2018年12月19日公開
2024年08月25日更新
自宅で簡単「マティーニ」の作り方まとめ!基礎知識からアレンジレシピまで
ジンとベルモットを合わせて作るシンプルなマティーニは、数多くあるカクテルのなかでも「カクテルの王様」、「カクテル中の傑作」と呼ばれる定番カクテルです。映画「007」でジェームス・ボンドが好んで飲んでいたことで有名なカクテルでもあります。本記事ではそんなマティーニの基礎知識から、自宅で簡単にマティーニを楽しめる作り方まで特集しています。ジンの代わりにウォッカを使った「ウォッカ・マティーニ」などアレンジレシピも紹介しています。マティーニの作り方に詳しくなりましょう。
目次
マティーニの作り方やウォッカの割合を知りたい!
数多くあるカクテルの種類のなかでは定番中の定番、マティーニについてどんなイメージを持っていますか?映画のなかでジェームス・ボンドがウォッカベースのマティーニを注文するシーンや、佇まいだけで大人っぽい雰囲気があるカクテルグラスを思い浮かべる人も多いかもしれません。今回は「カクテルの王様」マティーニについて、基礎知識を始め、自宅での作り方やアレンジレシピを特集しました。
マティーニはカクテルの一種
マティーニはカクテルの一種です。カクテル、すなわち複数の材料を組み合わせたお酒の種類で、ジンをベースにし、ベルモット、オリーブを合わせたシンプルなカクテルがマティーニです。マティーニはシンプルなレシピながら時代と共に変化をし続けており、ジンをウォッカに換えたり、ジンベースにおけるベルモットの量を増やしたりと、その味わいは甘口から辛口まで楽しむことができるのが特徴です。
男らしい味わいがかっこいいと人気!
マティーニというと、男性的なイメージのある人が多いのではないでしょうか?マティーニを愛する著名男性には、「007」の英国人諜報員ジェームス・ボンドや、日本人ロックスター矢沢栄吉、従軍中もジンとベルモットのボトルを腰にぶら下げていたと言われる作家ヘミングウェイなどがいます。中でも英国首相を務めたウィンストン・チャーチルは特に辛口のマティーニを好んだと言われ、著名人とマティーニの逸話は数限りがありません。
基本的にジンとベルモット、オリーブだけで作るマティーニは、作る人によって味が変わるカクテルです。シンプルであり、いさぎよさのあるマティーニだからこそ、歴史のなかでも男性に愛されてきたのかもしれません。そんな「男の飲み物」マティーニを自宅で楽しみませんか?アレンジしがいのあるカクテルですから、自宅でこだわりのマティーニを作ってみましょう。
マティーニの作り方の基本
それでは早速、マティーニの基本的な作り方について以下に解説していきます。マティーニは基本的にジンとベルモットさえあれば自宅でも簡単にできてしまうカクテルです。ポイントとなる作り方をおさえれば、だれでも作れてアレンジも自由ですから、まずは基本の作り方を覚えておきましょう。
1.グラスを冷やしておく
マティーニは冷たさが命と言われています。きりっと冷えたマティーニを時間をかけずに作り、時間をかけずに飲むのが粋な飲みかたです。マティーニを作るときは、前もってグラスを冷蔵庫で冷やしておくことをおすすめします。お酒を混ぜるためのミキシンググラスも同様に、自宅の冷蔵庫でよく冷やしておくといいでしょう。グラスはできればカクテルグラスを用意しておくとやはり雰囲気が出るのでおすすめです。
2.ミキシンググラスに氷と水をいれ氷の角をとる
次に、ミキシンググラスに大き目の氷をいれ、水を加えます。バースプーンでよく混ぜ、氷の角を取りましょう。氷は角をとることで溶けにくくする目的があります。これはマティーニが水っぽくならない作り方のポイントですので、ぜひひと手間加えるのを忘れずに行いましょう。角が取れたら水は捨てます。この時、画像のような耳付きストレーナーがあると水だけ捨てるのに便利です。
3.ジンを注ぎ、ベルモットを加える
水を捨て氷だけになったミキシンググラスに、ジンを注ぎ、ベルモットを加えます。ジンとベルモットの割合が人によってこだわりを発揮できるポイントです。今日におけるマティーニレシピの標準的な作り方はジン3~4に対して、ベルモット1の割合が基本ですが、好みで調整してもいいでしょう。おすすめの分量は次の通りです。
- ジン(48ml)
- ベルモット(12ml)
- オリーブ(1個)
4.ステアしてカクテルグラスに注ぎオリーブを飾る
そして、ミキシンググラスに入れたジンとベルモットをバースプーンで20回から30回ステアします。バースプーンの上のほうを持って、スプーンの背をグラスの内側につけ、かつスプーン先が底についてる状態で、手早く静かに回すのが作り方のコツです。氷が溶けないように素早く、またジンとベルモットの香りが飛ばないように静かに回しましょう。
ステアがおわったら、カクテルグラスに注ぎオリーブを飾ります。オリーブはピックに刺してカクテルグラスに沈めるのが本格的です。そして、冷たいうちに飲むのがマティーニの鉄則ですから、自宅であっても一度に作るのは1杯までにしましょう。
マティーニの作り方でおいしいアレンジを紹介
ここからはマティーニの美味しい作り方のアレンジレシピを紹介していきます。自宅でもさまざまなアレンジレシピが楽しめます。材料を変えたり、分量、配合を変えるだけで驚くほどアレンジが広がりますのでチェックしてみましょう!
刺激アップ!ドライマティーニ
マティーニのアレンジレシピ、まず最初に紹介するのは「ドライマティーニ」です。使うのは通常のマティーニと同じ材料で基本の作り方も同じですが、より辛口に仕上げるためにジンの分量を多めにするアレンジレシピです。ジンは柑橘系の香りと相性が良いので、仕上げにライムやレモンスライス、レモンピールを添えるのもおすすめです。
- ジン(50ml)
- ベルモット(10ml)
- オリーブ(1個)
より辛口に楽しもう!ウォッカ・マティーニ
マティーニのアレンジレシピ、続いて紹介するのは「ウォッカ・マティーニ」です。マティーニはジンをベースにするのが基本ですが、ジンのかわりにウォッカを用いてアレンジしたのがウォッカマティーニです。映画「007」の諜報員ジェームス・ボンドが「ウォッカ・マティーニ、ステアではなくシェイクで」と注文するシーンで有名なカクテルです。癖のないウォッカの効果でよりキレのある味わいが楽しめます。
- ウォッカ(45ml)
- ドライベルモット(15ml)
日本酒好きなら試してみたい!サケティーニ
日本酒が好きな人ならぜひ試してもらいたいマティーニのアレンジレシピがこちら、「サケティーニ」です。マティーニを日本酒を使用して和風にアレンジしたカクテルです。ジンを日本酒に置き換えるレシピと、ベルモットを日本酒に換えるレシピ、どちらもありますが現在ではベルモットを日本酒にするレシピが主流のようです。
- ドライジン(60ml)
- 日本酒(30ml)
- オリーブ(1個)
基本のマティーニと作り方は同じで、ドライジンと日本酒をステアしてグラスに注ぎ、オリーブを沈めれば完成する簡単レシピです。使う日本酒を選ぶ際には、アルコール度数が高めの生原酒がおすすめです。日本で生まれた和製マティーニとも言えるサケティーニを一度試してみませんか?
ニューヨーカーにも人気!エスプレッソマティーニ
ヒュージャックマンも愛飲するなど、ニューヨーカーにも人気があるマティーニのアレンジレシピ「エスプレッソマティーニ」を紹介しましょう。エスプレッソマティーニはコーヒー豆の凝縮した旨味を味わえるエスプレッソにウォッカなどを混ぜてコーヒー風味のカクテルにしたものです。ジンやベルモットを使わないため正確にはマティーニではないのですが、マティーニのように目が覚めるような味わいが人気のカクテルです。
- コーヒーリキュール(20ml)
- ウォッカ(20ml)
- アイスエスプレッソコーヒー(20ml)
- シュガーシロップ(ティースプーン1杯)
全ての材料を氷とともにシェイクし、濾しながらグラスに注げば完成です。コーヒーリキュールはカルーアやボルスコーヒーなどを使うといいでしょう。エスプレッソマティーニはまだ考案されて新しいレシピで、さまざまな作り方があります。コーヒーの苦みと旨味がウォッカによくあうカクテルです。
マティーニで使うベルモットとは?
ベルモットはカクテルの王様マティーニに欠かせない材料です。本項では知っているようで知らなかったベルモットについて解説しています。自宅でお客さんにマティーニを作りながら、ベルモットのうんちくを披露するのも楽しいかもしれません。この機会にベルモットに関する基礎知識をチェックしてみましょう!
白ワインをベースにしたフレーバードワイン
ベルモットは日本では「甘味果実酒」として取り扱われるフレーバードワインのことを言います。白ワインをベースにし、ニガヨモギなどの香草やスパイスで香りをつけたお酒です。香りの高さが特徴的で、そのまま食前酒として飲んだり、カクテルや料理の材料として使われることも多いです。ヴェルムトと呼ばれることもあり、また英語の発音では「ヴァームース」の音に近いです。
イタリアでは食前酒として常用
香草やスパイスで香りづけされたフレーバードワインであるベルモットは、イタリアでは食前酒として飲まれているポピュラーなお酒です。食前酒としてベルモットを飲むと、ハーブの風味が食欲を増進させると言われています。イタリアン・ベルモットとしてはスイート・ベルモットが主流で、チンザノ社やマルティーニ社の作るベルモットが有名です。
ドライとスイートの二種類がある
ベルモットにはドライ・ベルモットと、スイート・ベルモットの二種類があります。スイート・ベルモットはその名の通り甘口のベルモットで、産地がイタリアのピエモンテ地方であることからイタリアン・ベルモットとも呼ばれています。ドライ・ベルモットと比較するとハーブやスパイスの風味が強いのが特徴です。特有の甘みと苦みのコラボレーションが絶妙で、食前酒に向いています。
一方、ドライ・ベルモットは辛口の味わいが特徴的なベルモットで、かつては主にフランスを中心に製造されていたためフレンチ・ベルモットと呼ばれることもあります。ドライ・ベルモットで有名なメーカーはノイリー・プラット社があります。キレのある風味がマティーニを始めカクテルの材料にしやすいベルモットと言えるでしょう。
マティーニに似たジンベースのカクテルを紹介
ここからはマティーニに似たジンを使ったカクテルを紹介していきます。マティーニの味わいが好きな人ならこれから紹介するカクテルもおすすめです。飲みやすいものから、ガツンとくるキレのあるカクテルまで紹介しますのでチェックしてみましょう。
飲みやすさならこれ!ジントニック
ジンベースのカクテルのなかではもっともポピュラーと言ってもいいのが、ジントニックです。熱帯にあるイギリスの植民地で健康飲料として飲まれていたトニックウォーターに、ジンを入れたら飲みやすくなったのがジントニックのルーツと言われています。ジンとトニックウォーターの割合を1:3にしてグラスに注ぎ、ライムまたはレモンを飾るだけのシンプルなカクテルですので、自宅でも簡単にできます。
- ジン(全体の4分の1)
- トニックウォーター(全体の4分の3)
- ライムまたはレモン(飾り用)
ジントニックは今や世界的に人気のあるカクテルですが、グラスにただ注ぐだけのシンプルなレシピながらバーテンダーの腕が試されるカクテルでもあります。ジンとトニックウォーターの配合バランスを研究したり、それぞれの銘柄にこだわったりと探求心をそそられる奥深さがジントニックにはあると言えるでしょう。
ライムのさっぱり感!ジンリッキー
ジントニックに使われているトニックウォーターの甘みが苦手な人にはこちらのジンリッキーがおすすめです。ジンと炭酸水を使い、仕上げに生のライムを絞ることでさっぱりとした風味が味わえます。元々はアメリカのレストランで夏向きのドリンクとして考案されたカクテルです。最初に飲んだお客さんの名前が「ジム・リッキー」氏ということでこの名前が付けられたそうです。
- ジン(45ml)
- ライム(2分の1個)
- ソーダ(適量)
ジンと混ぜるソーダの量については好みに合わせて調整しましょう。ソーダの量を増やせば全体のアルコール度数を減らすことができます。ジンリッキーはさっぱりとした口当たりが特徴なので、甘口のお酒が苦手な人におすすめのカクテルです。
アルコール度数高めの!ギムレット
アルコール度数が25度とジンベースのカクテルのなかではかなりの高さがあるギムレットを紹介しましょう。19世紀後半に英国海軍で健康のためにジンをライムジュースで割って飲まれたのがギムレットのルーツです。ジンとライムジュースを合わせるだけのシンプルなレシピですが、できればカクテル用のシェーカーを使ってシェイクするのがおすすめです。シェイクすると香りや風味が増し、本格的なギムレットを楽しめます。
- ジン(45ml)
- ライムジュース(15ml)
加えるライムジュースは、かわりに生ライムを絞った果汁でも作ることができます。その場合は甘みにシロップを混ぜても良いでしょう。自宅にシェイク用のシェーカーがない人は空のペットボトルでも代用が可能です。空のペットボトルにジンとライムジュースを入れて、しゃかしゃかと振るだけで美味しいギムレットが完成します。
マティーニの作り方を知って自宅で気軽に楽しもう!
「カクテル中の傑作」、「カクテルの王様」と呼ばれるマティーニは、ジンベースのシンプルな作り方とドライな味わいが美味しい定番カクテルです。映画のヒーローや歴史的著名人が愛飲したマティーニを、自宅で気軽に楽しみませんか?
本記事ではマティーニの基礎知識から、基本的な作り方、材料となるジンやベルモットについての解説、アレンジレシピまで特集しました。基本のマティーニを楽しむもよし、ウォッカやドライ・ジン、ドライ・ベルモットを使ってより辛口、ドライな味わいを楽しむもよし、アレンジしがいのあるカクテル・マティーニをとことん楽しみましょう!