2018年12月27日公開
2025年03月01日更新
ぜんまいの旬・特徴や下処理方法は?おすすめの料理やレシピも!
ぜんまいという春の山菜を食べたことがありますか?ぜんまいは、春先の山登りやハイキング、河原などで見かける先端がくるくると渦巻いている形が特徴的な濃い緑色の山菜です。スーパーで水煮を買ったことがある人、韓国料理のナムルで食べたことのある人も多いでしょう。今回は、ぜんまいの特徴や旬、アク抜きを含む下処理の方法、ぜんまい料理のおすすめレシピ、栄養などを詳しく解説していきます。この春はぜんまい料理で春の味覚を楽しんでみませんか?

ぜんまいとは?旬や特徴を紹介!
ぜんまいといえば、わらびと並んで有名な春の山菜です。先端が渦巻き状の春の味覚ぜんまいは、見たことのある人が多いのではないでしょうか。また、ナムルに入っている茶色いコリコリとした食感の野菜を食べたことのある人も多いのではないでしょうか。あの茶色い野菜がぜんまいです。そんなぜんまいについて、ぜんまいとは?旬はいつなのか?どんな特徴があるのか?選び方は?についてそれぞれ説明していきます。
ぜんまいとは?
ぜんまいとは、ゼンマイ科ゼンマイ属のシダ植物です。わらびと並んでよく知られている美味しい春の山菜です。春に採れる生のぜんまいの他、スーパーやネットで購入できる水煮や乾燥ぜんまいも料理によく使われます。特にゼンマイの水煮は下処理がいらないので手軽に使えます。ぜんまいの水煮が好きな方も多いのではないでしょうか?
ぜんまいの旬・採れる場所は?
ぜんまいの旬の時期は3~6月です。日本全土で採れる山菜なので、沖縄や九州では3月中旬頃から、本州は4~5月の連休頃、東北や北海道では6月上旬まで見られます。山菜という名の通り、山の中によく生えています。山の中の日陰や斜面、他には河原などにもよく生えています。旬の時期の若芽を食用にします。
ぜんまいとはどんな特徴がある?
ぜんまいの特徴は、くるくると渦巻き状になった先端部分です。ばねの「ゼンマイ式」はこの山菜のぜんまいの特徴的な形から由来しています。山菜取りに出かけると、同じくシダ植物の山菜のわらびやこごみと見かけが似ていますが、ぜんまいの特徴はくるくると渦巻いていていることと、白い綿で覆われていることです。色は深い緑色または茶色です。わらびやこごみは綿で覆われておらず、より黄緑色をしています。
ぜんまいの選び方は?
ぜんまいの選び方を紹介します。ぜんまいには雄株の男ぜんまいと雌株の女ぜんまいがあります。主に食用にするのは女ぜんまいの方です。男ぜんまいには胞子がついていて胞子株と呼ばれており、来シーズンのために男ぜんまいは採らずに残すという暗黙のルールがあるのです。だからといって女ぜんまいなしにはもちろん繁殖しませんので、山菜摘みは女ぜんまいも残すようにして楽しみましょう。
女ぜんまいの選び方は、女ぜんまいは男ぜんまいよりも後から生えるので、背が低いことが多いです。ぜんまいの特徴である渦巻き部分を見ると、男ぜんまいには胞子がくっついていて表面がざらざらしているのに対して、雌株はつるっとしています。また、女ぜんまいの方が茎が太いものが多いです。男ゼンマイも食べることもできますが、女ゼンマイよりも固くて味が落ちるようです。
ぜんまいの下処理方法を伝授!
ぜんまいは、アクの強い山菜ですので食べる前に下処理が必要です。続いては、ゼンマイの下処理の方法を、アクの抜き方、乾燥の仕方、戻し方、そして市販のぜんまいの下処理の仕方の順に解説していきます。ぜひ参考にして自宅でぜんまいを食べてみて下さい。ぜんまいはアクが強いので下処理の時はビニール手袋をつけるといいでしょう。また、市販の水煮は下処理が必要ありません。
下処理方法①:アクを抜く
ぜんまいの下処理の一つ目は、アク抜きです。山で採ったぜんまいはもちろん、市販のぜんまいアク抜きしてあるものとアク抜きしていないものがあるので、アク抜きしていないものの場合はアクを抜いてから料理をします。アク抜きには重層または木炭を使いますが、今回は重曹を使ったぜんまいのアク抜きの方法を紹介します。
ぜんまいの綿と先端を取り除き水洗いします。鍋にぜんまいがかぶるくらいの水を入れて、沸騰させます。沸騰したら、水1リットルに対して重曹大さじ1を目安にして鍋に重曹を入れ、続けてぜんまいを入れます。すぐに鍋を火から下ろし、ぜんまいが浮かないように鍋に落とし蓋をしてそのまま一晩おきます。アクが水に溶けて茶色っぽくなるので、水を交換してもう1日おきます。さらにもう1回水を交換して下処理の完成です。
下処理方②:天日干し乾燥する
ぜんまいの下処理の二つ目は、天日干し乾燥です。アク抜きが完了したぜんまいを、ざるやござの上に広げて天日干しにします。ぜんまいが乾燥して赤っぽくなってきたら、折れないようにやさしくぜんまいを揉みます。揉む、乾燥させる、を繰り返して完全に乾燥させます。
天気のよい日なら1日で乾燥しますが、しっかりと乾燥していないとカビの生える原因になるので、数日間かけて乾燥させることをおすすめします。しっかりと乾燥させたぜんまいは、その後1年ほど保存が可能です。料理をする時は、水で戻してから調理します。
下処理③:乾燥ぜんまいを戻す
ぜんまいの下処理の方法の三つ目は、乾燥ぜんまいの戻し方です。ぜんまいをしっかりと水で戻してから料理に使います。動画をのせますので、参考にして下さい。
乾燥ぜんまいを水で洗います。洗ったぜんまいを鍋に入れ、水を入れて中火にかけます。沸騰直前で火を止め、冷めたらぜんまいを手で揉み、水を交換します。同じように中火にかけ、沸騰直前で火を止め、冷めたら揉みます。これをぜんまいが柔らかくなるまで繰り返します。最後の一回は、火を止めたらそのまま一晩おきます。一晩おいたぜんまいを揉み、水を替えたら下処理の完了です。その後料理に使用できます。
市販の乾燥ぜんまいの下処理は?
もう一つ、市販されている乾燥ぜんまいの下処理についても触れておきます。スーパーなどでは、すでに乾燥させて袋詰めされた乾燥ぜんまいが売っていて便利です。ネットでも購入出来ます。市販の乾燥ぜんまいには、アク抜きしてあるものとアク抜きしてないものの2種類あります。購入した際には袋の記載内容を確認してから下処理をするようにして下さい。
まず、市販のアク抜きされている乾燥ぜんまいは、水に戻してすぐに料理に使えます。鍋にたっぷりの水と乾燥ぜんまいを入れ、2時間くらい漬けます。その後鍋にお湯を沸かしてぜんまいを入れ、1~2分茹ででから冷水にとったら完了です。
次に、市販のアク抜きされていない乾燥ぜんまいは、鍋にたっぷりの水と乾燥ぜんまいを入れて火にかけ、沸騰直前で火を止めてそのまま一晩おきます。翌日ぜんまいを手で揉んでから水を交換して2時間ほどおきます。その後手でぜんまいを揉んで水を交換するのを何度か繰り返し、水に出るアクの色がうすくなったら完了です。すぐに料理に使わない場合はボウルに戻したぜんまいときれいな水を入れて冷蔵庫で保管します。
ぜんまいを使った絶品料理のレシピを紹介
ぜんまいの特徴や旬の説明はいかがでしたか?ぜんまいを食べてみたくなったのではないでしょうか。次に、ぜんまいを使ったおすすめ絶品料理のレシピをいくつか紹介します。後で書きますが、ぜんまいには栄養も豊富に含まれているので、美味しいだけでなくたっぷりと栄養もとることができます。ナムルや炊き込みご飯など、丁寧に手を加えられたぜんまい料理は最高です。天ぷら以外は市販の水煮でも作れます。
やみつき!「ぜんまいナムル」
ぜんまいレシピの一つ目は、定番料理のぜんまいナムルです。簡単に作れてやみつきになる人気のレシピです。材料は2人前ですが、美味しので1人でもぺろっと食べられる量です。
- 水で戻したゼンマイまたは水煮 200g
- ごま油 大さじ1
- 酒 大さじ3
- 顆粒鶏ガラスープの素 小さじ1
- すりおろしにんにく 小さじ1/2
- 醤油 大さじ1
- 白すりごま 大さじ1
- ぜんまいを食べやすい大きさに切ります。
- フライパンにごま油をひき、ぜんまいを炒めます。
- 酒、顆粒鶏ガラスープの素、すりおろしにんにく、醤油を入れて水分が飛ぶまで煮ます。
- 白すりごまを加え、混ぜて出来上がりです。
常備菜にもなる「ぜんまいの煮物」
ぜんまいのレシピの二つ目は、定番のおかず「ぜんまいの煮物」です。こんにゃくや人参などの具材と一緒にコトコトと煮るぜいたくな一品です。常備菜にもなります。材料は3~4人前です。
- 水で戻したぜんまいまたは水煮 80g
- 糸こんにゃく 160g
- 人参 1/2本
- 油揚げ 1枚半
- サラダ油 大さじ1/2
- 水 150~200㏄
- 顆粒和風だしの素 小さじ1強
- 酒 大さじ2
- 砂糖 大さじ2弱
- 醤油 大さじ2
- ぜんまいと糸こんにゃくを好みの長さに切り、下茹でをします。
- 人参は太めの千切り、油揚げは熱湯をかけて油抜きをしてから短冊切りにします。
- 鍋にサラダ油をひき、ぜんまい、糸こんにゃく、人参を入れて軽くしんなりするまで炒めます。
- 水を入れ、沸騰してきたら油揚げと顆粒出汁の素、酒、砂糖、醤油を入れます。
- 煮汁がなくなるまで中火で煮て出来上がりです。
ごま油香る「ぜんまいの炒め物」
ぜんまいのレシピの三つ目は、「ぜんまいの炒め物」です。さっと作れておかずはもちろんつまみにもぴったりで、ごま油の香りが食欲をそそります。材料は2人前です。
- 水で戻したぜんまいまたは水煮 2つかみ
- 塩 2つまみ
- ごま油 大さじ5
- 顆粒中華だしの素 小さじ1
- 醤油 大さじ3
- 酒 大さじ1
- ぜんまいをさっと茹でます。
- フライパンにごま油をしき、塩、顆粒中華だしの素、醤油、酒を入れて炒めます。
- 汁気がなくなるまで炒めたら出来上がりです。
アク抜き不要!?「ぜんまいの天ぷら」
ぜんまいのレシピ四つ目は、「ぜんまいの天ぷら」です。山菜といえばかかせない天ぷら料理は、なんとアク抜き不要、採れたてのぜんまいを新鮮なまま食べられる魅力的な一品です。旬の味をあつあつでどうぞ。材料は人数に合わせて調節して下さい。
- ぜんまい 好みの量
- 天ぷら粉 適量
- 水 適量
- 揚げ油 適量
- ぜんまいの綿を取り、水で洗います。
- 天ぷら粉を水でといて、ぜんまいにからめます。
- 油を熱し、からっと揚げて出来上がりです。
- 好みで塩やたれ、天つゆなどで食べます。
ピリ辛「牛肉とぜんまいのスープ煮」
ぜんまいのレシピの五つ目は、牛肉とぜんまいのスープ煮です。にんにくとコチュジャンを使った韓国風のピリ辛の白いごはんがすすむおかずです。材料は2人前です。好みでスープを増やしても美味しいです。
- 水で戻したぜんまいまたは水煮 120g
- 牛肉薄切り 200g
- もやし 1袋
- ねぎ 1/2本
- にんにく 1かけ
- 万能ねぎ 3~4本
- 水 2カップ
- 顆粒鶏ガラスープの素 小さじ1と1/2
- コチュジャン 大さじ1
- 醤油 大さじ1
- ごま油 小さじ2
- 砂糖 小さじ1
- 一味唐辛子 好みで
- ぜんまいと牛肉薄切りを食べやすい大きさに切ります。もやしは好みでひげをとり、ねぎは斜めの薄切りに、にんにくは薄切りに、万能ねぎは1cm幅で斜めに切ります。
- 鍋に水と顆粒鶏ガラスープの素、醤油、コチュジャン、ごま油、砂糖を入れ、強火にかけます。
- 煮立ったら、ぜんまい、牛肉、もやし、ねぎ、にんにくを入れます。
- もう一度煮立ったら中火にし、7分くらい煮ます。
- 器に盛り、万能ねぎと好みで一味唐辛子をかけて出来上がりです。
みんな大好き「ぜんまいの炊き込みご飯」
最後に、ぜんまいのレシピの六つ目は、大人も子供も大好きな「ぜんまいの炊き込みご飯」です。プロの料理家が紹介しているレシピです。お祝いの時などにおすすめです。材料は2人前です。
- 米 1合
- もち米 0.5合
- 水で戻したぜんまいまたは水煮 100g
- 油揚げ 1/4枚
- 人参 1/8本
- ごぼう 1/2本
- 三つ葉 1/4束
- だし汁 300ml
- 酒 大さじ2
- みりん 小さじ1と1/2
- 砂糖 小さじ1
- 醤油 小さじ1と1/2
- 塩 小さじ1/2
- サラダ油 小さじ1と1/2
- 米ともち米は炊く30分くらい前に洗ってざるに上げておきます。
- ぜんまいは熱湯でかるく茹でて冷ましてから、食べやすいおおきさに切ります。
- 油揚げは熱湯をかけてアク抜きしてから、細切りにします。
- 人参は細切りに、ごぼうはたわしで洗ってからささがきにします。
- フライパンにサラダ油をひき、ぜんまい、油揚げ、人参、ごぼうを炒めます。
- しんなりしてきたら、だし汁とその他の調味料をすべて入れてひと煮立ちさせます。
- 2を汁と具材に分けます。
- 炊飯器に米を入れて、メモリまで汁を入れて炊きます。
- 炊き上がったら15分くらい蒸らし、刻んだ三つ葉を入れてかき混ぜます。
- 器に盛って出来上がりです。
ぜんまいは栄養もたっぷり!
ここまでぜんまいの特徴や旬、おすすめの食べ方のレシピを紹介してきましたが、最後に、ぜんまいの栄養価について説明します。ぜんまいには栄養もあっぷりあり、嬉しい健康効果も期待出来ます。太陽の光をたっぷり浴びて乾燥した乾燥ぜんまいは特に栄養満点です。
ぜんまいは乾燥させることで栄養価アップ
ぜんまいは生のままでも栄養がありますが、乾燥させることでさらに栄養価がアップします。しっかりと天日干ししたぜんまいは、生のものよりミネラル分が2割ほどアップするそうです。数日間かけて天日に干されたぜんまいはたっぷりの栄養が含まれています。
豊富な食物繊維で腸内をととのえる
ぜんまいに多く含まれる栄養素は食物繊維です。たっぷりの食物繊維が腸に働きかけて便通をよくしますので、デトックスになり生活習慣病の予防効果も期待出来ます。
β‐カロテンで免疫力アップ
また、ぜんまいにはビタミン類も豊富に含まれています。β-カロテンは抗酸化作用があり、免疫力のアップにつながります。がんの予防にも効果的です。旬の味覚ぜんまいでしっかりと栄養もとれるのは嬉しいことです。
ぜんまいで春の料理を楽しもう!
春の山菜ぜんまいについて、いかがでしたか?下処理など少し時間がかかるぜんまいですが、きちんと手順をふめば絶品のぜんまい料理を楽しめます。手軽に使えるぜんまいの水煮もありますので、ぜひ試してみて下さい。そして、旬の時期に野山などでぜんまいを見つけた際は、ぜひ採ってみて下さい。
