育て方【仕立て・挿し木】
  5. 5シャインマスカットの育て方【病気・害虫・雨対策】
  6. 6シャインマスカットの育て方まとめ

シャインマスカットの育て方が知りたい!

ぶどうの中でも高級なイメージの強いシャインマスカットですが、甘味が強く、皮ごと食べられて食感も良いのでその人気は高まるばかりです。そして意外に感じる人も多いかもしれませんが、思いの外簡単に家庭でも育てることができるのです。

少し時間がかかりますが、手順を間違えずに育てていけば、自宅でも取れたての美味しいシャインマスカットが存分に味わえます。当記事では、シャインマスカットの育て方を細かく伝授するだけでなく、病気や害虫対策も含めて詳しく解説していきます。

慣れないとシャインマスカットの育て方も難しく感じるかもしれませんが、その分収穫できた時の喜びはとても大きなものがあります。その日を夢見て、ぜひシャインマスカットの育成に挑戦してみましょう。

シャインマスカットを家庭で育てる時に準備するもの

シャインマスカットの育て方を解説する前に、育てるうえで必要なものから紹介していきましょう。シャインマスカットだからといって他の植物と比べて特別なものを準備しなければならないということはあまりありません。ホームセンターやネット注文で簡単に入手できるものばかりなので安心してください。

まずシャインマスカットを育てるための苗を確保しましょう。元気の良い1年生苗木がおすすめで、2,000円前後の値段で販売されています。時期は秋か春先が良いでしょう。

ネットでも同じくらいの値段売られています。しかし、後述するように同じシャインマスカットの苗でも品質に良し悪しがあります。そのためできれば最初は直接店舗に出向いてスタッフに良い苗木を選んでもらうのが良いでしょう。

シャインマスカットは他の品種と比べても群を抜いて人気があるので、いざ購入しようと思っても品切れになっていることも十分に考えられます。そのような事態を避けるためにも、あらかじめ予約しておくと安心でしょう。

用土・肥料

シャインマスカットは水はけの良い土が適しています。赤玉土と腐葉土を2対1の割合で混ぜて使いましょう。西住みの場合は、赤玉土の代わりにマサ土と腐葉土を9対1で混ぜて使用することをおすすめします。苗を植える1ヶ月前くらいから作っておくようにしましょう。

植える際に穴を作って苦土石灰やようりん、たい肥などを混ぜておきます。ちなみにシャインマスカットは樹勢が強く旺盛に成長しますので、チッソ肥料は必要ありません。

植木鉢・プランター

シャインマスカットに限らず、他の品種でもぶどうを育てるには地植えが向いていると考える人も少なくないでしょう。しかし、ぶどうは植木鉢やプランターでも育成することが十分に可能です。鉢植えやプランターの場合は簡単に持ち運びもできるので、育てる過程でも何かと便利といえるでしょう。

後述しますが、シャインマスカットは雨に大変弱いので特にプランターでの育成を強くおすすめできます。シャインマスカットを始めとして、ぶどうはどの品種も深く掘って苗を植える方が育ちやすいので、鉢植えやプランターも高さのあるものを選ぶことをおすすめします。

また地植えも可能ですが、ハウス栽培は経済的にも手間の面でも負担が大きいので、慣れている場合以外は家庭での育て方としてはあまりおすすめできません。

その他の準備するもの

シャインマスカットの育て方としてその他に準備するものは、剪定バサミとジベレリンです。剪定する枝は太さがまちまちなので複数の剪定ばさみを用意しておくと便利です。また、シャインマスカットを種なしにするために使用するのがジベレリンです。

ジベレリン溶液は花房の花が開花した時とその2週間後を目安に果房に浸漬するようにします。ホームセンターやネットで1,000円前後で簡単に入手することができます。

シャインマスカットの育て方

続いてはシャインマスカットの育て方を順を追って紹介していきましょう。苗の選び方や植え方肥料の与え方などを詳しく解説していきますので参考にしてください。

植える時期

シャインマスカットの育て方でまず大切なことは苗を植える時期です。シャインマスカットの苗木を植えるのは、基本的に春(3月下旬~4月上旬)か秋(10月~11月)になります。温暖地を除いては春植えがおすすめです。秋に購入してから苗木を植えるまでに時間がある場合は、プランターや鉢植えに苗木を植えて氷点下にならない涼しい場所で保管しましょう。

氷点下を下回ると凍害が起こる原因となるので注意が必要です。暖かくなって凍害の心配がなくなれば本格的に植えていきます。

苗の選び方①挿し木苗・自根苗(じこんなえ)

挿し木苗や自根苗でまず注目すべきは幹の断面の形です。断面が楕円形をしているものやいびつな形状のものは避けましょう。また、細すぎるのも良くありませんし、挿し木苗の場合は害虫が付いていて病気に侵されている場合もあるので注意が必要です。

挿し木の場合は品種保証がされていなかったり、病気のものも皆無とは言えませんので、初めての人にはリスクが高いかもしれません。できる限り評判の良い信頼のおける店を見つけて品質の高いものを購入するように心掛けましょう。

挿し木苗は接ぎ木苗に比べると価格が格段に低い面は得ですが、その分リスクも高いことを良く認識しておきましょう。

苗の選び方②接ぎ木苗(つぎきなえ)

接ぎ木苗は、病気に強い木を土台としてその上にシャインマスカットの枝を付けて行くため、その分の手間賃がかかり価格は高くなります。しかし、挿し木苗に比べるとしっかりとしていますし、「ウイルスフリー」をうたっている安心した品種も少なくありません。

挿し木苗に比べて収穫までの年月が早い傾向がありますし、病気のリスクが少なく育て方としては簡単です。初心者やあまり自信がない人は接ぎ木苗を使うことを強くおすすめします。良い接ぎ木苗は幹の断面が円形になっています。楕円形やそれ以外のいびつな形状をしているものは避けましょう。

植え方

苗木が入手できたら次はいよいよ植え方です。シャインマスカットの育て方としては、地植えと鉢植えの二つがあります。地植えにした場合は、樹勢が強くなり広範囲に茂っていきます。一方鉢植えの場合はプランターごとに数房が実るだけなので、コンパクトに楽しみたい人には向いているといえるでしょう。

地植えの場合

シャインマスカットを地植えする場合は、まず場所の選択が重要です。たとえ一本の苗からでも相当広範囲に広がって実を付けてゆく可能性がありますから、スペースに乏しい環境は好ましくありません。網を張り巡らしたり棚を作ると良いですし、カーポートがある家ならそこを利用するのもおすすめです。

シャインマスカットは直射日光が当たらなくても十分に育つので日当たりはあまり気にしなくても良いでしょう。そして、シャインマスカットの苗を植える際には、深くて大きめの穴を掘るのもポイントです。目安としては直径50cmほどの穴を50cmの深さに掘ってください。

掘り起こした土に完熟たい肥を混ぜます。穴の底にも完熟たい肥を敷き詰めておきます。土と完熟たい肥を混ぜたものを戻したらシャインマスカットの苗を穴に植えます。その上から土を被せて行きます。地植えをする前に根の様子をよく観察して傷んでいるものや弱々しい部分があれがカットしておきましょう。

また、地植えの場合はどうしても広範囲に広がり過ぎる傾向があるので、少しでもコンパクトにするために不織布のポットに入った苗をそのまま植えるのもおすすめです。

鉢植えの場合

シャインマスカットの鉢植えの場合は、少なくとも一本の苗に対して60Lの土を用意しましょう。鉢植えやプランターも大きめで高さのあるものが適しています。シャインマスカットをプランターなどに鉢植えする場合は、根ざらしにして水を張ったバケツに1時間ほど浸け置きしましょう。そして植え付ける際には根を良く広げておくことがポイントです。

鉢植えやプランターに土を半分強まで入れてからシャインマスカットの苗を植えましょう。その上から残りの土を掛けるようにします。この時、接ぎ木の部分が土に埋まらないように注意が必要です。

肥料を与える時期

肥料はシャインマスカットの苗を植え付ける3~4月ごろを目安に元肥を与えます。そしてシャインマスカットの実が大きくなってくる6月頃に追い肥を与えるようにします。さらに夏を過ぎて9月~10月を目安にお礼肥えを与えると良いでしょう。

剪定する時期

シャインマスカットはぶどうの中でも樹勢が強い品種のためしっかりと剪定する必要があります。剪定時期は1月~2月が良いでしょう。遅くとも3月までには終わらせることが必須となります。この時期はシャインマスカットの葉がすべて落葉しているので全体の成長具合が正確に把握できます。

ただ地方によっては、この時期に大雪が降ったり寒さが大変厳しくなるケースが考えられます。特に地植えの場合には、健康や安全面のことを考えると12月のうちに剪定を済ませておくのも一つの方法です。シャインマスカットの育ち具合を見ながら臨機応変に判断するようにしましょう。

捻枝作業

シャインマスカットを育成していく上で最も大切な目的は、甘くて美味しい実を作ることです。そのためにも稔枝作業を行うことが有効となります。葉で光合成をして作られた淡泊質はそのままにしておくと根など実以外の部分にも流れて行ってしまいます。これをくい止めて実の方へと余すところなく流れて行くようにするのが稔枝なのです。

文字通り枝を捻じるのでブドウの品種によっては折れてしまうこともあるのですが、シャインマスカットは稔枝をしても大丈夫な品種です。捻枝をすることで上に向かって不自然に実ろうとしている実を下に向いて垂らすことも可能になります。慣れないうちは枝を捻じると折れてしまうのではないかと心配になるかもしれません。

しかし、シャインマスカットの枝はその捻じれに十分に耐える性質を持つので決して折れることはありません。稔枝をする時は思い切って捻じってしまうことがポイントです。

開花・収穫時期

シャインマスカットは数あるぶどうの品種の中でも早生種になります。シャインマスカットの花は通常は6月頃に開花します。そして早ければ7月下旬ころから収穫することが可能になります。特に8月は旬で味も大変甘くなります。そして遅いものなら9月上旬くらいまで収穫できるでしょう。

シャインマスカットは緑色から黄緑色、そして黄色と徐々に変色していきます。黄色になった頃が最も糖度が高いと判断して良いでしょう。

収穫方法

シャインマスカットを収穫する時は、傷つけないようにひと房ずつ丁寧にカットしていきましょう。一般的にぶどうは下の方が糖度が低く、上になるほど甘さを増していきます。シャインマスカットの色が緑色から黄緑色、そして黄色に変化するころを見計らって味見をしながら収穫していきましょう。

シャインマスカットの育て方【仕立て・挿し木】

シャインマスカットは、最初は小さな苗でも樹勢が強い品種のため時期が来ると広範囲に広がりを見せるようになります。そのため鉢植えにしても地植えにしても、それに見合った仕立て方を施してやる必要があります。

また上手く挿し木をすればシャインマスカットを増やして行くことも可能です。そこで育て方の一環としてシャインマスカットの仕立て方と挿し木の方法を具体的に解説していきましょう。

鉢植え栽培の仕立て方

鉢植え栽培の仕立て方としておすすめするのは、「行燈仕立て」です。これはシャインマスカットに限らず他のブドウの品種やアサガオ、クレマチスといったツル系の植物の育て方でも良く使用されます。特にアサガオは小学生の頃に行燈仕立てで実際に栽培した経験のある人も少なくないでしょう。

行燈仕立ては、鉢植えの淵の内側に3〜4本の70~80㎝位の支柱を立てます。そして20㎝前後の間隔で3本くらいの円形にした針金を支柱に取り付けていきます。ここにシャインマスカットの茎をらせん状に誘引していくのです。

ぶどう棚の仕立て方

シャインマスカットの育て方として、鉢植えでも地植えでもぶどう棚を使って仕立てて行くことも可能です。シャインマスカットは他の品種のぶどうと同様にツルを伸ばして広範囲にグングンと伸びていきます。そのため、見た目よりも簡単にぶどう棚を仕立てて行くことができるのです。

方法としては、車の車庫やカーポートを利用したり、もちろん十分なスペースを確保して専用のぶどう棚を設置しても良いでしょう。そのぶどう棚やそれに代わるものの脇や下に鉢植えやプランターに植えたシャインマスカットを置いたり地植えにして栽培します。地植えの方が根を張る範囲が広いので樹勢は強くなるといえるでしょう。

そのままでは伸びたツルが上手くぶどう棚に絡んでいきませんので、適当な長さの支柱を添わせるようにします。やがてシャインマスカットのツルがぶどう棚の棚部分に到達したら支柱を横向きに添わせるようにしましょう。自然と棚部分に絡んでいくのは難しいので、ある程度伸びてきたら意図的に誘引していきます。

ぶどう棚にする際には、完成した時の様子をできるだけ正確に想定するようにしましょう。たとえば家族や友人とぶどう狩りを楽しみたいと考えているなら、棚はあまり高くない方が良いでしょう。数多く収穫したければ、その分大きな棚を作ることが必要になります。

ぶどう棚は、シャインマスカット作りを自分だけの楽しみでは終わらせずに他の人と収穫の喜びをシェアすることを可能にしてくれます。その意味では大きなメリットがあるといえるでしょう。
 

挿し木の方法

シャインマスカットの挿し木は、剪定をした時に切り落とした枝を使用します。節の下5㎜の部分でカットします。挿し木の長さの目安は約20㎝と考えてください。3~4芽でカットするのが目安です。この作業が終わったらそのままバケツの水の中にしばらくさらします。

通気性の良い赤玉土をペットボトルや牛乳パック、小さな鉢植えなどに入れてそこに挿しましょう。この時、挿し木の切り口を傷めないために棒で小さな穴を開けておきます。またはピンセットで挿し木を挟んで土を割くようにして植えましょう。そのあとたっぷりと水を与えます。

ちなみに小さな8号サイズの鉢植えなら10本くらい挿し木をしても問題なく成長していきます。時期をみて、5月ごろに一本ずつ分けてプランターなどに植え替えていきましょう。

シャインマスカットの育て方【病気・害虫・雨対策】

シャインマスカットの育て方では、他の品種同様病気に注意が必要です。特に雨水が原因でかかる病気や害虫被害は命取りなのでしっかりとした対策が必要となります。

その意味でシャインマスカットの育て方は、ただ苗を植えて水をあげれば良いという単純なものではなく、細やかな心遣いが欠かせません。その具体的な対策について解説していきます。

病気対策

シャインマスカットの育て方で気を付けなければならないことの一つが病気対策です。特に雨水に濡れると「黒とう病」というカビの犯される病気にかかってしまうことが珍しくありません。一旦発症するとシャインマスカットの全体に広がり、葉っぱはおろか枝や果実にもカビが広がり黒い斑点がいたるところに現れるのです。

これを防ぐためには「べンレート水和剤」という農薬を散布しておくことが有効です。日本には梅雨もありますし、ブドウの品種の中でも特にシャインマスカットは黒とう病に弱いので細心の注意を払う必要があるでしょう。

害虫対策

続いてシャインマスカットの育て方では、害虫にも気を付けなければなりません。その相手は「ブドウスカシバ」です。この虫はシャインマスカットを始め他の品種でも芽の付け根に卵を産み付けて幼虫をふ化させます。幼虫は枝の中に入り込み食い荒らすと、スポンジのようにスカスカにしてしまうのが特徴です。

この害虫に侵されるとシャインマスカットは完全に枯れてしまいます。特にプランターでも地植えでも、家庭で育てる場合は気を付けて常にチェックすることで卵の存在に気付くことは比較的容易です。少しでも異変に気づいたらすぐに卵を取り去るなどして対処しましょう。

雨対策

シャインマスカットは非常に雨に弱い性質を持つので、できるだけ雨水にはさらさないというのが理想です。まずプランターや鉢植えを使った育て方をしている場合は、持ち運びが可能ですから空模様が怪しい日や台風の日などは早めに室内に避難させましょう。プランターではなく地植えの場合は、移動させるわけにはいきません。

シャインマスカットを植えている広さにもよりますが、簡易的でも良いのでビニールで覆うようにすると良いでしょう。支柱の上から雨よけ用のビニールを掛けて四方へと引っ張り紐やロープで固定します。ビニールは地面に付くくらいにまでしっかりと伸ばしましょう。

シャインマスカットの育て方まとめ

数あるぶどうの品種の中でも高い人気を誇るシャインマスカットは自宅で栽培することが可能です。プランターでも地植えでも、手順をきっちりと守り剪定や雨対策などを怠らなければ、甘くて食べ応えのある上質な味が楽しめるでしょう。他の品種もそうですが、シャインマスカットは苗を植えてすぐに実るものではありません。

丹念に時間を掛けて約2~3年の月日を経て収穫していくものです。無理に急いで栽培するよりもセオリーにそってじっくりと向き合って行けば、必ず結果も付いてくるといって良いでしょう。

高級フルーツの一角を成すシャインマスカットが自宅で食べられるのですから、その感激は一入といえます。その日を夢見て、シャインマスカット作りに挑戦してみましょう。

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