2019年02月10日公開
2024年09月03日更新
ピクルスとはマリネやきゅうりと違う?簡単な作り方・レシピも紹介!
ピクルスとはどんな食べものか知っているでしょうか?日本だときゅうりのピクルスが定番ですが、海外では様々な種類のピクルスが食べられています。ここでは、酢を使ったピクルスのおすすめの食べ方や簡単レシピなどを詳しく調査しました。ピクルスはマリネとは違い、作り方も異なる食べものです。世界の変わり種ピクルスも紹介しているので、海外のピクルスに興味がある方も必見です。是非、ピクルスについて知識を深めてみてください。
ピクルスとは?
ピクルスとはどんな食べものかと聞かれたら、詳しく説明できますか?一般的にピクルスと言うと、ハンバーガーに入っているきゅうりのピクルスをイメージする方が多いかもしれません。しかし、ピクルスはきゅうりだけでなく様々な食材を使った世界的に有名な食べものです。ここではピクルスの食べ方や作り方を中心に詳しく紹介します。マリネとの違いや簡単なレシピもあるので、是非参考にしてください。
西洋の酢漬け
ピクルスとは、西洋を代表する漬物のことです。野菜などを砂糖や香辛料を混ぜた酢に漬け込んで作る料理で、保存がきくため海外でも好んで食べられています。日本の漬物との違いは、ピクルス液を作るかどうかにあります。日本では、野菜の酢漬けのことを総称してピクルスと呼び、漬物やキムチなどと区別をつけています。
海外では、「ガーキン」という小さなきゅうりを使ったピクルスが人気となっています。アメリカではハンバーガーやサンドイッチを作るときに利用することが多く、甘めの「レリッシュ」と言うきゅうりのピクルスを刻んだものが好まれる傾向にあります。イギリスでは玉ねぎや茹で卵のピクルスが日常的に食べられているようです。またインド料理に使われる「チャツネ」もピクルスの一種となります。
ピクルスには、発酵させるピクルスと発酵させないピクルスの2つのタイプがあります。ドイツ料理で有名なザワークラウトは発酵させるピクルスに分類されます。基本的に私たちが食べているきゅうりのピクルスは、発酵させないタイプのものです。
肉や魚介類のピクルスもある
野菜のピクルスとは違い、肉や魚介を使ったピクルスも作られています。牛肉を玉ねぎやニンニク、香辛料、ビネガーなどと一緒に煮込んで瓶詰にした肉のピクルスは、約1~2カ月の保存が可能です。イギリスではニシンなどの魚や貝類をピクルスにすることも多く、普段から食事に取り入れられているようです。魚のピクルスと言うと、日本だとシメサバなどをイメージするとわかりやすいかもしれません。
様々なスパイスも使う
ピクルスの魅力は使われる食材の多さだけではありません。ピクルスの味は、スパイスとハーブで決まると言われています。つまり使う材料によって色んな味の違いを楽しむことができるのです。スパイスはピクルスの風味づけとして利用されます。一般的に使われることが多いのは、胡椒やクローブ、クミンなどです。
スパイスと同様、ハーブもピクルスには欠かせない調味料です。よくピクルス作りに使われるのが、タイムやローリエ、オレガノ、ディルです。中でも定番のハーブがローリエで、他のハーブが手に入らなくてもローリエさえあればピクルスを美味しく仕上げることができます。
ピクルスに使う食材
ここからはピクルスに使う食材について紹介していきます。きゅうりが定番のピクルスですが、意外と色んな野菜にも良く合います。様々な食材を使ったピクルスがあれば、食卓も華やかになるでしょう。変わり種のピクルスも紹介しているので、きゅうりのピクルスしか食べたことのない方も必見です。
きゅうりだけじゃない
まずはピクルスに合う野菜から見ていきましょう。海外では様々な野菜がピクルスとして漬けられており、有名なものに玉ねぎや人参のピクルスがあります。またレンコンやパプリカ、ミニトマトのピクルスも、最近では食べられる機会が多いようです。ズッキーニや淡白なカリフラワーもピクルスにおすすめの野菜です。
根菜類は茹でてから漬ける
人参やレンコンなどの根菜は、ピクルス液に漬ける前に茹でるのがポイントです。ただし根菜でも新玉ねぎやカブなどは柔らかいため茹でる必要はありません。また茹でると言っても火が通るまで茹でるのではなく、さっと湯にくぐらせる感覚で加熱します。ピクルスは野菜の食感を楽しむ料理でもあります。何度か作っていると好みの茹で時間がわかるようになるでしょう。
茹でた根菜は、バットに移して冷ますと水気が飛んでピクルス液が薄まることなく美味しく仕上がります。日持ちを良くさせるコツでもあるので、覚えおくと良いでしょう。
ソーセージのピクルスもある
肉や魚のピクルスもあると紹介しましたが、チェコには「ウトペネツ」というソーセージのピクルスも存在します。ウトペネツとは日本語で「水死体」を意味するピクルスで、ピクルス液に長時間漬け込んでふやけたソーセージがそのように見えることから名付けられたようです。
作り方は、縦向きに切り込みを入れたソーセージとカットした玉ねぎ、セロリなどをピクルス液に漬け込むだけです。好みの漬け具合になったら、本場チェコのように冷製でいただきましょう。
ピクルスとマリネの違いとは?
続いてピクルスとマリネの違いについて見ていきましょう。ピクルスもマリネも酢を使う料理ですが、2つの違いとはどのようなものなのでしょうか?それぞれの作り方や目的の違いについて学ぶと料理の幅も広がります。この機会に是非マリネについても知識を深めましょう。
マリネとは?
マリネとは、肉、魚、野菜などをドレッシングや酢をベースにしたマリネ液に浸した料理のことです。酢を使うという点ではピクルスと同じですが、マリネは酢の物の一種で、浅漬けにするという作り方に大きな違いがあります。そのため、厳密に言うと野菜を1日だけ酢に漬け込んだ浅漬けは、ピクルスには分類されずマリネになるのです。
またピクルス液とは違い、マリネ液はオリーブオイルなどの油を加えるという点も違いに挙げられます。マリネ液のことをマリナードと呼び、酢やワイン、レモン汁、オリーブオイルに香辛料や香味野菜などを入れて作られます。日本の南蛮漬けやスペイン料理のエスカベッシュ、ペルー料理のセビーチェもマリネ料理の一種です
マリネの目的は?
マリネは、食材に味や風味をしみ込ませたり、素材を柔らかくすることが目的とされています。基本的に下ごしらえとして利用されることも多く、調理前の肉や魚を漬け込む作り方を「マリネする」と言います。マリネ液に漬けると硬い肉が柔らかくなり、骨離れも良くなります。また、南蛮漬けやエスカベッシュのように、マリネ液に漬け込んだものを漬け汁のまま食べることもあります。
ピクルスの目的は?
一方、ピクルスの目的は何なのでしょうか?ピクルスは、日本の漬物と同じく、保存することを目的にした食べ物です。最近では浅漬けで食べられることも多いピクルスですが、しっかり煮沸して作られたピクルスは、1年も2年も保存することが可能です。長期保存の作り方のポイントは、瓶も野菜もしっかり煮沸消毒させるということです。
意外に感じるかもしれませんが、野菜の表面には細菌が付着しています。沸騰した熱湯にカットした野菜を入れ、再沸騰してから5分煮沸すると野菜を殺菌することができます。それを広めのバットに移して粗熱を取り、同じく煮沸消毒した瓶にピクルス液と共に漬け込みます。仕上げにピクルスを瓶ごと煮沸し、脱気して真空状態にすれば1年以上保存できるピクルスが作れます。
ピクルスの食べ方とは?
次にピクルスの食べ方について紹介します。食材を酢漬けにしたピクルスは、あらゆる料理との相性が良い食べものです。ここではおすすめの食べ方やアレンジ方法について触れています。簡単なピクルスのレシピをいくつか知っていると、料理のバラエティが豊かになります。是非、色んなピクルスの食べ方に挑戦してみてください。
おつまみなどにそのまま食べる
まずスタンダードなピクルスの食べ方が、そのまま食べるという方法です。きゅうりや大根、ニンジンなどをスティック状にカットしたピクルスは、皿に移しておつまみとして簡単に食べるのがおすすめです。普段野菜の摂取量が少ない方は、あえてピクルスを酒のおつまみにするのも良いでしょう。
味つけをする必要がないため、余分なカロリー摂取の心配がないのもポイントです。シャキッとした食感が楽しめるピクルスは、ダイエットにもぴったりな食べ物と言えそうです。
料理の付け合わせ
日本の漬物と同じように、ピクルスを箸休めにするという食べ方もあります。例えばハンバーグにきゅうりのピクルスを付け合わせにすると、食事のアクセントにすることが可能です。濃い味付けの料理や柔らかい食感のものに添えるのが特におすすめです。セロリやカリフラワー、人参のピクルスは、食事に彩りを添える役割もしてくれるでしょう。
タルタルソース
ピクルスをタルタルソースに入れるという食べ方もおすすめです。作り方は、きゅうりのピクルスを細かく刻み、卵、玉ねぎ、マヨネーズ、パセリ、塩こしょうを混ぜるだけと非常に簡単に作ることができます。
きゅうりのピクルスと一言で言っても、スイートピクルスやディルピクルスなどがあり、種類によって味わいも異なります。またピクルス液を少量入れると味に変化をつけることができるので、食べ方や作り方を工夫してみるのも良いでしょう。
ピクルスの材料で合う料理も違う
ピクルスは、食材によっておすすめの食べ方が変わります。きゅうりのピクルスは、タルタルソース以外にポテトサラダに入れるなど和え物にする食べ方が向いています。玉ねぎのピクルスは、ライスコロッケなどの加熱料理にしても良いでしょう。人参や大根のピクルスなら酢豚に入れると美味しく仕上がります。
パプリカのピクルスを細かく刻み、ご飯と混ぜてピクルスライスにするのもおすすめです。ピクルスライスは、カレーをかけたりしておしゃれな食べ方を楽しむこともできます。
ピクルスの簡単レシピ
最後にピクルスの簡単な作り方を紹介します。肉や魚、ソーセージなど様々な種類のピクルスがありますが、まず自宅で作る際は簡単レシピに挑戦してみることをおすすめします。基本のレシピをマスターすれば、好みの野菜やスパイス、ハーブでアレンジを楽しむことが可能です。煮沸消毒をしっかり行うと1~2年保存できるピクルスも作れるため、作り慣れたらまとめて一気に作ってしまっても良いでしょう。
用意するもの
ここで紹介するピクルスのレシピは、きゅうり、大根、人参、パプリカを使います。彩りが良いのでパーティーのおつまみにするのもおすすめです。用意するものは野菜とピクルス液の材料、そして保存瓶です。保存瓶を選ぶ際のポイントは、大きさと耐熱性、密閉できるものということです。また保存瓶は煮沸消毒の仕方にも注意が必要です。
煮沸の方法は簡単です。まず保存瓶より一回り大きい鍋を用意し、鍋底に布巾を敷きます。次に保存瓶とフタを入れ、瓶が全て浸かるまで水を注ぎます。火にかけ、沸騰した湯で5分煮たらトングなどで清潔な布巾の上に取り出します。自然乾燥させたらピクルスを漬け込む準備は完了です。
沸騰した湯の中に急に瓶を入れると温度変化で破損してしまうこともあるため、くれぐれも気をつけてください。パッキンなどを煮沸消毒する際は、変形や劣化の心配があるので早めに取り出すようにしましょう。
材料
- 人参120g
- 大根160g
- 黄パプリカ120g
- きゅうり120g
- 塩少々
- A酢250cc
- A水150cc
- A砂糖40g
- A塩大さじ1/2
- A赤唐辛子1本
- Aにんにく1片
- Aローリエ1枚
- A黒こしょう(粒)6粒
作り方
- 保存瓶は事前に煮沸消毒して、自然乾燥させておきます。人参、大根は皮をむき、長さ8cm、幅1.5cmの拍子切りにします。パプリカは幅1.5cmに縦切りします。きゅうりはヘタをカットし、長さ8cmに切ってから縦4等分にします。ニンニクは薄切りにしておきましょう。
- ホーローかステンレスの鍋にAを全て入れ、ひと煮立ちさせて砂糖を溶かしたら、そのまま冷ましておきます。
- 別の鍋に湯を沸かし、野菜を入れます。再度沸騰してから5~10分煮沸します。加熱しすぎると野菜の食感が変わるので、くれぐれも火の通しすぎには気をつけましょう。
- 3の野菜を大きめのバットに並べて冷まします。保存瓶に野菜、ピクルス液を入れ漬け込みます。好みの加減に浸かればレシピの完成です。
色とりどりのピクルスを作って華やかな食卓にしよう!
程よい酸味が特徴のピクルスは、色んな食べ方が楽しめる魅力的な食べものです。レシピも簡単で、どんな食材を合わせても美味しく仕上がるのが人気の秘訣でしょう。日本ではピクルスというときゅうりのイメージが強いですが、大根や人参、セロリなど色んな野菜に良く合います。レシピも様々なので、基本のレシピを参考にピクルスを手作りするのもおすすめです。是非、自家製ピクルスにも挑戦してみてください。