ささみと胸肉・もも肉の違い!鶏肉のどこの部位?カロリーや特徴も!
ささみや胸肉、もも肉など、一口に鶏肉と言っても、鶏肉の部位はさまざまなものがあります。この記事では、ささみや胸肉、もも肉などは、鶏肉のどこの部位で、どんな特徴の違いがあり、カロリーや栄養素はどれほどなのかを、詳しく探って紹介いたします。また、各部位の価格の違いや食べ方なども紹介するとともに、ささみや胸肉など種類の異なる部位を、代用できるかどうかなども併せて紹介します。
目次
ささみと胸肉・もも肉は鶏肉のどこの部位?
ささみ
鶏肉がヘルシーというのは、もはや定評といってもよいくらいです。ヘルシーな鶏肉の中でもヘルシーさにおいて、優等生的存在が特徴の部位が「ささみ」と「胸肉」になります。鶏肉は1羽を重量比で分けると、ほとんどが胸肉ともも肉、手羽とで占められます。そして、鶏のどこにあるのかと言うと、その名のとおり鶏の胸に当たる部位が胸肉で、足の太ももに当たる部位がもも肉、手に当たる部位が手羽です。
どこにあるのかと言うと、ささみは胸肉に抱え込まれたような位置に存在する部位で、胸肉の一部と言ってよいかもしれません。その意味で互いに代用が利く可能性があります。ささみと胸肉が栄養価的にも似ているのも、鶏のどこに位置している部位かということと、無関係ではないでしょう。
胸肉
鶏肉の三大部位の一つ、胸肉がどこにあるのかと言うと、鶏の前方部分の、人で言えば胸に当たる位置にある部位です。この胸肉ともも肉、手羽とで鶏肉はほとんど占められています。このことは後の章で詳しく触れますが、鶏肉の部位別の価格で相違する要因ともなっています。1羽の鶏から取れる量が胸肉とささみでは大きく違います。一般論から言えば、胸肉の単価がささみより安いのは、このことからも言えます。
もも肉
もも肉が鶏のどこにある部位かと言えば、鶏の足につながる部位で、鶏の一番重い重量比をなす部位になります。ヘルシーさには欠ける点もありますが、鶏肉のなかでは旨味が一番高い部位であるのも事実です。肉質のジューシーさでは、もも肉に優る部位は鶏肉にはありません。鶏肉のそれぞれの部位がどこかを簡単に説明するなら、羽である手羽を頂点として、右下に胸肉で左下にもも肉があって、それらが三角形をなしています。
その三角形に囲まれたかたちで、レバーや砂肝などの内臓部位が存在しています。首筋の「せせり」や尾っぽの「ぼんじり」などもありますが、鶏肉の部位はおおむねこんな配置になっているのです。胸肉とささみは代用が利きそうですが、ささみともも肉は価格も含めて代用は利きそうにありません。
一羽からどのくらいとれる?
鶏肉のそれぞれの部位が、1羽からどれくらいとれる?かと言うと、1羽の生体重量を100%とした場合に、骨付きの肉が70.2%で、そこから可食の肉部分がは約53%になり、可食の内臓部分は約4%です。1羽が2,500gの鶏の場合、肉部分が1,325gで内臓部分が100gということになります。ところが、牛や豚と違い鶏は、夏場と冬場では体重が2割も変化する生き物なのです、平均で言うと、夏場2,300gで冬場2,800gとなります。
ここまで、それぞれの鶏肉が鶏のどこの部位に当たるかを見てきましたが、1羽2,500gの鶏から各部位が、どれくらいとれるのかを見てみます。重量比が多い順に並べます。「もも肉428g」「胸肉350g」「手羽187g」「ささみ74g」「皮43g」「内臓101g」と、なっています。鶏の部位種類別に並べましたが、ささみの重量比が格段に少ないのが特徴です。
ささみと胸肉・もも肉のカロリーや糖質量の違い
カロリーの違い
鶏のどこの部位かで見てきた鶏肉の、カロリーや糖質量などを種類の違いについて見てみます。まずは、ささみと胸肉、もも肉についてカロリーを比較します。各部位100g当り「ささみ106kcal」「胸肉136kcal」「もも肉181kcal」と、なっています。違いは一目瞭然です。ささみのカロリーが低いことが分かります。鶏1羽分のささみを全部食べたとしても100kcalに至りません。比較では胸肉が中位、もも肉がカロリー高めになります。
ちなみに、他の部位では「手羽261kcal」「皮497lcal」です。皮がダントツで高カロリーであると言えます。つまり逆に言えば、もも肉にしろ胸肉にしろ皮を外して調理すれば、ずいぶんとカロリーダウンが図れることにもなるということです。
鶏肉の糖質は0g
鶏肉のなかでカロリーについては、どことどこの部位が高カロリーなのか分かりました。では、糖質はどうでしょうか?実は糖質については鶏肉はゼロと言ってよいでしょう。これは、ささみや胸肉、もも肉いずれもが炭水化物を含まないからです。ここに、鶏肉がヘルシーともてはやされ、ダイエット食として注目されるポイントがあるわけです。鶏肉の特徴として、カロリーと糖質では、カロリーだけに目を向ければ良いことになります。
ささみと胸肉・もも肉の栄養素の特徴・種類
鶏肉はたんぱく質が豊富
鶏肉の栄養素の特徴や種類を見ていきます。鶏肉の部位のどことどこに、どんな栄養素が含まれているかを探ってみます。初めに、たんぱく質を見てみると、ささみや胸肉、もも肉ともにたんぱく質は豊富です。100g当りの成分表で「ささみ23g」「胸肉19.5g」「もも肉16.2g」と、なっています。3種類の鶏肉の部位を比較してみても特徴が分かります。胸肉はカロリーと蛋白質量ともに中位です。
もも肉はカロリーが高めで、たんぱく質は低めとなります。ささみはカロリーが低めで、たんぱく質は高めということで、ダイエットに何故ささみが人気なのかが、数字的に明確な特徴として表れています。そうは言っても、鶏肉は全体的にみてどこの部位にかかわらず、たんぱく質が豊富な食材と言うことができます。鶏肉のたんぱく質には、体内で作れない必須アミノ酸が多く、またバランスよく含まれています。
脂質についても触れておきます。糖質のようにゼロではありませんが、ささみが限りなくゼロに近いように、全体的に低い脂質です。100g当りで「ささみ0.5g」「胸肉4.2g」「もも肉11.0g」になっています。ちなみに「皮48.2g」です。
ナイアシン
ナイアシンはビタミンB3とも呼ばれていて、水溶性ビタミンの栄養素です。糖質や脂質、たんぱく質の代謝に不可欠で、循環系や消化系、神経系の働きを促進する効能をもっています。そのナイアシンの含有量を部位の種類別に、ささみや胸肉、もも肉で比較してみます。いずれも100g当り「ささみ11.79mg」「胸肉10.60mg」「もも肉5.60mg」です。ささみと胸肉で、ナイアシンの成分が高めです。
ナイアシンではもも肉が約半分と低い成分量でした。ちなみにミネラル成分のセレンを見ると、「ささみ22μg」「胸肉0μg」「もも肉16μg」となっています。胸肉にはほとんど含まれないセレンは、微量であれば人体に必須の栄養素であり、老化防止といった抗酸化作用の働きがあります。
ビタミンB6
ビタミンB6がもつ特徴は、たんぱく質から筋肉や血液を作り出したり、エネルギーを生み出したりする際に不可欠な栄養素です。鶏肉部位の種類別にみると、100g当り「ささみ0.60mg」「胸肉0.45mg」「もも肉0.22mg」となっています。胸肉はビタミンの種類によってはバラツキも見られますが、ささみはビタミン類のいずれもで、豊富な数値を示しています。ビタミンB6の不足は皮膚炎や口内炎を発症します。
ビタミンK
ビタミンKは脂溶性のビタミンの一種類で、骨粗しょう症や動脈硬化を防止する働きがあり、このビタミンKに依存するたんぱく質の活性化に必須の栄養素であります。鶏肉部位の種類別に成分量をみると、100g当り「ささみ14μg」「胸肉35μg」「もも肉36μg」です。ビタミンKに関しては、ささみだけが少し低い数値となっています。また、ビタミンKは出血した際に、血液を止血する因子を活性化する働きももっています。
パントテン酸
パントテン酸はかつてビタミン5とも呼ばれていて、水溶性のビタミンになります。糖質や脂質、たんぱく質の代謝とエネルギーを生み出すのに不可欠な酵素を補助する働きをもっています。また、コレステロールやホルモン、免疫抗体などの合成にも関与しています。鶏肉部位の種類別にみると、100g当り「ささみ3.07mg」「胸肉1.96mg」「もも肉2.06mg」です。やはり、このビタミンも、ささみが高めとなっています。
ささみの栄養素
ここまで、鶏肉の部位別に栄養素の種類や特徴などを詳しく紹介してきました。見てきたように、ささみの栄養素はダイエットなどの視点から見ても、申し分のない種類と特徴を備えていました。よく言われてきた、低カロリーや高たんぱく質も、数値的に実証されました。そのたんぱく質を体に活きたかたちで、摂取するのに必須のビタミン類もささみには豊富でした。栄養素的言えば、ささみだけで人の体は維持できそうな気さえします。
低カロリーで高たんぱく質のうえに、豊富なビタミンとミネラルが含まれたささみは、部位の違いはあっても同じ鶏肉の、胸肉やもも肉と比べても優秀な栄養素をもっていると言えます。しかも、糖質は限りなくゼロです。ダイエットにとって、まちがいなく最強の食材です。
胸肉の栄養素
ささみと胸肉、もも肉を見ると、今回紹介した栄養素の数値は、ささみと胸肉がほぼ同じ位置の部位肉であることを示しているとも言えます。ほとんどの数値でささみが胸肉を上回っていますが、栄養素の傾向はよく似ています。違いはビタミンkのみで、もも肉ととともに胸肉がささみを上回ったのが、唯一の例外です。糖質はゼロで、低カロリー高たんぱく質、豊富なビタミンやミネラルという胸肉も立派なダイエット食材と言えます。
もも肉の栄養素
同じ鶏肉ですが、もも肉は位置もささみや胸肉とは異なるし、栄養素も少し違ってきています。皮ほどではないけれど、やはりカロリーは高めです。糖質はゼロと同じですが、たんぱく質は鶏肉の部位別種類では、一番低い数値になります。ビタミン類やミネラル類でも全体を通じて低めです。もも肉も数値的にささみに勝っているのはビタミンKだけです。そうは言っても、もも肉も含めて鶏肉はヘルシーが特徴の食材と言えます。
牛肉や豚肉と比べれば、鶏もも肉もそのカロリーは下回っていますし、皮をはずした調理法なら大きくカロリーを下げることも可能になります。ここでの比較は、あくまでも鶏肉の部位別の種類によるものだということです。
ささみと胸肉・もも肉の味や価格の違い
味の違い
カロリーや栄養素的にも似ている特徴をもつささみと胸肉は、肉の味わいでも似ていると言えます。低カロリー高たんぱく質な点が、ささみと胸肉の味わいが淡白な特徴に出ています。互いに代用が利く要素をもっています。そういう意味では、ささみや胸肉はダイエットに向く分、調理に単調さが出てきます。ささみは特にサラダ向きですし、胸肉にしても濃い味付けをしないで食べるのは、飽きやすくもあります。
その点、脂質をある程度含むもも肉は、味わいの面だけからいえば鶏肉で一番とも言えます。もも肉自体に味があるので、塩を少々振っただけでも美味しいのはもも肉のメリットです。ささみも胸肉も濃い味付けをほどこせば美味しいく食べられますが、ダイエットには反してきます。逆にもも肉でダイエットを考慮するのなら、皮を外して調理すれば50%以上のカロリーをカットできます。
価格の違い
価格の比較というのは、意外とむつかしいものです。超安売り店とデパートで比較したら結果は火を見るより明らかです。ブロイラーと地鶏を比べたら、これまた同じ結果になります。同じ程度で同じ鶏の部位を、普通のスーパーの価格で比較してみます。「ささみ100円/100g」「胸肉90円/100g」「もも肉110円/100g」となっています。
食事制限が無用の人には、人気のもも肉は需要が高いから一番高いのもうなずけます。また、ささみよりも胸肉の方が安いのは、前にも述べましたが1羽から取れる量が、圧倒的に胸肉の量が多いため、ささみの価格が相対的に高くなるという特徴が出ています。
ささみと胸肉・もも肉の食べ方のポイントと注意点
日常的には胸肉やもも肉が便利
ここまで鶏肉の各部位について、栄養素や味、価格などさまざまな角度から見てきました。では、その食べ方となると注意点やポイントは、どのあたりにあるのでしょうか?鶏肉を日常的に使う場合は、もも肉や胸肉がいろいろな要素を考えて便利だと言えます。まず、食事制限などのダイエット面を考えなければ、調理する時の使い勝手が格段に良いのはもも肉です。次いで、胸肉になります。ささみは制約が若干あります。
もも肉はそれ自体に脂肪も含まれていて、多くの人に美味しいと感じさせる部位になります。代表的な唐揚げや焼鳥をはじめ、日本人のソウルフードと言ってよいくらい人気の食材です。他にも、煮物や水炊き、カレー、親子丼など、用途はバラエティーに富んでいます。胸肉はもも肉ほどではなくても、味つけやパサつきやすい肉質に配慮すれば、けっこう使い勝手の良い食材と言えます。いろいろな場面で代用も可能です。
鶏肉の栄養素を逃さない食べ方
単純に旨いかどうかとなると、どうしてももも肉に軍配が上がりますが、胸肉やささみがもつ低脂肪高たんぱく質というメリット活かして食べる方法もあります。胸肉やささみがもつパサつきやすいという点を、サポートしてやればよいのです。まず、どちらの食材も焼くとか茹でる際の加熱時間を短くする、これが基本のポイントになります。そして、ささみであれば茹でる場合に、ラップできっちりくるんでから熱湯に入れることです。
鶏胸肉の場合は下処理として、胸肉の表面をフォークで数か所刺します。そして、胸肉100:水10:塩及び砂糖1の割合でビニール袋に入れて、揉みこんでおきます。いずれの方法も、鶏肉から栄養や水分を逃がさないようにするための方法になります。あるいは調理前に、ささみや胸肉に薄く片栗粉をまぶしておく方法もあります。肉のパサつきを抑えられて、いろいろな料理に代用も可能となります。
鶏肉は食べ過ぎに注意
鶏肉は概してヘルシーである、ということは分かりました。中でも、ささみは優等生です。では、ささみだけを食べていれば健康やダイエットに良いかというと、そうとも限りません。ささみをはじめ、ヘルシーな鶏肉を食べる際の落とし穴があります。調理法や味付けの問題です。天ぷたやフライなどの油を使った方法で、マヨネーズなどの濃い味の調味料を使用すれば、低カロリーはたちまち夢幻となります。
あるいは、ささみの高たんぱく質に目を付けた、ささみだけの食べ過ぎはダイエットに成果をもたらしません。たんぱく質が筋肉に変わるためには、ビタミンンなどの他の栄養素も不可欠です。脂肪や炭水化物もゼロで良いというわけではありません。バランスが崩れた栄養摂取は、望むダイエットを達成できないばかりでなく、体調を崩す可能性もあります。五大栄養素はそれぞれ重要で、代用は利きません。
鶏肉は食中毒に注意
鶏肉による食中毒も注意しなけれななりません。鶏肉の場合はサルモネラ菌とカンピロバクターによるものが多くなっています。いずれの菌も、防止のためには加熱することが一番です。中心温度が75℃で1分間の加熱を行うことが目安になります。基本的には、内臓類にかぎらず生食を避けるべきです。
ささみは胸肉で代用できる?
糖質制限にはOK
鶏の胸肉でささみの代用ができるか?という問いには、糖質制限ダイエットならば、代用は十分に可能です。ささみも胸肉も糖質はゼロです。代用が可能というよりは、糖質制限にはどちらも積極的に食べることをおすすめします。すでに、糖尿病になっている方にもおすすめできる食材でもあります。糖質だけに限定すれば、もも肉も糖質はゼロですから、代用することができます。鶏肉は全体的に糖質を含まないヘルシー食材です。
筋トレにはささみがおすすめ
筋肉トレーニングにはたんぱく質、たんぱく質を多く含む食材は鶏ささみと、ささみが筋トレにつながることは常識になりつつあります。では、似た栄養素をもつ胸肉で代用はできるのか?といいますと、糖質では互いにゼロでしたが脂質では、そうとも言えません。ささみの脂質が100g中に0.8gなのに対して、胸肉では11.6gもあります。これが同じ淡白な味わいと言われながら、胸肉のほうが旨味を感じる要因でもあります。
たんぱく質量だけをみればほぼ同じですが、脂質は胸肉の方が多い分、筋トレにはささみの代用を胸肉で計ることはむつかしいようです。
値段や味わいの違いで選ぼう
鶏肉の内、ささみや胸肉あるいはもも肉を詳しく探ってみてきました。それぞれの栄養素や味、値段の違いなどを承知した上で、いろいろな料理場面に合わせて食材を選びましょう。ダイエットなどを考慮しないで、美味しい料理を心行くまで楽しみたいとき、食事制限などに配慮して栄養素を重点的に考えたいとき、あるいは家計がピンチだから出費を抑えたいときなど、シチュエーションはさまざまです。
また、ささみや胸肉、もも肉それぞれのなかで、代用が利くケースもあるはずです。それらのファクターを考慮しながら、その時にふさわしい部位を選んで鶏肉を楽しむことです。
ささみと胸肉・もも肉の違いを知って使い分けよう!
同じ鶏肉にも、部位によってさまざまに異なることが、よく分かりました。鶏のどの位置にある部位なのかから始まって、いろいろある豊富な栄養素、その栄養素による効能の特徴、味わいや価格、食べ方の注意点やポイント、あるいは互いに代用か可能かまで、違いを詳しく紹介してきました。これらを参考にしていただいて、鶏肉をうまく使い分けましょう。