2018年10月05日公開
2024年08月08日更新
ボルシチとはロシアの定番料理!どんな味のスープかレシピも紹介!
ボルシチと聞くとどんな料理を連想しますか?どんな味を連想しますか?ボルシチとはロシアでよく食べられている料理です。最近でこそ料理店でみかけるものの、名前は知っていても具体的にどんなものか説明できる人は少ないでしょう。ボルシチとは、鮮やかな赤紫色をしたスープです。見た目にインパクトがあり、一度見たら忘れられない料理です。今回はボルシチの歴史や使われている材料を見ながら、その魅力に迫っていきます。
目次
ボルシチとはロシアのどんな料理なのか知りたい!
ボルシチとはロシアでよく食べられているスープです。と冒頭で紹介しましたが、ボルシチとはロシアのいったいどんなスープでしょうか?国を代表する料理といえば、日本は寿司や味噌汁であったりアメリカはハンバーガーやステーキであったりと想像しやすいですが、ロシアといえばボルシチというくらい、実はボルシチとはロシアを代表する料理です。
ボルシチとはどんな料理か調査
ボルシチとは実はウクライナの料理
ボルシチとはロシアを代表する料理と言いながらそれを否定するようなことを書きますが、正確に言うとボルシチとはウクライナの料理です。ウクライナはロシアの隣にある国ですが、ボルシチとはその近辺のベラルーシやモルドバ、ルーマニアなど東欧諸国で普及したスープを指します。ボルシチとは、煮込み料理の中でもスープ料理に分類されます。
ボルシチの歴史は古く、中世にまでさかのぼります。ボルシチとは煮込み料理に分類されますが、ウクライナでは煮込み料理が発展して後に述べるビーツを入れるようになり、その名前が「ボルシチ」になりました。ボルシチのキーワードはビーツです。冬がとても寒い地域なので、煮込む料理が圧倒的に多いウクライナですが、その中でもボルシチのレシピは何十種類もあるくらい昔から食べられている料理です。
その料理ボルシチがロシアに伝わったのが19世紀頃と言われています。ロシアも東欧諸国と気候が似ているため、煮込み料理であるボルシチは大変人気を博し今日のボルシチに至っています。ロシアは土地が広大なため、実はボルシチにも地域地域での発展に違いがみられます。材料や作り方が多様なため、地域によってかなり味が違うことも特徴です。
しかしそれでも「ボルシチ」として世界中から認識されている理由には、ボルシチには必ず使われる素材というものがあるからです。どのボルシチを見てもそれはすぐわかるでしょう。そう、あの鮮やかな赤紫色。どのボルシチにも、あの鮮やかな紫色を出す食材「ビーツ」が使用されていることが特徴です。ボルシチとは、ビーツなくしては成り立たないスープともいえます。
ボルシチの赤い色はビーツの色 ・ボルシチとはサワークリームを添えて食べるもの
ビーツは見た目カブのように見えますが、実はホウレンソウの仲間です。スーパーの野菜売り場で見かけることはまだまだ少ないですが、最近では加熱済みのレトルトパウチを取り扱うスーパーも増えてきました。なんだか敷居が高いと感じるかもしれませんが実際はとても調理しやすい野菜です。
ビーツの見た目での特徴はなんといってもその色と、そして断面が渦を巻いたようになっていることです。この色は、ビーツに含まれるベタシアニンというポリフェノールの一種が赤紫色なのでこのような色をしています。ではどんな味でしょうか?味はショ糖を含んでいるため甘く、加熱することによってさらに甘みが増します。食感はよく大根にたとえられますが、見た目の印象の強さとはうらはらにイモのように優しい味です。
そしてもう一つ、ボルシチとはサワークリームを添えて食べることが特徴的です。サワークリームとは、生クリームに乳酸菌を加えて発酵させたものです。こう説明するとよくわかりにくいですが、自宅ではヨーグルトやクリームチーズを使って簡単に作ることができるので、難しく考えることはありません。ボルシチとは、意外に身近なスープです。
ボルシチは英語でなんていう?
さてそれでは、ボルシチとは?その名前について紹介します。ボルシチとは日本語での呼ばれ方ですが、ロシア語ではボルシュ、ウクライナ語ではボルシュツと呼ばれています。ボルシチは英語でBorscht、ボールシュトと言います。実は日本で呼ばれる「ボルシチ」とは、ウクライナ語なのです。
ボルシチとはどんな味のスープかレシピを紹介!
では具体的にボルシチとはどんな味のスープでしょうか?これまで説明した限りでは甘く優しい味を想像しますが、具体的なレシピを紹介しながら見ていきましょう。
ボルシチに必要な材料を用意しよう
ボルシチとは、ビーツ、肉、ブイヨン、野菜、塩コショウ、サワークリームなどから作られる料理を指します。ビーツ以外はどのスーパーでも手に入りますが、ビーツはスーパーに取り扱いがない場合はインターネットで簡単に手に入ります。
基本のボルシチのレシピ
ボルシチとはロシアの中でも地域によって使う材料が違ったり様々なな作り方がある料理ですが、ここでは基本的な作り方を紹介します。煮込み料理のため、最初に準備をしてしまえばあとは簡単です。材料はシチュー用牛肉400g、水6カップ、ビーツ小2個、ニンニク1かけ、たまねぎ1/2個、セロリ1/2本、人参1/2本、キャベツ2枚、トマト小2個、塩小さじ1、こしょう少々、サワークリームとディル(ハーブ)が適量です。
まずシチュー用牛肉と水を鍋に入れて火にかけ、煮立ったらアクを取ってから弱火にして40~50分くらい煮ます。ビーツは皮をむいて乱切り、ニンニクはすりおろして、たまねぎはくし型に切ります。セロリは薄切り、人参は乱切り、キャベツは一口大に切ります。トマトは皮が固いので、皮をむいてざく切りにします。
分量外のバター30gを溶かした鍋にニンニク、たまねぎ、セロリに人参、キャベツを加えてバターがなじむまで炒めたらビーツとトマトを入れてさらに炒めます。そこに、最初にシチュー用牛肉を煮たスープのみを加えて弱火にし、30分くらい煮ます。最後にシチュー用牛肉を鍋に入れて、塩コショウで味を調えたらできあがりです。盛り付けてサワークリームをかけ、ディルを添えます。
ボルシチを作るうえで覚えておきたいことがひとつあります。それは、ビーツは長時間煮込むと色が褪せやすいということです。ビーツの鮮やかな色を残したい場合は煮込む時間を最低限にしましょう。いかがでしたか?想像した以上に簡単ではないでしょうか?作り方だけを見るとカレーやシチューに似ています。
ボルシチはあまり味がしない?
ところでボルシチの味についてですが、ボルシチとはいったいどんな味がすると思いますか?料理をされるかたは基本のボルシチのレシピを見て気づいたかもしれません。実はボルシチとはこれといった調味料を使っていません。ベースは牛肉を煮込んだスープ=ブイヨンです。
ボルシチとは食材の旨みを存分に楽しめる料理
ボルシチとは薄味のスープです。ポピュラーな料理でたとえると、フランス料理のポトフといったところでしょうか。薄味だからこそ、それぞれの素材の旨みが生かされ、各素材の風味が楽しめるスープです。
ボルシチのスープのベースはブイヨン
ボルシチのスープのベースはブイヨンです。ブイヨン。よく聞きますがどんなものか、どんな味がするか、ご存じですか?ブイヨンは「素材を煮込んだ煮出し汁」を指します。そういう意味では味付けは塩コショウのみになります。だからボルシチは薄味なのです。ブイヨンだからこそ、ボルシチが成り立つのです。
ボルシチの簡単アレンジレシピ
ボルシチが薄味だという事は、アレンジもしやすいです。基本的に素材の味が生かされたスープなのでどんな味にも変化できる、ということです。ボルシチとは煮込み料理なのでたくさん作るとおいしいのですが、作りすぎて余ったときなどのために、簡単なアレンジレシピを紹介します。
ほっこりボルシチグラタン
じゃがいも2個、たまねぎ1/2個は適当な大きさに切りフライパンで焼いておきます。そのフライパンに残ったボルシチを加えて、弱火で混ぜながら小麦粉大さじ3杯、牛乳大さじ3杯を加えて混ぜます。バターを塗ったクラタン皿に具材を流し入れて、チーズ、コーヒーフレッシュを適量かけてオーブンで焼き上げます。すでに火が通っている具材ばかりなので、オーブンは焦げ目がつく程度で大丈夫です。
ボルシチスパゲティ
こちらは余ったボルシチにパスタ1人前(90g)を入れて柔らかくなるまで煮込んで、ピザ用チーズを加えたら出来上がりです。ボルシチの水分が少ないようであれば水とコンソメを足します。スープだから成せる技。とても簡単です。
ボルシチリゾット
ボルシチにご飯を加えて煮込み、生クリームを少し加えるだけです。ご飯を加えるので、味が薄く感じたら塩を足して味を調えます。ビーツの特徴がら普段白いご飯を食べている私たちにとっては少し奇妙に映りますが、ボルシチの薄味はリゾットにも活用できます。
ボルシチとはロシアで古くから愛される温かい家庭の味
ご存じのとおりロシアはとても寒い国です。寒い国では煮込み料理自体が暖を取れる理由からも発展し、ボルシチの定着も納得がいきます。身体の芯から温まるスープは各家庭でも材料の種類を始め切り方まで、かなり違ったものになるとも言われています。食卓で身近に味わえるロシアのボルシチを作ってみませんか?