ドイツワインの特徴と種類を解説!甘さの等級やおすすめ銘柄も紹介!

ドイツはビールが有名でもありますが、甘さのあるワインの名産地でもあります。ドイツはワインの原料となるブドウ栽培の北限でもあり、寒い地域ではブドウが凍るまで実らせてから収穫するといった特徴もあります。ドイツワインはリースリングに代表される白ワインが有名で、最近では赤ワインや多様な銘柄のものが出回っています。ドイツワインの種類、等級、産地ごとの特徴、ブドウ品種やおすすめのドイツワインなどをまとめています。

ドイツワインの特徴と種類を解説!甘さの等級やおすすめ銘柄も紹介!のイメージ

目次

  1. 1ドイツワインの特徴について
  2. 2ドイツワインの種類
  3. 3ドイツワインの産地と特徴
  4. 4ドイツワインの甘さの等級
  5. 5ドイツワインのおすすめ銘柄を試してみよう!
  6. 6ドイツワインの高級で上品な甘味を味わってみよう!

ドイツワインの特徴について

ドイツワインの最大の特徴はリースリング

ドイツワインといえば白ワインが多く、その白ワインの半数以上が甘口です。その中でも、繊細な甘さをもつブドウの品種が「リースリング」で、このリースリングによって、ドイツらしい白ワインが造られます。ドイツワインでは、等級を格付けする時に、甘いほど等級が高くなります。

リースリングは、ドイツが原産地ともいわれています。キリっと際立つ酸が特徴のブドウの種類で、寒い気候で育つ酸が、アルコール度数が低めで、飲み口が優しいエレガントな味になります。甘口の種類が多いですが、辛口のワインまでバリエーション豊かな品種です。酸が強く、果実の豊かな味わいのブドウ品種という特徴があり、若い白ワインに使われるものもあれば、タイプによって長期熟成させるワインにも使われます。

ドイツワインの味わいの特徴

世界のワイン名産地の中で、ドイツは最も北に位置しています。そのため、寒い土地でも育つワイン品種が栽培されています。赤ワインは、太陽の光をたっぷりと浴びて育つ品種が多いですが、白ワインは冷涼な気候で育つ品種が向いています。ドイツワインの白ワインは、辛口もありますが、中辛口、中甘口、貴腐ワインまで同じ甘味のあるワインでも幅広い種類があります。

ドイツワインには、フルーティーな味わいと香りがあるエレガントなタイプと、木樽を用いて醸造することで濃厚で複雑な味わいのタイプの2種類があります。エレガントなタイプのものの代表がリースリングで、後者の複雑なものは、最近世界的にも人気が高まっているピノノワールが代表といえます。

主なブドウ品種

ドイツワインの特徴といえる「リースリング」の他にも、代表する品種があります。白ワインでは、ドイツの伝統的な品種で、辛口ワインが有名な「ジルヴァーナー」、古くからある交配種の「ミュラー・トゥルガワ」は安価なワインに使われることが多いですが、造り手によっては上質な白ワインも造られます。「トラミーナー」は、飲みごたえのある白ワインの原料となり、香りの高いワインを造りだします。

ドイツワイン中の赤ワインを代表する品種は、ピノノワールでドイツ名で「シュペートブルグンダー」といいます。ラインガウという産地で最初に栽培され、ドイツでは有名な赤ワイン品種です。このほかに、濃い色合いになる「ドルンフェルダー」、お手頃価格帯のワインに使われることが多い「ポルトギーザー」といったものがあります。

ドイツワインの種類

ドイツワインは白ワインが主流

世界のワイン生産地の中でも、白ワインが生産量の半数以上を占めるという、珍しいのがドイツです。さまざまなブドウ品種が栽培されていますが、ブレンドすることが少なく、単一品種のワインが多いというのも特徴です。貴腐ワインといわれるような高級な白ワインは、ほとんどがリースリングで、ボトルのジャケットに明示されているものが多いです。

ドイツは寒い国なので、冬季には白ワインを使い、スパイスを使ったホットワインも好んで飲まれます。ドイツでは「グリューワイン」と呼ばれて、クローブ、シナモン、ナツメグなどを使って、単に白ワインを温めるだけでなく、口当たりがよく、体の保温効果を高める効果もあってクリスマスにも飲まれます。

ドイツワインの半数は甘口

ドイツで生産されるワインの内、半数が甘口ともいわれます。半数は、辛口ですが、ドイツワインとして国外に輸出されるもののほとんどが甘口のために、ドイツワインといえば甘口といったイメージを持たれることが多いです。この甘口ワインの、飲みやすく軽い甘口から、とろみまであるようなコクのある甘口まであって、甘さのある白ワインの多彩さは、世界でドイツの他にありません

ドイツワインの種類の区分

ドイツワインは、ブドウの完熟度によって4つの等級に分けられています。ブドウの日照不足を補い、アルコール度数を高めるために、発酵する前に糖分を補うものから、ブドウの糖分だけで造られる高級ワインまであります。テーブルワインと言われるドイツ産ワイン・地酒・特定産地上質ワイン・肩書付上質ワインという等級になります。

ドイツ国内で認可を受けている産地で造られる種類が「ターフェルヴァイン」つまりテーブルワインで、「ドイツ産ワイン」です。ドイツ国内で26の指定地域で生産される中で、辛口か中辛口に限定されているのが「ランドヴァイン」といわれる「地酒」になります。この等級のものは、輸入されるワインでも、値段が手ごろという点では、おすすめといえます。

テーブルワイン、地酒の上にランクする等級が、13の指定生産地のみで造られ、糖分を補うなどして最低アルコール度数が7%と定められているのが「特定産地上質ワイン」でドイツ語の頭文字をとって「QbA」ともいわれます。最高の種類とされるものが、糖分を補うことが禁じられ、糖度が高いブドウを使って造られるものが「プレディーカツヴァイン」といわれる「肩書付上質ワイン」です。

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ドイツワインの産地と特徴

フランケンはシルヴァーナの白の辛口で有名

ドイツを代表するビールエリア、バイエルンに属する唯一のワイン生産地帯が「フランケン」です。フランケンのワインは、ドイツワインの特徴的な代表品種の一つ「シルヴァーナ」というブドウ品種が栽培され、すっきりとした辛口白ワインの種類が有名です。

ラインガウはドイツ屈指のリースリング産地

ドイツ白ワインの代表銘柄であるリースリングの屈指の産地が、ラインガウです。小さなエリアですが、南向きで日当たりのよい斜面で育つリースリングは力強さがあります。赤ワインの品種では、シュペートブルグンダーという品種からおすすめの上質なワインが造られています。

モーゼルは洗練されたリースリングワインを生産

リースリングの産地でもある「モーゼル」は、急斜面の土壌で育つことで世界で最も洗練されたリースリングが育ちます。ドイツの中でも歴史があるワイン産地で、3つの川の流域にまたがる生産地で、生産される半分以上がリースリングです。繊細な酸味をもったブドウが育ち、フルーティーで豊かな香りを持つワインになります。

バーデンはフランス品種の栽培が盛ん

ドイツの中では最南部のブドウ産地で、フランスのアルザス地方と河を隔てて、隣りにある地域が「バーデン」です。大部分は平地か緩やかな斜面で栽培されています。フランスならではの、ピノ・ノワールなどのブドウ品種の栽培が盛んで、白ワインならコクのある力強さがあり、赤ワインになると丸みのあるものから、力強いものとバラエティに富んでいます。

ファルツは赤ワインの生産も伸びやか

ドイツワインを代表するリースリングだけでなく、シラーやサンジョベーゼなどの赤ワインの原料となるブドウ品種の栽培も盛んな地域が「ファルツ」です。ドイツの中で2番目の広大な地域です。土壌の質の違いによって、軽く新鮮なワインから、力強いブドウ品種まで多様化するドイツワインを牽引するような地域です。

ラインヘッセはドイツのポピュラーワインを生産

軽い甘口のものが多く、ドイツでは日常酒として好まれている品種の「リープフラウミルヒ」を大量生産する産地が「ラインヘッセ」です。ドイツ最大のワイン生産地帯で、なだらかな丘陵地帯で、やわらかくまろやかなブドウ品種が栽培されています。

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ドイツワインの甘さの等級

ドイツワインは、ドイツのワインに関する法律の中で、ブドウの熟成度合いによって品質等級が決められています。大きくは4つに分かれ、最上級の「肩書付上質ワイン」は、甘さの段階によって6つの等級に分けられ、ブドウによる甘味だけで味の深さをだし、糖分を補うことは禁じられています。

極上の甘さ「トロッケンベーレンアウスレーゼ」

ドイツワインの中で、最高ランクともいえるものが「トロッケンベーレンアウスレーゼ」で、極上の甘さのある貴腐ワインです。糖度が一番高く、「ボトレティス・シネリア」という貴腐菌がついたブドウが原料となっています。貴腐菌がつくことで、ブドウの実の水分が蒸発し、干しブドウのような状態になったら収穫して造られるワインになります。とろけるような甘さのある最高等級のワインでとても高価になります。

酸味と甘味が融合「アイスヴァイン」

アイスヴァイン」は、ブドウの実が凍った状態で収穫して造る高級なワインです。ブドウが凍ることで、果実内の水分が減ることで、果汁が凝縮されて糖度が高くなります。貴腐ワインはハチミツのようなとろみのある甘さですが、アイスヴァインはさっぱりとした飲み口で、口に含むと芳醇な甘さが広がります。凍るまでブドウを実らせておくので、鳥や鹿に食べられてしまうことも多く、希少性が高く、ワインも高価になります。

ドイツ料理に、豚のすね肉を使い溶け出したゼラチン質が冷えて固まった氷のようだということのアイスヴァインという料理もありますが、こちらは庶民的な料理です。

熟した果実のコクと深みのある甘さ「ベーレンアウスレーゼ」

ドイツワインの中の等級で、凍る前ではありながら、熟したブドウを収穫して造られるワインが、「ベーレンアウスレーゼ」です。完熟したブドウを一粒一粒丹念に摘み取られ、甘さが強く、コクのあるワインになります。最低アルコール度数は5.5%となっています。

程よい甘さですっきり「アウスレーゼ」

ドイツワインの上級酒の中で、充分に熟したブドウを選りすぐって造られるワインが「アウスレーゼ」です。やや甘口から甘くにワインになり、気品のある味わいが特徴になります。

収穫が遅くマイルドな味「ジュペトレーゼ」

通常のブドウよりも、1週間以上長く実らせておき、遅摘みしたブドウから造られるワインが「ジュペトレーゼ」です。最低アルコール度数は7%と定められていて、熟成させるものもあります。ブドウ果汁の糖度は基準をクリアしたものを厳選して、糖度は高くなりますが、必ずしも甘口と限られません。

食事にぴったりキリっと辛口「カビネット」

カビネット」は、熟したブドウから作られていて、上級酒の中では、最も甘さが少なく、食事にも合わせやすいワインです。辛口のものもあり、アルコール度数は7%以上と定められて、良質なブドウ品種を使ったものは、熟成させるものもあります。

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ドイツワインのおすすめ銘柄を試してみよう!

ドイツで一番愛される白ワイン「エルベン・シュペートレーゼ」

ドイツで一般的によく飲まれている、やや甘口のおすすめ白ワインが「エルベン・シュペートレーゼ」です。製造しているラングート社は、1789年に設立された、伝統あるワイナリーで、ヨーロッパン中でも最大の生産社の1つになっています。フルーツのような香りと、はじめるような酸味がバランス良く、食事に合わせても味わえ、飲みやすく、価格も手ごろな白ワインです。ピノノワールの赤もおすすめ銘柄です。

ハチミツのような甘味「シャルツホーフベルガー・アウスレーゼ」

ドイツワインの頂点ともいわれるおすすめ銘柄が「シャルツホーフベルガー・アウスレーゼ」です。1本5万円から10万円するものが通常で、ビンテージの年のものでは、10万円以上のものもあります。造っているのは、11世紀から栽培されていたブドウ畑のもので、現在醸造しているのは、エゴン・ミューラーです。樹齢の長い古樹を大切にしていて、丁寧に手摘みによる貴腐ワインです。上品な甘さで、魅力的な甘口ワインの1本です。

滑らかな口当たりの白ワイン「リースリング・アウスレーゼ」

モーゼルというエリアで栽培されたブドウで、比較的糖度の高い白ワインのおすすめ銘柄が「リースリング・アウスレーゼ」です。花のような香りと、はちみつを感じさせるような芳醇な香りがありながら、口に含むとやわらかく広がる酸味が、さわやかな味わいです。ドイツワインらしい、エレガントな魅力のある銘柄です。価格も日常的に飲めるものとなっています。

モーゼルを代表する銘柄「ユルツィガー・ヴュルツガルテン・アウスレーゼ」

モーゼルならではの急斜面で栽培されているブドウを使い、ほとんどの作業が手作業による摘み取りがされているのが「ユルツィガー・ヴュルツガルテン・アウスレーゼ」です。注目度の高いワイナリーである、カールエルベス家が醸造する銘柄は、甘口にこだわったブドウ品種があり、古木ならではの深みがありつつ、グレープフルールのような酸味もあります。

ドイツならではの極甘口「オルテガ・トロッケンベーレンアウスレーゼ」

ファルツ地方の中でも歴史が古く、アルゼルマンというワイナリーは、ドイツだけでなくスペインやイタリアでも高評価なワインを醸造しています。その中でもおすすめな銘柄が「オルテガ・トロッケンベーレンアウスレーゼ」で、はちみつや果物の濃厚な香りがして、余韻には酸味も感じる1本です。貴腐ワインであるので、塩気のあるチーズや、フルーツなどと一緒に味わうのがおすすめのドイツワインです。

ドイツワインの高級で上品な甘味を味わってみよう!

ドイツでは、リースリングを代表とする白ワインのブドウ品種があり、寒い気候で育まれる糖度の高いブドウが収穫できます。糖度の高いブドウで造る白ワインは、世界でも有名な上質な甘口ワインとなっています。ドイツの中の生産地によっても等級が決められていて、ブドウの品種によっての白ワインの中でも味わいの違いを楽しんでみてください。

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