新米の時期は産地で違う!北海道から九州の出荷時期と美味しい炊き方は?

そろそろ新米の時期も終わりに近づいてきましたが、もう今年の新米を味わいましたか?秋の旬の味覚でもある新米は、夏が終わり十分に栄養を蓄え、私たちの元へと運ばれてきます。新米の時期にはその他の秋の味覚たちも店頭に並び、益々食欲をそそられます。また新米を食べることで、これから冬が近づいてくるなという、季節の移り変わりを感じることもできます。そんな新米の産地ごとの時期や、新米と呼べる時期の定義とは何でしょうか?美味しい新米の炊き方などを紹介したいと思います。

新米の時期は産地で違う!北海道から九州の出荷時期と美味しい炊き方は?のイメージ

目次

  1. 1新米の時期を産地ごとに紹介!
  2. 2新米の沖縄や九州地方の出荷時期
  3. 3新米の関西・関東地方の出荷時期
  4. 4新米の新潟地方の出荷時期
  5. 5新米の東北地方の出荷時期
  6. 6新米の北海道の出荷時期
  7. 7新米についてと新米の美味しい炊き方
  8. 8新米の時期を知っているとより美味しいお米が食べられる!

新米の時期を産地ごとに紹介!

うだるように暑かった夏も気づけば終わり、心地よい秋の季節ももう終わりに近づいてきました。それと共に、新米の時期もそろそろ終わりです。しかしまだまだ新米の美味しさを愉しむことが出来ますので、各産地ごとの新米の出荷時期や新米の定義について知り、上手な炊き方を覚えて新米の香りと艶やかさ、瑞々しさを最大限に引き出して食べてみませんか?

新米の沖縄や九州地方の出荷時期

真冬に新米が獲れる?ハウス栽培で日本一早い新米

新米の時期と言うと昔から秋と決まっていたものです。しかし、世の中の常識を覆すような米を生産し、真冬である2月上旬に稲刈りを行うというから、世の中の変化に驚くばかりで、情報についていくのがやっとと言う人も少なくないことでしょう。しかもこの日本一早い新米の値段にも驚かされます。2017年度の魚沼産コシヒカリの約18倍の価格である、1俵30万円だったそうです。

この日本一早い新米は、2017年の年末時点ですでに売約済みだったそうで、この日本一早い新米を生産する取り組みをしたのは、千葉県木更津市のJA木更津市です。ビニールハウスの中に水田を作り、ベテランの稲作農家などの専門家にアドバイスを受け、そのノウハウを活かして日本一早い新米の生産を行ったそうです。

6月~8月頃で日本一早い新米の時期

今年の6月、沖縄県の八重山で日本一早い新米である、八重山産ひとめぼれが収穫されました。また石垣島と竹富町西表島で収穫された新米も販売されました。八重山では2月上旬から田植えが始まり、1期米の収穫が5月20日ごろから始まり、5月31日までにおよそ116トンの収穫があったそうです。また6月末までに収穫されたお米を合算すると、850トンもの収穫があるそうです。

自然栽培で日本一早く収穫のできる、超早場米として人気のお米でもあります。日本では旬の一番新しいものを縁起物とする習慣が昔からあり、この沖縄の早場米をJALの機内食で出されたこともあったそうです。

沖縄や九州地方の代表的なお米は?

沖縄県の代表的なお米には、3銘柄のお米があります。まずは皆さんも良く聞く名前かと思いますが、日本全国の作付けランキングにおいても、常に上位に位置しているひとめぼれです。沖縄県産のひとめぼれは、本州のものに比べると、やや穂丈が短いのが特徴です。これは、台風の多い沖縄ならではの対策で、出来るだけ台風で倒れる稲を少なくしたいということで、改良が行われたそうです。

またしっかりとした歯ごたえと粘りがあり、粒の大きさもやや小粒で、新米ならでわのふくよかな香りもしっかりとしていて、味に遜色はありません。しかし沖縄県の気温の高さから、米の品質の低下が早いので、日本一早い新米として旬を味わい、出来るだけ早めに消費することをおすすめします。沖縄県では6月から新米の出荷が始まり、7月ごろまで収穫が出来ます。

次にミルキーサマーという品種も沖縄で作られています。ミルキーサマーは、一般的なお米(うるち米)と比較すると、粘りが強くて冷めても固くなりにくいのが特徴のお米です。お弁当やおにぎりに適した品種と言えるでしょう。沖縄の西表島の農家が2011年から栽培に取り組み、2014年に初めて新米を発売したそうです。そして2015年に県産米銘柄に設定され、西表島産ミルキーサマーとして販売されました。

このミルキーサマーが新ブランドとして定着したことで、全国の米どころの新米と競合して、販売が限定的だった2期米の時期に差別化ができ、沖縄の農家の所得向上にも繋がった品種でもあります。ミルキーサマーはこうして、2015年から本格的に作られるようになった品種で、西表島の大自然で農薬を使わずに生産されている農家もあります。

そして三つ目の品種が、沖縄県オリジナルの品種であるちゅらひかりです。ちゅらひかりは炊きあがった時の香りが大変強く、小さめの米粒で粘り気があり、噛み応えがあるのが特徴です。名前の由来は、沖縄の方言で美しいという意味の「ちゅら」と、沖縄の美しい光のように輝くお米というイメージから、ちゅらひかりと名付けられたそうです。

以上の3品種が沖縄県で主に作られているお米の品種ですが、その中でもひとめぼれが圧倒的に作付面積が多く、その次にちゅらひかりとなっています。沖縄は超早場米の5月末から出荷が始まり7月上旬まで続き、二回目の出荷時期が10月末~11月までと年に2回出荷時期があります。

そして九州の代表的なお米は?と言うと、ヒノヒカリです。九州で代表的なヒノヒカリはコシヒカリ、ひとめぼれに続き、作付面積が日本で三番目に多い品種です。小粒のあっさりとしたお米で、冷めても美味しくあらゆる料理に合わせやすいのと、コシヒカリよりも価格が安い為、主に飲食店を中心に人気のあるお米です。九州の中でも熊本の「菊鹿町産ヒノヒカリ」は2017年に特Aランクとなりました。

ヒノヒカリの主な産地は、九州地方が多く、熊本県・福岡県・佐賀県・大分県と、九州地方の代表的なお米であり、西日本で広く食べられています。ヒノヒカリの名前の由来は、西九州を現す太陽である「日」と、米が光り輝くさまからヒノヒカリと名付けられたそうです。東北以北ではあまり聞き慣れないお米で、関東エリアではあまり知られていないようですが、中国・四国地方でも広く作付けされている品種です。

またもう一つ九州を代表するお米として、熊本県から誕生したお米で、森のくまさんという品種も美味しいお米です。九州を代表する森のくまさんは、コシヒカリとヒノヒカリのいいところを受け継いだお米です。熊本で平成元年から8年もの歳月をかけて開発され、平成9年から本格的に栽培されるようになりますた。森の都、熊本で生産されたお米ということから、森のくまさんと名付けられたそうです。

やや細めの米粒が特徴であり、穂に籾が沢山つく、豊かな実りも森のくまさんの特徴です。また、2010年度から5年連続で特Aランクを獲得し、2017年度にも特A評価を獲得しているお米で九州の自慢のお米です。しっかりと弾力があり、食感ももちもちしていて粘りの強いお米で、炊き上がりの風味や味が優れていて、艶やかな大変バランスの良いお米です。

九州地方のお米の出荷時期は、沖縄の次に早い8月のはじめごろから始まります。九州産の新米が店頭に並び始めると、本格的な新米の季節の始まりを感じさせる時期にもなります。九州を皮切りに、ここから本州の新米の出荷が少しずつ北上していきます。

沖縄の稲作の歴史

沖縄で稲作が行われていた起源は明らかではありませんが、定説では7~8世紀ごろからと言われています。玉城村に受水走水の水田が、沖縄の稲作発祥の地と言われており、現在の今帰仁村の使者が唐から稲の種子を持って帰り、水田を作って琉球中に広めたようです。それから戦前までは盛んに稲作が沖縄で行われていましたが、戦後安い米が輸入されるようになり稲作は衰退していきます。

また砂糖の価格が高騰し、稲作からサトウキビ栽培へと変えていった農家も多く、現在では石垣島などで作られており、生産量はそう多くはありません。

新米の関西・関東地方の出荷時期

8月下旬~9月初旬

関西や関東地方では8月下旬から9月の初めごろの時期になると、大々的に店頭で新米という文字を目にするようになります。新米が出始めると秋の到来を感じることができ、それに合わせて様々な秋の旬の食材も店頭に並び、食欲の秋の時期となります。本格的に稲刈りが関西や関東で行われる新米の時期は、9月中旬から下旬にかけてが、ピークの時期となっています。

関西・関東地方の代表的なお米は?

まず関西地方で代表的なお米として挙げるなら、酒米の生産量が日本一の兵庫県で作られている「山田錦」でしょう。山田錦は一流の日本酒造りには欠かせない材料としても名が知られている酒米の王様です。酒米は通常のお米よりも粒が大きい傾向にあります。これは日本酒を作る工程の中で米の表面を削る工程があり、小さな米では砕けてしまうからです。

またどんなお米にもある、米の中心部分の心白(しんぱく)という白色不透明の部分は、タンパク質があまり含まれておらず、磨いても砕けにくく粘度の高い、醪(もろみ)に溶けやすい性質を持っています。この心白の部分が多いお米の方が、日本酒造りに適しています。またご飯として食べた時の、旨味であるタンパク質や脂肪は、日本酒になると雑味や苦みとして現れます。

こういった条件をクリアしており、日本最大の酒どころでもある兵庫県で、全体の9割以上の山田錦が生産されているそうです。では次に食用のお米として関西の代表的なお米とは、何処の何というお米でしょう?それは京都の北部に位置する関西で一番の米所、丹後産のコシヒカリです。日本穀物検定協会が実施する食味ランキングで特A獲得の通算回数が、西日本最多記録を更新中のお米です。

日本海と山に囲まれた、自然豊かな京都府丹後地方は、夏は暑く冬は寒く、昼夜の寒暖差が大きいという特有の丹後地方の気候であり、清涼な水が山々から流れ出ており、豊かな土壌に恵まれた稲作にとって、最高の条件を備えている地域です。こうしたいくつもの恵まれた条件を満たした丹後地方で作られたコシヒカリは、上質な甘みがあり、艶やかで粘りのある、毎日食べても飽きの来ない美味しいお米です。

そして関西の代表的なお米で次におすすめなのが近江米です。近江とは滋賀県のことですが、滋賀県も米作りには最適な環境と言われています。日本で一番大きい湖である琵琶湖を抱える滋賀県では、豊富な水源に甘んじることなく、土づくりや周辺環境にも優しい米づくりに取り組んでおられます。滋賀県では主にコシヒカリ・キヌヒカリ・日本晴などが作られており、滋賀県でとれたお米の総称が近江米です。

約10年前から環境に拘った、環境こだわり米と呼ばれる、安心・安全・美味しい滋賀県のブランド米の栽培を始め、現在では40%もの水田面積で環境こだわり米が栽培されています。科学合成農薬や化学肥料の使用量を、5割以上削減し、濁水の流出防止など環境への配慮をしたお米の栽培面積が、日本全国でトップクラスの地域でもあります。

そして関東で代表的なお米には、北条米といすみ米、多古米などがあります。北条米は茨城県つくば市の筑波山麓産コシヒカリで、特別に栽培されたお米のことで、昭和初期には皇室に献上されていたお米でもあります。つくば市農業協同組合では筑波北条米として商標登録し、菅原精米工業は小田原北条米として商標登録しています。

筑波山から流れるミネラルをたっぷりと含んだ水が、北条米の旨味を引き出し、穂が成熟する時期になると昼夜の寒暖差も大きくなるため、美味しい米に出来上がる環境にあります。北条米の中でも特にレンゲソウを使用した有機農法で栽培している米のことを、まぼろしの北条米として、拘りのお米としてブランド化されいたり、米を使ったアイスクリームなども商店街の活性化として売られています。

次に関東の代表的なお米として、いすみ米も挙げられます。いすみ米は、マグネシウムをバランス良く含んでいる粘土質の土壌で作られているため、甘くて粘り気の強い美味しいお米が出来上がります。中でも夷隅地域で作られている、いすみ米は献上米として扱われていた歴史もあるお米です。冷めても味が落ちない、おにぎりやお弁当にもおすすめのお米です。

そして多古米も関東を代表するお米ですが、おかずが要らないほど美味しいと、寿司職人もシャリなら多古米と絶賛するほど美味しいお米です。この多古米も献上米としての歴史があり、江戸時代には徳川幕府に献上していたり、昭和38年には天皇陛下献上米として選ばれました。また平成26年度に皇室献上米に選定されるほどの、大変美味しいお米です。

新米の新潟地方の出荷時期

9月初旬~下旬頃

米どころである新潟地方での新米の出荷時期は、9月初旬から下旬にかけてです。美味しいお米と言えば、魚沼産コシヒカリが有名で、この魚沼産コシヒカリとは新潟県の魚沼産のコシヒカリのことを言います。お米に拘りの少ない人でも、魚沼産コシヒカリの名前は知っているのではないでしょうか?

魚沼産コシヒカリが有名!

魚沼産コシヒカリは、新潟県の魚沼地域で収穫されるコシヒカリであり、平成元年から28年連続で、食味ランキング特Aを獲得し続ている唯一のブランド米です。日本で有数の豪雪地帯の魚沼では、積雪が3mを超えることも珍しくなく、魚沼を囲む山々からのミネラルをたっぷりと含んだ雪解け水により、夏でも冷たく清冽な水が、土壌の温度が上昇するのを抑えてくれ、稲の活力となります。

扇状地で、やややせた土壌がこしひかりの育成過剰を抑えることで、倒れにくく良質なコシヒカリを育てます。また1000mを超える山々に囲まれた魚沼は、昼夜の温度差が大きく平均気温もコシヒカリに適した気温であるため、美味しいコシヒカリが育ちます。さらに品質の追求、安心・安全の追求、技の追求など美味しい米づくりへのたゆまぬ努力と情熱により、魚沼産コシヒカリを作り続ている地域です。

米所富山県のコシヒカリはお米の中の最優秀米!

富山県とは米どころであもあり、富山の氷見漁港の魚に、富山をはじめて訪れた人がまず目を奪われる、3000メートル級の山々が連なる立山連峰、また富山市役所の展望塔は無料で360度のパノラマで絶景が愉しめたり、富山市の西部にある呉羽山から望める富山市街と立山連峰に夜景と大変魅力的な地域です。その他にも富山には沢山の魅力があり、幸福度ランキングでも常に上位にあるのが富山です。

富山湾は奇跡の地形と言われており、標高3000mの北アルプスから、一気に水深が1000mにまで達する、高低差4000mの世界でも類を見ない地形となっています。この急峻な地形のおかげで漁場と港の距離が大変近いため、天然の生簀のようなものであり、魚と言えば富山と言う人が圧倒的に多いほど恵まれた地域です。北アルプスの雪解け水は豊富な栄養素を含んでおり、富山の土壌も大変肥沃なところです。

また雪解け水で冷たいことも稲の活力を高め、コシヒカリにとって最も美味しくなる平均気温が25度であること、日照時間の確保、土に栄養を含む扇状地など、富山には美味しい米が出来る条件が揃っています。その上、富山では田植えの時期や6月上旬の溝堀と中干しの徹底、適正な収穫と乾燥その他米作りに対して徹底した品質への拘りに取り組んでおられます。

富山には平成30年に誕生したブランド米で、富山米のブランド力の強化のために開発を続けてきた新品種、「富富富」と書いてふふふが誕生しました。この名称の由来は、富山の水・富山の大地・富山の人が育てた富山づくしのお米で、食べるとついふふふと微笑んでしまい、豊かさやめでたさに繋がる富という想いが込められています。

新米の東北地方の出荷時期

10月頃にたくさんのブランド米が出荷

東北では10月ごろが新米の時期で、日本でも有数のブランド米が集まっているエリアです。主だった有名な東北のブランド米が、次々に収穫され全国へと出荷されていきます。数多くある東北のブランド米の数々を紹介してみます。

東北地方の代表的なお米は?

東北地方は日本有数の米どころですので、代表的なお米は沢山ありすぎます。したがって各県一挙に紹介をしたいと思います。まず青森県では、つかるロマンやまっしぐら、岩手県で特Aを獲得した一番人気は、ひとめぼれです。次に宮城県ではキヌヒカリ・ひとめぼれ・ササニシキなど24種類ものブランド米が作られていますが、特Aを獲得したのは、ひとめぼれです。

また山形県でもミルキークイーン・里のうた・さわのはな・どまんなかなど22種類のブランド米が作られていますが、特Aを獲得したブランド米は、コシヒカリ・はえぬき・つや姫の3種類です。そして秋田県では、岩手県から九州地方まで広く栽培されるようになった、あきたこまちが生み出したブランド米です。

新米の北海道の出荷時期

9月上旬~下旬頃

北海道での新米の出荷時期は9月上旬から下旬にかけて行われます。不毛の大地と呼ばれた北海道での米作りはマイナスから始まったそうです。北海道で初めて米を作った記録が残っているのは、1692年の渡島地方です。そして1873年、北海道稲作の父と呼ばれる中山久蔵氏が、赤毛という品種で、厳しい環境の北海道での米作りに成功しました。1980年から美味しい北海道米育成のプロジェクトが開始されました。

北海道の代表的なお米は?

1988年北海道米のイメージを一新し、全国から注目を集めたのが、きらら397です。それから13年後に、冷めても美味しい北海道米の、ななつぼしが誕生します。ななつぼしは粘りが長持ちする品種で、北海道米のイメージを更に新しく切り開くきっかけとなった品種でもあります。2003年には、本州の気候に近い北海道の南部で、厳しい栽培基準を定めたり、産地を限定したふっくりんこが誕生しました。

2008年、北海道米の自信作であり、北海道だけでとどまらずに日本を代表するお米となった、ゆめぴりかが誕生しました。厳しい環境にある北海道でも、他府県に負けないくらいに美味しいお米を作りたいという、熱い情熱からゆめぴりかとななつぼしは生み出され、2011年には食味ランキング最高位の特Aを獲得しました。

2013年には北海道米の北海道内食率を上げる為に、「米チェン!」や「北海道米LOVE」などのキャンペーンによって、91%の北海道内食率にまで到達しました。そして2017年には、北海道米の品質を裏付けることとなる、ゆめぴりか・ななつぼし・ふっくりんこの3品種が食味ランキング特Aを連続で獲得したのです。

時代とともに変化する米の常識

各地域の代表的なお米を紹介しましたが、九州や北海道で特Aのブランド米が誕生し、東北や魚沼に富山、山形、秋田などのお米が美味しいという常識が変化しつつあります。九州地方では佐賀の「さがびより」、福岡の「元気つくし」などが特Aを獲得しています。暖かい地域の米は美味しくないとう常識も覆り、九州の米がどんどん美味しくなっています。

九州のブランド米が美味しくなっているのは、高温対策が旨味をプラスできたからということと、消費者が美味しいお米を求めるようになり、美味しくなければ売れないからです。全国的に米の質が上がってきているのは確かな現実です。飽食の時代が過ぎ、美味しくて体に良い食材が注目を浴びるようになったのも、米の質が上がった理由でもあるでしょう。

新米についてと新米の美味しい炊き方

新米と呼ばれるための定義とは?

新米と呼ばれるためには、法律で定められた定義があり、収穫した年のお米が新米であるという、米穀年度によって新米と古米の境目が決められている、食品管理法に基づいたものと、収穫・精米された時期によって新米とするJAS法に基づいた新米の定義とがあります。

米穀年度によって新米の時期が決められている

食品管理法では米穀年度というものが決められており、新米の収穫時期に合わせ、11月から始まって翌年の10月までを一年間とするものです。つまり、米穀年度によると、11月以降に収穫されたお米をその年の新米と呼ばれますので、そこから翌年の10月までは新米と呼ぶことができます。しかし、品種改良の進んだ現在では、7月から8月に収穫が出来る早生米が多く生産されるようになりました。

そうすると11月よりも早い時期に収穫する産地が多くなり、全国的に10月末までに収穫が終わる農家が増えています。同じ年に収穫したお米であっても、11月以前に収穫されたお米が新米と呼べる時期が殆どなく、実情に即していないという意見もあります。

収穫した年の年末までに精米されたもの

新米とは、いつからいつまでのお米を新米と言うのでしょうか?ざっくりと秋ごろに店頭に並ぶ、その年に収穫されたお米が新米というイメージがあり、スーパーで新米という表示がされているのを見て判断されている人が多いのではないでしょうか?実際に新米とはどういう概念があるのかを、きちんと説明できる人は少ないのではないかと思います。

まず新米と表記したり、新米として売ることができるのは収穫された年の年末までに精米されたお米が、新米として表記していいようです。ちなみにJAS法で定義されている新米とは、収穫した年の12月31日までに精米され包装されたもの、という風に限定されています。新米シールが貼ってあっても、新米というPOPがあっても、新米かどうかは精米された年月日や、何年度産などの表記を確認しましょう。

正確にJAS法に記載されている新米の時期の定義とは、玄米及び精米品質表示基準の中で決められており、収穫された年の年末までに精白し、梱包をした玄米や精米のみ新米の表示ができると定義されています。

産地で変わる新米の時期

新米と呼ばれるための定義が二つの法律によって決められていますが、その大もとでもある産地による新米の収穫時期の違いを比べてみましょう。まず気温の高い南の地域から新米は収穫されていきますが、宮崎県のヒノヒカリの新米が8月上旬、静岡県なつしずかの新米も8月上旬、茨木県のあきたこまちの新米が9月上旬、富山県のコシヒカリの新米が9月下旬、新潟県のコシヒカリの新米が9月下旬です。

また宮城県のひとめぼれの新米は10月上旬、北海道のななつぼしが10月下旬となっています。このように新米の収穫時期は地域によって2~3か月の違いがあり、台風の時期を避けるように改良された早生米は、これらの収穫時期よりも1か月ほど早く新米の収穫が出来ます。

美味しい新米を選ぶポイント

新米として呼べる定義が法律で決められていますが、新米と表記されていれば美味しいのでしょうか?確かに新米は古米よりも水分量や鮮度など様々な面からみると、美味しい条件は揃っています。しかし新米であっても管理が悪かったり、精米してから月日が大きく過ぎていたりすると、味も風味も落ちてしまいます。これでは新米の価値が台無しです。

前述した通り、新米の時期は新米に対する考え方によって違うということが分かりました。ただし、どちらの考え方にも共通して言えることは、新米を収穫してから月日が浅いものを新米とする定義です。区切られた新米と呼べる時期によって、その日を境にして新米と表示できなくなりますが、実際には玄米の状態で保管方法がきっちりとされていれば、味に大きな差が出るわけではありません。

新米であるかどうかも重要ですが、精米時期も新米の味を大きく左右するポイントと言えます。JAS法で義務付けられている精米年月日や、玄米の調整年月日の表示をチェックして、新米という表記のみに踊らされることなく、美味しいお米を選ぶ情報を知っておくのも大変重要なポイントとなります。古来からお米を主食としてきた日本人が新米に拘る気持ちは、大変素晴らしいことと思います。

新米ならではの豊かな香りや、柔らかさなど新米でしか味わえない、旬を愉しむ文化であり、旬のものを食べることが、人の体にとっても理にかなっていることを、自然と身に着けてきた日本人の食文化でもあります。全国の新米の時期が違っていることを上手く利用すれば、数か月にわたって新米を愉しむことが出来るとも言えます。

お米ができるまでの流れ

まず3月に、お米を作るには、よい種を選ぶことから始まります。中身がしっかりと詰まった重い粒が良いとされています。塩水に種を浸けると中身のつまっていない種が浮いてきますので、沈んだ種を選びます。そしてよく洗ったら、袋に小分けして60度の温水に浸けたり、薬剤を使ったりして殺菌を行います。種の入ったもみ袋を2週間ほど水に浸けて、しっかりと給水させてから温度管理を行い芽を出させます。

4月ごろに種まきと発芽を行い、5月ごろには田に水を入れてから、ロータリーでかき混ぜながら、土をドロッとさせます。土の表面を平らにならす代かきを行います。そうしたら等間隔で真っすぐに、ムラがないように苗を植えて行きます。現在は機械で田植えを行いますが、手作業だった昔は家族総出で数日間かけて行っていたそうです。

7月になると稲がある程度育ってきますので、田んぼの水を抜き、土を乾燥させます。稲の根っこを空気に触れさせることで、土の中に酸素が補給されます。稲穂が出てくる時期には、数日おきに水を入れては抜いてという作業を行い、稲の状態を見ながら均一に成長するよう追肥をします。9月になると黄金色に色づき、稲穂が実り垂れてくると稲刈りの時期になります。

こうして刈り取られた稲は、脱穀してモミだけを取ります。これを精米すると新米として、出荷されていきます。9月に収穫された新米は、そこから3か月間新米として食卓に上がります。

新米の美味しい炊き方が知りたい!

折角の新米ですから、同じ食べるなら美味しく炊き上がる炊き方が出来た方が、更に美味しくお米をいただけるというものです。新米でなくても、上手な炊き方を知っていれば、最大限に米の旨味を引き出すことが出来ます。逆に採れたての新米であっても、間違った炊き方をしてしまうと、美味しく炊き上がりません。これは大変もったいない話です。

新米を炊く際に一番注意が必要なのが水加減と言われています。収穫されたばかりの新米は柔らかく、普段炊いているお米よりも、水加減を減らしたり浸ける時間も減らす必要があります。新米の水加減は、通常の分量より10%減らした量が目安です。

炊飯器の釜に付いている目盛りで説明するならば、各合数の太い目盛りよりも1mmか2mmほど下の水加減で炊いてみて、好きな硬さに仕上がるよう調整をしてみてください。また、水に浸けておく時間は20分もあれば十分です。新米は長時間水に浸すと、炊き上がりが柔らか過ぎることがあります。炊飯器の種類によっては、全く水に浸す必要のないものもあります。

また研ぎ方は、古米と同じ研ぎ方で構いません。あと氷などで冷やしたりした水を使って炊くことも重要なポイントです。収穫したての新米は柔らかいので、米がふやけやすいため味を損ないやすくなっています。冷たい水から炊飯することで、米がふやけるのを防ぐことが出来ます。このよな新米の特徴から、柔らかくてコシのない米というマイナスイメージを持つ人も少なくありません。

しかし採れたての新米は旬の縁起物であり、瑞々しさや鼻から抜ける何とも言えない香りのよさ、艶や照りはこの新米の時期にしか味わうことが出来ない貴重なものです。

新米の時期を知っているとより美味しいお米が食べられる!

ハウス栽培の2月が新米の時期というお米は、まだまだ希少で高価なものですので、なかなか口にすることは難しいかもしれませんが、沖縄や九州から北海道まで日本全国で新米の出荷時期が違っており、それぞれの産地のお米の特徴も様々でした。何処の産地で何時収穫され、何時精米されたかが分かれば、美味しい新米を上手に数か月間食べることが出来ます。

今回得た知識を是非フル活用し、また新米の正しい炊き方で好みの水加減を調整して、新米の良さを最大限に引き出した美味しいお米をたっぷりと味わってみましょう!

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