鏡餅を飾る意味と由来は?正しい飾り方・時期と喪中の場合も!
お正月の時期になると鏡餅を飾るというご家庭も多いかと思いますが、意味を知った上で飾っていますか?鏡餅は年神様を迎えるためにお供えする正月飾りであるため、意味を知ったうえで正しく飾ることが必要です。そこで今回は、鏡餅を飾ることの意味と名前の由来、鏡餅の正しい飾り方、飾る場所と期間、鏡開きについて、さらに喪中の場合は飾っても問題ないのか、といったことを詳しく解説します。
鏡餅にはどんな意味があるのか知りたい!
お正月といえば鏡餅、と言う人もいるほど、お正月に飾るものとして定番なのが鏡餅です。お正月の季節になると、スーパーなど至るところでたくさんの鏡餅が並んでいるのを目にします。お正月になると毎年家に飾っているという人も多いのではないでしょうか?
そんな鏡餅の由来を知っていますか?また、何のために飾るのか知って飾っていますか?今回は、鏡餅を飾る意味と由来について解説します。また正しい飾り方や期間・場所について、喪中の場合にはどうするのか、といったことも紹介します。
鏡餅をお正月に飾る意味とは?
鏡餅を飾る意味を知らず、特に何も考えることなく飾っている、という人も多いでしょう。鏡餅はなぜお正月に飾られるのでしょうか?鏡餅は、本来ただの飾りとして飾られるものではありません。年神様を迎えるためにお供えする正月飾りです。年神様とは「としがみさま」と読み、お正月に家にやってくる神様のことを指します。
1年の初めに、1年の幸せをもたらすために福を授けてくれるとされている神様のことです。年神様を迎えるためにお供えする正月飾りは鏡餅だけでなく、門松やしめ飾りといったものもあります。門松やしめ飾りなどにもそれぞれ飾る意味があり、鏡餅にももちろん意味があります。鏡餅を飾ることには、家にやってきた年神様の依り代になるため、という意味があります。依り代とは、神様が宿るものという意味を指します。
そのため鏡餅は年神様と人間をつなぐもの、ともされます。鏡餅には、1年の始めを神様とともにお祝いするという意味がこめられており、実はとても大切な正月飾りなのです。
鏡餅の名前の由来
そんな年神様の依り代となる鏡餅が、どうして鏡餅と言われているのか知っていますか?鏡餅という名前の由来には、いくつか説があります。1つは、丸い形の餅が、昔の鏡である銅鏡に似ていたことから付けられたという説です。この銅鏡は神事に使われていたものです。
また他に、鏡餅の餅が、三種の神器の1つである八咫鏡を示しているものだという説もあります。鏡餅に乗っている橙(みかん)が三種の神器のもう1つの八尺瓊勾玉、さらに干し柿がもう1つの天叢雲剣、という説です。神事に使われる三種の神器とは鏡・剣・勾玉のことを言います。
鏡餅の由来には他にも諸説あり、どの説が正しいのかは分かりませんが、今紹介したように神事に使われたものを象徴している説が有力だとされます。
鏡餅はなぜ大小2つを重ねる?
それではなぜ、鏡餅は大きい餅と小さい餅の2つを重ねた飾り方なのでしょうか?鏡餅の大きい餅と小さい餅には陰と陽の意味があるとされており、円満に年を重ねていく、といった願いが込められています。また、地域によっては3段にするところもあります。
鏡餅の正しい飾り方
毎年なんとなく鏡餅を飾っている、という人も多いかと思いますが、鏡餅には正しい飾り方があるということを知っていますか?また、鏡餅と一緒に飾るものにもそれぞれ意味があります。ここでは、鏡餅の正しい飾り方と順番、一緒に飾る物の意味、また飾る場所について説明します。
鏡餅の飾り方・順番
鏡餅の飾り方と飾る順番について確認しましょう。鏡餅は、「三方」と呼ばれる台の上に乗せます。三方の上に、「四方紅」という和紙を乗せます。名前の通り、四辺が紅くふちどられた四角い和紙のことです。四方紅の代わりに「奉書紙」が使われることもあります。その上に「裏白・ゆずり菜」を乗せます。裏白とはシダ植物のことで、裏が白くなっているのが特徴です。
裏白を乗せたら、大小の「お餅」を重ねて乗せます。さらに「御幣・四手・紙垂」を乗せます。餅から下に垂れ下がっている紅白の色をした紙のことを言います。見覚えのある方も多いのではないでしょうか?さらに「橙」、最後に「扇子・末広」を飾ります。扇子や末広については地域によっては飾らない場合もあります。
今説明した順番で乗せるのが一般的ですが、他にも干し柿を一緒に飾ったり、水引が垂れていたり、昆布やするめを飾るなど様々で地域によっても異なります。
鏡餅と一緒に飾る物の意味
では、鏡餅と一緒に飾るものには、どういった意味があるのでしょうか?いくつか見てみましょう。まずシダ植物である「裏白」ですが、裏白の葉っぱは左右対になって同じように生えているという特徴があります。このことから家族円満を表しています。また葉っぱの裏が白いことは、清廉潔白を表しており、白髪ができるほどの長寿を願うという意味が込められています。
「橙」は、大きくなっても実が落ちにくく、1本の木に何代か実がなることか特徴です。家がそんな橙の木のように、代々続いていくことを願うという意味を込めて飾られます。「四方紅」の、紅く縁取られた四辺には、災いを取り払いその年の繁栄を願うという意味があります。
紅白の紙が垂れ下がった「御幣」は、四方に手を広げて幸せをもらたすよう神様に願うために飾られます。また魔除けの意味もあります。このように、鏡餅だけでなく、鏡餅と一緒に飾られているものにも、一つ一つ意味がある、ということを覚えておきましょう。
鏡餅を飾る場所
では鏡餅はどの場所に飾れば良いのでしょうか?鏡餅は、年神様へのお供え物であり、年神様が宿る場所です。そのため一般的には神棚や仏壇、床の間と言われます。ない家もあるでしょうから、リビングなど家族が集まる場所に飾るのが良いです。年神様の依り代となるところですので、暗い場所は避けます。テレビ台の上や、見下ろすような状態になる低いところなども避けるようにしてください。
また、鏡餅は1つでなくても良いとされています。年神様がやってきてくれる場所が鏡餅ですので、小さいものを寝室や台所などの他の部屋に置いても問題ないとされています。
鏡餅を飾る時期と喪中の場合
鏡餅を飾る意味や名前の由来、鏡餅の正しい飾り方、飾る場所について詳しく見てきました。お正月に飾る鏡餅ですが、いつからいつまで飾るのが正しいのでしょうか?飾る期間、また喪中の場合はどうすれば良いのか、ということも確認しておきましょう。
鏡餅などの正月飾りを飾る時期や期間
飾る期間についてですが、鏡餅だけに限らずしめ飾りや門松などの正月飾りは、一般的には12月28日から飾り始めるのが良いとされています。8の「八」が末広がりの数字であり、縁起の良い日だとされているからです。本来正月飾りを飾り始めるのは「松の内」である12月13日からだとされていますが、その後にクリスマスなどの行事もあることから、一般的には28日に飾り始められます。
では29日以降についてはどうでしょうか?29日については、その語呂から「二重苦」が連想され縁起が良くないとされています。31日に飾り始めることは一夜限りになることから年神様に失礼だとされています。地域によっても違うため一概には言えませんが、縁起が良いことからも28日に飾り始めると良いでしょう。
鏡餅は鏡開きの日におろして食べる
一般的にお正月が過ぎた後、鏡餅をさげる日のことを鏡開きと言います。そのため、12月28日ごろから飾っていた鏡餅は、鏡開きの日におろして食べます。鏡餅をいつまで飾るかという期間も地域によって異なりますが、一般的には1月11日に鏡開きを行うとされています。この日は1という数字が揃っており縁起が良い日とされているからです。
関西など一部地域では1月15日や1月20日に鏡開きが行われるところもあり、全ての地域が1月11日に行われるというわけではないため、鏡餅を飾る期間は地域により少しずつ異なります。鏡開きの日には、飾っていた鏡餅を皆で食べることで神様に感謝し、無病息災を祈ります。
鏡開きをする際には、お餅を包丁などで切るようなことはしないとされています。「切腹」が連想され、神様に刃を向ける、ということもあり縁起が悪いとされています。木槌などでたたくことで割るようにしましょう。
鏡餅は喪中に飾っても良い?
では鏡餅は喪中の場合には飾っても良いのでしょうか?喪中の時にお祝いごとなどは一般的にしないこととされているため、鏡餅についても同じことが言えます。そのため喪中の場合は飾ることは控えた方が良いでしょう。ただ飾ってはならないといった決まりはないため、飾りたい場合には飾っても問題はないと言えるでしょう。
鏡餅の意味を知れば鏡開きもより楽しくなる!
鏡餅を飾る意味と由来、正しい飾り方や場所、飾る期間、また鏡開きや喪中の場合などについて解説しました。これまでなんとなく飾っていたご家庭でも、神様が宿る正月飾りだと知れば、より大切なお祝い事だと感じられることでしょう。またこれまで鏡餅を飾っていなかった人も1年の幸福を祈り、鏡餅を飾ってみてはいかがでしょうか?