かやくご飯は関西の方言?関東は?炊き込みご飯との違いも解説

かやくご飯を知っていますか?かやくと言っても危険な火薬ではありません!かやくご飯は炊き込みご飯の一種です。関東では炊き込みご飯、関西ではかやくご飯(加薬ご飯)と方言の違いによるものですが具材やレシピも違うのであくまでも炊き込みご飯の一種というくくりになります。今回はかやくご飯の由来やかやくご飯と炊き込みご飯とのちがいやレシピを紹介していきます。初めてかやくご飯を聞いた方も参考にしてみてください。

かやくご飯は関西の方言?関東は?炊き込みご飯との違いも解説のイメージ

目次

  1. 1かやくご飯とはどんなご飯?
  2. 2かやくご飯は関西の方言?関東との違い
  3. 3かやくご飯の特徴
  4. 4かやくご飯と炊き込みご飯の違い
  5. 5かやくご飯の基本レシピ
  6. 6かやくご飯のアレンジレシピ
  7. 7かやくご飯は地域によって呼び名が違う!

かやくご飯とはどんなご飯?

かやくご飯は具材とご飯をあわせて炊く炊き込みご飯の一種でおもに関西での呼び方です。別名かやく(加薬)めしと呼ばれています。今回は関東ではあまり知られていないかやくご飯とはどんなものか細かく説明していきます。

かやくご飯は関西の方言?関東との違い

かやくご飯は一言で言ってしまえば関東と関西の方言の違いで炊き込みご飯の種類です。まずは関東と関西の方言の違いを交えて説明していきます。

関西ではかやく

かやくというとほとんどの人は火薬を想像するかもしれませんがかやくご飯のかやくは加薬と書きます。この加薬を辞書で引くと「五目ご飯の具材」とでてきます。そのことから関西でかやくご飯というと関東での五目ご飯のことを言います。

関東では五目

関東では一般的な五目ご飯ですが混ぜご飯と一緒に考えてしまいがちです。あくまでも炊き込みご飯の一種で混ぜご飯とはレシピが違います。

収穫の秋に季節の具材を使ってしょうゆやだしと一緒に炊き込みお米に具材の味を染み込ませたものが五目ご飯です。一方混ぜご飯はご飯が炊きあがった後に具材を混ぜ合わせるので全くレシピが違う米料理です。

かやくの意味

かやくごはんのかやくは漢字で加薬と表現します。これは本来、漢方薬の効果を高めるために補助的な薬を加えることや、その薬のことをいう漢方の用語です。その補助的な意味から五目ご飯の具材や主材料を引き立たせる具材や調味料をかやくというようになりました。なので関西ではかやくご飯と呼ばれるようになりました。

小ねぎやからし・しょうがなどの薬味と呼ばれる香辛料も昔はかやくと呼ばれていましたが現在では薬味として一般的に浸透しています。

京都での五目の意味

関東と関西の方言の違いだけでなく大阪と京都ではテレビなどでもたまに話題になるように、同じ関西でも意味が通じないことが多くありますが五目もその一つです。関東では五目はご飯の具材とすぐわかりますが京都で五目というと「ゴミ」のことを表します。

同じ五目でもかなり意味の違いがあるのが方言の特徴ですがここまで意味に違いがある言葉はほかになかなかないです。ですが、京都でかやくご飯は通じるので間違っても五目ご飯といわないようにしましょう。

かやくご飯の特徴

ここからは米と一緒に肉や野菜などの具材を炊き込む関西の五目ご飯のかやくご飯を基本の具材や関東との味の違いを交えて説明していきます。

基本の具材

炊き込みご飯はおふくろの味の一つですが、関西のかやくご飯の基本的な具材はこんにゃく・にんじん・干ししいたけ・ごぼう・れんこん・鶏肉・油揚げを基本の具材にすることが一般的ですが明確な決まりはないのでその季節の旬の野菜をつかったり苦手な食材を避けたりとバリエーションは自由です。

炊き込みご飯と混ぜご飯の大きな違いが生のお米に具材やだしの味をしみこませるか炊いたご飯に具材を混ぜ合わせるかの違いです。かやくご飯は炊き込みご飯の一種なので味付けが重要になってきます。基本の味付けはだし汁とシイタケの戻し汁としょうゆで味付けをします。

冷えても美味しい庶民の味

かやくご飯の魅力は冷えてもおいしく具材が豊富でおかずがなくても食事が成り立つことです。冷めてもおいしい理由としては生のお米の状態から具材のうまみを吸収させているので冷めても味の変化が少ないことが特徴です。そのため冷めた状態でもおいしく食べることができます。

さらにかやくは加薬と書くことから旬の具材を使うことによって栄養価を高めて薬高をあげることからかやく(加薬)ごはんと呼ばれるようになりました。

関西では薄味

方言以外にも関東と関西の文化には大きな違いがあり、それが味付けです。いろいろなレシピをみてもわかるとおり関東では具材からでたダシのほかにしょうゆ・酒・みりんなどの調味料を入れて炊き込むことが多いですが関西では具材からでるダシがメインになっている場合がほとんどです。

味付けをしたとしても関西で使うのはダシ醤油かうすくち醤油です。これは昔からの関東と関西の食文化の違いによるものですが関東の醤油は関西の物に比べて塩分が高めなのが特徴です。そのため関西のかやくご飯は薄味と感じてしまいます。

かやくご飯と炊き込みご飯の違い

ここまでかやくご飯について紹介してきましたがここからはかやくご飯と炊き込みご飯の違いをさらに紹介していきます。

ほぼ同じもの

かやくご飯とは炊き込みご飯の種類の一つですが炊き込みご飯の定義というのが生のお米に具材からでるダシなどと一緒に炊飯しお米に調味料やダシを吸い込ませたものが炊き込みご飯と呼ばれる料理になります。

それなのでかやくご飯五目ご飯釜飯も同じ炊き込みご飯のくくりになります。レシピなどが変わるだけでほぼ同じものということになります。

大阪を中心としたかやくご飯

関東での五目ごはんが関西ではかやくご飯と呼ばれています。ですが関西全域でかやくご飯が通じるわけではありません。かやくご飯は大阪を中心とした料理です。インターネットで検索すると岡山にはかやくめしというキーワードでお店がヒットしますが広島ではヒットしません。そのことから考えるとかやくご飯は大阪を中心とした食文化です。

炊き込みご飯は相称?

ここまで紹介してきた関東での五目ご飯、大阪を中心としたかやくご飯をまとめると炊き込みご飯はほぼ同じ米料理です。同じ具材、ほぼ同じな料理方法である五目ご飯とかやくご飯ですがそれを相称として炊き込みご飯があるという説明が一番わかりやすい説明です。

もちろん調理方法なども関東と関西で違いがありますが大きなくくりで一言でいうと炊き込みご飯で間違いはありません。

かやくご飯の基本レシピ

ここからはいよいよかやくご飯のおいしいレシピを紹介していきます。いろいろなレシピがあるのが炊き込みご飯の楽しいところですがまずは基本的なレシピを紹介します。

材料と作り方

  • 米2合
  • 干しシイタケ中で1~2枚
  • にんじん1/4本
  • ごぼう1/4本
  • こんにゃく1/4本
  • 油あげ小1/2
  • シイタケの戻し汁適量
  • うすくち醤油大さじ2と1/2
  • みりん大さじ2と1/2
 
  1. 干しシイタケは戻すのに時間がかかるので事前に水100mlで戻しておきます。
  2. お米は研いで浸水させておく(30分~1時間)
  3. 戻った干しシイタケの水気を絞り2~3mmはばに切ります。
  4. ごぼうはささがきにして水にさらしておく。
  5. こんにゃくは厚みを3等分に切ってから棒状に切ります。
  6. 油揚げは厚みを半分にしてみじん切りにする。
  7. にんじんは2~3cmの千切りにします。
  8. 米を炊飯器うすくち醤油・みりんを入れて炊飯器の目盛りまで水を入れます。
  9. 具材をすべて入れ炊飯スイッチをいれて炊き上がれば完成。

このレシピは鶏肉や魚を入れないオーソドックスなレシピになります。ですがここに好きな具材を入れるだけでアレンジレシピになりますのでまずはこの基本レシピで作るのがおすすめです。

ポイント

炊き込みご飯をおいしくするには調味料の割合が重要になってきますがおすすめの調味料の比率は水(10):うすくち醤油(1):酒(1)です。これが仕上がりを左右する味付けのポイントになってきます。もちろん好みによってこの比率を変えてもいいですが作ったことがない人はこの比率から試すのがおすすめです。

次に紹介するポイントは具材によって入れるタイミングを変えることです。わかりやすく言うと鍋を作るときに大根などは最初に入れ白菜などはあとから入れると思いますがそれと同じで炊き込みご飯も炊飯器にいれるタイミングを変えることによってそれぞれの具材のうまみを引き出せてよりおいしい炊き込みご飯を作ることができます。

炊飯する際のポイントですが浸水したお米をしっかり水気を切ってから炊飯器に入れ調味料を入れて炊飯することでしっかりと味のしみたかやくご飯に仕上げることができます。

日持ち

冷めてもおいしいのがかやくご飯の特徴ですが出来立てのかやくご飯を一食ずつラップに包みなるべく平らにして薄く包み冷凍すると乾燥を防ぎ、解答したときにふっくらとした仕上がりになります。冷凍保存した場合1ヵ月程度保存ができます。

かやくご飯のアレンジレシピ

ここからは先ほどの基本レシピに少し手を加えるだけでできるアレンジレシピを紹介します。基本のかやくご飯レシピをマスターしたら試してみてください。

里芋のかやくご飯

まず紹介するのは秋の味覚の里芋を使ったかやくご飯です。里芋の皮をむいて1.5cmに切って一緒先ほどの基本レシピ同様すべての具材と一緒に炊飯するだけです。ポイントはご飯に里芋がよく絡むように角切りにすることがポイントです。

土鍋で炊くかやくご飯

次に紹介するアレンジレシピは具材はそのままに炊飯器ではなく土鍋を使って炊くかやくご飯レシピです。最近のコンロには土鍋炊飯機能というものがあったりしますが沸騰するまでは強火で沸騰してからは中火に落とし5分、さらに弱火に落として4分で火を止めて10分ほど蒸らすだけで完成します。

土鍋で炊飯するときの注意点は普段よりもしっかりと浸水させることです。そしてしっかりと蒸らすことで土鍋ならではのおこげも楽しめるかやくご飯が出来上がります。

夏野菜のかやくご飯

最近の夏は猛暑日が続いて夏バテ気味になったりと身体を壊してしまいがちですが食欲のない時でもかやくご飯はおかずいらずで栄養満点ですので疲れた体におすすめです。特に夏野菜は栄養価の高い野菜が多いので夏野菜多めのかやくご飯で暑い夏を乗り切りましょう。

ポイントはしっかりと歯ごたえのある野菜は先に入れすぐ火の通ってしまう野菜は最後に入れるようにすると具材それぞれが際立つ存在に仕上がります。

かやくご飯は地域によって呼び名が違う!

今回はかやくご飯について紹介してきました。簡単に言ってしまうと関東では五目ご飯、関西ではかやくご飯と方言の違いによる炊き込みご飯の一種ですが旬の具材などによってアレンジレシピが無限に広がるのもかやくご飯の楽しみかたの一つです。そんなおかずいらずなおいしいかやくご飯を楽しんでください!

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