そばの薬味でおすすめはコレ!食べ方別合う種類とレシピも紹介!

更科・十割・田舎・二八など、種類はいろいろありますが、そばはそば粉を使って打った麺を、つゆにつけるかかけることで食べるシンプルな食べ方の食品です。その味にアクセントを付けたり風味を増したり、時には彩りを添えるのが薬味です。ネギやわさびといったところがスタンダードですが、そばの薬味は意外にバリエーションが多く、地方によって食べ方などが変わります。様々な薬味の種類とおすすめの食べ方、レシピについても紹介します。

そばの薬味でおすすめはコレ!食べ方別合う種類とレシピも紹介!のイメージ

目次

  1. 1そばの風味をよりよくするおすすめの薬味とは?
  2. 2そばのおすすめ薬味を紹介!
  3. 3かけそばに合う薬味の種類とレシピ
  4. 4ざるそばに合う薬味の種類とレシピ
  5. 5そばは薬味次第で様々に味わいが楽しめる!

そばの風味をよりよくするおすすめの薬味とは?

温かいそばも、冷たいそばも、すすって食べる食べ物です。そのため、食感や味だけでなく薬味の風味がその味わいに大きく影響します。また、温かいそばでは、その具材の風味を引き立てたり具材の臭みを消す効果もあります。では、どのような薬味が、どのようなそばのレシピに対して合うのでしょうか?

そばのおすすめ薬味を紹介!

シンプルな味わいから、さまざまな種類の薬味を合わせられるそばですが、代表的なものは、わさび・ねぎ・のり・しょうが・七味・しそなど、伝統的な和風の薬味です。それぞれの風味に特徴があり、香り立ち方も違うため、冷たいそばに合うものと温かいそばに合うものがあります。その違いと使い方のコツを紹介します。

ざるそばといえば香り豊かな「海苔」

「そばに海苔が載っているだけで値段が100円も違うなんておかしい」という人もいます。もりそばには海苔がなく、ざるそばには海苔があると考えている方も多いのではないでしょうか?しかし、もともとは『もり』と『ざる』の違いは海苔の有無ではありませんでした。せいろや皿に盛って出すもりそばに対し、竹笊にのせて出し、つけ汁も味醂を加えて風味を変えたものでした。海苔は目印みたいなものだったのかも知れません。

実は海苔をそばに使ったのは、冷たいおそばではなく、温かい花巻そばと呼ばれるおそばでした。かけそばに炙った揉み海苔を書けて食べるもので、磯の香りがよい風味を出すものでした。明治時代にざるそばに海苔をかけるようになったときも、当初は揉み海苔でした。老舗のお蕎麦屋にいくと、お品書きに「海苔」が載っていることがあります。見かけたら注文してみることをおすすめします。

出された小さな木箱をあけると、箱の中の網の上に四角く切った海苔がのせてあり、下に小さな炭が入っています。この中に海苔を入れておくと湿気ずにパリパリの状態を保つことができます。酒のアテとしてわさびと醤油で食べるものだそうですが、これをちぎってそばに載せると、海苔の風味が強く感じられ、そばと海苔との相性の良さを感じることができます。

青々とした「ネギ」も忘れずに

ネギも山葵や海苔とともに、そばには欠かせない薬味です。しかし、このネギにも種類があり、使う部位や切り方によって風味が異なります。白い部分の多い根深ねぎでは、そばの薬味に使うのは主に根本の白い部分です。白い部分も、根本に近い部分は甘みがあり、青い葉に近い方は辛味が強くなります。青いところが辛味が強く、硬いので、そばの薬味には使うことはほとんどありません。

白い部分は外側が硬く辛味もあるのに対し、中は柔らかく甘みがあります。温かいそばにいれるときは縦に切るか斜めに切ることで、この甘味が活きます。皮の部分は細く縦に切ってかけそばにのせると、香りも立ちます。小口に押し切ると香りと辛味がほどよく立ち上がるため、冷たい蕎麦の薬味としても強く香りが出ます。

根深ねぎとともに、あさつき(浅葱)などの青ネギも薬味として使われます。あさつきはエゾネギの変種で、香りが繊細で加熱すると香りが飛んでしまいます。日にあたった部分が食用となるため、ビタミンCMや葉酸、βカロテンなども豊富です。小口に切って冷たい蕎麦などによく合います。

「ゆず」や「七味」でキリッと

七味唐辛子はニ辛五香から成る、日本が世界に誇るミックススパイスです。辛いのは唐辛子と山椒、香りのほうでは胡麻・陳皮・麻の実・青のり・芥子の実などの5種類のスパイスから構成されます。地域におよってレシピは違うようですが似たような構成になっています。乾燥した薬味なので、どちらかというと温かいそばにいれるのがおすすめですが、陳皮や山椒という香り立ちのよいものが含まれているため、冷たいそばにも合います。

七味のうち、陳皮と山椒はミカン科の薬味です。すすって食べるそばと柑橘類は相性がよく、ゆず、かぼすなどもそばに合う薬味になります。陳皮はみかんの皮ですが、ゆずの皮を七味に入れる地域もあります。

「生姜」でピリっと体温か

わたしたちが通常「生姜」と呼んでいるものは「ひね生姜」というもので、収穫から2ヶ月以上保管し水分を飛ばしたものです。その結果、辛味が強くなり、生姜本来の香りも強くなります。すりおろすことで香りが立ち、胃腸の動きもよくなります。冷たいそばやひやむぎなどのイメージが強いと思いますが、体を温める効果があり、冬の温かいそばにおすすめです。

爽やかな香りの「大葉」

青じその葉を大葉といいますが、日本の料理に広く使われ、日本人には馴染みの深い薬味です。しっかりした葉のため、そのままでは細いそばと合わせては食べにくく、また、刻んだほうが香りが出るため、細切りにしてそばに絡めてたべます。温めると風味が変わるため、どちらかというと冷たいそばとの相性が良いようです。

ツンと鼻にぬける香りを楽しむ「わさび」

そばといえば、忘れてはいけないのはわさびでしょう。鼻にツーンと来るあの風味はわさび独特のものです。もともとは京野菜の辛味大根を使っていたところ、手に入りにくいことからその代用として使われるようになったといわれています。その香りの強さもさることながら、その香り成分は食品に含まれるビタミンB1の吸収をアップします。

わさびもダイコンもアブラナ科の根菜で、鼻にツーンと来る揮発性の辛味成分をもっています。北海道では、スーパーでも「山わさび」という商品を目にしますが、ホースラディッシュの一種で、ツーンと来る強い辛味が特徴です。香りと辛味がすぐに飛んでしまうため、食べる直前にすりおろすのがおすすめ。わさびが鮫皮で円を描くようにおろすのに対し、山わさびは荒いおろし金でがりがりとおろします。冷たいお蕎麦によく合います。

かけそばに合う薬味の種類とレシピ

そばの食べ方としては、温かい汁をかけて食べるかけそばと、冷たい汁につけて食べるざるそばに大きくわかれます。温かい蕎麦は麺とともに薬味もあたためてしまうため、香りのしっかりした力強い薬味がよく合います。かけそばのレシピと、それにあう薬味を紹介します。

温玉と七味が絶妙「楽チンかけそば」

さっぱりとしたそばに、温泉卵をいれるだけで、卵黄の持つコクがそばの風味を包み込みます。生卵と違って、くずれても、つゆのなかにとけてつゆの風味を損なわないことが温泉卵のよいところです。たまごはそばに違う風合いを加え、つゆをまろやかにしますが、薬味がほかに無いと、味がぼやっとして単調になってしまいます。香りと辛味を持つ七味をいれると味がしまります。

ぽかぽか温まる「しょうが風味かけそば」

岩下の新生姜はCMで有名ですが、その岩下食品の本拠地である栃木県では、その新生姜の甘酢漬けをそばの薬味にも使います。新生姜の柔らかくなめらかな食感と辛味が、食欲をそそります。薬味というより具材のようなボリュームでのせますが、これにかき揚げやコロッケなどの揚げ物を加えても、生姜の風味のためにしつこい感じがありません。

ひね生姜は水分が飛んているため繊維も硬く辛味も新生姜より強いため、すりおろしたり細切りにして使われます。香りがつよいため、豚肉や牛肉などの臭みを抑えて、そばにマッチさせる効果があります。肉そばなどにいれると、そばと具材の肉との間をとりもってくれます。

香り薬味が上品「揚げなすとみょうがの冷し蕎麦」

ナスの素揚げに輪切りにしたみょうがを添え、お好みでごま油をのせたぶっかけそばです。ナスは意外にもいい出汁が出ます。ナスが美味しい秋に、きのこ類などを一緒に炒めて、つゆを入れてひと煮立ちさせたものをつゆにして、あたたかいかけそばも美味しいものです。

ざるそばに合う薬味の種類とレシピ

ざるそばは、一部を除き、冷たい汁に冷たいおそばをつけて食べるのが基本です。暖めないので香り立ちが早く、フレッシュな香りの薬味がよく合います。また、そばを「つけて」食べるため、つけ汁の風味でも味や薬味との相性が変わります。冷たいそばに合う薬味を考えてみましょう。

温かいおつゆでほっこり「温か焼き鳥ネギ汁のざるそば」

鶏肉から出た脂がつけ汁が冷めるのを防ぐ効果もあります。冷たい蕎麦をつけているのに体がほかほかと温かくなります。作り方も簡単で、フライパンに一口大に切った鶏もも肉を入れて焼き、火が通ったら4cmほどに切った白ネギをいれて焦げ目がつくまで焼きます。そこにめんつゆを入れてひと煮立ちさせたものをつけ汁にします。

焼いたネギと鶏の風味がなんともいえない風味です。このレシピを鴨肉に変えたのが鴨せいろです。そば自体はせいろに乗るため、ざる・もりそばの一種ではありますが、つゆが温かいため七味などがよく合います。冬に嬉しいレシピです。

青シソや大根おろしでさらに絶品「長芋ざるそば」

すりおろした長芋と梅雨の素を合わせ、ざるそばの汁にします。シンプルなレシピですが、冷たいそばによく絡んでつるつるとした食感です。小ねぎの小口切りや大葉を細切りして添えると、それが長いもにも絡んで風味を増します。

長芋は擦ってネバネバにしてもよし、切ってもシャキシャキぬるぬるとした食感があり、冷たいそばによく合います。そばに絡めて食べると美味しいため、ぶっかけそばにするとレシピの幅が広がります。卵黄やうずらの卵をそえると、味にコクがでて、一層おいしくいただけます。大根おろしやだし(山形)を合わせたレシピも、さっぱりとして夏に美味しいそばです。

ヘルシー変わりダネな「豆乳ざる蕎麦」

シンプルで簡単、かつヘルシーなレシピです。昆布つゆ(濃縮タイプ)と豆乳を合わせてつけ汁にします。濃縮タイプのつゆを豆乳で薄めるイメージです。冷たいざるそばによく合います。豆乳は比較的どの薬味とも合いますが、おすすめは大葉と胡麻です。つゆもよく冷やしてください。

そばは薬味次第で様々に味わいが楽しめる!

そばは、米やうどんと並び、日本人の代表的な主食です。産地も北は北海道から南は鹿児島まで、かなり広範囲に拡がっています。どの産地でもそば粉を主体とした「そば」を作っているのは同じですが、その背景にある風土や食生活の違いから、薬味やつゆにはバリエーションが豊富です。そば粉そのものにも豊かな風味がありますが、合わせた素材の風味を損なわないそばには、まだまだいろいろな可能性がありそうです。

関連するまとめ

新着一覧

最近公開されたまとめ