ワタリガニの食べ方・さばき方を紹介!ゆで方や時間なども!
ワタリガニの美味しい食べ方やさばき方を知っていますか?オスとメスとで旬が異なり、味わいも異なるワタリガニは、焼いても茹でても美味しいカニの一種です。身詰まりがよく独特の甘みが美味しいワタリガニのオス、まろやかで濃厚な内子が楽しめるワタリガニのメス、それぞれに美味ですが、より美味しく食べられる方法があるのを知っていますか?今回はワタリガニを美味しく食べるための基本的なさばき方や、ゆで方、ゆで時間まで、食べ方を徹底的に調査しました。
ワタリガニは濃厚な出汁と旨みが人気
ワタリガニというとどんなイメージを持っているでしょうか?ワタリガニでよく知られた料理なら、トマトクリームパスタや、ワタリガニの味噌汁などかもしれません。いずれもワタリガニから出る濃厚な出汁や旨みを生かした人気メニューでしょう。今回はワタリガニの旬の時期や雄雌の違いなど基本的なことから、食べ方、さばき方について徹底的に調査しました。美味しいゆで方と茹で時間のコツなども紹介しています。
ワタリガニとは?
ワタリガニは大きくても1キロに満たない比較的小さなカニです。しかしながら小さくても身が締まり旨味が凝縮されていて、その身は内子と共に一度食べるとその美味しさにとりこになると言われています。ワタリガニは標準和名で「ガザミ」と呼び、生息地は北海道南部から九州の内湾を中心に広く生息しています。
黄褐色の甲羅は横長の六角形をしていて、縁にはぎざぎざのとげがあるのが特徴です。この甲羅は脱皮したばかりのときは柔らかく、身も詰まっていないので、ワタリガニを選ぶときは甲羅がかたいものを選ぶと美味しいものを選ぶことができます。
また、ワタリガニは活きガニがいちばん美味しいと言われています。死んでしまったり古くなっていると味が落ちてしまいます。元気に動いているもの、またワタリガニの口の周りが黒ずんでいないものを選ぶといいでしょう。もちろん旬の時期のワタリガニは格別に美味しいので、旬が来れば是非食べてみましょう。
ワタリガニの旬はオスとメスで違う
ワタリガニの旬の時期はいつ頃なのでしょうか?実はワタリガニの旬はオスとメスで違います。オスのワタリガニは7月から10月下旬までが旬です。メスのワタリガニのように内子はありませんが、身のしまりがよく、甘みもメスガニの数倍あるとも言われています。ワタリガニのオスはお盆の時期の御馳走にもなり、お祭りやお祝い事にもよく食べられていたそうです。
一方で濃厚な内子の味が人気のメスのワタリガニは、12月から翌6月初旬ごろまでが旬の時期になります。寒い季節に赤く濃い味わいのメスのワタリガニの内子を食べるイメージですが、意外にも4月、5月の春先のメスガニも内子の量が増え、美味しいことが知られています。メスのワタリガニの内子は焼いても良し、蒸しても良しで、さまざまな食べ方を楽しめる食材です。
ワタリガニの食べ方やさばき方
本項ではワタリガニの美味しい食べ方やさばき方について解説しています。市場に流通しているワタリガニは300g前後のものが多く、どんなに大きくても1キロに満たない小さいのが特徴です。身は確かに少ないけれども、美味しい食べ方を知ればその凝縮された旨みをしっかりと堪能することができるでしょう。ぜひ美味しい食べ方、さばき方についてチェックしてみましょう!ゆで時間を含めた適切なゆで方についても紹介しています。
ワタリガニはゆでるか蒸すのが定番
ワタリガニの美味しい食べ方としてもっともポピュラーなのは、茹でるか蒸す食べ方でしょう。一番手間なく簡単な食べ方としてはゆでる方法があります。ただしゆでる方法は、ゆでる際にワタリガニの旨味も水に溶けだしてしまいもったいないというデメリットがあります。ゆで汁もそのまま活用できる味噌汁や鍋にしてしまう食べ方なら、ワタリガニの美味しさを余すことなく楽しめて良いかもしれません。
ゆでる方法と比べるとひと手間かかりますが、ワタリガニを蒸して食べる方法はワタリガニの旨味を存分に引き出す調理法で非常におすすめしたい食べ方です。この食べ方であればワタリガニの味が凝縮され、素材そのものの濃厚な味を楽しめます。大き目の蒸し器がある場合はぜひ試してみてはいかがですか?
ワタリガニを蒸す場合には、蒸し器に甲羅を下にして並べ、強火で加熱します。蒸し器から蒸気が出だしてから15分ほどで食べ頃になります。そのまま味わっても、カニ酢をつけて食べても美味しいでしょう。もっともワタリガニの旨味を堪能できる食べ方をぜひ試してみませんか?
ワタリガニのさばき方を紹介
それではワタリガニのさばき方について動画を参考に紹介しましょう。まずワタリガニの胴体、腹の部分に指を入れ、甲羅をはがします。つぎに「がに」をはがし、口をとって身を半分にします。甲羅や身についている内子と味噌をとっておきます。それから身についている汚れを水洗いし、清潔なふきんなどで水気をよくふきとったら終了です。
ちなみに、動画中で呼ばれている「がに」とは甲羅を外したときに両側に見える三日月型のひらひらしたスポンジのようなものが並んでいるエラのことです。エラは食べられないので取り外す必要があります。
ワタリガニのエラは食べられないので注意
前項のワタリガニのさばき方でも紹介した通り、甲羅を開けたときに出てくる胴体両側のエラ「がに」の部分は食べることができません。「がに」はワタリガニが水中の酸素を取り込む際にフィルターのような役割をしている器官です。そのため常時外の水にさらされていることから、雑菌も多く、寄生虫が付着していることも少なくないのです。
また、「がに」はワタリガニのすべての部位のなかでももっとも足が早く、腐敗が進みやすい部位でもあります。昔からこの「がに」の部分を食べて食中毒の症状を起こす人も多かったといいます。ワタリガニの場合は、甲羅を外さなければこのエラの部分は取り外せませんから、ワタリガニを丸ごと買って調理する場合は必ずエラを外すことを忘れないようにしましょう。
ワタリガニの保存方法
ワタリガニは新鮮なうちに食べきるのが一番おいしく食べられる方法です。時間が経つと臭みがでやすい性質があるからです。しかし、さまざまな理由で保存が必要な場合はどのように保存すればいいのでしょうか?美味しく保存できる方法について紹介します。まず、活きカニならばできるだけ早いうちにゆでるか蒸すのがおすすめです。それも、少しでも旨味を逃したくなければ、ゆでるよりも蒸す方がいいでしょう。
ゆでたり、蒸したりして調理を終えたワタリガニはそのまま冷蔵庫で保存するか、冷凍庫に保存することができます。またその場合、身は切らずにまるごと調理し、丸ごと保存するのがおすすめです。むき身にするとワタリガニの風味が飛んでしまい美味しくなくなってしまうので注意が必要です。冷凍のワタリガニを購入してすぐに食べない時は、そのまま冷凍庫で2週間くらいは保存が可能です。
ワタリガニのゆで方を見ていこう
続いて本項では、ワタリガニのゆで方について解説しています。ゆでる食べ方はもっとも簡単で気軽にできる調理方法です。適切なゆで時間を守り、コツをつかめばより美味しく食べられます。ワタリガニの美味しいゆで方について、詳細なゆで時間を含め紹介していますので、ワタリガニのゆで方について迷っていた人はこちらをチェックしてみてください。
ワタリガニはお湯と塩でゆでよう
ワタリガニのゆで方について美味しく食べられるコツとともに紹介します。ワタリガニをゆでる時は、鍋にたっぷりの水を入れましょう。そこへ塩を少々、かすかに塩気が感じられる程度の量を入れます。生きたワタリガニはそのまま水の中にいれ、水から強火でゆでてください。お湯からではなく、水から入れることに注意しましょう。
ワタリガニを熱湯に入れず、水からゆでるのにはきちんとした理由があります。生きたワタリガニを熱湯に直接入れてしまうと鍋のなかで暴れてしまうからです。ワタリガニが暴れた結果、手足がもげて旨味の流出につながるため、お湯からではなく水からゆでるというわけです。ほんのりと塩気が感じられるシンプルな調理方法は、素朴ですが素材の味を楽しむにはピッタリです。
ワタリガニのゆで時間はどれくらいがベスト?
ワタリガニのゆで時間は、どれくらいがベストなのでしょうか?ずばりワタリガニのゆで時間は沸騰してから10分ほどが最適でしょう。強火で加熱しますが、吹きこぼれないように火加減を注意する必要があります。ゆであがったらそのまま食べても美味しいですし、別途カニ酢を用意して少しつけてたべるのも美味しいでしょう。
また、普通にゆでる時と同じように水からワタリガニと野菜を同時にゆで、野菜が柔らかくなったら味噌を溶き入れるとそれだけでとても美味しいワタリガニの味噌汁になります。もちろんワタリガニの旨味の効果で出汁要らずです。なお、ワタリガニと野菜でみそ汁を作る場合、アクをしっかりとるのを忘れないでおきましょう。
ワタリガニの旨みをしっかりと堪能する食べ方を覚えよう
ワタリガニは小さな体に凝縮された旨みをもつ、大変美味しい食材です。身は少ないけれども独特の旨味、甘みが特徴的なカニで、蒸したり、ゆでたりとシンプルな調理法でもとてもおいしく食べられます。今回はワタリガニの旬の時期や、オスメスの違いについて、また、おいしい食べ方やさばき方について特集しました。ワタリガニの旨味をしっかりと堪能する食べ方を覚えて、ぜひ自宅でも味わってみてください。