2018年12月29日公開
2024年08月26日更新
男爵いもとメークインの違い・特徴は?料理の使い分けやレシピも紹介!
男爵いもとメークインの違いを知っていますか?じゃがいもは多くの種類があり、様々な食べ方がある便利な食材です。その旬や特徴を知っていると、料理によってじゃがいもの品種を上手に使い分けることができます。今回は、男爵いもとメークインの違い、それらを使ったおすすめのレシピを紹介します。時間がない時には電子レンジを使った簡単な調理法もありますので、ぜひ参考にしてください。
目次
男爵いもとメークインの違いや特徴が知りたい!
手頃な価格で、様々な調理法や食べ方があるじゃがいも。最近ではスーパーマーケットの野菜売り場でも、季節によっていろいろな種類のじゃがいもが売られています。その中でも二大品種とも言える、男爵いもとメークインだけは押さえておきたいものです。まずは、男爵いもとメークインの見た目の違いや食感の特徴を見てみましょう。
男爵いもの見た目・食感の特徴
男爵いもの見た目は丸くて、ややゴツゴツした形をしています。芽の部分のくぼみが深いので、皮をむきにくいと言えます。食感は粉っぽく、ほくほくしています。料理すると煮崩れしやすいのも男爵いもの特徴です。
それでは、なぜ「男爵いも」と呼ばれるようになったのでしょうか?明治41年に英国からその品種のじゃがいもを導入した、川田龍吉男爵が由来となっています。川田龍吉男爵はイギリスやアメリカから取り寄せた様々な種いもの試験栽培を行ないました。その中で北海道での栽培に一番適した品種がこの男爵いもでした。様々な食べ方がある男爵いもは、今ではなくてはならない野菜です。
メークインの見た目・食感の特徴
メークインの見た目は細長く、男爵いもに比べると表面がなめらかです。男爵いもとは違い、芽の部分のくぼみは浅く皮をむきやすいと言えます。粘質が強く、煮崩れしにくいしっかりとした食感が特徴なのがメークインです。このように男爵いもとメークインでは、見た目にも食感にも違いがあります。この違いをしっかりと押さえ、男爵いもとメークインを使い分けて、より美味しい食べ方を考えていきましょう。
男爵いもとメークインに旬はある?
スーパーマーケットの野菜売り場などでは、1年中売られていると思えるじゃがいもですが、男爵いもとメークインに旬はあるのでしょうか?
実際に男爵いもやメークインといったじゃがいもは、年間を通して流通しています。比較的多く出回っているのは10月頃ですので、秋がじゃがいもの旬なのでしょうか?旬は主に3~5月の春と9~11月の秋の年2回あります。春が旬と言われているのは、新じゃがいもと呼ばれるじゃがいもです。皮が薄いので、下の写真のように皮ごと食べる調理法がおすすめのじゃがいもです。
それに対して秋が旬のじゃがいもは、収穫後に貯蔵されてから出荷されます。貯蔵によってでんぷんが糖分に変化するので、甘みが増し美味しくなります。男爵いももメークインも貯蔵がきいて年中出回っているので、いつ頃が旬なのかわかりづらい野菜です。それでも品種や都道府県によって美味しい時期がありますので、上手に使い分けて料理したいものです。
春に旬を迎える新じゃがいもは、冬に植えられ春先に収穫されたじゃがいもです。新じゃがいもの場合、貯蔵はされずに収穫後すぐに出荷されます。日本列島は南北に長いので旬は少しずつずれています。九州の旬は春先から始まり、関東地区での旬は6月ごろです。そして北海道では8月ごろが旬となります。まるで桜前線のように、旬は北上していきます。
男爵いもとメークインの使い分け・おすすめの食べ方
上の図のように、じゃがいもは品種によって食感に特徴があります。ほくほくとした粉質の男爵いもと煮崩れしない粘質のメークイン。同じじゃがいもとは言え、その特徴には大きな違いがあります。じゃがいもは様々な食べ方がありますが、品種による違いを押さえて使い分けることがポイントです。
男爵いもはほくほく食感を活かした料理にぴったり
男爵いもは粉っぽくほくほくしていますので、その特徴を活かした調理法が向いています。ポテトサラダやロッケ、粉吹きいもなど、つぶして料理する食べ方がおすすめです。また、ベークドポテト、フライドポテトなどにしても美味しいタイプのじゃがいもです。煮物にすると煮崩れやすいので、注意が必要です。次に紹介するメークインと上手に使い分けて料理しましょう。
メークインは煮崩れしにくいから煮物にぴったり
メークインは煮崩れしにくいので、肉じゃがやカレー、シチュー、おでんといった煮物に使うのがおすすめです。また、形がしっかりと残って欲しい食べ方に向いています。例えば炒め物にすると、歯ごたえを楽しめる料理ができあがります。つぶして作るポテトサラダは男爵いもが向いていますが、千切りにしてシャキシャキ感を楽しむポテトサラダならメークインがぴったりです。このように、じゃがいもを使い分けるのがコツです。
男爵いもやメークインのおすすめ調理法
次にじゃがいものおすすめ調理法を紹介します。男爵いもであってもメークインであっても、共通する調理法のコツになります。基本の調理法として、「鍋で茹でる場合のポイント」と「電子レンジで加熱する場合のポイント」を紹介します。
じゃがいもを茹でる場合は、皮を向かずにまるごと茹でることをおすすめします。皮をむいて切って茹でると、栄養や美味しさが逃げてしまいます。また、水から茹でるのがコツです。水からじっくり茹でることによって、糖分が増し甘みとコクが出るからです。高温でぐらぐらと茹でると、表面が煮崩れてしまいます。
じゃがいもは時間をかけて茹でると美味しいとは言え、時間がない時には電子レンジで加熱することもできます。その調理法のポイントを紹介します。よく洗ったじゃがいもは、皮つきのままラップで包みます。150gほどのじゃがいも1個につき、600Wで3分ほど加熱します。早く加熱したい場合は、皮をむいて適当な大きさに切る調理法もあります。
男爵いもを使ったおすすめ料理レシピ
粉ふきほくほく食感「ベーコンポテサラ」
最初に紹介するレシピは、男爵いものホクホク感を活かした「ベーコンポテサラ」です。もしメークインを使って作ったなら、ホクホクしたサラダにはなりません。よくあるポテトサラダのレシピでは、大量のマヨネーズを使います。こちらのレシピはマヨネーズを使っていないので、シンプルでヘルシーな食べ方です。ベーコンとコンソメを使うことによってコクを出していることが、このレシピの美味しさのポイントです。
- 男爵いも2〜3個(300g)
- ベーコン2〜3枚
- 水1カップ
- コンソメ顆粒小さじ1
- オリーブオイル大さじ1/2
- 塩・胡椒しっかりめ
- 男爵いもは皮をむいて一口サイズの乱切りに、ベーコンは短冊切りにします。
- 鍋に男爵いもと水、コンソメ顆粒を入れて強火にかけます。沸騰したら中火にして、10分ほどコトコト煮ます。
- 全体に火が通ったら火を強め、残りの煮汁を飛ばして、男爵いもを粉ふき状態にします。オリーブオイル、塩、胡椒をしっかりめに加えて、男爵いもをつぶしながら混ぜ合わせます。
レンジ加熱で楽々時短レシピ「ポテトコロッケ」
ホクホクした男爵いもは「ポテトコロッケ」にも向いています。こちらのレシピはレンジを使って加熱するので、短い時間で簡単にできます。
- 男爵いも4個
- 玉ねぎ1/2個
- ツナ缶1個
- 塩コショウ少々
- 小麦粉大さじ4
- 水適量
- パン粉適量
- 揚げ油適量
- 玉ねぎは薄切りにして塩(分量外)でもみ、しんなりしたら水でさっと洗い流して、水気をぎゅっと絞り包丁で刻んでおきます。
- 男爵いもは皮をむき、一口大に切ります。お皿に並べて軽くラップをし、レンジで6~7分加熱します。
- 男爵いもが柔らかくなったら、ボールに入れてマッシャーなどでよくつぶします。ツナ缶汁ごとと、玉ねぎを加えて、塩コショウで味をつけます。味見しながら、お好みの塩加減に調えます。
- 3を四等分し、小判型にまとめます。
- 小麦粉に少しずつ水を加えていき、とろっとなるくらいにします。この溶き粉を使用することで、やっかいな卵つけ作業を省略します。
- 4に5の溶き粉をつけ、その後パン粉をまんべんなくまぶし、中火の揚げ油であげます。衣がきつね色になればできあがりです。
レンジで簡単「男爵いものもちもちお焼き」
次に紹介する「男爵いものもちもちお焼き」は、表面はカリカリ、中はモチモチ。おやつにぴったりです。男爵いもは電子レンジで加熱するので、手軽に作ることができます。じゃがいもの水分が多いと、柔らかくなる場合があります。メークインよりも男爵いもの方が水分量が少ないので、ホクホクした男爵いもを使うのがおすすめです。
- 男爵いも3個
- 片栗粉大さじ2
- 砂糖小さじ2
- 塩ひとつまみ
- バタ-少々
- 男爵いもをよく洗い、ラップにくるんでレンジで5分加熱します。
- ジャガイモが熱いうちに皮をむき、ボールに入れてフォークでつぶします。好みにも寄りますが、かたまりが残るくらいがおすすめです。
- つぶした男爵いもに片栗粉、砂糖、塩を加え、粘り気が出るまで木べらでよく混ぜます。
- 3を4等分し、平らに丸めます。
- 熱したフライパンにバターを溶かし、焼き色がつくように4の表裏をよく焼いてできあがりです。
メークインを使ったおすすめ料理レシピ
ごろごろ食べ応え抜群「肉じゃが」
肉じゃがを作る時には、どんなじゃがいもを使っていますか?家庭料理は食べる人の好みを尊重するものですので、もし煮崩れた感じがお好みでしたら男爵いもがおすすめです。煮崩れを好まない場合には、ぜひメークインを使ってみてください。ごろごろ食べ応えがある肉じゃがになります。
- 豚こま肉300g
- メークイン450g(小3個位)
- にんじん150g(小1本)
- 玉ねぎ100g(1/2個)
- 糸こんにゃく、もしくは白滝150g(1袋)
- サラダ油小さじ2
- 出汁(和風だし)2カップ(400ml)
- しょうゆ大さじ5(75ml)
- みりん大さじ2・1/2(37.5ml)
- 日本酒大さじ2(30ml)
- 砂糖大さじ5(75ml)
- 糸こんにゃくは食べやすいように切り、下茹でします。たっぷりの湯で3分ほど沸騰させたらザルにあげ、流水で洗います。玉ねぎは6等分のくし切りにします。
- にんじん、メークインはピーラーで皮をむきます。メークインは芽を取り除き、4等分にします。にんじんは小さめの乱切りにします。鍋にサラダ油を入れ中火にかけ、熱くなったところで豚こま肉を入れて炒めます。
- 赤味が少し残るくらいに炒めたら、玉ねぎ、にんじん、メークインの順に炒めます。野菜の表面に油がまわったら、出汁、砂糖、みりん、日本酒を加え強火で加熱します。
- あくをすくい、しょう油を加えます。火を弱め、アルミホイルで落とし蓋をして20分煮ます。落し蓋が常に軽く動いているくらいの火加減です。
- 20分経ったら落し蓋を外し、煮汁がなべ底に少し残ってる状態まで水分を飛ばします。煮汁がなべ底に少し残るくらいに煮詰めてできあがりです。
しゃっきり食感が楽しい「ジャガイモの中華炒め」
メークインは煮崩れしにくいので、炒め物はおすすめの食べ方です。千切りにして炒めると、シャキシャキした食感を楽しめます。こちらのレシピをもし男爵で作ったなら、煮崩れてじゃがいもの跡形もなくなってしまうでしょう。違いを理解して、上手に使い分けることが大切です。
- 牛もも肉(焼き肉用)70g
- 下味(しょうゆ、酒各小さじ1)
- にんじん5cm
- メークイン小1個
- いりごま(白)大さじ1
- パセリのみじん切り小さじ1
- ごま油、酒、しょうゆ
- 牛肉は細切りにし、しょうゆと酒で下味をつけます。
- にんじん、メークインは皮をむいて5cm長さのマッチ棒の太さのせん切りにして、メークインは水にさらして水を切ります。
- 中華鍋にごま油大さじ1を熱して1の牛肉を強火で炒め、色が変わったらいったん取り出します。
- 同じ中華鍋にごま油小さじ1を足して、2のにんじん、メークインを入れて炒め、酒、しょうゆ各大さじ1を加えます。にんじんがほぼ炒まったところで牛肉を戻し入れて、炒め合わせます。皿に盛り、ごまとパセリをふったらできあがりです。
レンジで下ごしらえ「ハッセルバックポテト」
「ハッセルバックポテト」はスウェーデンの国民食とも言われています。メークインにアコーディオンのようなカットを入れ、粉チーズとオリーブオイルを軽くかけオーブンで焼くだけ。簡単な調理法と見栄えも注目されています。食べる時には好きなところで切り離すことができるので、そんなカジュアルな食べ方も人気です。メークインはあらかじめレンジで加熱してからオーブンで焼くという、時短の調理法です。
- メークイン6個
- オリーブオイル大さじ2
- 粉チーズ大さじ2
- ベーコン薄切り 6、7枚
- 塩・胡椒適量
- パセリお好みで適量
- メークインはやや小型のものを用意してよく洗います。
- 薄切りのベーコンは、メークインの幅に合うようにカットしておきます。パセリはみじん切りにします。オーブンは190℃に予熱しておきます。
- オリーブオイル、粉チーズを混ぜてソースを作っておきます。
- メークインに切れ目を入れます。割り箸をメークインに沿うように固定し、ナイフで2㎜ほど割りばしをガイドにしながらスライスしていきます。皮までカットすると切れてしまうので注意します。
- 4を用意しておいたボウルに入れ、水を注ぎ5分ほどひたしてアクをとります。耐熱皿に入れ軽くラップをしレンジ500Wで2分ほど加熱しておいておきます。
- 5のメークインに、1のベーコンを所々はさみ、耐熱皿に並べ入れます。ソース、パセリを添えます。
- 6に3のソース、パセリ、塩、胡椒を振り、オーブン190℃で20分ほど加熱します。
- 表面がキツネ色になり、竹串を刺すと中までスッと通れば出来上がりです。表面にバターやオリーブオイルなどを刷毛で塗るとコクが出ます。
男爵いもとメークインを使い分けて料理上手!
今回はじゃがいもの品種を代表する男爵とメークインの違いや特徴、それぞれを使い分けた食べ方やレシピを紹介しました。いかがでしたでしょうか?ホクホクとした粉質の男爵と煮崩れしない粘質のメークイン。同じじゃがいもとは言え、大きな違いがありことがわかりました。上手に使い分けて、美味しく食べましょう!