おしることぜんざいの違いとは?関西・北海道・九州など地域別特徴も紹介!

寒くなってくると甘いものが欲しくなる人が増えるのか、自動販売機にもおしるこが売られるようになります。夏には観光地でも「冷やしぜんざい」の看板を見かけます。おしることぜんざいの違いを考えると、材料はほぼ同じですが、見た目が少し違うようです。しかし、おしるこ(ぜんざい)と表記されている写真もあります。そこで、おしることぜんざいの違いを、きちんとまとめてみます。また、関西・北海道・九州など地域別の特徴も合わせて紹介します。

おしることぜんざいの違いとは?関西・北海道・九州など地域別特徴も紹介!のイメージ

目次

  1. 1おしることぜんざいの違いを知っている?
  2. 2おしることぜんざいの地域別の違い
  3. 3おしることぜんざいの名前の由来
  4. 4あんこは栄養価が高い健康食品!
  5. 5おしることぜんざいの違いを理解しよう!

おしることぜんざいの違いを知っている?

寒さが身に染みる季節になると、温かく甘いおしるこやぜんざいが欲しくなるのは、日本人ならではなのかもしれません。冬になると小豆やお餅が恋しくなってきます。しかし、おしることぜんざいの違いをきちんと説明できる人は、少ないのではないでしょうか。今回はおしることぜんざいの違いや関西・北海道・九州などの地域別のおしるこやぜんざいの特徴もまとめて紹介します。

おしることは?

一般的におしること言えば、下の写真のように小豆の汁がたくさんあり、その上にお餅や白玉団子が浮かんでいるものを思い浮かべるのではないでしょうか?寒い冬にアツアツのおしるこで温まった経験の方も多いのではないでしょうか。では、おしることは、どのように作られてるのでしょう。

おしるこは、小豆あんを水でのばして砂糖を加えて煮て作ります。自動販売機で販売されている缶入りおしるこは、このタイプです。甘いあずきの汁に、お餅や白玉団子などを加えた料理をおしることいいます。特にこしあんを使う場合には、さらしあんを使ったようです。さらしあんとは、生のこしあんを加熱乾燥させて粉末状にしたもので、こしあんは長期保存がきませんが、さらしあんは保存性が高いので、1年中使えます。

ぜんざいとは?

一方ぜんざいは、夏には氷などを浮かべた冷やしぜんざいとして売られていますが、下の写真のように小豆の粒がたくさん入っていて、白玉団子が浮かんでいるものを思い浮かべる人が多いと思います。また、お正月のお餅を使った温かいぜんざいを思い浮かべる方もいると思います。では、ぜんざいの作り方は、おしることの違いはあるのでしょうか?

ぜんざいは、こしあんを使うおしることは違い、粒あんに砂糖を加えて煮て作ります。小豆の粒々がふっくらとはじけて、あずき好きにはたまらない味と食感が楽しめます。お餅や白玉団子を入れて、少し煮積めて食べたり、焼いたお餅や茹でた白玉団子を載せて食べる場合もあります。おしることは違い、水分が少ないのもぜんざいの特徴です。全く汁気がなく、甘く煮た小豆をお餅に乗せているぜんざいもあります。

おしることぜんざいの地域別の違い

日本全国どこでもおしるこやぜんざいを食べているようですが、地域での呼び方や食べ方の違いはないのでしょうか?正月用のお餅の形が西日本(丸餅)と東日本(切り餅)では違いがあるように、おしるこやぜんざいの呼び方や作り方が地域によって違いがあるかどうか調べて、地域別にまとめてみました。

関東のおしることぜんざい

関東で「ぜんざい」といえば、お餅や白玉団子に汁気の少ない粒あん(甘いゆで小豆)をかけたものをさします。西日本の人にとっては、ぜんざいとは全く違い、驚くかもしれません。一方、関東でのおしるこは、粒あんやこしあんに砂糖と水を加えて煮たものを「おしるこ」と呼びます。こちらもお餅や白玉団子が入っていますが、粒あんのものを「田舎しるこ」、こしあんのものを「御膳しるこ」と区別し、違いをはっきりさせています。

上の写真の場合、関東では、手前の粒あんのものは「田舎しるこ」と言います。奥のこしあんのものは「御膳しるこ」と呼ぶそうです。関西や九州の人からすると、全く分からない名前なので、戸惑う人も多いのではないでしょうか?関東のお店でおしるこやぜんざいを頼む場合は、他の地域の方は名前も違いますので、メニューの表記と内容を確認して、注文するようにしてください。

関西・九州のおしることぜんざい

関西や九州は西日本と言われ、関東などの東日本とは生活スタイルや食文化が昔から大きく違います。おしるこやぜんざいの場合も、関東との違いがあるのか、またどのように違うのか調べてまとめてみました。

関西の「ぜんざい」の場合は、やわらかく煮て甘味をつけた小豆とお餅や白玉団子が入った汁物です。汁気がないものは、別の食べものとして「金時」や「亀山」と呼び、関東のぜんざいの名前と全く違います。一方、関西のおしるこは、名前の通り「汁物」で、こしあんで作られているものを「おしるこ」と呼びます。関東の人が京都へ行き、甘味屋さんでメニューを見るときは、名前が全く違いますので、写真などで確認して選んで下さい。

粒あんを乗せた餅を関西で「亀山」と呼ぶのも所説あります。大阪の天満に「亀山屋」というおしるこ屋さんがあり、そこで販売している田舎汁粉を「かめやま」という名前で売っていた説や、上等な黒豆やあずきの産地の京都丹波の亀山地方説があります。ただ、関西地方の全てで亀山と呼ぶわけではなく、亀山を知らない関西の方もいます。関西と関東では、ぜんざいの呼び方が全く違い、おもしろい食文化の違いです。

一方、九州の呼び方は、関西のおしることぜんざいとほぼ同じです。小豆の形態の違いで呼び方がかわります。こしあんの小豆を使ったものを「おしるこ」、つぶあんの小豆を使ったものを「ぜんざい」と呼んでいます。どちらもお餅や白玉団子を入れて食べます。また、砂糖を白砂糖だけでなく、ミネラルが豊富な黒砂糖を使う地域もあります。西日本地域はお餅も丸餅を使うように、おしるこやぜんざいも同じになっているようです。

北海道のおしることぜんざい

関西と九州地方をあわせた西日本は、おしることぜんざいは、ほとんど同じような呼び方と作り方でしたが、関東とは大きな違いがありました。では、本州以外の北海道ではどうなっているでしょうか?北海道のおしることぜんざいの違いを、関東や関西・九州と比べてまとめました。

北海道ではおしることぜんざいの違いは、それほどはっきりと区別していないようです。北海道の一部地域では、おしるこに白玉団子やお餅を入れる代わりに、かぼちゃを入れて「かぼちゃしるこ」として食べます。昔、北海道ではお餅や白玉団子などの原料の米が少なく、代用品としてかぼちゃを使っていたそうです。そこで、現在も「かぼちゃしるこ」が受け継がれ、伝統的なメニューとして一般的に食べられています。

また、小豆の粒がはっきりしている状態のものも「かぼちゃしるこ」や「かぼちゃぜんざい」と呼んでいます。他の地域のように小豆の状態で名前が変わることは無く、おしるこやぜんざいをどちらでも好きに使っています。おしることぜんざい両方とも特別な違いは無く、同じように使っていますので、観光で北海道を訪れたときには、北海道の美味しい小豆を堪能できますので、小豆の形態の違いをよく確認して注文してください。

北海道の「かぼちゃぜんざい」や「かぼちゃしるこ」は、1年中すぐに食べられるように、缶詰にして販売されてるほど人気です。本州や九州などではほとんど見かけませんが、それだけ北海道での需要が多いのかもしれません。お餅や白玉団子入りぜんざいと、かぼちゃ入りぜんざいの味の違いを食べ比べるのもおもしろそうです。

おしることぜんざいの名前の由来

では、一体おしることぜんざいの名前の由来はどこからきているのでしょうか?地域によっては、名前が全く違い、違うもののように呼ばれているところもありますが、おしることぜんざいの名前の由来を調べてみました。おしることぜんざいの名前の由来は諸説ありますが、その中でも有名な由来について、いくつかまとめてみました。

おしるこの名前の由来

おしるこは「お汁粉」と書き、江戸時代から日本人に大変親しまれてきた食べ物といわれています。あずき餡のお汁の中に、お餅や白玉団子などを入れて食べるので、「餡汁子餅(あんしるこもち)」とよばれていました。「餡汁子餅(あんしるこもち)」ではあまりにも名前が長いので呼びずらいため、あんしるこもちの単語が少しずつ短く省略されて、今の「お汁粉」になったといわれています。

ぜんざいの名前の由来

一方ぜんざいの名前の由来は、所説ありますが、一般的に言われているものは、「善哉(ぜんざい)」説です。これは仏教用語である「善哉」に由来するとされています。「善哉」は元々「すばらしい」を意味する仏教の言葉です。この小豆を煮て甘くしたものを食べた一休さんが、あまりのおいしさに「善哉」と叫んだことから、「ぜんざい」と呼ばれるようになったと言われています。

次は出雲地方の「神在餅」説です。全国の神様が集まってくる10月に行われる出雲地方の神事「神在祭(かみありさい)」で振る舞われた「神在餅」を由来としています。「神在餅」の「じんざい」がなまって「ぜんざい」へと変化したと考えられています。出雲弁が訛って伝えられる途中で「ぜんざい」となって、京都に伝わったという説です。出雲はぜんざい発祥の地として、10月31日を「出雲ぜんざいの日」として登録しています。

あんこは栄養価が高い健康食品!

あんこの原材料である「小豆」には、女性におすすめの効果が豊富です。小豆の約半分は炭水化物(でんぷん)で、2割がたんぱく質で構成されています。量自体は少ないのですが、小豆には良質なたんぱく質が含まれていて、筋肉や血液、臓器などを作る上で大切な要素です。小豆は脂肪分が少ないたんぱく質を持っているため、基礎代謝を上げることができるのでダイエット向きで、女性にもおすすめです。

あんこの原材料である小豆は、糖質をエネルギーに変えてくれるビタミンB1を含んでいるので、代謝を促進しダイエットにも効果があります。また、お肌を整えるビタミンB2、B6も含まれているので、美肌効果も期待できます。小豆特有のサポニンは、コレステロールや中性脂肪を抑える働きを持っているので、生活習慣病の予防に役立ちます。あんこを固めた羊羹は、栄養価が高く保存性もあるので、非常食にも最適です。

食物繊維はゴボウの3倍

食物繊維が多い野菜と言えば、ゴボウを連想しますが、あんこの原材料の小豆の食物繊維は大変豊富で、ゴボウの3倍もあるそうです。これは、女性の悩みとして多い便秘解消に大変効果がある成分として、興味深いデータです。小豆はゴボウと違い、加工してあるものも多いので、手軽に食べることができます。便秘気味の女性は、小豆やあんこを積極的に摂ることをおすすめします。

特に、小豆には便の量を増やす「不溶性食物繊維」や、血糖値の上昇を抑える「水溶性食物繊維」が含まれているので、便秘解消を望む方には、特に摂取して欲しい食材です。おしるこやぜんざいにして食べると、美味しい上に自然と小豆の食物繊維も摂取できて一石二鳥です。美味しく食べながら、便秘解消もできるのなら、おしるこやぜんざいを毎日のおやつとして食べることを効果的ですが、糖分の取りすぎには注意してください。

カリウムが豊富でむくみに効果的

小豆には便秘解消の効果だけではなく、むくみを減らす効果もあるといわれています。その注目される成分は、ミネラルの1つのカリウムです。このカリウムは、身体に溜まっている余分な水分を排出し、むくみを溜めない効果が期待できそうです。冬に座ったままでいると血流が悪くなり、足のむくみが酷くなることが多くあります。普段の食生活で積極的に小豆を取り入れてみて、むくみの違いを確かめてみてください。

また小豆にはミネラルの1つの鉄分も豊富です。生理で鉄分不足になりやすい女性に多い貧血にも、大変効果的です。生理中に甘いものが食べたくなった時に、ケーキなどの洋菓子よりも、おしるこやぜんざいはおすすめです。女性に欠かせない成分が豊富に含まれている小豆をたくさん使っているおしるこやぜんざいは、女性の健康を支える食べ物ですので、積極的に取り入れることをすすめます。

ポリフェノールでアンチエイジング効果も

ポリフェノールと言えば、ワインを思い浮かべますが、実は、小豆にもポリフェノールがたくさん含まれているそうです。小豆には「カテキングルコシド」や「アントシアニン」というポリフェノールが含まれています。このポリフェノールには、老化を促すと言われる「活性酸素」を除去する働きがあるので、アンチエイジング効果が期待できそうです。小豆をたくさん摂ることで若返り、元気で長生きしたい方におすすめです。

昔から1日と15日には赤飯を食べるように言われていたのは、先人もきっと小豆の栄養価を知っていたのでしょう。昔からお祝いには必ず赤飯を炊いて食べていたように、小さな小豆の素晴らしいパワーを人間の栄養として、日頃から取り入れていくことが大切です。おしるこやぜんざいの栄養価も知れば知るほど、もっと日常的に食べた方が良い食材といえます。

おしることぜんざいの違いを理解しよう!

おしることぜんざいの違いを調べてきましたが、日本の各地で呼び方も作り方も大きな違いがあることがわかりました。しかし、どちらも小豆と砂糖は入っています。あんこの栄養価と健康食品としての効能が素晴らしく、日本の伝統食材としてもう一度見直す必要があります。おしるこやぜんざいなどの和菓子は、ダイエット中にお菓子を食べたいときにおすすめです。洋菓子よりも脂質が少ないので、日本人の体質に合った健康食品です。

日本の伝統的な栄養価の高い健康食品の小豆を見直して、もっと日頃から食べるようにすれば、生活習慣病の予防にも役立ちます。もう一度、おしるこやぜんざいの栄養価を見直し、毎日の食生活にも取り入れていきましょう。

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