ナツメグの使い方と効果効能とは!ハンバーグに入れる理由と代用品は?
ハンバーグのレシピなどで、よく香辛料のひとつとして使われているナツメグ。どのような効能がある調味料なのか知っていますか?ナツメグをハンバーグに入れる理由と、ナツメグの効果的な使い方、ナツメグが無い場合の代用品について紹介します。
ナツメグとは
スーパーなどでは香辛料として粉末状で売られていることが多いナツメグ。元々はニクヅク科の常緑樹で、インドネシアのモルッカ諸島に含まれるバンダ諸島が原産地です。すももやアンズに似た果実をつけます。その果実の種を天日で2~3ヶ月乾燥させて割り、中身を取り出したものが私たちのよく知っている調味料、ナツメグになります。
ナツメグをハンバーグに入れる理由
ハンバーグのレシピにはナツメグが使われていることがよくあります。ナツメグには独特の甘い香りがありますが、この香り成分の一種であるオイノゲールには、においの強い食材の臭みを消す働きがあります。そして更に、挽き肉の旨味を引き立ててくれる効果もあります。そのため、本格的なハンバーグを作る際には、ナツメグはかかせない調味料となっているのです。
ナツメグの効能、効果
ナツメグは香辛料としてだけでなく、漢方薬としても使われています。ナツメグは銅やマンガンなどのミネラルが豊富で、ビタミンA、B1、B2、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、ナイアシン、リン、鉄、亜鉛などの栄養素が含まれています。ここではナツメグにどのような効能、効果があるのかを紹介します。
胃腸の調子を整える
ナツメグは漢方では胃腸炎などの薬として処方されています。ナツメグに含まれるピネンは胃の働きを正常化し、消化を助ける効能があるので食べ過ぎや胃もたれの解消に効果があります。また、整腸作用のあるミスチリンも含まれており、下痢止めとしての効能もあります。炎症の起きている粘膜への刺激を和らげる効果があるので、胃腸の弱い人は積極的にナツメグを取り入れると良いでしょう。
新陳代謝を促進して冷え性を改善
ナツメグに含まれるビタミンB1は、糖質の代謝には欠かせない栄養素です。新陳代謝が活発になり血行を促進することにより、血流が良くなりますので冷え性の改善に役立ちます。体を温めることで免疫力アップも期待できますので、風邪を引きやすい方などにもナツメグはおすすめです。また、体を温めることによって発汗も促すので、熱が出ている時にも取り入れると良いです。
口臭の予防効果
ナツメグの香り成分の一種であるオイノゲールに消臭効果があることは既にご紹介させていただきましたが、そのオイノゲールには他にも殺菌、抗菌の効果があり、歯磨き粉やマウスウォッシュなどにも使用されている成分です。口の中の細菌を退治し、細菌の増殖を抑えてくれることにより口臭の予防にもなるのです。
白髪の予防
毛髪の黒い色素は銅を元に作られています。銅などのミネラルが不足すると、健康的な黒髪が生えてこなくなったり、白髪が増えるとされています。ナツメグには、この黒い色素の元になる銅が多く含まれています。最近白髪が気になり始めたという方は、毎日の食事にナツメグを足して、ミネラルを補ってみてはいかがでしょうか?
女性の悩みにも
生理不順などの女性の悩みをお持ちの人には冷え性の方が多いと言われています。ナツメグは血流を良くする作用がありますので、冷え性を改善することにより女性の悩みにも効果が期待できます。また、ナツメグの香りには精神的な疲労を取り除くという効能もありますので、ストレスでホルモンバランスが乱れがちという女性にもおすすめです。
ナツメグの効果的な使い方
ナツメグは、コショウ、シナモン、クローブに並ぶ世界四大スパイスに挙げられる素晴らしい香辛料です。甘い香りを活かしたお菓子や、ハンバーグなどの肉料理の臭み消しに使うのが一般的な使い方です。ですが多く入れすぎてしまうと、ナツメグの香りが強く立ちすぎてしまい、料理本来の旨味を損なってしまうことになります。ここでは効果的なナツメグの使い方を紹介いたします。
ハンバーグなどの挽き肉料理に加える
ナツメグは、挽き肉料理の臭みを消すためにかかせない香辛料です。ハンバーグに使うナツメグ分量の目安としては、挽き肉100gに対して0.15~0.2gほどになります。タネを作る際に、他の調味料よりも先に加えると、より肉の臭みを抑えられます。ロールキャベツやミートボールなども挽き肉を使っていますし、カレーに加えても牛肉の臭みを抑えられます。
野菜の青臭さ取りに加える
ナツメグには、野菜の青臭さを消して、甘味を引き出すといった効果もあります。ヨーロッパでは、野菜のキッシュや野菜スープ、ポテトサラダのようなじゃがいも料理などにもナツメグをスパイスとして使っています。いつもの野菜炒めにプラスして、隠し味にナツメグを一振り、という使い方もおすすめです。
お菓子の香り付けに加える
ナツメグは、その独特の甘い香りを活かして、お菓子作りに使われることも多いです。特に、シナモンとの相性が良いので、クッキーなどに使われたり、パウンドケーキに加えられたりします。またナツメグは整腸作用がありますので、油の多い揚げドーナツなどに加えるのも効果的な使い方です。
乳製品の臭み消しとして加える
ナツメグは、タンパク臭も消してくれる効果があります。ホワイトソースやシチュー、牛乳を使ったスープなどに加えるのもおすすめの使い方です。調味料で味を調えてから、仕上げにナツメグを一振り加えてみてください。ナツメグの甘い香りは乳製品との相性が良いです。ホットミルクティーに入れると、ナツメグの効能でより身体が温まります。
アロマテラピーとして
ナツメグはアロマテラピーの精油にも使用されています。ナツメグの香りには疲労を取り除く効果があり、スパイス系の精油と良く合います。ですが、ナツメグの精油は刺激が強いので、直接肌に塗ることはおすすめできません。リラックスしたい気分の時に、水やティッシュに垂らしてテーブルの上に置いておくという使い方が良いでしょう。
ナツメグの賞味期限
ナツメグは湿気や高温、直射日光を避けて保存すれば長期間使用することができます。賞味期限は約1年ほどになります。ただ、粉末状のものは香りがすぐに飛んでしまうので、なるべく早く使い切るようにしましょう。種子のままであれば香りが飛ぶのを抑えることができます。種子のナツメグを使用する際はナツメグ・ミルを使うか、直接おろし金で挽いてから使ってください。
ナツメグの中毒症状?
様々な効果のあるナツメグですが、薬として使われているだけあって、大量に摂取した場合は中毒症状を引き起こします。生のナツメグには抗うつ剤に含まれるモノアミン酸化酵素阻害薬、向精神作用のあるミリスチシンが含まれています。ナツメグを大量に摂取すると、これらの成分によって幻覚症状やパニック、頭痛や吐き気、動悸や肝機能障害などの中毒症状を起こします。
では、具体的にどのくらい摂取すると危険なのかということですが、5g以上の摂取で嘔吐や下痢などの脱水症状が現れはじめ、10g以上の摂取で痙攣や昏睡状態が起きるとされています。致死量は2個分になります。ですが実際にナツメグを使用する量は、4人前のハンバーグを例としても僅か0.8g程度です。1g以下ということになりますので、家庭で使用する場合は特に中毒症状を心配しなくても良いでしょう。
妊娠中の摂取は控えましょう
ナツメグは基本的に大量に使用しないこと、必ず加熱することを気をつけていれば中毒症状が起きる心配はありません。ですが、子宮収縮作用があり、昔は堕胎薬として使われていたことがありますので、妊娠中の方は摂取を控えた方が良いでしょう。また、ナツメグに限ったことではありませんが、子供が間違って大量に口に入れてしまうことがないように、保管場所には気をつけてください。
ナツメグの代用品
妊娠中の方や、小さいお子さんがいて心配な方、またナツメグを切らしてしまっているという方は、他の食材でも代用することができます。元々ナツメグにはほとんど味がありません。ナツメグを使用する目的は臭い消しです。ですので、食材の臭み消し効果のある食材であればナツメグの代用品として使うことができます。
例として、コショウ、ターメリック、オールスパイス、パプリカパウダー、ニンニク、ショウガ、ワイン、ハーブ類などがナツメグの代用品として挙げられます。ですが食材によっては味をつけてしまう場合がありますので、作りたい料理に合わせて代用するものを選ぶと良いでしょう。肉類であればコショウやローズマリー、お菓子類であればシナモンやバニラエッセンスなどが味を変えず、臭いに作用するのでおすすめの代用品になります。
ナツメグについてのまとめ
ナツメグはほんの一振りを加えるだけで、料理の風味を豊かにしてくれます。何より、ナツメグにはこれだけの効能、効果がありますので、是非1つは家庭に常備しておきたいですね。今まではハンバーグにしかナツメグの使い道がなく、持て余していたという方は他の料理にもナツメグをプラスしてみてください。この機会にお菓子作りに挑戦してみるのも良いですね。是非ナツメグを活用して、手作り料理を豊かなものにしてください。