大根おろしは冷凍保存できる?気になる栄養・賞味期限や解凍方法を解説
焼き魚や天ぷらなどに使われる大根おろし。どんな料理にも合って便利ですが、毎回するのはちょっと面倒です。冷凍保存できれば便利ですができるのでしょうか。意外と知らない大根おろしの冷凍保存方法や、冷凍後に栄養素は損なわれないかなどの疑問を解消します。
目次
万能脇役の大根おろし
おろすのが面倒でめったに大根おろしは作らない、という方も多くいると思いますがどんな料理に使えるのか知ればもっと積極的に大根おろしを作ってみようと思えると思います。そこでまずは大根おろしが活躍する料理例をいくつか紹介します。
大根おろしが活躍する料理
そばにのせておろし蕎麦。うどんにもよく使われます。夏バテ気味の時にも軽くさっぱりと食べられます。
唐揚げにのせるのもおすすめです。味付けの濃いあんかけの唐揚げなどには特によく合います。
こってりとしたハンバーグにたっぷりと乗せれば脂っぽさが半減されてまた違った美味しさになります。もともとヘルシーな豆腐ハンバーグなどにのせてもよりヘルシーになるので健康志向の方におすすめです。
出汁巻き卵にのせて。お酒のおつまみなどにさっぱりと食べられます。そのままでも美味しい卵焼きですが、大根おろしと合わせることで新たなおいしさが感じられます。
揚げ出汁豆腐にのせるのは鉄板です。ネギや生姜も合わせて乗せると油っぽくならず格段に美味しくなります。その他、シンプルになめたけやしらすと一緒におつまみとして食べたり、納豆やオクラなどのネバネバ食材と一緒に食べるのもおすすめです。
大根おろしのおろし方
いろいろな料理に使えることが分かったところで早速大根おろしを作ってみましょう。皮と身の間に栄養がたくさんあるので、無農薬の大根の場合はなるべく皮を残したまま使いましょう。
大根おろしでする
一番手軽にできるのが手でするこちらの方法です。少量の大根おろしを短時間で作れて洗い物も少なく済みます。プラスチック製のものや金属製のもの、最近ではアーチ形になっていたりと使いやすい商品がたくさんあります。
フードプロセッサーを使って簡単、大量に作る
見ていて気持ちがいいほどみるみるうちに大根おろしが出来上がります。フードプロセッサーにおろす機能が付いたものや、おろすことに特化した機械もあります。手でするよりも断然早く、細かくすりおろすことができます。
鬼おろしでする
なかなか一般家庭には無いかもしれませんが、木でできた鬼おろしで作る大根おろしは水分が出ず、余すことなく活用できるので一番のおすすめです。
プラスチックのおろし器が一般的ですが、大根に含まれる酵素はより細かくすりおろすことでより多く引き出せるので、鋭利な金属製や木製のすりおろし器を使うのがおすすめです。
大根は冷凍できる野菜?
基本的に、水分や繊維の多いキャベツや根菜類などは野菜は冷凍に向いていません。できないことはありませんが急速に冷凍するなどの条件があります。逆に葉物野菜などは冷凍に向いています。大根は根菜類なので基本的には冷凍に向いていない野菜ですが、大根おろしにすることで中にスが入ることも防げて美味しいまま食べることができます。
葉物の野菜も、冷凍するにはコツがあります。しっかりとポイントを押さえて美味しく冷凍しましょう。
大根おろしの冷凍
大根をそのまま冷凍すると中がスカスカになってしまうイメージがありますが、冷凍することで煮汁が染み込みやすくなり、おでんなどに最適になります。大根おろしは冷凍しても味や食感の変化はありません。都度大根をおろすのはひと手間かかってしまうので、一度に大量に作ってかしこく冷凍保存しましょう。
美味しく冷凍するには条件があり、一番にマイナス18度以下を保つことが重要です。また、なるべく急速に冷凍することで味や色、食感に影響なく保存できます。急冷機能のある冷凍庫を持っていないときは、冷やしたバットの上に乗せたり、アルミホイルに包んでから冷凍すると早く冷凍されます。
大根おろしの栄養価
あまり知られていないかもしれませんが、大根おろしは医者いらずといわれるほど栄養価の高い食べ物です。では具体的にどんな栄養が含まれているのか見てみましょう。
酵素
酵素とは、主に野菜や果物に含まれる消化や吸収を助ける大切な栄養素です。特に酵素が多く含まれる野菜はトマトや玉葱などです。果物ですとりんごにもたくさんの酵素が含まれています。これらはすりおろすことでより効果的に摂取できます。
大根おろしには消化を助けるアミラーゼ、プロテアーゼ、リパーゼなどの酵素が含まれています。この酵素は熱に弱く、50度前後で失われてしまうため、大根をすりおろした上に生で食べる大根おろしで効果的に摂取できます。タンパク質、脂質、デンプンすべてを分解できる酵素を含む野菜は珍しく、大根は万能食品です。揚物や脂ののった焼き魚に添えられたり、お餅と絡めたりするのも納得です。
辛み成分
すりおろすことでうまれる辛みの元であるイソチオシアネートという成分は、抗酸化作用がありがん予防やアンチエイジング効果があります。この栄養素はすりおろした15分後以降からどんどん失われていくので、大根おろしを作ったらなるべく早く食べるか、冷凍保存するのがおすすめです。大根は根の方に向かうにしたがって辛くなります。その分イソチオシアネートが多く含まれているということになります。
その他にもビタミンCなど、さまざまな栄養素が含まれています。特に皮の周りに豊富に含まれているのでなるべく皮つきで食べることをおすすめします。更に、葉の部分には根に含まれていないビタミン類やリンなど根の部分以上に栄養素が豊富に含まれているので、ぜひ捨てずに活用してください。
出てくる水分は捨てない!
大根おろしの水分を絞ってしまいたくなりますが、それでは大事な栄養が無くなってしまいます。どうしても水分が気になる場合はほかの料理に混ぜて活用してください。味噌汁にまぜるのがおすすめです。
冷凍大根おろしの栄養素は失われないのか
心配なのが冷凍することでこの大切な栄養素が無くなってしまわないかということ。ビタミンCやイソチオシアネートなどの栄養素はすぐに冷凍すればほとんど失うことなく残すことができますが、大根に含まれる酵素は温度の変化に弱い為、ほとんど無くなってしまいます。栄養素をしっかりと摂取するにはすりたてを食べるのが一番です。
冷凍保存方法
料理に添えるなど少量使いたいときから、鍋料理に入れて大量に使う時など、使用する場面によって使いたい量も様々です。解凍後に使いやすい保存方法をいくつか紹介します。
密閉袋に入れて冷凍保存
密閉保存できる袋に入れて中身がなるべく平らになるようにして冷凍します。これはなるべく早く冷凍して、食感などを損なわないようにするためと、解凍時間を短縮するためです。この時、変色を防ぐために空気はなるべく入らないようにしてください。この保存方法は鍋料理など、大根おろしを大量に使う時に向いた保存方法です。
ラップに包んで冷凍
一度ラップで包んでから密閉袋に入れて保存します。量を調整して保存できますし、ほとんどの家庭にラップは常備されていると思いますので、思い立ったらすぐに冷凍できる方法です。小さいものから大きいものまで好みの量で作れるのも便利です。
製氷皿に入れて冷凍保存
魚などに添える用など、少量使いたいときにおすすめなのが製氷皿での保存方法です。ひとつひとつ取り出して解凍できるので便利です。製氷皿にもいろいろなサイズがあるので、用途によって使い分けることもできます。
冷凍大根おろしの解凍方法
生のまま使う場合は自然解凍しましょう。電子レンジなどで温めると温度が急激に変化してしまうので、せっかく冷凍することで保てていた栄養素が失われてしまいます。また、辛味や苦味がでてしまうので美味しさも損なわれてしまいます。流水解凍もあまりおすすめできません。
加熱して使う場合は、解凍してから調理した方が盛り付けなどもしやすいですが、解凍せずに冷凍のまま料理に入れて使うこともできます。みぞれ煮などで使う際は冷凍のまま、みぞれ鍋などで料理の上に乗せて使いたい場合は解凍してから使うのが便利です。
冷凍大根おろしの賞味期限
生のままの大根おろしだと、なるべく外気に触れないように密閉容器などに保存したとしても長くて2日間。それでも変色して、味も落ちてしまいます。冷凍した大根おろしはだいたい1ヵ月日持ちします。おろしたてには劣りますが、見た目もおいしさも保てます。
大根おろしについてのまとめ
大根おろしが使える料理の幅広さや豊富な栄養を知っていただけたと思います。脇役ながらも非常に体にいい栄養をたくさんもっていることが分かりました。冷凍してもほとんどの栄養を残せるので、普段使っていなかったという方も便利な冷凍保存をして、これを機に積極的に料理に取り入れてみてください。