2018年12月17日公開
2024年08月24日更新
カクテル「ゴッドファーザー」のレシピ・作り方まとめ!度数はどのくらい?
ウィスキーベースのシネマカクテル「ゴッドファーザー」が度数の高さにもかかわらず女性にも人気のカクテルになっています。ゴッドファーザーは言わずと知れた不朽の名作マフィア映画です。映画ではイタリア移民家族の愛情と裏社会で台頭していく強いゴッドファーザーのストーリーが展開されます。カクテル「ゴッドファーザー」は映画さながらの二つの味わいがあるカクテルで親しまれています。今回は、そんなゴッドファーザーを自宅で作る時の作り方や度数、アレンジレシピを紹介します。
目次
ゴッドファーザーのカクテルを自宅で作ってみよう!
お酒を飲みながら、映画の世界に浸れるそんなカクテルがあったとしたらどうでしょう。それがシネマカクテルといわれるジャンルのカクテルです。その中でも人気なのがゴッドファーザーです。ゴッドファーザーの作り方はシンプルですので、自宅で特別な道具がなくても簡単に作ることができます。自宅で映画を見ながら、カクテルを味わうという贅沢な時が過ごせます。
ゴッドファーザーはどんなお酒?
そもそもゴッドファーザーとはどんなお酒でしょうか?どんな香りや味わいがするカクテルなのでしょうか?ゴッドファーザーは国際バーテンダー組織IBAにコンテンポラリー・クラシックの分類でレシピが登録されていて、国際的にもかなり知られたカクテルとなっています。このコンテンポラリー・クラシックにはマルガリータやマイタイといったカクテルも登録されています。
ウイスキーとアマレットを混ぜたシンプルカクテル
ゴッドファーザーの作り方はシンプルで、ウィスキーとアマレットを氷をグラスに入れて混ぜるだけです。ウィスキーは、IBAのレシピではスコッチウィスキーとなっていますが、バーボンやジャックダニエルを使うレシピもあります。アマレットはアンズの種を原料としたリキュールで、甘くてほろ苦いアーモンドに似た味わいと赤身がかった琥珀色が特徴のリキュールです。
ウィスキーの強さとアマレットの甘い味わいが、カクテルゴッドファーザーの味わいの特徴となっています。
香りは杏仁豆腐のような優しさ
アマレットはアーモンドのリキュールと思っている人もいますが、原料はアンズの種で杏仁豆腐にも使われるアンズの核です。そのため、カクテルゴッドファーザーは杏仁豆腐のような優しい香りがするといいます。
ゴッドファーザーはシネマカクテルの代表的存在
ゴッドファーザーは映画をイメージして作られたシネマカクテルの代表格です。これまで映画の中で飲まれたカクテルを飲んで映画とお酒を楽しむというやり方もありましたが、ゴッドファーザーはその味わいと共に映画のストーリーや世界観に浸れるカクテルです。
ゴッドファーザーは映画をよく表現したカクテル
映画ゴッドファーザーでは、貧しいイタリア移民の子供が家族と信頼する友人を守るために裏社会で頂点に立ちながらも苦悩する物語です。カクテルゴッドファーザーには、映画で描かれる非情さと愛情の深さが合いまった味わいがあります。非情さと強さはウィスキーから愛情と優しさはアマレットから味わうことができます。
ゴッドファーザーも愛飲した?
カクテルゴッドファーザーに使われるディサローノ・アマレットの製造元によると、映画でゴッドファーザーヴィトー・コルリオーネを演じたマーロン・ブランドがこのカクテルを愛飲したことからゴッドファーザーという名前がつけられたということです。
カクテルがいつ誰によって作られたかは、実ははっきりしていません。ゴッドファーザーPARTIIが公開された1970年代前半に作られたという説もあります。
ゴッドファーザーのカクテル言葉は「偉大」
ゴッドファーザーの元々の意味は後見人です。イタリア移民に子供が生まれるとその地域の有力者が後ろ盾となって守るという慣習から来ています。偉大な後見人の後ろ盾があってこそ、子供たちは守られ成長していくのです。なのでカクテルゴッドファーザーのカクテル言葉は偉大になっています。
ゴッドファーザーカクテルの作り方・レシピ
カクテルゴッドファーザーはその人気ゆえに、様々なレシピがあります。いろいろ試して、自分に合ったゴッドファーザーを見つけるのもよいでしょう。
「アマレット・ディサローノ」を使おう
バーテンダーや出典元によってさまざまな作り方があるゴッドファーザーですが、一つ絶対に外せないもの変えられないものがあります。それはアマレット・ディサローノを使うことです。
アマレットというリキュールはもともとイタリアのサローネ地方で開発されました。そのアーモンドのような甘みのあるフレーバーが人気となり、他でも似たようなリキュールが作られ「アマレット」として発売されるようになりました。オリジナルのアマレット開発者はそのため、類似品と区別するためにアマレット・ディサローノという名称で販売することとなります。
ロックグラスに氷をたっぷり入れよう
カクテルゴッドファーザーはウィスキーベースで度数も高いので、時間をかけて楽しむロングタイプのカクテルです。グラスは、オン・ザ・ロックで飲むときに使うロックグラス、正式にはオールド。ファッションド・グラス、を使います。オン・ザ・ロックで飲むように氷をたっぷり入れます。ウィースキーのオン・ザ・ロックのように氷は丸い氷にすると、氷が溶けにくく見た目もよいです。
丸い氷は、プロのバーテンダーは大きな四角い氷をアイスピックで丸くして作るようですが、家庭でやるには時間がかかりそうです。自宅でお手軽に丸い氷を作るのにはアイスボールメーカーが大、小いろいろなサイズで販売されていますので利用するといいです。100円ショップでも売られています。
まずスコッチウィスキーを入れよう
IBAのゴッドファーザーの作り方によると、ウィスキーはスコッチウィスキーですので、初めてゴッドファーザーを作る人は、まずスコッチウィスキーで作ってみるとよいでしょう。
アメリカのマフィアの映画のカクテルなのになぜスコッチウィスキーを使うといえば、マフィアが台頭する原因となった禁酒法の時代、マフィアがスコッチウィスキーを密輸していたという歴史的事実から来ているそうです。
とはいえバーボンを代わりに使う作り方もあります。また、ゴッドファーザーからマフィアとの関係が噂されていた往年の歌手フランク・シナトラをイメージして、フランク・シナトラが愛飲していたジャックダニエルを使うバーテンダーもいるようです。
アマレットを加えて軽く混ぜよう
そして、アマレット・ディサローノを入れます。ウィスキーとアマレット・ディサローノの分量の比率はレシピによってまちまちです。IBMの公式レシピによるとウィスキー1:アマレット・ディサローノ1、アマレット・ディサローノのレシピによるとウィスキー2:アマレット・ディサローノ1、その他に3:1のレシピもあります。
最もよく使われるカクテル用メジャーカップは30ml/45mlですが、ショートサイズグラスに入れる分量が60mlくらいなので、IBMレシピであればウィスキーとアマレット・ディサローノを30mlずつ、アマレット・ディサローノレシピであれば、ウィスキー45mlとアマレット・ディサローノを22.5ml(45mlの1/2)を入れるイメージです。
ウィスキーの味わいを強くしたい場合は、ウィスキー45mlとアマレット・ディサローノ15ml(30mlの1/2)で作るとよいでしょう。この割合で作るバーテンダーも多くいますし、この割合を好む人も多くさまざまなサイトで紹介される作り方ではこの3:1の割合が多いです。
ウィスキーとアマレット・ディサローノを入れたらカクテル用バースプーンで混ぜます。香りが立つまで混ぜるとよいといいます。ところで、この混ぜるという作業をステアすると表現している作り方も見かけます。他にビルドすると表現しているレシピもあります。
プロのカクテル技法によれば、このステアするとビルドするは異なる作業で、使う道具も違います。ステアするは、冷やしたミキシング用グラスに氷と材料をいれてバースプーンでかき混ぜます。そして氷はストレーナーという道具で抑えてグラスに入らないようにするそうです。
一方ビルドするは、氷と材料をグラスに入れてバースプーンで氷が溶けないように手早くかき混ぜます。ゴッドファーザーの作り方を見てみると、ビルドするがより適切な表現です。ただ、バーによってはステアする作り方をする所もあるようです。その方が氷にかかる負担が少なくお酒が緩まなくていいのだそうです。
選ぶウィスキーの種類で味わいが変わる!
シンプルなカクテルなので、ウィスキーの味わいがカクテルの味わいを左右します。ウィスキーを普段から愛飲している人は、いつも飲んでいるウィスキーでゴッドファーザーを作ってみるのもよいでしょう。
スコッチウィスキーでゴッドファーザーを作るのであれば、バンライン・ファイネスト、デュワーズ・ホワイトラベル、ジョニーウォーカー・レッドラベル、ライフロイグ10年がおすすめです。いずれも広く売られて入手しやすいスコッチウィスキーです。
バンライン・ファイネストはバニラや蜂蜜を思わせる華やかな香りと豊かでなめらかな味わいがするので、アマレットと相性がよいです
デュワーズ・ホワイトラベルは、スパイシーな味わいとマイルドさがバランスよく両立されているので、アマレットの甘みをしっかり受け止めます。よりアマレットを味わいたい人にはおすすめのスコッチウィスキーです。
ジョニーウォーカー・レッドラベルは、ウィスキー界の王者といわれるほど知名度の高い佳酒です。全体として穏やかでマイルドな味わいの中にわずかにスモーキーな味わいがあり、アマレットと混ぜると複雑な香りと味わいが楽しめます。
ライフロイグ10年は、スモーキーでもよいとされるピート香が強いウィスキーとして知られています。ピートとは植物が積み重なって長い年月をかけて炭化した泥炭のことです。かすかに磯の香りや海藻を思わせるユニークな後味もします。その個性的な味わいが、アマレットと組み合わさることでマイルドに親しみやすくなるそうです。
アメリカの代表的なウイスキーバーボンで作るのであれば、メーカーズマーク・レッドトップがおすすめです。小麦由来のふっくらと柔らかな甘みが特徴で、アマレットとの相性もばっちりです。ボトルが赤い蝋で封印していて、なんだか血を連想させます。ゴッドファーザーの雰囲気をより楽しめるボトルかもしれません。
さらにカクテルから映画の世界に浸りたい場合は、もう一つのアメリカの代表的なウィスキージャックダニエルブラック(No7)がよいです。シナトラ生誕100年を記念して製造されたシナトラセレクトを使えばなおいいかもしれません。ウィスキー多めの4:1の割合で作るのがおすすめです。
ジャックダニエルは、ゴッドファーザーの主人公マイケル・コルリオーネを演じたアル・パチーノがアカデミー賞主演男優賞を取った映画セント・オブ・ウーマンでもアル・パチーノが演じる主人公の愛飲するお酒でもあります。またシャイニングというホラー映画でも主人公が飲むシーンがあり、映画に関係の深いお酒です。ジャックダニエルはバーボンの一種として紹介されることもありますが、厳密にはバーボンではないそうです。
また、日本のウィスキーをつかってみるものよいでしょう。日本のウィスキーはスコッチウィスキーの作り方を再現するところから始まっているといいます。
ゴッドファーザーカクテルの度数とその他カクテル
ゴッドファーザーの気になる度数と、ゴッドファーザーから派生したカクテルを紹介します。
ゴッドファーザーはかなり度数の高いカクテル
ウィスキーの度数は40度から45度です。一方ディサローノ・アマレットの度数は28度です。なので、2つのお酒の配分にもよりますが、氷があまり溶けてない状態で飲むと想定するとかなり度数の高いカクテルです。
ウィスキーをウォッカに変えると「ゴッドマザー」
ゴッドファーザーのレシピのウィスキーをウォッカに変えたカクテルをゴッドマザーといいます。IBAのカクテルリストにもゴッドファーザーとともに掲載されています。作り方はウィスキーをウォッカに変えるだけで全く同じです。
ウィスキーを無味無臭のウォッカに変えることで、アマレットの杏仁の香りと味が引き立ちます。ウォッカもスミルノフ、アブソルート、グレイズースト各種あるので、いろいろ飲み比べるとよいかもしれません。
ウォッカの度数は40度が多いですが、銘柄によって異なります。中には90度を超えるものもあり、最高度数は96度という銘柄もあります。カクテルにすると飲み口がいい割りに度数が高いので注意しましょう。
ウィスキーをブランデーに変えると「フレンチ・コネクション」
ゴッドファーザーからの派生カクテルはもう一つあります。ウィスキーをブランデーに変えたカクテルをフレンチ・コネクションといいます。IBAのカクテルリストにもゴッドファーザーとともに掲載されています。作り方はウィスキーをブランデーに変えるだけで全く同じです。
甘口で度数が高いことから寝る前に飲むナイトキャップとして広く親しまれています。フランスらしい味わいにしたい場合は、ブランデーの中でもレミー・マルタンやヘネシーなどのコニャックやアルマニャックを使うといいかもしれません。
ブランデーの度数は38~42度といいますが、銘柄によっては50度くらいの度数のものもあります。飲み口はマイルドですが、度数はウィスキーと同じくらいなので注意が必要です。
ゴッドファーザーカクテルは映画を見ながら優雅に!
カクテルを飲みながら映画の世界に浸れるシネマカクテル、ゴッドファーザーの作り方や楽しみ方を見てきました。カクテルを味わいながら映画を見直してみてもいいですし、過去に見た映画の世界観に浸りながらカクテルの味わってもいいですし、週末やちょっとした夜のひと時を優雅に過ごせる一品になりそうです。