エルブジの料理を東京で味わえる！レストラン出身のシェフのお店を紹介！

みなさんは高級なレストランと聞いてどのようなことが思い浮かびますか？ミシュランで星を獲得している、有名なシェフが料理を作っている、厳選された素材のみを使って料理をしている、などと思い浮かぶと思います。今回はそのどれにも当てはまり、なおかつ斬新なアイデアで一躍世界的に有名になったスペインのレストランであるエルブジでシェフとして料理をしていた人たちの東京のお店について紹介していきたいと思います。

そもそもエルブジとは一体何なのでしょうか。おそらく、美食家の人や高級レストランに行き馴れている人からしたらエルブジというレストランについて知っていると思います。しかし、多くの人がスペインのエルブジというレストランを知らないのは確かです。単純に、エルブジは世界最高のレストランと言っても過言ではありません。なので、まず初めにエルブジとはどのような料理店か説明していきたいと思います。

エルブジとは、ヨーロッパのスペインがバルセロナにお店を構えていたレストランです。しかし、スペインでは普通のレストランではありませんでした。エルブジは2002年に「世界のレストラン50選」でなんと第1位になったことのあるレストランです。そして、2006年から2010年にかけて4年連続で世界のレストラン50選において第1位になったことのある世界的にとても人気のあるレストランでした。

そして、このレストランが普通のレストランとは全く違うといわれた所以があります。それは、予約が全く取れないことです。エルブジが2002年に世界のレストラン50選において第1位になってからその人気はスペインやヨーロッパ全土だけではなく世界中にエルブジの名を轟かせました。さらに、インターネットが本格的に普及し始めたことと、4年連続で世界のレストラン50選で第1位に輝いたことが予約の難しさに拍車をかけました。

その予約の難しさは有名なミュージシャンのライブチケット抽選とは比になりませんでした。2010年以降、基本的に半年は予約が埋まっているという状態になっていたのです。ピークの時は1年以上も予約が埋まっていたそうです。スペインでは、予約がほぼ不可能に感じてしまったことから、「予約不可能なレストラン」や「幻のレストラン」などと呼ばれるようになりました。そのくらい有名なレストランになっています。

世界的に有名なレストランであるエルブジですが、2011年7月30日にある理由で惜しまれながらエルブジを閉店しました。なので、今からエルブジで食事をすることができません。このニュースは多くの美食家だけではなく、世界各地で名を挙げていたシェフたちにも衝撃が走りました。しかし、エルブジでシェフを務めていた人たちはエルブジで養った経験を生かして、今では世界各地でお店を開いているそうです。

例えば、エルブジがあったスペインのバルセロナではエルブジの料理長兼オーナーだったフェラン・アドリア氏の料理を継承したシェフたちが次々にお店を出店しました。同じスペインのバルセロナにある「チケッツ（TICKETS）」というお店は、タパスという小皿料理をエルブジのテーマでもあった分子ガストロノミーをよりカジュアルに味わえるお店です。チケッツには平日でも大行列ができになるほど大盛況なお店になっています。

次は、エルブジで修行をした経験を持っている日本人シェフがオーナーのお店について紹介していきたいと思います。どのお店も東京都内にあります。東京都内にお店を構えていますが景観重視で選んでいるお店ばかりなので、東京だからうるさいということはありません。アクセスも悪くないので、良かったらぜひ参考にしてみてください。

まず初めに紹介する日本人シェフのお店は、麻布十番にある「山田チカラ」というお店です。こちらのお店はシェフの山田チカラさんの名前がそのまま店名になっているのです。山田チカラさんはエルブジが大盛況だった時にシェフとして料理を出していたのです。そして、帰国後に茶道を新たに始めて、その茶道のアイデアを山田チカラさんの料理に加えていったそうです。「楽しいひとときを過ごしてもらいたい」というのがモットーです。

もちろん、山田チカラでにはエルブジのアイデアが生き生きとしています。亜酸化窒素ガスを使うことで、食材をムースのようにすることができる「エスプーマ料理」や、液体窒素を使ってで瞬間冷却し、粉末状にしたフォアグラに温かいコンソメスープをかける「キノア」という料理などを提供しています。食事の最後には、別室にある茶室へ移動して、でお茶をいただく事ができます。和のテイストを取り入れている人気のお店です。

山田チカラは南麻布の静かな住宅街の中にお店を構えています。店内には、カウンター8席と茶室のみとなっており、完全予約制です。そして、予約の際にはシェフが直接お客様からの話を聞いてくれます。人それぞれにあった料理を提供することが目的だからだそうです。アクセスは、麻布十番駅から歩いて10分ほど、白金高輪駅からは歩いて12分ほど、広尾駅からは歩いて15分ほどの場所にあります。ぜひ行ってみてください。

次に紹介する日本人シェフのお店は、恐らく今まで紹介したお店の中でも一番有名な「セララバアド」です。「エル・ブジ」をはじめとして、スペインやデンマークで修行をした経験を持っている橋本宏一シェフがオーナーのお店です。セララバアドは2015年にオープンされたばかりの比較的新しいお店です。これまでに学んだテクニックと、シェフがこだわりをもって丁寧に作り上げた食材を使った独創的な料理を堪能することができます。

セララバアドは、カジュアルな雰囲気の店内になっています。なので、高級レストランのように気張って行く必要がないのが魅力的です。画像上段・中央の「朝露」という緑色の料理は、薄い膜で包んだじゅんさいと昆布茶を中央にのせてあります。このように、味だけではなく見ためでも楽しむことができます。上の画像以外にも、さまざまな料理があります。

そして、セララバアドの一番の魅力は料理だけではありません。セララバアドが提供しているコースメニューは、ディナーが税別10000円、土曜日に提供しているランチコースは税別7500円と他のハイエンドレストランとは比べ物にならないくらい低価格になっています。実は、この値段でも開店当初よりも値上がりした値段だそうです。そのため、予約は半年先まで埋まっているのが普通になっているそうです。

セララバアドは東京メトロ千代田線、または小田急小田原線の代々木上原駅の北口から歩いて8分ほどの場所にお店があります。もしくは、小田急小田原線・代々木八幡駅から歩いて8分ほどの場所です。そこは、閑静な住宅街の中にぽつんとセララバアドがあります。店内はカウンター2席、テーブル12席、テラス2席となっています。隠れ家のような雰囲気で、楽しく食事をする事ができます。予約必須なのでお気を付けください。

次に紹介するお店は、東京はGINZA SIXの銀座大食堂にある、山田チカラシェフがメニューを手掛けるお店「築地バル with 魚力」です。こちらでは、新鮮な魚介を使った料理である「マリネ・スモーク・サラダ・刺身」などや、「ステーキ・地鶏のたたき・北京ダック」などの肉料理も提供しています。「築地バル with 魚力」のオーナーは山田チカラさんではありませんが、山田チカラさんのアイデアが詰まった料理があります。

画像の料理は「寿司屋の2種玉子焼き」です。こちらの料理は築地バル with 魚介では定番の料理になっています。見ためだけではなく食感にもギミックが詰まっていて、目でも舌でも楽しめる1品となっています。また、こちらのお店は「魚介バル」というスタイルになっています。なので、山田チカラさんが考えたメニューと一緒に、シャンパンなどのアルコール類もを気軽に楽しむことができます。

築地バル with 魚介の営業時間は午前11時から午後11時30分までとなっています。そして、ラストオーダーは午後10時までになっていますが、ドリンクのラストオーダーは午後10時30分までとなっています。ユニークな料理と美味しいお酒を楽しみたいという人はぜひ築地バル with 魚介へ足を運んでみてください。

次に紹介する日本人シェフがいるお店は、広尾にある81（エイティワン）というレストランです。こちらにはエルブジを始めとした名だたるレストランで修行をした永島健志シェフがオーナーのお店です。2012年に西池袋にエイティワンをオープンしました。その後、2015年に現在の西麻布に移転しました。こちらは、美味しいだけではなく「面白かった」と言われるように工夫を凝らしています。

エイティワンでは日本人シェフによるまるでショーのような演出だけではなく、料理に合わせた音楽などを楽しむことができます。まるで劇場型のお店です。エイティワンでおすすめのデザートは、画像の上段中央の「カルボナーラの再構築」という料理は、チーズと生クリームの上に白いトリュフオイルを注入した半熟玉子が乗っている料理で、玉子を割る時の音や、香りとまろやかさなどが楽しめます。

エイティワンは東京メトロ日比谷線広尾駅から8分ほど歩くと、コートヤードHIROOにあります。エイティワンは完全予約制となっており、午後5時からと午後9時からの「開演」となります。シェフによる「公演」というスタイルなのでメニューは選べませ。店内には、12席しかありません。しかし、席が少ないが故にその時の特別感と非日常を味わう事ができます。予約が大変なほど人気のお店となっています。

次に紹介する日本人シェフがオーナーのお店は「ルエ ヴェル ロール」です。こちらのお店は2014年にオープンしたお店です。エルブジを始めとした世界中の有名なお店で修業をしてきた中井慎太郎さんが2017年2月までシェフを勤めていました。修行経験を活かして国際色豊かなモダンフレンチを提供していました。2017年3月からは新たなシェフが就任し、今はフレンチにイタリアンなどの技術を使った料理をいただく事ができます。

東京にあるエルブジで料理をしていた日本人シェフがオーナーのお店を紹介してきました。どの日本人シェフもエルブジで学んできたことを生かしているレストランになっています。しかし、エルブジが生んだスペイン発の料理法とは一体何なのでしょうか。今回はその料理方法について紹介していきたいと思います。

世界一のレストランであるエルブジで行っていた料理の土台となっているのは分子ガストロノミーです。おそらく多くの人が聞きなれない単語だと思います。分子ガストロノミーというのは化学や計算という視点から料理を捉える分野になります。先ほど紹介した日本人シェフがオーナーのレストランにも分子ガストロノミーの要素があります。そして、エルブジは分子ガストロノミーにおいては世界最高峰でした。

分子ガストロノミーを語る上で、物理や化学などの分野は切っても切り離せないほど密接な関係があります。例えば、血液を血小板とそれ以外に分けることができる遠心分離機を料理に使います。それ以外にも、液体水素を材料が入った瓶にいれて急速冷凍させたり、煙を一気に送り込むことで急速にスモークさせる調理法もあります。そうすることによってレアっぽい燻製肉を作ることが可能になります。

分子ガストロノミーについて説明をしてきました。そして、そんな明らかに難しい分子ガストロノミーを駆使して料理をしていたエルブジはかつては世界一のレストランになったにもかかわらず、2011年にお店をたたんでしまいました。今回はお店をたたんだ理由とエルブジの料理長のその後について解説していきたいと思います。

エルブジが閉店した理由は公式に発表されています。エルブジの料理長がさらなる料理研究のためにエルブジを閉店したのです。そんなことあり得るのかと思う人がいると思います。しかし、エルブジは年間の半年だけお店をオープンしており、残りの半年は料理の研究に費やしているほどのレストランです。なので、エルブジのコース料理には毎回オリジナリティに富んだガストロノミー料理が出てきたのです。

公式には分子ガストロノミー料理の更なる研究のためにエルブジを閉店したといわれています。しかし、一説にはそれだけではないかもしれないといわれています。エルブジの料理長は新しく料理指南書の決定版を出版する計画があるかもしれません。これは半ば信じがたいですが、半年かけて料理の研究をしているお店です。そして、世界一のレストランに通算で5度も輝いているエルブジの料理長なら十分にあり得る話です。

いかがでしたか。今回は東京にあるスペインのエルブジで料理の修行をしてきた日本人シェフがオーナーのお店について紹介してきました。また、エルブジの基礎であり、日本人シェフが学んできた分子ガストロノミーについても紹介してきました。エルブジが閉店した理由についても説明をしてきました。今ではエルブジの料理は食べれませんが、東京でエルブジの料理を学んだ日本人シェフの料理を食べることができます。