2019年04月24日公開
2024年09月12日更新
「湯通し」の意味とやり方!湯通しする目的や湯がく・茹でるとの違いは?
湯通しは料理する前の野菜や肉などの食材の下処理に使われる調理法でよく耳にしますが、いったいどんな目的があってなんの意味があるのか知っていますか?また、油通しとの違いは何なのでしょうか?どんな料理でも下ごしらえをきちんとするかしないかで仕上がりが全然違ってきます。湯通しと似ている調理法の湯がくや茹でるとの違いも含めて正しいやり方を覚えて、料理のコツをおさえましょう。
目次
湯通しは肉や野菜に使える調理方法!
湯通しとは「お湯にくぐらせる」と同じ意味で、材料にお湯をかけたりお湯に浸けたりして、表面だけ火を通し食材のアクを取ったり臭みを取り除いたりします。肉にも野菜にも使われますが、肉を湯通しする時は「霜降りにする」とも言います。肉に熱湯をかけると表面が白くなり、霜が降ったようになることからこう言われています。
この湯通しは一体何のために行うのでしょうか?湯通しする意味や目的を知るとその必要性が分かって積極的のやる気にもなるのでぜひ覚えてください。
湯通しの正しいやり方
湯通しは表面だけ火を通す下処理です。湯通しをしたことがない方はとても簡単なのでここでやり方を覚えて、ぜひ普段の料理に取り入れてください。普段なんとなく湯通ししている方は改めて正しいやり方を再確認してみてください。
用意するもの
用意するのは、鍋か電気ケトル、ザルと食材です。とても単純で少ない道具だけです。お湯に浸す場合は鍋で、お湯をかけるだけの場合は電気ケトルで沸かした熱湯を使います。
電気ケトルを使ったやり方の方がより簡単で手軽にできます。葉物野菜など、簡単に火が通るものは電気ケトルを使ったやり方がおすすめです。
やり方
葉物野菜や油揚げなどサッとお湯をかけるだけでよい場合はザルに食材を乗せてその上から電気ケトルや鍋で沸かした熱湯をかけるだけと簡単に湯通しができます。
もう少ししっかりと湯通ししたい場合は鍋で沸かしたお湯の中に食材を入れて十数秒間浸してください。葉物野菜の茎の部分はしんなりしずらいので葉の部分よりも数十秒長くお湯に浸すと良いです。
ゆで時間の目安
茹でる場合はほんの数十秒から一分位です。表面だけ火を通す感覚でさっと茹でてください。アクを抜く目的で湯通しする場合はお湯に塩を少々入れるとよりアクが抜けます。
ほうれん草や小松菜など色が変わりやすい野菜は熱湯に浸けた後すぐに冷水に取ると色止めの効果で鮮やかな色を保てます。
食材別の湯通しする意味と目的
湯通しが必要な食材は野菜や肉、魚とさまざまですが、それぞれに湯通しする意味や目的が違います。どのような目的で湯通しするのかを知るとほんのひと手間をかける大切さが分かります。その後の料理の味も格段によくなっていくのでぜひ知っておいてください。
豚バラ肉
脂の多い豚バラ肉は、湯通しすることで余分な脂を落としてカロリーを減らせます。更に臭みが取れ、アクも取り除くことができます。一手間で脂臭さが取り除けてヘルシーにもなるので湯通しをするといいことづくしです。湯通しをすることで料理全体の脂っぽさや臭みが無くなって、仕上がりがぐっと美味しくなるのでぜひ試してみてください。
ぶり
ぶりは湯通しをしておくとぬめりや臭みが取れて、料理が美味しく仕上がります。鮮度が落ちてしまったぶりはどうしても独特の魚臭さが出てしまうので湯通しは欠かせません。特にぶりのあらは臭みが出やすいので必ず湯通しをしてください。切身でも煮物や鍋物などに使う時に湯通ししておくと臭みがなくすっきりとした味になります。
わかめ
わかめは生わかめと塩蔵わかめ、乾燥わかめとありますが、塩蔵は塩を取り除いてから、乾燥は一度水で戻してから湯通しすると色が良くなって日持ちも長くなります。
生わかめは湯通ししてから販売されているものが多いですが、湯通しすることで褐色から鮮やかな緑色になります。湯通しされて緑色になっているわかめは水洗いだけでも良いですが、もう一度湯通しするとわかめ特有の香りが抜けるので試してみてください。
こんにゃく
こんにゃくは独特の臭みや灰汁があるので、湯通しが必要な食材です。他の食材よりも少し長く、2~3分ほど湯通ししたほうが良いです。あまり長すぎても硬くなりすぎてしまうので2~3分程度にしてください。アクが抜かれたこんにゃくも売られていますが、気になる方は短めに湯通しすると良いです。
湯通しの前に適量の塩でもむことで、より臭みを消すことができます。湯通しすることで味の染み込みもよくなります。
油揚げ
油揚げは湯通しするものと思っていましたが、使用用途によって必要がない場合もあります。油臭さが必要でない料理に使用する時は湯通しをした方が良いです。表面の油が落ちてヘルシーになるのと、味が染み込みやすくなるので基本的には湯通しをした方が良い食材です。
湯通しと「湯がく」「茹でる」との違い
湯通しの他に湯がくや茹でるといった料理方法があります。どれも食材を熱湯に入れて加熱する下処理のことですが、違いをはっきり説明できる方は少ないと思います。具体的な違いを覚えておけばレシピ通りに下準備ができてより完成度の高い料理が出来上がります。ぜひ覚えておきましょう。
湯がくとは?
湯がくは湯通しと似ていますが、野菜だけに使われる言葉で、ほうれん草や小松菜など野菜のアク抜きを目的に食材を熱湯に浸ける時に使われる言葉です。生で食べられる野菜をしんなりさせる程度に火を通す時に湯がくという調理をします。湯通しよりも少し長い時間熱湯で加熱する場合に使われる言葉です。
湯通しと同じで、色のある野菜を湯がいた後に冷水に取って色止めすると綺麗な色を保てます。
茹でるとは?
茹でるとは食材の中まで火がしっかりと通るように熱湯で加熱することです。ジャガイモや大根などの硬いものを柔らかくなるまでしっかりと火を通し、食材の食感が変わるまで加熱することを茹でるといいます。
ゆでた後のじゃが芋は潰すために柔らかくしますし、大根は中まで味を染み込ませるために下茹でするなど、ゆでる意味や目的は様々です。
加熱時間の違い
それぞれの調理法で目的が違うので、加熱の時間に違いがあります。湯通しと湯がくはほんの数十秒ですが、湯がく方が湯通しよりも長時間熱湯に浸ける場合が多いです。茹でるときは中までしっかりと火を通すので湯がくよりも時間が長く、数分~数十分加熱します。
目的の違い
どちらも炒めたり煮るなどの調理する前の食材の下処理ということは共通していますが、湯がく主な目的は食材の灰汁を取る事で、しんなりさせる程度に火を通す程度にお湯に浸けます。アクを取ることで野菜の渋味が無くなってすっきりとした料理になります。
茹でる目的は味付けなどはせずに食材を加熱前とは違う状態になるまでしっかり火を通すことです。ポテトサラダに使うジャガイモや茹で玉子煮物に使う大根なども下茹でをします。
湯通しではなく油通しとは?
油通しとは高温の油でさっと揚げる事を言います。湯通しのお湯を油に変えたやり方です。野菜や肉の下処理として油通しをします。油通しで料理の仕上がるがどのように変わるのかその目的は何なのでしょうか
やり方
油通しは切った食材を高温の油で数十秒ほど揚げます。野菜の場合は180~200℃、肉の場合は140~160℃位が適温です。
野菜は高温すぎると火が通りすぎてしまうし、低すぎると油を吸ってしまうので温度が重要です。肉は高温にしすぎると固くなってしまうので低温で油通しします。
目的
野菜を高温でさっと揚げることによって、野菜の色を良くしたり、調理時間を短縮する目的があります。
野菜の水分を閉じ込めて炒めた時に余分な水分が出ずにベチャッとするのを防ぎます。
一度油でコーティングされることで、炒めたときに余計な油を吸わず、油っこくなるのを防ぐこともできます。
油通しの必要な食材
中華料理でよく使う調理法というイメージが強い油通しは、葉物野菜以外全般に使えます。ピーマンは色よく仕上がるうえに、独特な苦みが消えてさっぱりとした味になります。また茄子やパプリカなど色の良い食材はより鮮やかな色になります。筍などは歯応えが残り料理が美味しく仕上がります。
食感/味/見た目
油通しすることによって火の通りすぎを防いで、野菜はシャキッとした食感を残すことができる上、食材が油を吸うのをおさえて料理全体の油っぽさがなくなります。また、食材の水分や栄養素だけでなく旨みも閉じ込めるので味も美味しくなります。
見た目もピーマンや茄子など、色の良い野菜はその色が鮮やかになる上に油のつやが出て美味しそうに仕上がります。
油で揚げるのは少し手間がかかりますが、その一手間でたくさんの利点があるので、ぜひ試してみてください。
湯通しの意味とやり方を知って料理に活用しよう!
湯通しとは、野菜にも肉にも使う調理法で、食材のアクや臭みを抜く目的で行う料理の下処理ということが分かりました。湯通しによって食材のアクや臭みを取ることで料理の仕上がりが格段に良くなります。ひと手間かかってしまいますが美味しい料理にはそのひと手間が重要です。ぜひ日ごろから心がけてみてください。