2019年03月25日公開
2024年09月08日更新
たまり醤油とはどんな醤油?普通の醤油との違いや使い方/代用品など
たまり醤油は醤油の一種ですが、ほかの醤油と比べて色が濃くうまみが強いのが特徴です。東海地方や九州地方を中心に作られており、お刺身につけたり煮物の味付けなどに使われたりしてます。一般的な醤油との違いは使われる原料の違いのみで、作り方や使い方の違いはほとんどありません。今回はそんなたまり醤油の代用品の作り方や、通販で購入できるおすすめの商品、そしてたまり醤油を使った料理レシピを紹介します。
目次
たまり醤油について知りたい!
たまり醤油を知っていますか?たまり醤油は刺身たまりとも呼ばれており、普通の醤油よりも色が濃くてトロッとした見た目が特徴です。料理のうまい人は濃口や薄口だけではなくたまり醤油も活用しています。
今回はたまり醤油の特徴だけではなく、使い方や代用品の作り方、たまり醤油を使った料理のレシピのほかに通販で購入できるおすすめのたまり醤油などを紹介していきます。
たまり醤油とは?
関西では濃口醤油、関西では薄口醤油がよく使われていますが、たまり醤油はなじみがないという地域もあります。まずは、たまり醤油とはどのような特徴のある醤油なのでしょうか?
たまり醤油の特徴
たまり醤油の一番の特徴は他の醤油と比べて色も風味も濃いことで、少量でも料理に深みを加えられます。東海地方や九州などで生産されており、国内で年間に生産されている醤油の約1%弱程度の生産量しかありません。
お刺身やお寿司につける醤油として使われるだけではなく、照り焼きのたれさまざまな煮物の味付けのベースに使われます。
味
普通の醤油と比べて風味と色が濃いたまり醤油ですが、うま味成分がほかの濃口醤油や薄口しょうゆと比べて多いのも特徴で、塩分は濃口醤油と変わらないため同じ分量だけで料理の味ががらりと変わります。
たまり醤油と醤油の違い
たまり醤油は濃口や薄口と比べて色も風味も濃いのが特徴ですが、なぜこのような違いがあるのでしょうか?使われている原料や作り方の違いによってたまり醤油と濃口醤油や薄口醤油と違いが出てきます。
原料や製法の違い
たまり醤油とそのほかの醤油の味や風味の違いは使う原料の比率と作り方の違いによって生まれます。一般的な濃口醤油や薄口醤油などは原料の大豆と小麦を半々ずつ同じ割合で使い醸造されて作られますが、たまり醤油は原料として大豆のみで作る作り方が主流です。
最近では炒った小麦を風味付けのために使うメーカーもありますが、たまり醤油の原料はすべて大豆か大豆と炒った小麦を9対1の割合で使うことがほとんどです。また、醤油を仕込むときには食塩水を使いますが、たまり醤油は使う量が少ないため、独特の風味と味に仕上がります。
カロリーや塩分の違い
色味や風味、うま味が強いたまり醤油ですが、薄口醤油や濃口醤油と比べて塩分濃度はさほど変わりません。カロリーに関しては濃口醤油が100gあたり71kcal、薄口醤油が100gあたり54kcalなのに対して、たまり醤油は100gあたり111kcalとややカロリーは高めになっています。
たまり醤油の使い方
他の醤油と異なり色味と風味が濃くとろみが強いたまり醤油ですが、どのような使い方をするのがベストなのでしょうか?続いては、たまり醤油の使い方のポイントについて紹介していきます。
基本は濃口醤油と同じ
たまり醤油は濃口醤油比べ塩分濃度は大差はありませんが、風味やうま味が強いのが特徴です。そのたまり醤油の使い方は基本的に濃口醬油と同じ使い方で問題ありません。
少量で満足
うま味が強いたまり醤油は少ない量でも満足感を得られるのも特徴ですが、うま味が強い分少ない量でも味の満足感が高まります。そのため塩分量も濃口醤油を使うときよりも減らすことができ、高血圧予防などにもつながります。
たまり醤油の作り方と代用品
うま味の強いたまり醤油ですが、自宅でもできる作り方があります。続いては、たまり醤油を自宅で作る作り方と代用品の作り方を紹介していきます。
自宅で作れる
たまり醤油は材料と必要な道具さえば自宅でも作れます。材料には大豆のほかに製粉されていない外側の殻だけを剥いた状態の小麦や醤油用の種麹、水、食塩が必要です。
また、大きめのバットやボール、仕込みに使うための容器などアルコールを使ってしっかりと消毒し、準備しておきます。
作り方
- 大豆1kg
- 小麦(玄麦)100g
- 醤油用種麹8g
- 水完成した豆麹と同量
- 塩総重量の18%
- 大豆を水洗いして2時間浸水させる。
- 小麦をフライパンで煎り、ミキサーにかけて細かく砕いたら醤油用種麹を混ぜ合わせる。
- 浸水させた大豆を指を使って簡単につぶせるようになるまで蒸す。
- 蒸しあがった大豆はバットに出して冷まし、中心温度が40度を下回ったら種麹と合わせた小麦を加えて混ぜ合わせる(豆麹)
- 室温と豆の温度が30度を保てるように調整しながら麹菌を繁殖させていく
- 麹菌が繁殖して大豆が胞子に包まれたら塩を加えて混ぜ合わせる
- 塩を加えた大豆と水を熟成用の容器に入れ、仕込んで1か月から2か月の間は時々混ぜながら1年以上熟成させる。
代用品
たまり醤油を使いたいときにない場合、濃口醤油とみりん、ザラメを使って簡単な作り方で代用品を準備できます。ザラメを使うことによってたまり醤油に近い風味に近づきますが、ない場合は三温糖や上白糖といった一般的な砂糖を使っても大丈夫です。
作り方はシンプルで、鍋に醤油1に対してみりん2とザラメ4の割合で合わせて火にかけ、沸騰させないようにザラメを完全に溶かすだけです。作ったものは清潔な密閉できる容器に入れ、できるだけ作ったら使い切るようにしましょう。また、使い方も通常のたまり醤油と同じような使い方で問題ありません。
たまり醤油を使ったレシピ
他の醤油とは違い色が濃くてうま味の強いたまり醤油ですが、どのような料理の味付けに使うとおいしい料理を作れるのでしょうか?たまり醤油を使ったおすすめ料理のレシピを三つ紹介していきます。
豚の角煮
- 豚肉400g
- ねぎ(青い部分)1本分
- 生姜1片
- たまり醤油大さじ2
- 濃口醤油大さじ2
- 酒大さじ4
- 砂糖大さじ4
- 水180ml
- 大き目の角切りに切った豚バラ肉をフライパンで全面焼いて焼き目をつける。
- 鍋に焼き色を付けた豚肉とぶつ切りに切ったネギと皮付きのまま薄切りに切った生姜を入れ、たっぷりの水を注いでアクを取りながら40分程度ゆでる。
- 別の鍋にゆでた豚肉とすべての調味料を入れて火にかけ、煮詰めながら味を豚肉になじませる。
モッツァレラチーズのたまりしょうゆ漬け
- モッツァレラチーズ100g
- たまり醤油20g
- 清潔なビニール袋にモッツァレラチーズとたまり醤油を入れ、一晩近く漬け込む。
あさりのしぐれ煮
- あさりのむき身
- しょうが1片
- たまり醤油大さじ2
- 酒大さじ2
- みりん大さじ2
- 水大さじ6
- すべての調味料を火にかけ一度沸騰させ、そこにあさりと生姜を加え弱火で煮含める。
たまり醤油の通販情報
たまり醤油を使ったレシピを三つ紹介しましたが、そのほかにもたまり醤油を使ったレシピはたくさんあります。しかし、地域によってはスーパーにたまり醤油が置いてないこともあります。続いては、そのような時におすすめの通販で買えるたまり醤油を3つ紹介します。
紀州の特産品 たまり醤油(湯浅醤油) 300ml
通販で購入できるおすすめのたまり醤油一つ目は、和歌山県にある株式会社小原久吉商店が製造販売している紀州の特産品たまり醤油です。醤油の発祥の地と言われている紀州でも有名な製造元で、たまり醤油以外の醤油も作っています。
うま味が強く、お刺身やお寿司につける醤油としてだけではなく、照り焼きのたれや煮物の味付けなど様々な使い方ができるおすすめのたまり醤油の一つです。
岡直三郎商店 冨士晃 たまりしょうゆビン 500ml
通販で購入できるおすすめのたまり醤油二つ目は、岡直三郎商店冨士晃たまりしょうゆです。天明7年創業の岡直三郎商店が製造販売している商品で、国産丸大豆を原料に使い小麦を使わずに製造しており、軽めのテイストでうま味が強く、さまざまな料理に使えるたまり醤油です。
盛田 本醸造さしみたまり 900ml
通販で購入できるおすすめのたまり醤油は、愛知県の大手醸造メーカー盛田の本醸造さしみたまりです。他の消費と比べて原料として使う小麦の量がやや多いため、たまり醤油特有の大豆臭さを軽減させながらも香りのいい商品に仕上がっています。
たまり醤油を使って料理を作ってみよう!
たまり醤油は濃口醤油や薄口醤油とは異なり原料として小麦をほとんど使わず大豆を使って作られる醤油で、仕込みに使う水の量も少ないことから風味や色が濃く、とろみがややあるのが特徴です。うま味が強いため少しの量で満足感ある味付けになり、減塩にもつながります。
今回はたまり醤油の特徴やほかの醤油との違いをはじめ、たまり醬油を使た料理のレシピを紹介してきました。紹介したレシピ以外にも醤油を使う料理にはほとんどの料理に合います。
東海地方や九州地方を中心に生産されているたまり醤油は地域によって購入が難しい場合がありますが、そのような場合は通販を利用するのがおすすめです。また、なければ普通の醤油にみりんや砂糖などの調味料などを足せば代用品として使えておすすめです。
普通の醤油を使うよりも料理に深みを足せるたまり醤油ですが、上手にたまり醤油を活用して料理を作っていきましょう。