サルナシはどんな味?特徴や食べ方・栽培方法も紹介!
サルナシという植物を知っていますか?サルナシはキウイに似ている珍しい果物ですが、どんな味なのでしょうか?今回はサルナシについて調べました。サルナシの種類や特徴から保存方法とおすすめの食べ方、その栄養効果についてもまとめています。日本に自生する植物ですが家で栽培することもできますので栽培方法についても紹介します。見た目もかわいいサルナシについて詳しくみてみましょう。
サルナシの特徴や味わいは?
サルナシの特徴と名前の由来
サルナシという植物を知っていますか?サルナシはマタタビ科マタタビ属で、マタタビの仲間です。つる植物で自立できないため、桑の木など他の植物にからみついて生えます。雄花と雌花が別々の株に付く雌雄異株のものと同一株に雄花、雌花を両方つけるものがあります。見た目の特徴はマタタビそっくりなので間違えられることが多くあります。
出典: https://jmty.jp
サルナシは日本では山岳部に自生し、サルやクマが好んで食べます。サルが我を忘れて食べることから「サルナシ」という名前がつけられました。サルナシのツルには非常に丈夫で太く腐りにくいという特徴があり、このため祖谷のかずら橋などつり橋をかけるのに使用されています。サルナシのツルは水分を吸い上げる力が非常に強いという特徴も持ち、山中で飲料水がない時にサルナシのツルを切って出てくる樹液を飲むことができます。
サルナシは5~15gくらいの小さなキウイのような実をつけ、食用にできます。果実の見た目の特徴は形はキウイのような俵型で、果実を切ったときの断面は緑色で黒い種子が見られ、断面の特徴もキウイに似ていますが、皮はつるっとしていて毛は生えておらず大きさも3cm程度と小さいです。サルナシは実の特徴がキウイに似ていることから別名ベビーキウイ、ミニキウイなどとも呼ばれます。コクワと呼ばれる地域もあるようです。
サルナシの旬と収穫時期
日本で栽培されたり自生したりしているサルナシの収穫時期は9月下旬から11月上旬です。サルナシの果実の収穫目安は果実を指でつまんだときに弾力を感じることで、果皮は熟すと緑色から淡緑黄色になります。
日本の市場に出回るものはチリやアメリカから輸入されたものが多く、チリ産のものは2月から3月、アメリカ産のものは9月から10月にかけてそれぞれ1ヶ月ほどの間に入荷しますので日本で栽培・自生しているサルナシの旬と市場で出回っている時期とはずれているかもしれません。
サルナシの味わい
サルナシは味の特徴もキウイに似ています。酸味があり香りもよいです。サルナシは皮の部分に酸味があって、皮を剥いて果肉だけを食べた場合は甘みが強いです。皮と一緒に食べた方が味のバランスがよいようです。
サルナシの種類
サルナシは東アジアを中心に40種類近くが分布しています。日本ではサルナシの仲間の種類はサルナシのほかシマサルナシ、マタタビ、ミヤママタタビの4種類が分布します。日本の山岳部に自生しているサルナシの種類には果実が丸いものと細長いものがあるようです。
サルナシの品種には自生株から選抜したもの、他のマタタビ属の種類の植物と交雑させた品種などいろいろな種類があります。交雑品種は果実が30gほどのものもあり、一般的なサルナシの果実より大きい実がなります。サルナシと良く似ているキウイフルーツもサルナシと同じマタタビの仲間で、中国原産のサルナシの品種をニュージーランドで品種改良されたものです。
サルナシの食べ方と保存方法
サルナシは熟したものなら皮ごと食べて美味しい
サルナシの食べ方は生食でも加工しても美味しく食べることができます。よく熟した旬のサルナシの実は生で食べることができます。皮が薄いので手で剥くこともできます。熟した実は酸味と甘みがあって皮ごと美味しく食べられます。
サルナシの食べ方ではジュースやジャム、果実酒などもあり、たくさん収穫できたときはこのような加工方法で食べるといいでしょう。また、若芽も生食できます。若芽の食べ方は天ぷらやおひたし、お茶にするのもおすすめです。
サルナシはジャムやゼリーにして食べてみよう
サルナシは生で食べる期間が短いので加工しておけば保存期間が長くなりいつでも楽しめます。サルナシをジャムやゼリーにするのはおすすめの食べ方です。ゼリーにするときにはゲル化剤を使用して作りましょう。ジャムにする場合は他のフルーツで作る場合と基本的に同じです。
サルナシの実を洗って頭とおしりの部分を取り除き、軽くフードプロセッサーにかけて皮を細かくすると良いでしょう。皮が気になる人は皮を取り除いてもいいですが、栄養が減ってしまいますので皮ごとがおすすめです。
サルナシはスムージーにして手軽に栄養摂取
サルナシのスムージーもおすすめの食べ方です。よく熟したサルナシと一緒に好きな果物や野菜、豆乳やヨーグルトなどをミキサーに入れて攪拌するだけで手軽に栄養が取れる美味しいスムージーになります。ヘルシーで手間もかからないので朝食にもいいでしょう。
サルナシは室温保存で追熟できる
サルナシは容易に追熟できる種類がほとんどで、室温で保存しておくだけで追熟させることができます。エチレンガスで追熟が早まりますので、早く熟させたいときはエチレンガスを出すりんごなどと一緒にポリ袋に入れて保存するといいでしょう。少ししわになったくらいが食べ頃の熟し具合です。
硬いサルナシの果実は日持ちしますが、追熟して柔らかくなったサルナシは熟しすぎになるまでが短いので食べ頃になったらすぐ食べきるようにしてください。追熟の期間をゆっくりにしたいときは冷蔵庫で保存するとより長く保存できます。
サルナシの栄養効果
ビタミンCやEで美肌効果
サルナシは栄養も高い食べ物です。ビタミンCを多く含み、免疫力を高めます。ビタミンCは風邪や感染症の予防、生活習慣病の予防といった健康効果があります。また疲労回復も助けてくれ、肌のトラブルを防止して美肌に保ってくれるので美容にも効果があります。
Bカロテンで免疫力を高める効果
サルナシに含まれる栄養素のβカロテンはアンチエイジング効果で若さを保ってくれるほか、抗ガン作用がありガンの発症リスクを押さえます。美肌にも効果があるほか、口内炎や歯周病の予防ならびに改善にも効果があり口の中を健康に保つために役立ってくれます。
ペクチンの整腸作用で便秘解消効果
サルナシに含まれるペクチンにもたくさんの効果があります。ペクチンは糖尿病、動脈硬化、肥満防止などに効果を発揮します。食物繊維としてのペクチンには整腸作用があり、便秘を予防してくれます。また血中の悪玉コレステロールを下げる働きもあるといわれ注目されます。
カリウムで高血圧予防効果
高血圧予防にはカリウムを摂取すると良いと言われますが、カリウムもサルナシに含まれる栄養素のひとつです。カリウムには体内の余分な塩分を対外に排出する働きがあり、これによって血圧を下げることがわかっています。高血圧の人は積極的にカリウムを摂るようにといわれるのはこのためです。
サルナシの栽培方法とは?
サルナシは栽培方法の難易度がやや高いといわれますが、日本で自生しているサルナシは減少してきていて希少な果物になっており、自然に生えているものを採取するのが難しくなっていますので、自分で栽培してみるのもいいかもしれません。サルナシの栽培方法のポイントを簡単に紹介します。
サルナシの水やりと置き場所
サルナシは乾燥に強い植物です。家庭で庭植えで栽培する場合は雨だけでも充分ですが、夏は水をやると良いでしょう。鉢で栽培する場合は水やりが必要です。土が乾いてきたらこまめに水をやってください。ただしやり過ぎないように注意することと、冬場は水やりを控えるようにしてください。
サルナシは日当たりの良い場所で栽培しましょう。日光を好む植物ですので、庭植えする場合も鉢植えにする場合も日光が良く当たる場所を選んで植えつけてください。サルナシはとにかく日光を好むので、日当たりの悪い場所で栽培すると花が付きにくくなり実の収穫量も減ってしまいます。
サルナシは「挿し木」で増える!
サルナシは挿し木で増やすことができます。この方法は最も簡単で一般的なサルナシの増やし方です。挿し木は2月下旬から3月中旬にかけて行います。新しく伸びた部分のサルナシのツルを先から10cm程度切り取り、清潔な土にさします。挿し木をしたら土が乾かないように水やりをしてください。
サルナシは剪定も丁寧に行おう
サルナシは落葉後の12月から2月に剪定を行いましょう。選定方法はキウイフルーツと同じやり方です。サルナシの着花(果)した節には芽がないため、昨年実を付けた結果母枝の剪定はその分長めに残す必要があります。ツルの基部には花芽がついておらず、このため短く切り詰める剪定はできません。込み合っている枝を間引いて全体的に均等に日が当たるように切りそろえましょう。
サルナシはスイーツや料理にも使えておすすめ!
今回はサルナシについて紹介しました。サルナシは日本の山に自生する希少な果物で、自然に生えているものは減ってきていますが自分で栽培することもできます。自分で栽培することもできますのでキウイが好きな人はサルナシを家でそだててみるのも良いかもしれません。
キウイに似て小さな果実のサルナシはスイーツやサラダなどにトッピングしてもかわいくておすすめですし栄養もあります。サルナシが手に入ったら、今回紹介した食べ方などぜひ参考にしてみてください。