かりんの食べ方・はちみつ漬けの作り方!効能や保存方法は?

かりんという果実を知っていますか?かりんと言えば、果物と言うよりのど飴にその成分が含まれていることで知られています。身体に良さそうなイメージがあるかりんですが、いったいどんな果物でどんな食べ方や効能があるのか、また購入する際の選び方や旬はいつなのかなど、ふと疑問に思うこともあると思います。そこで今回は、かりんの食べ方・はちみつ漬けの作り方から効能や保存方法まで、詳しく解説しています。かりんの素晴らしい効能から、はちみつ漬けやかりん酒、かりんジャムのレシピまで満載にして紹介しています。

かりんの食べ方・はちみつ漬けの作り方!効能や保存方法は?のイメージ

目次

  1. 1かりんとは?旬や効能について
  2. 2かりんの食べ方
  3. 3かりんの選び方と保存方法
  4. 4かりんのおすすめレシピ
  5. 5かりんの食べ方を学んで美味しく食べよう!

かりんとは?旬や効能について

かりんと聞いてまず思い出すのは、のど飴に配合されているものだという認識はあっても、実際どんな果実か知らない人が多いようです。ここではまず、かりんとは?その特徴について解説していきます。また、かりんの食べ方やはちみつ漬けの作り方、さらには効能や食べ方、保存方法に至るまで、その魅力に迫っていきます。

かりんの特徴

かりんはバラ科の落葉樹で、中国原産の果樹です。漢字では「花梨」と書きます。かりんが日本へ渡来したのは平安時代だと考えられていますので、歴史の古い果物だと言えます。果実には良い香りがあり、薬用として利用されることが多いですが、硬くて渋いので生で実を食べることはできません。かりんによく似た果物にマルメロという果物があります。両者の違いの見分け方があります。

かりんの果実の選び方は表面がツルツルしているのに対して、マルメロは表面にうぶ毛が生えています。かりんとマルメロがとても似ているうえ、長野県の一部の地域では、マルメロのことをかりんと呼んでるのでややこしくもあります。ただ、香りや薬効成分が同じで、使い方も同じです。かりんの最大の特徴は、その独特の芳しい香りです。のど飴やかりん酒など、薬効成分と共にこの香りを活かした加工に用いられています。

かりんの旬

かりんは全国的に作られていますが、最も多く生産し市場に流通しているのは長野県で、全国の約3分の1で作っています。次いて山形県、香川県となっています。その他にも東京や愛媛、山梨でも沢山作られています。そこで気になるかりんの旬の時期は、全国に分布しているので収穫される期間が長く、10月初めから出荷が始まり、12月上旬まで流通しています。

かりんの効能

続いて、かりんの効能です。かりんはのど飴になるくらいですから、咳止め効果があります。喘息や気管支炎の症状の時にもかりんの果実酒やはちみつ漬けをお湯で割って飲むと症状緩和の効果があります。咳止め効果があるのは、かりんに含まれているアミグダバリンという栄養成分による効果・効能です。また、かりんに含まれている栄養の1つであるポリフェノールには、インフルエンザウイルスを抑制する効果もあります。

その他の効能では、かりんをジャムにする食べ方で、豊富な食物繊維がたっぷり摂ることができます。特に不溶性食物繊維が多いので、便秘の予防や改善に効果がある他、有害な物質を吸着し体外に排出するのを助ける働きもあります。

かりんの食べ方

かりんは生でも食べられる?

かりんの果実はパパイヤと似たような縦長の形をしており、350~500gほどの大きさになります。表皮の色は明るい黄色で、熟した果実の表面は先述にもあるようにツルツルしています。果肉は薄い黄色から橙黄色でとても硬く、中心部に縦に5本の空洞があり、その中に無数の種が入っています。生のまま果実をかじる食べ方ですと、とても渋くて繊維質が硬く口の中に残ってしまうことから、おすすめできません。

一般的なかりんの食べ方

かりんの形は洋梨に非常によく似ていて、とても良い香りがするのでついついだまされてしまいますが、先述の通りかりんは酸味が強くて渋く、生の食べ方では全く美味しくありません。繊維質で細胞膜が石のように固いことから石細胞と呼ばれ、果物ナイフでも切りにくいほどです。このように生で食べられないかりんには「クワズナシ(喰わず梨)」という別名が存在するほどです。

そんなかりんですが、実は煮ることでかりんの渋みが抜け、ジャムや砂糖漬けに加工することで美味しくなります。まるで渋柿の食べ方のようです。それでは、次にかりんのはちみつ漬けの食べ方レシピを紹介します。はちみつ漬けが1つあると、風邪の季節にも効果を発揮してくれるとても重宝する作り方です。

かりんのはちみつ漬けの作り方

日ごとに冷え込み、秋が深まってくる頃にかりんの出荷は始まります。そんな季節のかりんの選び方によって作っておくと良い、かりんのはちみつ漬けの食べ方レシピを紹介します。かりんのはちみつ漬けは咳やのどの痛みを和らげる効果があると言われており、古くから家庭の常備薬として作られてきました。風邪の季節である冬に備えて作るのをおすすめします。そのレシピは下記の通りです。

  • 900ccガラス瓶1個分(煮沸消毒をしたもの)
  • かりん2個(400g程度)
  • はちみつ600~700g程度

  1. かりんをきれいに洗ってから4つ割りにして種を取り除きます。
  2. 種はよく洗ってカスを取り除いてから、ティーパックに詰めます。種はベタベタしていて本来は加工の段階で取り除きますが、実は種にかりんの薬効が一番含まれているので、一緒に使いましょう。ただし、少々の苦みは残ります。
  3. かりんはいちょう切りで細かくし、薄い塩水に30分ほどつけます(渋みをとるため)。
  4. かりんとティーパックの種を瓶に詰めて、はちみつを入れます。漬けこんだ当初はかりんが浮き上がってしまうので、1日置きに2週間程度、底と上が入れ替わるように混ぜます。
  5. 1~2ヵ月したら、十分にかりんのエキスがでるので、果実と種を取り除きます。発酵しないように湯煎してからガーゼで漉して瓶に詰めて冷暗所で保管します。取り出したかりんの果実は鍋に入れてかりんがかぶるくらいの水で30分弱火で煮込むと、パサパサだったかりんがしっとりして美味しくなります。

かりんのはちみつ漬けの旬の時期は秋なので、作る目安は冬頃になります。はちみつは冬の寒さで白く固まることがありますが、問題ありません。好みの量を水やお湯、炭酸やアルコールなどで割って飲みましょう。咳や喉の痛みが治まり楽になります。はちみつ漬けは長期間保存ができます。漬け込む時期が寒い季節なので、半年くらい日持ちします。基本的に冷蔵庫に入れなくて大丈夫です。日の当たらない冷暗所で保管しましょう。

寒い季節とはいえ、長期間保存していると発酵することもあります。特に上下をひっくり返さずに混ぜないでいると、その部分の糖度が上がり発酵します。上下ひっくり返して混ぜても発酵が進む場合は、冷蔵庫に入れるか、はちみつを追加したり、りんご酢を少量入れると良いです。発酵は想像以上に力があるので、密閉された瓶をそのまま放置していると瓶が爆発して割れてしまう恐れもあるので十分に気を付けましょう。

かりんの選び方と保存方法

かりんの選び方

かりんが出回る旬の秋に見つけることができたら、選び方のポイントは皮にツヤがあるもの、香りの強いものが良いかりんとされています。熟すと香りが強くなり、表面に油分が表れてくるため、この状態で食べたり冷凍したりすると良いでしょう。かりんは加熱なしでそのまま冷凍したり、生ピューレ状態にしたりして冷凍すると、解凍時に変色することがあります。そのため、冷凍したかりんは加熱調理に使うようにしましょう。

加熱済みのかりんは酵素が失活し、食感が既に変化しているため、問題なく冷凍・解凍できます。凍ったままフードプロセッサーなどにかけることで、加熱なしでソースとしても使うことができます。また、酒や砂糖につけたかりんも、酵素反応が抑えられているため、問題なく冷凍・解凍することができます。

かりんの保存方法

かりんの選び方や食べごろが分かり、調理をしたかりんをさらに冷凍することで長期にわたって保存ができ、かりんの味を楽しむことができます。はちみつ・砂糖・酒漬けの保存方法は、袋に入れて脱気包装して冷凍します。解凍する場合は、自然解凍や流水解凍で加熱調理します。ジャムやソースにする場合も袋に入れて脱気包装し、解凍する場合は自然解凍や流水解凍で加熱調理しましょう。

かりんのおすすめレシピ

お酒好きは試したい「かりん酒」

お酒好きな方にぴったりなかりん酒はいかがでしょうか?作り方は色々ありますが3ヵ月、6ヵ月、1年熟成と保存するものがありますが、1年は少し待ち遠しく感じますので、6ヵ月熟成で簡単にできるかりん酒の食べ方レシピを紹介します。

  • かりん1kg
  • ホワイトリカー1.8L
  • 氷砂糖200~300g

  1. 洗って水分を拭いておいたかりんをカットして、煮沸消毒した瓶に詰めて酒と氷砂糖を入れて完成です。

とてもシンプルで簡単なレシピです。かりん酒は年数が経過するほどまろやかになるそうですので、毎年作って飲み比べてみるのもおすすめです。

見た目もきれいな「かりんジャム」

きらきらと、透き通るようなきれいな色のかりんジャムです。これなしでは冬は過ごせない!という家庭もあるようです。かりんの効能とエキスがたっぷり詰まったジャムの味や香りを楽しんで下さい。トーストした食パンの上にのせたり、ヨーグルトのトッピングにしたりと、食べ方はさまざまです。そんなかりんジャムの食べ方レシピは下記の通りです。

  • かりん2個
  • 砂糖はかりんの70%ほど
  • 水500~600cc

  1. かりんはきれいに洗ったら半分に割って種と皮、実に分けます。実の方はいちょう切りにします。
  2. 種と皮のみ鍋に入れて、トロトロになるまで煮たら火からおろして漉します。漉した果汁は再び果肉と砂糖と一緒に火にかけて20分ほど煮詰めて再度漉します。そして再び火にかけて煮詰まったら完成です。

合計3度煮詰めますので、少し手間かもしれませんが、手を加えただけあって、美味しいジャムに仕上がります。かりんジャムを食べ始めたら風邪を引かなくなったというケースがありますのでぜひ試してみて下さい。

かりんの食べ方を学んで美味しく食べよう!

今回は、かりんの食べ方・はちみつ漬けの作り方!効能や保存方法は?について紹介してきました。かりんの旬、選び方や食べ方など分かりましたでしょうか?かりんの保存方法もマスターして風邪の季節だけでなく、年間を通しての風邪予防ができるかりんの薬効エキスをぜひ実感してみてはいかがでしょうか?食べ方によってアレンジレシピも豊富なかりんの魅力をぜひ楽しんで下さい。

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