2019年05月27日公開
2024年09月16日更新
チャージ料とは?サービス料や席料・お通しなどバーや居酒屋のシステムを解説
チャージ料とは?について詳しく解説していきます。チャージ料は飲食業の業種業態によって、さまざまに言い換えられています。お通しや席料・サービス料などです。チャージ料の意味はその店の席に座っただけで発生する料金になります。基本的にはお酒を提供する飲食店で発生する料金です。居酒屋やバーなどの業種によってのチャージ料の違いは、軽いおつまみや乾き物を出す店と何も出さない店とに分かれることです。この記事ではチャージ料を深く探って、分かりやすく紹介していきます。
チャージ料やお通しの意味は?
チャージ料やお通しと呼ばれる飲食業のシステムについて、この記事では詳しく解説していきます。チャージ料やお通しの意味から、バーや居酒屋でのシステムと相場など、あるいは店側から考えるチャージ料の必要性などについても紹介します。
また、チャージ料にまつわるトラブルとその回避方法についても併せて紹介します。まずはこの章で、チャージ料の意味を説明していきます。
チャージ料
この記事でこれから解説していくことになるチャージ料・お通し・席料・サービス料について、基本的な点を押さえておきます。これら4つのものは似ているようで、まったく同じものではなくて微妙に違います。共通しているのは入店し席に座った時点で発生する料金ということです。
また、お酒を提供する店という点も共通しています。この料金を理不尽として拒否できるかどうかについては後の章で詳しく述べます。微妙な違いの前に、大きな違いを先に述べておきます。簡単な料理や乾き物を出す場合とまったく出さない場合に分かれます。
一般論で言えば、居酒屋やバー・スナックなどで出されるお通しは何がしかのおつまみとして提供されます。これに対してチャージ料は必ずしもおつまみの類が出るとはかぎりません。席料やサービス料は、ほぼおつまみとは無関係に徴収される料金です。これらの違いは、その飲食店の業種業態と深いかかわりがあります。
ここではチャージ料の内容・意味について解説します。チャージ料は席料やサービス料の意味合いもありますし、お通しの意味合いも含んでいるケースもあります。席に座ったら発生する点では同じですが、ミュージックバーやスナックなどでは何がしかのおつまみが出される店もあります。
また、クラブや高級飲食店の中にはチャージ料に席料かサービス料がダブルで請求されることもあります。
お通し
お通しは一般的には居酒屋で出される場合に言われるもので、必ずと言ってよいほど何がしかのおつまみを伴うものになります。お通しにはいくつかの意味合いがありますが、代表的なものは客が注文した料理ができるまでの間をつなぐ酒のおつまみという意味と、店の客単価を向上させる意味合いとがあります。
客の側からのお通しに対する不評は少なからず存在します。「頼みもしない料理に金を払わされるのは納得できない」というのが、最大公約数ではないでしょうか。先に述べた二つの意味合いの他にもお通しがもつ意味・役割はあります。
客の側からのメリットば、お通しの出来栄えでその店の実力や本気度を測ることもできるのです。店の側からのメリットは、特に席数の少ない店では売り上げにならない客を間接的にお断りできるのです。
席料
頼まない料理にお金を払うのは納得できない!という人にとって、さらに理不尽なのが席料やサービス料です。店の側の都合を代弁するつもりはありませんが、お通しにしても席料にしてもそれなりの根拠はあります。ここでは席料について解説します。
最近では席料という名目で料金請求する店やケースは減って、チャージ料とかサービス料という名目に変わってきているようです。その違いはそれほど明確ではありません。席料の意味はその店の施設およびサービス全般に掛かる諸経費の割がけ費用という面が強いと思われます。いずれにしても高級店に多くみられる料金の名目となります。
サービス料
サービス料も一般的には高級に当たる店に多い料金名目になります。ただ、少し違いがあります。サービス料として請求されているケースでは、お通しやチャージ料・席料などと異なって定額ではなく、飲食金額の何%という請求のされ方をします。10~20%というのがサービス料の相場のようです。
一流ホテルなどの飲食店やバーではチャージ料やサービス料が別々に加算されるケースもあります。チャージ料にもサービス料に似たシステムで料金請求する形態の店もあります。女性などを配置している店に多いケースですが、チャージ料が定額ではなく滞在時間に応じて加算されていく場合です。
バーや居酒屋のシステムと相場
この章ではバーや居酒屋のシステムと相場について、詳しく紹介していきます。チャージ料というのは法律や飲食業組合などの規則で決められたものではなく、あくまでも個々の店の自由裁量にもとづいて決められています。
それでも、飲食店の業種や業態によっておのずから相場というものはあります。バーやミュージックバー・居酒屋・割烹などの店についてシステムと相場を紹介します。
バー
チャージ料からみたバーというのは、けっこう分かりずらい面があります。ホテルなどのバーから街に密着した形態のバーまで種々雑多です。システムだけから見たら、高級バーはほぼチャージ料という形のサービス料を取っていると言えます。チャージ料とサービス料を両方取る店もあります。
これに対して庶民的なバーでは居酒屋同様にお通しという形で取る店も少なくはありません。相場の方も業態によってずいぶんな開きがあります。高級バーのチャージ料は2,000~5,000円程度になります。庶民的なバーでは300~1,000円程度でしょう。
ミュージックバー
ジャズバーなどのミュージックバーではチャージ料を料金として取られるケースが多くあります。この場合はけっこう意味合いは明確になっています。ライブで演奏される音楽に対するチャージ料金です。相場的には1,000~3,000円程度となります。
このチャージ料に対しても、聴きたいわけじゃない音楽を聴かされて料金を払いたくないケースも十分にありうるわけです。理屈としては分からないこともありませんが、居酒屋におけるお通しと同じで飲食店に入ってお通しが出る、ミュージックバーに入って音楽を聴かされることは、常識的に納得できる範囲と思います。
居酒屋
お酒を飲ませる和風の飲食店の形態には居酒屋や料亭などがあり、その中間に割烹なども位置します。居酒屋におけるチャージ料は、圧倒的にお通し代という名目が多いようです。お通しは客からの注文の有無にかかわらず、席に着くなり差し出されるシステムのおつまみです。相場としては300~500円が一般的になります。
前述したように、お通しについては若い人や外国の人に不満もあるようですが、ここは積極的に考えて、お通しは店を品定めできるチャンスと捉えることもできます。もしイヤならばお通しだけで店を出る手もあります。
割烹
居酒屋よりは少し高級な割烹料理の、お通しのシステムと相場を紹介します。システムとしては居酒屋同様で、注文の料理ができるまであるいはコース料理のはじめに出されます。割烹でのお通しの相場は1,000円前後になります。居酒屋より割高な分、内容や品数が豊富になっています。
割烹のお通しはその店の意気込みが如実に出ている一品でもあります。その後に出される料理の品定めにはもってこいなのが、割烹のお通しでもあります。このあたりが他の業態のお通しやチャージ料との違いです。
店側から考えるチャージ料の必要性
チャージ料という名で代表される、お通し代や席料・サービス料はネット上をはじめ強いブーイングを浴びています。けれどもお客様は神様ですというように、店の側はなかなか真正面からチャージ料の必要性を訴えることはできません。
ここでは何が何でも被害者という立場に立つのではなく、店側が考えるチャージ料の必要性に耳を傾けてみようではありませんか。
注文商品以外の経費に使う
飲食店というものを始めてみると、初体験の人が驚くのが飲食店の間接経費の膨大さです。食材などの材料費は飲食店関係者でなくとも分かりやすい原価なのですが、間接費というのはその名のごとく分かりずらいというか、把握しにくいものなのです。お客さんの来店有無にかかわらず発生する経費は固定費として重くのしかかってきます。
大小の規模を問わず、飲食店も企業ですからこれらの経費を吸収しなければ経営は成り立ちません。一番の商品である料理は、競争にさらされていて思うような価格設定はできません。そこで、間接経費に充てる部分になるのがチャージ料とも言えます。
内装・外装に使う
飲食店の経費で大きく占めるのは内装や外装などの費用です。自宅とは異なる空間だからこそお客さんは来店するわけです。これらは初期投資と言って繰返し何度も発生する性格のものではありません。それでも建物とともに損料として経費に繰り入れるほかありません。
また、意外といえば、水道光熱費も飲食業にとっては大きな経費となっています。特に、冷暖房費はかなりのウエイトを占めています。これら諸設備の修理修繕も必要になってきます。
客層をコントロールできる
飲食業をはじめるにあたって、経営者はターゲットとする顧客層を定めます。これはすべての人を平等に扱う思想とは相いれない気もしますが、経営戦略としては至極当然のことです。と言って、店を訪れるお客さんを一人一人首実検するわけにもまいりません。その役割をマイルドに行うのがチャージ料というものの側面です。
設定したチャージ料を払うことに同意された方は、是非当店にどうぞという意味合いも含まれています。チャージ料を取ることなくすべての人に対して来来も経営者の考えなら、こんなチャージ料を払っても来来という人はどうぞというのも経営者の考え方です。
注文せずに長居する客を減らせる
チャージ料には注文もせずに長居をする客を減らせる効果もあります。絶対的な効果ではありませんが、ある程度の抑止力はあると思います。満席で10人程度カウンター席のみの、洋風割烹店で実際にあった話を紹介します。19:00に7人の予約客です。
幹事さんらしき人は予約時間に見えたのですが、それに続いてはどなたも姿が見えません。7人そろったのは21:00を回っていました。驚くのはその後のやり取りです。全員そろったところで幹事さんらしき人が「勘定してください」と、きました。店のご主人はお通しも何も出していないから勘定の取りようはありません。
その2時間余の間に常連のお客さんを満席ということで何組帰したことか。このグループはいったいこの店に何をしに来たのか?あきれ果てた人もこの世には居るのです。
チャージ料にまつわるトラブルと回避方法
最後に、チャージ料にまつわるトラブルとその回避方法を紹介しておきます。チャージ料が高すぎるとか時間で加算されていることを知らなかったなどのトラブルは、事前にリサーチすることで回避することができます。
高すぎる
チャージ料にまつわるトラブルで一番多いのが「高すぎる!」をめぐるものです。中には法外なチャージ料を取る悪質な店も存在しますが、客の側からの回避方法でいえば事前に確認することで防ぐことは可能です。食い違いはそこで回避できます。
会計をする段になって高すぎるチャージ料を知ることは、客の側としても最悪のパターンになります。すでにアルコールも回ってきていてカッとなりやすい状態でもあります。
時間で加算されていた
女性が配置されている店で多く見られるチャージ料に、時間経過でチャージ料が加算されていくシステムがあります。定額制のチャージシステムと違い、トラブルになりやすい要因です。
しかし、これなどは入店前もしくは入店直後に確認できる最たるものです。この種のトラブルを招かないためにも、全国の繁華街に多くいる客引きの案内には絶対に応じないことです。
予約の際に確認する
チャージ料にまつわるトラブル回避のためには、ネットや口コミなどで事前リサーチしたりした上で予約の際に確認をすることです。少なくとも、確認の応対の仕方でその店のポリシーを把握できることもあります。
飲食という行為は民法上からいえば店と客との契約に当たります。予約の電話は契約にたいする申込です。いま少し契約に慎重になることもトラブル回避につながります。
入店前・入店時に聞く
チャージ料に関するリサーチが不十分なまま入店することになった場合でも、入店時に席へ着くまでに店の人に確認する必要があります。このワンステップでチャージ料の食い違いは事前に摘み取れます。ここで、明確な応えがないようならばトラブル信号は一気に黄色から赤色に変わります。このように客の側からトラブルを回避する方法はあるのです。
チャージ料はお通し代ではなくサービス料
チャージ料についてここまで詳しく解説してきました。チャージ料の意味からそのシステムや相場などを紹介した上で、店側から考えるチャージ料の必要性やチャージ料にまつわるトラブル回避策も併せて紹介しました。この記事を参考にして、チャージ料はお通し代ではなくサービス料ということも呑み込めました。