2019年01月08日公開
2024年08月27日更新
吉野家のサラシア牛丼と普通の牛丼の違い!血糖値の上昇がゆるやか?
サラシア牛丼という言葉を耳にしたことはありますか?吉野家で普通の牛丼とともに販売されている、サラシア牛丼のことです。サラシア牛丼なるものが、いったいどのような牛丼なのかを詳しく調べて、普通の牛丼との違いやサラシアの効果、味、値段などを紹介します。また、サラシア牛丼は血糖値をゆるやかにして健康にも良いと言われていますが、サラシア牛丼のカロリーやダイエット効果なども併せて探ってみます。
サラシア牛丼と普通の牛丼の違いを比較!
サラシア牛丼は吉野家の健康志向丼
吉野家は「ベジ牛」や「麦とろ」「新とん汁」など、健康志向のメニューを追求するほかに、提供する商品のカロリーや栄養成分、アレルギー物質一覧や食材の原産地情報を公開するなど、味ばかりでなく食の安全や健康に力を入れています。その一環としてのメニューが2017年7月3日より販売されている、サラシア牛丼です。
サラシア牛丼は血糖値の上昇をおだやかにするという、サラシア由来のサラシノールを秘伝のタレに加えた牛丼、という謳い文句が評判となっています。吉野家の健康志向丼として売り出されたサラシア牛丼は、どんな丼なのか?サラシア牛丼の味や見た目、値段など、普通の牛丼との違いなどをしっかり探って紹介していきます。
サラシア牛丼も普通の牛丼も味は変わらない
サラシア牛丼と普通の牛丼との違いをみてみます。まずは見た目のボリュームですが、ご飯の量と具の量いずれも並盛の場合と違いはありません。吉野家の牛丼を食べなれた人には、サラシア牛丼との違いが感じられるのでしょうか?器の色が普通の牛丼は青色で、サラシア牛丼は赤色をしています。味は違いがあるでしょうか?サラシア牛丼を食べてみます。仮に目隠しをして食べたなら、言い当てられないに違いありません。
つまり、それほどサラシア牛丼は普通の牛丼と比べて、いつもどおりのほんのりとした甘味とコクのある味で、吉野家の牛丼を食べなれた人にも分からないということです。見た目や味は同じものと言えます。違いは器だけということになります。
サラシア牛丼は値段が少し高い
吉野家のサラシア牛丼の値段は、普通の牛丼の並盛が380円であるのにたいして、480円と100円ほど高い値段になっています。これは、サラシノールによる血糖値を抑制する効果が、あるいは普通の牛丼と比較した場合の健康やダイエットに対する期待効果が、100円と言い換えることもできます。
この100円という値段を高いと感じるかどうかはお客さん次第となります。こう考えることもできます。サラシア牛丼は普通の牛丼と比べてもボリュームや味は変わらないのだから、ダイエットする上のストレス的なものはありません。普通に美味しい牛丼を食べて、もしかしたらダイエットも可能かもしれない?その可能性に賭けることが+100円という値段なのです。
そもそもサラシアって何?
サラシアとはインドやスリランカから東南アジアにかけて広く分布する、ツル性の、サラシア属と呼ばれる植物グループの総称です。古くから民間療法で、糖尿や肥満の治療に用いられてきた経緯があります。サラシアに含まれるサラシノールなどの成分には、血糖値上昇抑制効果の外、抗肥満作用や肝保護作用もあることが確認されています。サラシアの粉末は黒褐色で、わずかに特異な臭気があって味はやや苦味を含んでいます。
吉野家のサラシア牛丼の特徴は、サラシアの臭気や苦味をみごとに消して、普通の牛丼と変わらない味の「サラシア牛丼」という、商品に仕上げた点にあります。
サラシア牛丼にダイエット効果がある?
サラシア牛丼と普通の牛丼のカロリー
サラシア牛丼にダイエット効果はある?という問いに対して、サラシア牛丼と普通の牛丼のカロリー比較をしてみます。サラシアと普通の牛丼の、並盛のカロリーをみてみると、サラシアが655kcalで普通が652kcalでした。その差は3kcalに過ぎません。脂質を見てみると、サラシアと普通の牛丼はいずれもが同じ数値の、並盛20.4gです。炭水化物も見てみます。サラシアが93.5gで、普通が92.8gです。
脂質ではまったく同じ数値、カロリーや炭水化物でもわずかにサラシアが高い数値でした。つまり、サラシア牛丼には普通の牛丼と比較して低カロリーによるダイエット効果があるとは言い難いということです。摂取カロリーを減らすことによるダイエットを、期待するのならサラシア牛丼は的が外れています。サラシア牛丼は、これまでと同じ牛丼を食べても脂肪をため込まないことに意味があるのです。
サラシアの血糖値の上昇抑制効果でダイエット
サラシア牛丼にダイエット効果があるとしたら、摂取カロリーを制限することでではなく、血糖値の上昇を抑制することによって食べすぎを防いで、肥満防止などのダイエット効果を生むところにあると言えます。サラシアにはサラシノールやコタラノールなどという成分があります。人が体内に取り込んだ炭水化物は、二糖類まで分解されて腸に運ばれます。二糖類は腸で単糖類に分解されて、初めて吸収されます。
そこで、サラシアの成分が二糖類を単糖類に分解されるのを阻害して、腸で吸収されにくくする働きがあるのです。サラシアが血糖値の上昇を抑制するダイエット効果とは、こういうメカニズムから生まれてくる効果なのです。
糖質制限に取り組む人には向かない?
たとえば医師から糖質制限を指示されている人や、現在の体重をある程度以上減らしたいと考えている人が、吉野家のサラシア牛丼を食べてそれらを達成しようとしているのなら、答えはノーと言えます。サラシノールの効果で、糖の吸収を抑制してくれることに間違いはありません。けれども、そのサラシノール効果は糖の吸収をゼロにはしてくれません。
当たり前ですが、牛丼にはご飯が付き物です。ほとんどがご飯(炭水化物)である丼物を食べて、糖の吸収がゼロであるはずはないのです。前記の糖質制限中の人や確実に体重減を図りたい人には、少なくともサラシア牛丼をおすすめすることはできません。もう一つの問題点としては、サラシア牛丼は現在のメニューでは並盛のみです。ダイエットを謳うのならご飯量を減らすメニューのバリエーションがあってしかるべきです。
また、サラシノール効果の+100円という値段が妥当かどうかの問題もあります。糖の吸収を抑えたり、整腸効果もある薬剤が値段にして50円程度であることを考え合わせると、+100円に?が付きます。そうは言っても、サラシア牛丼のサラシノール効果を全否定するのも考えものです。吉野家の牛丼を食べつけている人や現在の体型を維持したいだけの人には、サラシア牛丼を選択するメリットは十分にあります。
サラシア牛丼は他にも嬉しい効果がある
サラシアは腸内環境を整える
サラシアの糖吸収抑制メカニズムについては前述してきました。そのメカニズムによって糖の吸収を抑え、血糖値の急上昇をコントロールすることも紹介しました。その結果として、サラシアには腸内環境を整える効果があることも分かってきたのです。サラシノールやコタラノールの効果で、単糖類であるブドウ糖に分解されなかった二糖類であるオリゴ糖は、小腸で吸収されずに大腸にまで届きます。
ブドウ糖は人間活動のエネルギーの源となる重要な物質ですが、これまで述べたように必要以上な分は脂肪として蓄積されてしまいます。サラシノールなどは糖の分解酵素の働きを阻害して、二糖類であるオリゴ糖のまま大腸に届くことで、善玉菌であるビフィズス菌のエサとなります。その結果として、ビフィズス菌が増え、サラシアは腸内環境を整える効能があることにつながります。
ヨーグルトなどに含まれる、ビフィズス菌やオリゴ菌も腸内環境を整える効果をもちますが、腸内まで届く前に分解される分がほとんどです。それよりも、サラシノールやコタラノールが持つ分解酵素の働きを阻害する効果の方が、5~10倍もの善玉菌の増加につながるわけです。
サラシアで美肌効果も期待
健康やダイエットばかりではありません。サラシアには美肌効果も期待できるのです。人の大腸内では、便秘を解消したりビタミンを合成したりする善玉菌と、アンモニアや腐敗産物を生成する悪玉菌が闘いを繰り広げています。サラシアによる善玉菌増加による腸内環境の改善は、有害物質が毛細血管を通じて体内を駆け巡ることにより、さまざまなトラブルが引き起こされることを防ぎます。美肌効果もその一つとなります。
サラシア牛丼は美味しく食べて健康に!
サラシア牛丼のいろいろな側面を多角的に紹介してきました。ダイエット効果や値段、味、カロリー、血糖値などです。過度な期待をかけるのはいけませんが、サラシア牛丼には確かな効果もあります。ここまで紹介した記事を参考にしていただいて、サラシア牛丼を美味しく食べて健康を維持していきましょう!