焼き鳥のハツはどこの部位?栄養やカロリーなど詳しく紹介!
焼き鳥屋や居酒屋で食べる「ハツ」とは鶏のどこの部位か知っていますか?独特の弾力があって歯ごたえが楽しめるハツですが、実はとても栄養豊富な食材です。どんな栄養が含まれているのか、その栄養がどんな働きをしているのか、ハツのカロリーはどれくらいあるのか、ダイエット中のおすすめの食べ方は?など、ハツのことを詳しく紹介します。ハツのことをもっと知って、より美味しく焼き鳥を楽しみましょう。
焼き鳥のハツがどこの部位か知っている?
日本の味として外国の方にも大人気の焼き鳥には、いろいろなメニューがあります。ビールと一緒に食べる焼き鳥は最高ですね。焼き鳥メニューの「モモ」、「ムネ」、「つくね」、「ねぎま」などのうち、お好きな部位はどこでしょうか?
焼き鳥のうち一番人気は、やはり何といっても食べ応えがあってジューシーな「モモ」ですが、独特の弾力がある「ハツ」も、意外と人気が高いものです。では、この「ハツ」、鶏のどの部位なのでしょうか?
焼き鳥のハツは鶏の心臓のこと
焼き鳥のハツとは、ずばり、鶏の心臓のことです。「心臓=hearts(ハーツ)」が訛って「ハツ」になったと言われています。全身に血液を送るための強い筋肉でできている心臓ですので、ハツは焼き鳥の中でもしっかりとした歯ごたえのある部位です。
1羽の鶏からハツは1つしかとれません。首の部分の「せせり」や、食道にあたる「さえずり」などと同じく、焼き鳥の中では希少部位と言えます。焼き鳥はタレか塩で味を付けますが、弾力のあるハツは塩でさっぱりといただくことをおすすめします。塩の方がハツの食感が際立ちますし、カロリーも低く抑えることができます。
焼き鳥のハツは栄養価が高くて女性にもおすすめの部位
焼き鳥のハツに含まれる鉄分で貧血を予防しよう
ハツはとても栄養豊富な食材です。焼き鳥のハツには、鉄分・ビタミンA(レチノール)・ビタミンB群などが多く含まれています。特に鉄分は、牛や豚のハツよりも、鶏のハツの方が豊富です。鉄は、血液中で全身に酸素を運ぶヘモグロビンの重要な材料であり、鉄が不足すると貧血を引き起こしてしまいます。
貧血になると、身体全体に酸素がいきわたらなくなるため疲れやすく、めまいや動悸、息切れ、頭痛などの症状が出てきます。サプリで積極的に鉄分を補充する方法もありますが、できれば毎日の食事からしっかりと鉄分を摂りたいもの。ハツを食べて貧血を予防しましょう。
鉄分の1日の必要摂取量は男性10mg、女性12mgですが、2016年の国民健康栄養調査によると、日本人の1日の平均鉄分摂取量は男性7.2mg、女性6.6mgです。かつての和食中心だった食生活が変化してきた結果、現代の日本人は十分に鉄分が摂れておらず、貧血になりやすくなっていることが指摘されています。
では、鉄分の多い食材にはどんなものがあるのでしょうか。豚レバーや鶏レバーはよく知られていますが、その他にも、ハマグリの佃煮、豆味噌、ホヤ、アユ、シジミ、いわしの丸干しなどが挙げられます。
鉄分というと、ほうれん草をイメージする方が多いかもしれません。しかし、ほうれん草に含まれる鉄分は100g中に0.9mg。つまり、ほうれん草1束(約200g)を全部食べても、摂れる鉄分は1.8mgほどになります。思ったより少ない印象があるのではないでしょうか。
対して、焼き鳥のハツ1本(約30g)に含まれる鉄分は1.5mgほど。しかも、魚や肉に含まれる鉄分は、野菜や貝、穀物に含まれる鉄分よりも身体に吸収されやすいという性質があります。ハツを食べることで、良質な鉄分をたっぷりと摂ることができます。貧血予防のために、美味しい焼き鳥のハツを食べましょう。
糖質を分解するナイアシンが含まれる
ハツに豊富に含まれる栄養には、ビタミンB群である「ナイアシン」もあります。ナイアシンは体内で働く数百種類もの酵素を活性化させる働きがあり、糖類や脂質を体内で利用できる形に作り変えたり、アルコールや有毒物質を分解したりするのを助けています。
ナイアシンが不足すると、倦怠感を感じたり、肌荒れ、二日酔いなどの症状が出てくることがあります。つまり、ビールのおつまみに焼き鳥のハツを食べると、ハツに含まれるナイアシンが疲れを和らげ、肌をきれいにして、アルコールを残りにくくしてくれる、と言えます。
ナイアシンは糖質を分解することでダイエット効率に影響するだけではなく、近年は「若返りのビタミン」とも呼ばれ、加齢によって衰えた臓器や皮膚などを細胞レベルで修復できる可能性が注目されています。高齢マウスへの投与実験では、糖尿病の回復傾向や、筋力の再生化促進効果が報告されています。
積極的にナイアシンを摂ることで、若々しく、元気に、過ごせます。ナイアシンの1日あたりの摂取推進量は男性で15mg、女性で12mgほどですが、ハツには100gあたり6mgのナイアシンが含まれます。100gでほぼ1日に必要なナイアシンの半分を摂ることができます。焼き鳥を食べるときには、ぜひ、ハツも食べましょう。
ハツには葉酸もたっぷり!
ナイアシンと同じくビタミンB群に属する「葉酸」もハツには多く含まれます。葉酸は、ビタミンB12と一緒に赤血球の生産を助け、DNAやたんぱく質の合成を進めたり、細胞の生産や再生を助ける働きを持っているため、特に胎児にとってはとても重要な栄養成分となります。また、最近の研究では葉酸が虚血性心疾患の予防に効くと言われています。
葉酸の含有量は、ハツよりもレバーの方が30倍も多いのですが、特に妊娠中はレバーの食感や臭いがダメという方もおられます。妊娠中や妊活中の女性はぜひ、栄養豊富な焼き鳥を、その中でもハツを、積極的に取り入れてみてください。
ハツにはレチノールも含まれる
ハツには「レチノール」も多く含まれています。レチノールとはビタミンAのことで、免疫力強化や、皮膚や粘膜を健康に保つ効果、動脈硬化予防などの働きがあります。肌内部のコラーゲン生成を促進したり、毛穴を目立ちにくくするなど、エイジングケアに効果的だとして、化粧品にも配合される成分です。
ただし、レチノールは脂溶性ビタミンであるため、摂りすぎると体内に蓄積しやすくなります。過剰な摂取は身体に害を及ぼします。特に妊娠中のレチノールの過剰摂取には注意が必要です。20代から60代女性の1日のレチノール摂取推奨量は700μgで、これはハツ100gのレチノール含量に当たります。ハツは1日100gまで、が適量のようです。
焼き鳥のハツのカロリーが気になる
焼き鳥のハツは低カロリーだが食べ過ぎ禁物
焼き鳥とビールの相性はとてもよく、ついつい食べてしまうもの。当然、カロリーも気になります。焼き鳥の塩とタレとで比較をすると、甘辛いタレの方がカロリーは高めです。焼き鳥の部位別のカロリーを1本あたりいくらかを見てみましょう。
皮(塩)153キロカロリー・手羽(タレ)113キロカロリー、モモ(タレ)97キロカロリー、つくね(タレ)91キロカロリー、ねぎま(塩)72キロカロリー、ハツ(塩)64キロカロリー、レバー(タレ)41キロカロリー、砂肝(塩)34キロカロリー、軟骨(塩)24キロカロリー となっています。
ハツは焼き鳥の中でも比較的、カロリーの低い部位だということが分かります。ただし、先ほどのレチノールのところでも紹介したように、食べ過ぎると身体に悪影響を及ぼしますので、カロリーが低いからと言って食べ過ぎは禁物です。焼き鳥のハツ1本は約30gで、ハツは1日に100g程度が限度ですので、1日にハツは3本まで、としましょう。
焼き鳥のハツのダイエット中の上手な食べ方
焼き鳥はダイエット中に食べても安心です。その理由は、焼くときに余分な脂が落ちること、1本ずつ食べていくこともあり消化に時間がかかること、腹持ちがよいこと、鶏肉は低糖質な食材であること、などが挙げられます。また、食べた串の数が目に見えるので食べ過ぎの防止にもなります。
更にダイエットを気にするなら、焼き鳥のタレと塩では塩を選ぶ、皮やモモ肉など脂の多い部位よりも軟骨やハツなどのカロリーの低い部位を選ぶとより効果的です。女性なら焼き鳥を10本も食べればお腹いっぱいになります。ハツだけでなく、カロリーの低い砂肝などとうまく組み合わせて食べるとよいでしょう。
焼き鳥のハツは女性に嬉しい部位だった!
焼き鳥のハツについて、その栄養やカロリーなどを紹介しました。ハツには鉄分、ナイアシン、葉酸、レチノールが豊富に含まれており、貧血防止、美肌、糖質代謝などに効果があります。また、お腹の中の赤ちゃんのためには特に大事な葉酸を多く含んでいます。カロリーも比較的低く、低糖質であるため、女性にとってハツはとても嬉しい食材です。
とはいえ、どんな食材も偏って摂りすぎるのは禁物です。焼き鳥屋さんや居酒屋で食べる焼き鳥には、ハツの他にも美味しい部位はありますし、野菜や魚介類などともうまく組み合わせて食べたいものです。ハツを上手に取り入れて、ヘルシーで若々しく、美しく過ごしましょう。