2019年10月09日公開
2024年09月29日更新
煮沸消毒の基本のやり方を解説!目安時間と注意点は?保管方法も紹介!
煮沸消毒は、哺乳瓶等の容器を沸騰した湯で煮ることで消毒をする方法です。洗剤を使わず瓶やプラスチックを消毒できるので人気です。しかしプラスチックなどの容器によっては耐熱温度があるので注意が必要です。本記事ではそんな煮沸消毒について紹介します。
煮沸消毒とは?
皆さんは煮沸消毒を知っていますか?赤ちゃんの哺乳瓶などを消毒するとき等におおく使われる消毒の方法です。しかし一般的には、この消毒方法を行ったことがない人も多いです。
最近では、消毒に使われる薬剤も多く出回っており、煮沸消毒は面倒臭いという人が多いのも事実です。しかし煮沸消毒は意外に簡単にでき、メリットも多い方法です。この記事ではそんな煮沸消毒について紹介していきます。
熱湯で調理器具を煮ること
煮沸消毒の煮沸とはその字のとおり、沸騰させて煮ることです。煮沸消毒を行う多くの場合は、赤ちゃん用の哺乳瓶などの消毒に使われたり、ジャムの容器の殺菌に使用されたりします。煮沸消毒を行うことの最大のメリットは何と言っても安全に消毒や殺菌が出来ることです。
水から沸騰させたお湯を使用して哺乳瓶などの容器を煮ることで、その容器に付着している雑菌を大幅に減らすことができるのです。煮沸消毒は手軽に行うことができる上に、確実に容器に付いた雑菌の量を減らすことができます。
その為、多くの家庭で行われています。また、煮沸消毒は一定の条件を満たせば素材をある程度選ばずに、瓶や、プラスチック、スニーカーやタオルといったものも殺菌消毒ができます。ですから、多くの場面で煮沸消毒は利用されています。
煮沸消毒が必要な理由
実際に、現代では多くの殺菌用の薬剤が沢山開発され、手軽に殺菌を行うことが出来ます。正直な所、わざわざ鍋に水を炊いて、そこに容器を入れて煮沸消毒を行うメリットは無いのではないかと、懐疑的に思う人も多いです。しかし、煮沸消毒が必要な理由が幾つかあるので、紹介していきましょう。
調理用具の減菌効果
煮沸消毒が必要な理由はその減菌効果であることは言うまでもありません。煮沸消毒が主に使われる用途の一つにジャムなどの保存容器の殺菌の目的があります。これらは一度入れた食材などを、長期間保存する為に使用されます。ジャムに限らず多くの食材が、何かしらの容器に入れて中長期的に保存されます。
しかしながら、こう言った食材の保存にはデメリットがあるのも事実です。食材の保存される適度な温度と、食材自体の栄養は、瓶などの保存容器に付着している目に見えない小さな雑菌にとっては繁殖するのに大変適した環境となっております。
この雑菌が繁殖するのを防ぐために、予め容器を煮沸消毒で減菌しておくのが、食中毒などの予防に大変適しているのです。しかし、一般の人の中には洗剤で洗えば良いのではないかという疑問がある人も多いです。次の項目で、なぜ洗剤で洗うだけではいけないのかを説明していきましょう。
赤ちゃん用品には必要不可欠
煮沸消毒は雑菌を減らすのに大変有効な方法だと言う事が解りました。しかし、実際に煮沸消毒はお湯を沸かす手間があるのは事実です。時間もかかるし、洗剤で洗えば良いのでは無いかと思う人も多いです。
できれば、洗剤や漂白剤などの薬品での消毒の方が手軽で、かつ強力、安全に行えると思われがちです。しかし、洗剤や漂白剤などを使用した場合においてのデメリットがあります。それは赤ちゃんが使用する哺乳瓶などは、直接口をつけるリスクがあるということです。
このような、デリケートな用途に使う容器などは、できる限り、洗剤を使いたくないものです。特に、赤ちゃんには安全なものを使って欲しいとおもう親御さんは多いことでしょう。ですので、お湯で煮るだけの安全な煮沸消毒が必要なのです。
煮沸消毒の基本のやり方と目安時間
煮沸消毒を行うにあたって難しい点はありませんがいくつかの注意点にそって行う必要があります。注意すべきは、用意するもの、下準備、時間、温度と入れるタイミング、そしてその煮沸消毒を行うものの素材です。それらの注意点にそって、煮沸消毒のやり方を紹介していきます。
用意するもの
- 煮沸消毒を行う為に洗う洗剤
- 煮沸消毒を行う為に洗うスポンジ(容器にあわせたもの)
- 煮沸消毒したい容器
- 煮沸消毒をしたい容器を入れる鍋(しっかりと容器が浸かるもの)
- 煮沸消毒をした容器を扱うトング等
煮沸消毒にはどんなものが必要でしょうか?実際にはそこまで難しいことはありません。皆さんが想像しているように、容器をお湯で、ただ煮るだけです。ですので用意するものといっても、以上に挙げたようなものです。
これらの煮沸消毒を行う道具を準備して行います。基本的には煮沸消毒をするもの以外は、一般家庭におけるキッチンに常備してあるものでよいでしょう。もし、これらの道具が無くても代りのもので代用する事が出来ますので、安心してください。次に、下準備の手順を説明していきましょう。
下準備
煮沸消毒をする前に、哺乳瓶等はまず洗剤等で手洗いをする必要があります。手洗いで出来るだけ菌を落として置くことで、より煮沸消毒の効果が現われます。この、洗うときはしっかりと洗剤がなくなるまで洗う必要があります。洗剤が残っていると意味がありません。
この時、哺乳瓶など細く、各部位が特殊な形をしている容器の場合、専用の筒状になっているスポンジなどがあると大変便利ですので用意しましょう。この時、同時に鍋に、対象の容器が浸かる程度の水を入れて用意しておきましょう。
煮沸消毒を行った後は、容器を取り出す必要があります。容器を取り出す時に取り出す為の道具が必要です。できればトングなどが安全です。さえばしなどですと上手く出来ない場合があります。
やり方
では実際に煮沸消毒の方法を説明していきましょう。煮沸消毒を行う時は、以下の手順に沿って行っていきましょう。手順としては決して難しくないので、落ち着いて行うようにしましょう。慌てると火傷や、容器の破損に繋がります。しっかりと手順に沿って行ってください。
まず大きな鍋等に入れた水に哺乳瓶等の煮沸消毒を行いたい容器を入れる。この時、瓶などはしっかり消毒できるように、水に浸して空気を抜きます。それが出来たら鍋に火を入れて、煮立ったら充分な時間煮沸を行う。急激に行うと容器の破損になるので注意しましょう。煮たらトングなどを利用して取り出します。取り出したら乾かしたら完了です。
注意点としては、容器の素材によっては煮沸を行うことができない可能性があることです。しっかりと煮沸消毒を行う前に確認をしておくとよいです。温度には充分に注意しましょう。また、煮るときは必ず水から行います。
煮立った状態から入れると、容器が破損する可能性があります。また、煮沸消毒で犯しがちなリスクのひとつに、目を離しやすいというのがあります。火を使って、お湯を沸騰させているので、赤ちゃんやペットのいる家庭の場合、非常に危険です。
キッチンの出入り口に入ってこれないような工夫が必要です。ベビーガードなども有効です。また、煮沸したまま放っておくと、鍋の肌に容器が触れたままになり、変形することもあるようなので、時間を見るのと、時々箸などで弄るとよいでしょう。
乾かし方
取り出した哺乳瓶などの容器は、しっかり乾かす必要があります。濡れている容器を乾かすときはキッチンペーパーや、乾燥用のスタンドなどを利用するのがよいでしょう。乾かすときは、自然乾燥で充分です。煮沸消毒を行った容器を乾かす方法は、他の食器を洗った時とかわりありません。
しかし、早く乾かしたい場合はザルや、清潔にしてある水切り籠などをりようすると良いです。その際、少し傾けると、水のはけが良く、乾きやすいです。水滴が残ると雑菌がわく原因ともなりますので、予めキッチンペーパーなどで拭き取って置くのもよいでしょう。
容器別で見る煮沸消毒の目安時間
煮沸消毒のやり方の注意点のひとつに、煮沸消毒を行う時間があります。これは、その煮沸消毒を行う容器の素材に大きく関わってきます。ですので、各容器別に煮沸消毒を行う時間を紹介していきますので、是非参考にしてみてください。
瓶・ガラス容器
フルーツのジャムや、手作りの食品を保存するときにガラスの容器や瓶を利用する人は多いです。このような瓶やガラス容器を煮沸消毒するときは、平均的なサイズの瓶の容器で15分から20分程度の煮沸消毒が必要となります。煮沸消毒をする場合は容器の大きさによって時間は前後させるようにしましょう。
やり過ぎると容器が壊れ、煮沸消毒の時間が短すぎると、雑菌が多く残ってしまいます。雑菌には様々な種類が存在していて、すぐにいなくなるものと、しぶといものとが混在しているのです。
場合によっては5分で死滅する種類も多いので、容器の劣化を防ぐために5分程度で切り上げる場合もあります。しかし、そうでない雑菌も少なからずいます。ですので、しっかりと行いたい場合は、10分以上は煮沸消毒を行うようにしましょう。
哺乳瓶
赤ちゃんの使う哺乳瓶も、基本的にはガラス容器や瓶と同じです。概ね10分程度の煮沸消毒を行うのがよいでしょう。しかし、この時に注意しなければならない点があります。それは、哺乳瓶の各部位ごとに分けて行うということです。哺乳瓶の乳首やパッキンといった部位は、瓶の部分とは違い耐熱性があまりありません。
ですので、煮沸消毒を長く行うことで変形や、変質をおこす可能性が非常に大きいのです。この変形や変質をおこす対策としては、先に瓶の容器部分を入れて煮沸消毒をします。そして10分程度してから乳首やパッキンの部位を入れることです。こうして時間差を設けることで安全に煮沸消毒をすることが出来ます。是非試してみてください。
プラスチックケース
プラスチック容器を煮沸消毒するメリットとしては、プラスチック容器の特性にあります。プラスチック容器は軽くて丈夫です、ですので冷蔵庫内において多くの食材を保存する場合に多用されています。その為、プラスチック容器には雑菌が多く存在していることがあります。これらを消毒したい場合に煮沸消毒を行うことは、大変効力を発します。
しかしながらプラスチック容器を煮沸消毒する場合には注意があります。プラスチック容器を煮沸消毒する場合はまず、耐熱かどうかの判断が必要です。100度の耐熱が可能で無い場合は、変形してしまうので止めておきましょう。100度に耐えうる容器の場合であれば、90度の温度で10分を目安に煮沸消毒を行うようにしましょう。
煮沸消毒のポイントと注意点
煮沸消毒のやり方について紹介してきました。それぞれのやり方には注意点があります。ここでは注意点ごとに紹介していきます。容器を安全に、清潔に煮沸消毒ができるようにしっかりと確認して、行うようにしてください。
耐熱温度を確認する
すでに紹介したように、煮沸消毒は沸騰したお湯で加熱して消毒を行う必要があります。煮沸消毒を行う容器にはさまざまな素材が使われています。ですので、その素材ごとに耐熱温度が大きく違ってきます。この耐熱温度を無視して煮沸消毒を行うと煮沸消毒を行う容器が壊れてしまいます。
特に、目に見えない程度の破損ですと、冷蔵庫の中で漏れの原因となります。冷蔵庫内でプラスチック容器などから食材等が漏れた場合、冷蔵庫自体に雑菌がわく原因ともなりますので本末転倒です。煮沸消毒を行う時は、容器の耐熱温度に注意して行うようにしましょう。
ガラスは割れないように注意
そういった中で、特に注意が必要なのがガラスです。食材を保存するガラスの容器は特に温度の変化に弱いです。耐熱が仮に高い温度であっても、冷えた状態から、急に沸騰したお湯につけると割れてしまいます。
ですので、水の状態から入れるようにしましょう。その後、ゆっくりと温度を上げていく方法で行います。この方法で、割れずに安全に煮沸消毒を行うことができるので、試してください。
ジャムは瓶が温かい内に詰める
ジャム瓶を煮沸消毒したあとは、温かい内にジャムを詰めると効果的です。というのも、ジャムを保存するときに空気が入ってしまい、これがカビや雑菌の繁殖を促してしまうのです。温かい状態でジャムをジャム瓶に詰めた後に、緩く蓋を閉めます。
そして急激に冷す事で、中の空気を抜くことが出来ます。冷しきったら、きつく蓋を閉めることで、空気が抜け、カビの繁殖などを防止する効果が期待できるので、ジャムを詰めるときは、温かい内に詰めるようにするとよいでしょう。
煮沸消毒でいつでも清潔な調理器具を使おう
この記事では煮沸消毒について紹介してきました。煮沸消毒は大変安全かつ、手軽で実用性の高い殺菌方法です。今一度、そのポイントについて紹介しましょう。煮沸消毒は沸騰したお湯を使って雑菌を殺し、雑菌を減らすことをいいます。
また、煮沸消毒を行うメリットはプラスチックや哺乳瓶など口に付けるものに洗剤が残らないことにあります。そして煮沸消毒を行う時は容器の耐熱温度に注意することを忘れてはいけません。容器によって時間を分けることも注意しましょう。このようなポイントを抑えておけば簡単に行うことが出来ます。是非ご家庭においても利用してみてください。