2019年09月26日公開
2024年09月29日更新
メバルの食べ方と下処理方法を解説!臭いが気になるときの対処法は?
メバルの美味しい食べ方と下処理の方法は釣り人なら覚えておくと便利です。大きな目が特徴のメバルは市場での流通量は多くありませんが、釣り人にとってはポピュラーな魚です。この記事では美味しくメバルを食べるための下処理の方法や食べ方を紹介します。
目次
メバルの食べ方を詳しく紹介
大きな丸い目が特徴のメバルは、海釣りを趣味にしている人なら一度は釣り上げたことがある魚ではないでしょうか?北海道南部から九州まで日本各地の海域で生息しており、一年を通して釣ることができます。上品な味わいの白身を持って癖もないので、刺身から煮付け、塩焼きなど様々な調理法でおいしく食べられます。
この記事では釣り人ならしっかり覚えておきたいメバルの正しい下処理の方法と、美味しい食べ方について詳しく解説していきます。生臭みをうまく消すコツや、さばき方、おすすめのレシピも紹介していますので、これから釣りを始める人や、魚料理が好きな人はぜひ参考にしてください!
メバルの食べ方【さばき方】
釣りに行った先で、また、スーパーや市場で新鮮なメバルを手に入れたら、新鮮なうちにメバルをさばきましょう。本項ではメバルの基本的なさばき方について紹介しています。一つ一つの手順を丁寧に行い、血抜きをしっかりとすることで生臭みのない仕上がりとなります。各下処理の工程をきちんとチェックしましょう!
鱗を取り頭と内臓を取り除く
まずは魚についているウロコをウロコ取りで引いていきます。ウロコ取りで取れなかったウロコは包丁で丁寧に引いて仕上げます。次に胸ビレと腹ビレが頭側に付くように斜めに包丁を入れ、中骨を切ります。魚を裏返し裏側も同様に斜めに包丁に入れて頭を切り落とします。最後に尻から包丁を入れ、頭と内臓をいっしょに取り除きます。
血合いを取り除く
中骨主骨に付いている血ワタを取り除きます。包丁の代わりに歯ブラシを使って掃除しても良いでしょう。血ワタが取れたら流水でウロコと腹の血合いを丁寧に洗い流します。この血抜きの作業は生臭さを抑えるために大切な工程なので丁寧に行いましょう。
洗い終わったら清潔なふきんやキッチンペーパーなどでしっかりと水気を拭きとります。水気をふき取るときは魚の表面だけでなく、血合いが残っていた腹の部分も忘れずにふき取りましょう。
三枚おろしの方法
内臓と頭を取り除き、血合いをきれいに洗い流した後に行う基本的な三枚おろしの方法を紹介します。まずは尾を左にして腹から中骨に沿って包丁を入れます。その後身を半回転にして背から中骨に沿って包丁を入れ、最後に尾から包丁を入れて抜きながら返し、中骨に沿って頭の方に切り下げ片側をはがします。
次に裏返し、背から中骨に沿って包丁を入れます。半回転させたら腹から中骨に沿って包丁を入れます。尾に包丁を入れて抜きながら返し、中骨に沿って頭の方に切り下げ片身をはがします。身に沿って包丁を入れ、腹骨をすきます。皮一枚になったら包丁を立て切れば三枚おろしの完成です。
メバルの食べ方【下処理】
メバルを美味しく食べるための下処理にはどのような手順が必要なのでしょうか?本項では新鮮なメバルを自分で釣り上げた時に鮮度を保ったまま持ち帰る方法や、煮付けや刺身にする時に知っておきたい具体的な下処理の方法について解説しています。釣りを趣味にしている人は必見です!
釣りの場合
メバルを釣り上げたら鮮度を保つため、身の締め方と最適な持ち帰り方法を工夫しましょう。あらかじめ釣り用のクーラーボックスに海水を入れておき、釣り上げたらそこに魚を閉じ込めます。
その状態で釣りが終わり自宅に持ち帰る時には水を抜いて、代わりに氷を敷き詰めビニール袋に入れた魚を閉じ込めるようにします。氷に包んでおくこの工程を氷締めと呼び、魚の鮮度を保つのに必要な準備です。氷締めを行えば、鮮度をできるだけ保ったままで自宅に魚を持ち帰れますので覚えておきましょう。
刺身にする場合
運よく新鮮で大型のメバルが手に入ったら、刺身にして食べるのもおすすめです。刺身にする場合には包丁で頭を落とすのと同時に内蔵も取ってしまいます。その後で三枚におろし、腹骨を取り除きます。中骨が太いのでピンセットで取るのも良いでしょう。腹骨を取り除いたら好みで皮を引いて刺身にします。
大ぶりで新鮮なメバルなら皮も楽しめるお造りにするのもいいでしょう。皮の弾力ある食感や独特の旨味が足され、普通の刺身とはまた違った味わい方を楽しむことができます。
煮付けにする場合
煮付けや塩焼きにする時には、腹を開いてさばかずそのまま調理するのがおすすめです。腹を開かずに調理することで、旨味を逃すことなく仕上げることができます。メバルの肝は煮付けにすると、まろやかな味わいを楽しめ絶品です。
メバルの食べ方【におい取り】
生魚を下処理する上で重要なのは、生臭みをいかに取り除くかということです。本項ではメバルをより美味しく食べるために、気になるにおい取りの方法を紹介しています。
血を綺麗に洗い流す
内臓と血合いを取り除いたら、丁寧に流水で洗い流しましょう。血合いが残っていると、においの元になってしまいますのできれいになるまでしっかりと行います。血合いをとる時は使い古しの歯ブラシなどを使ってこするとうまく取り除くことができます。
流水できれいにした後は、キッチンペーパーやふきんでしっかりと水気を拭きとるのを忘れないようにしましょう。その際、身の表側だけでなく腹の中まで水気が残らないようにするのが、生臭みを抑えるポイントです。
塩で臭みとり
メバルを焼いたり煮込んだりする前に行う下処理に、塩を振って臭みを取る方法があります。魚が入る大きさのバットや平皿に置いて両面共に塩をふります。15分ほど置いておくと水分が出てくるので、キッチンペーパーやふきんで丁寧にふき取りましょう。一旦洗い流してから水気をふきとってもかまいません。
塩を振って出てくるのは魚の体内にある臭みを含んだ水分です。調理する前にこの工程を行うことで、魚の生臭さが軽減されますのでぜひ試してみてください。
熱湯で霜降り処理
煮魚を作る時にはぜひやっておきたいのが霜降りという作業です。熱湯をかけることで臭みをとり、煮汁に魚の生臭いにおいが移らないようにします。霜降りは、切り身をざるなどに置いて熱湯が身の両面にかかるよう通します。熱湯によって魚の表面が白くなったら冷水にとれば霜降り作業の完成です。
霜降りをすることで臭みを上手に取ることができ、残った血合いも除去できます。なお、霜降り後の身は崩れやすいため、優しく扱うようにしましょう。
酢水にくぐらせる
魚の表皮のぬめりには生臭みの原因があると言われています。丁寧に洗い流してもなかなかぬめりが取れないという時は、酢水にくぐらせるという方法を試してみてください。水1カップと大さじ1の酢を混ぜ、そのなかに魚を浸します。軽く揉んだら後は洗い流し、水気を拭きとればOKです。
しめ鯖に使われるように酢は魚の身を締めるだけでなく、臭みをとってくれる効果があります。ただし、切り身に直接酢をかけると白くなってしまいますから、水に混ぜて短時間であげるようにしましょう。
酒をかける
魚のにおいを取るための下処理としてよく知られているのが、清酒や料理酒を振りかけるという方法です。清酒や料理酒に含まれているアルコールの成分が、生臭みの原因であるトリメチルアミンをいっしょに蒸発することによりにおいをとることができます。生臭いにおいをとるだけでなく、風味をよくしたり身を柔らかくする効果っも期待できます。
スダチやレモンの果汁を使う
魚の切り身を調理する前にすだちやレモンなど柑橘系の果汁をしぼって振りかけるのも有効です。酢水にくぐらせるのと同様の効果が得られ、生臭みを軽減させることができます。また、すだちやレモンの果汁は生の切り身に振りかけるだけではなく、焼き魚に添えて食べる時に絞るのもおすすめです。
焼き魚にすだちやレモンの果汁を絞ると、柑橘類の果汁に含まれるクエン酸が魚のカルシウムと結合し、体内で吸収されやすくなります。日本人は常日ごろからカルシウムが不足しがちと言われていますから、ぜひ栄養面でも試してみたい方法です。
メバルの食べ方別レシピ【定番編】
メバルを使ったおすすめの食べ方、和食の定番レシピはぜひ覚えておくと便利です。ふっくらと仕上がる煮付けの作り方や、シンプルに身のうまみを味わえる塩焼きの食べ方について紹介しています。
メバルの煮つけ
- めばるの切り身(2切、160g)
- 絹さや(4枚)
- しょうが(1片)
- しょうゆ(大さじ2)
- 酒(大さじ3)
- みりん(大さじ1)
- 砂糖(大さじ1)
- めばるは水気をよくふき取り、絹さやは筋を取ってから固めに茹で斜め半分に切る
- 鍋に薄切りにした生姜、水半カップ、調味料を加えて煮立ったらめばるを入れる
- 落し蓋をして強めの弱火で約8分煮る
- めばるを皿に盛り、生姜を取った煮汁を少し煮詰めてめばるに回しかけ、絹さやを飾って完成
煮付けはメバルの定番料理です。落し蓋をしてから一気に煮上げることで、身がふっくらと仕上がります。
メバルの塩焼き
- めばる(黒メバル中~大、1~2匹)
- 絹さや(3枚)
- 塩(少々)
- めばるのウロコを取り、エラ・内臓を抜いて水洗いした後水気をよくふき取る
- 両面に軽く塩をふって20~30分おく
- 飾り包丁を入れて盛り付ける際に下になる面から焼いていく
- 7割ほど火が通ったら裏返し、残りの3割を焼く
- 焼き目がついたら器に盛り、茹でた絹さやを添えて完成
シンプルな塩焼きのレシピです。ヒレを焦がさずに焼きたい場合は塩を厚めにつけてアルミホイルを巻いて焼くと良いでしょう。飾り包丁を入れることで火の通りを良くし、身の反り返りを防ぐことができます。
メバルの素揚げ
- メバル(小、3尾)
- 塩(少々)
- 大葉(1枚)
- 水溶き小麦粉(適量)
- サラダ油(適量)
- メバルはウロコと内臓を取り洗った後水気を拭きとり、振り塩をして20分おく
- 出てきた水分をふき取り、背骨際から両面の身をそぐ
- 170℃の油で揚げ、きつね色になったら引き上げる
- 大葉は裏側にだけ水溶き小麦粉をつけて衣がサクサクになるまで揚げる
- メバルに大葉を添えて器にのせたら完成
素揚げは小骨が気になる小さなクロメバルにおすすめの調理法です。骨までサクサクになって食べられ、カルシウムもたくさん摂ることができます。塩を振って食べたり、すだちやレモンの果汁を絞って食べても美味しいです。
メバルの食べ方別レシピ【洋風編】
淡白でくせのない白身魚のため和食のおかずだけでなく、洋風のおかずにもぴったりです。簡単にさっと作れて美味しいソテーのレシピや、おもてなしや特別な日の食事にもおすすめのアクアパッツァレシピを紹介します。
メバルのアクアパッツァ
- めばる(2切れ)
- ミニトマト(6個)
- ブナシメジ(90g)
- みじん切りにんにく(1片)
- 白ワイン(1/4カップ)
- 顆粒コンソメ(小さじ1/2)
- 塩こしょう(少々)
- オリーブオイル(大さじ1)
- めばるの水気を拭きとり、塩こしょうをふる
- フライパンにオリーブオイルを熱し、めばるを皮目から入れて両面よく焼く
- みじん切りのにんにく、小房に分けたシメジ、白ワイン、水半カップ、コンソメを加える
- 煮立ったら半割りにしたミニトマトを加えて、塩コショウで味を調え完成
特別な日のごちそうとして活躍しそうなアクアパッツァレシピです。生臭みを防ぐコツは焼く前に魚の水気をよくふきとることです。また、煮込む前にしっかりと焼き目をつけることで香ばしく仕上がります。
メバルのソテー たっぷりねぎ酢醤油
- めばる(切り身3切れ)
- 葉ねぎ(7本)
- 酢(大さじ1)
- しょうゆ(小さじ2)
- ごま油(大さじ1)
- めばるの切り身はしっかりと水分を拭きとり、葉ねぎは小口切りにする
- フライパンにごま油を熱し、めばるを皮目から入れてフタをし、中火で3分蒸し焼きにする
- 焼き目がついたら裏返しにしてこんがりするまで焼く
- 3を器にもったら、葉ねぎを全体に散らし合わせた酢醤油を回しかけて完成
淡白な白身の風味に、爽やかな酢醤油のソースが相性の良いレシピです。皮目にしっかりと焼き色がつくように香ばしくソテーしましょう。仕上げにねぎをたっぷり散らすことで見た目にも鮮やかで食欲をそそります。
メバルの美味しい食べ方は下処理がポイント
あっさりと淡白な白身ながら上品な味わいのメバルは、市場にはあまり出ませんが釣り人にはおなじみの魚です。刺身にしても、煮付けや唐揚げにしても美味しいメバルは、下処理にひと工夫することで一層美味しくいただけます。
この記事では、いろいろな調理法で食べられるメバルの最適な下処理の仕方、臭みの取り方について詳しく解説しました。美味しく食べるために下処理の方法を覚えて、釣りたて新鮮なメバルを存分に味わいましょう!