給湯器の水漏れの原因と対処法を詳しく解説!自分で修理できる?
普段の生活に欠かせない給湯器ですが、色々な原因で水漏れが起こってしまう場合があります。問題がないものから重大な問題を抱えていると思われる水漏れまで主に3つの原因が考えられますが、そのそれぞれについて見分け方と対処法を説明しています。また、給湯器を修理することになった場合のことも言及しています。修理代金は高いですが自分でやろうとして思わぬ事故を招くよりはいいでしょう。いざという時のために、必要な知識を持っておきましょう。
給湯器の水漏れは故障率ナンバー1
給湯器のトラブルで一番多いのが、給湯器の水漏れだと言われています。給湯器の水漏れは、配管やゴムパッキンが劣化しているサインである可能性があり、最悪の場合は不完全燃焼を起こしているサインのこともあります。一方、危険ではない水漏れもあります。素人判断は禁物ですが、いざという時に慌てないように水漏れの主要な原因と対処法を知っておきましょう。
給湯器の水漏れトラブルはなぜ起こる?
給湯器の水漏れには、主に以下の3つの原因が考えられます。その各原因に対して、問題と対処法、予防方法などを紹介します。
給湯器の水漏れ原因:劣化
第1に考えられるのは「劣化」です。給湯器はほぼ毎日使うもので、7年~10年経つと内部の部品などが痛んでくると言われています。もちろん、使用頻度が低い場合はもっと長期間持つ場合も考えられますが、設置から10年以上たった給湯器はいつ壊れてもおかしくないと思っておいた方がよさそうです。劣化が原因で壊れやすいのは主にゴムパッキンで、そこが破損すると水漏れを起こすということになります。
賃貸の住宅に住んでいる人の多くは、使っている給湯器が何年使われているのかわからないでしょう。そんなときは、大家や管理会社に連絡をとって確認してもらうか、製造会社に照会してもらった方が安心でしょう。
給湯器の水漏れ原因:長時間使用していない
次に考えられるのは、「長期間使っていなかったことによる減圧」です。旅行などで長期間家を留守にした場合、給湯器内の圧が上がってしまうことがあり、内部の減圧のために水抜き栓から水が漏れるということがあります。ここで重要なのは、この原因で水が漏れるのは水抜き栓からということです。あとでも述べますが、水抜き栓からの水漏れで必要以上に慌ててしまうのは避けたいところです。
減圧のための水漏れだと見分けるコツは、お湯が出るかどうかです。お湯を出してみて、問題なくお湯が出た場合はそのまま様子をみましょう。ただし、北国などの寒い地域では、長期間使用していないと水が凍ることがあります。水は液体から固形になると容積が増し、配管やパッキンを壊してしまうことがあります。寒い地域で長期間給湯器を使わなかった場合は、念のため業者に見てもらった方がよさそうです。
給湯器の水漏れ原因:整備不良
最後に考えられるのは、整備不良です。特に、取り付けて間もなく水漏れがする場合は多くがこの原因で考えられるそうです。ここで重要なのは、取り付け工事をした業者に見てもらった方がいいということです。整備不良での修理なら、よほどの業者でない限り、無料で修理をしてくれます。他の業者に修理を頼んでしまうと、料金がかかってしまうので注意しましょう。
水抜き栓からの水漏れは問題ない?
長期間使用していない場合、で紹介したように、水抜き栓からの水漏れは問題ない場合が多いようです。長期間家を留守にした場合に起こる減圧によって水漏れが起こることがあり、その場合の水漏れ箇所は「水抜き栓」からとなります。ただ、家を留守にしているわけでもないのに頻繁に水漏れがする場合や水漏れの量が多いという場合は、未知の原因による水漏れの場合があるので、業者に相談した方がいいと思われます。
水漏れ箇所をチェックしよう
給湯器からの水漏れでよく水が漏れる場所として以下の3つが挙げられます。まずは水抜き栓、次に配管接続部、最後に給湯器本体です。水漏れがはっきり視認できるときは、水滴を辿ってどこから水が漏れているのか確認して、水漏れ箇所にあった対処法を実践しましょう。
まず水抜き栓からの水漏れは、長期間給湯器を使用しなかった場合の減圧の場合など、問題ないケースがほとんどです。給湯器の水抜き栓は、寒冷地での凍結の予防、内部の減圧、点検時に配管内の水を抜くなどの役割を担っており、ここからの水漏れの場合は不必要に焦ることなく、対処法としてはまずは様子を見ましょう。あまりにも長期間水漏れが続く場合や水漏れの量が多い場合は業者に相談しましょう。
次に配管接続部と給湯器本体からの水漏れの場合の対処法について説明します。配管接続部からの水漏れと給湯器本体からの水漏れには注意が必要です。対処法としては、まず使用を中止して業者に相談しましょう。場合によっては修理が必要なことがあります。給湯器を止めても水漏れが続く場合は給水元栓を閉めて水が給湯器内に流れないようにした方がいいそうです。
水漏れの量をチェックしよう
給湯器の水漏れはの違いで対処法も異なります。既に述べましたが、水抜き栓からチョロチョロと水が出ているだけで長期の不在などの思い当たることがあるなら、特段心配することはないかもしれません。しかし、同じ給湯器の水抜き栓でも大量の水漏れが起こっている場合は、給湯器のコンセントを抜き、給湯器のすぐ下にある給水バルブを閉めてください。その間お湯を使うことはできませんが、水漏れを放置していると水道料金が跳ねあがりますし、最悪の場合一酸化炭素が発生することもあるので未知の原因の場合は早くに専門業者の手で修理をしておくことをおススメします。
冬場は凍結の可能性もある
上記で説明した水漏れのほかに、給湯器の水漏れには配管の凍結が原因のことがあります。配管の凍結で給湯器の水漏れが起こるメカニズムを説明します。まず水という物質は、液体から個体になることで容積が増すという特徴があります。水抜きなどの適切な処理をしないまま配管が氷点下の状態に置かれると、配管のなかで水が氷になり容積が増すことで配管を破裂させてしまい、そこから水が漏れます。
配管の凍結は寒冷地に多い印象がありますが、寒冷地の給湯器は凍結が起きにくい仕様のものが使われており、実は凍結による給湯器の水漏れが多いのは関東などの比較的暖かい場所だそうです。配管の破裂の場合の修理は配管の交換が必要になり、場合によっては給湯器全体の取り換えが必要になることもあります。
配管の凍結を防ぐためには、寒くなりそうな夜の前や長期休暇の前に水抜きをしておきましょう。メーカーによって方法が若干異なりますが、大まかな方法は以下のようだそうです。まず給湯器の運転スイッチをオフにします。この時点では電源プラグを抜かず、ガスの元栓と給水元栓を閉めます。その上で蛇口を全開にします。そして水抜き栓を回して水を抜きます。最後に電源プラグを抜きます。給湯器によって栓の場所などが異なる場合があるので、必ず説明書を確認しましょう。
目に見えない水漏れにも注意
はっきりと目に見えて水が漏れている場合はすぐに応急処置ができますが、目に見えないところで水漏れが怒っている場合にも注意が必要です。壁の中や地中にある配管から水漏れが起こると、最悪の場合建物の木造の基礎が腐ったり、水道料金が急に上がったりする被害が考えられます。目に見えない水漏れは、水道代の高騰などから推測することができます。
これは給湯器に限ったことではないですが、家の中の水道から水漏れが起こっている場合、水道メーターをみることで判明することがあります。家の蛇口をすべて閉めた上で、水道メーターの「パイロット」と呼ばれる部分が回転している場合、水漏れが想定できるそうです。パイロットとは水道メーターの指示数の左下にある赤または銀色の小さいボタンのようなもので、少量でも水が使われているとクルクル回るそうです。
目に見えない水漏れが起こっている場合は、水道の元栓を閉めた上で、すぐに専門業者に修理をお願いしましょう。
給湯器の水漏れの対処法はある?
いままでの説明のまとめになりますが、長期間使用していなかった場合の水抜き栓からの水漏れはひとまず安心で、給湯器の整備不良による水漏れの場合は、設置した業者に頼んで修理してもらいましょう。給湯器の劣化による水漏れも、専門の業者にみてもらい、ゴムパッキンなどの取り換えや場合によっては給湯器自体の買い替えも検討してください。水道管の破裂での水漏れは、業者の修理を待つしかありませんが、対処法というよりは予防法として、寒くなりそうな夜の前には凍結防止の水抜きをしておきましょう。
給湯器の水漏れは自分で修理できる?
キッチンに取り付けてあるくらいの小型の給湯器だと、実際構造自体もそれほど難しくありませんから、素人でも修理できるような錯覚に陥りがちです。しかし、それは危険な考え方です。給湯器の水漏れの修理に関して、以下で説明します。
給湯器の水漏れ修理は経験が必要
給湯器の水漏れ修理は、業者でない人が修理するのは経験が必要です。というのも、構造自体は簡単そうに見えても、ガスの燃焼を扱う機械である以上一酸化炭素中毒の危険が付きまとうからです。一酸化炭素はガスが不完全燃焼したときに発生する、毒性の強い気体ですが、無味無臭なので発生しても事前に気づくことができません。
給湯器のバーナーに継続的に水がかかることで、給湯器内で不完全燃焼が起こる可能性がありますし、そもそも可燃性のあるガスも扱わなくてはならないので大変危険です。給湯器は身近な存在ではありますが、安全性を考えると、一般人が軽い気持ちで修理にチャレンジするのは止めるべきでしょう。
業者に依頼するのが一番
一般人である我々が修理できないとなると、やはり頼りになるのが専門の業者です。業者は給湯器の仕組みや使用するガスについて我々より詳しいですし、安全を確保する手段も知っています。高くつくと思って自分で修理を試みてお金より大事なものを失うよりは、払うべきお金を支払った上で安全に修理してもらった方がいいと思われます。
修理にかかる費用は?
ここで気になるのが修理にかかる費用です。専門業者に給湯器の修理を依頼すると決めたとして、やはり安く済むなら済ませたいという事情もあるでしょう。給湯器の修理は、業者によっても異なりますが技術料が1万円~というのが基本になるそうです。そこに修理で必要になった部品代が加算されていきます。
ゴムパッキンなどの交換だけで済む場合は部品代がそれほどかからないので安く済みますが、給湯器本体が水漏れの原因である場合は、配管や電子制御基板などの修理が必要となったり、給湯器そのものを買い替える場合も含め修理費用が高くなる場合があります。具体的には、10万円以上、場合によっては40万円を超えることもあるようです。
その価格の幅には給湯器のグレードも関係しており、お風呂の給湯器の場合は追い焚き機能や暖房機能があるかどうかにもよります。ここで大事なのは、うまく値引きを行使するということです。給湯器のメーカーに修理をお願いすると、高くつくことがあります。一方、給湯器の販売業者の場合は、3~6割程度割引してくれる場合があるそうです。使っている給湯器のグレードや機能を知っておくことは重要ですし、いざというときのために割引してくれる業者から買うというのも1つの手です。
また、給湯器にはガス給湯器と電気給湯器がありますが、修理代金は電気給湯器の方が高く設定されていることが多いそうです。しかし長い目で見れば、電気給湯器は燃焼による劣化のリスクが少ないため、本体の寿命は長いことが多いです。給湯器を生活のなかでどう使うかも購入の際に話し合っておいた方がよさそうです。
賃貸の場合は大家さんに連絡しよう
賃貸物件の給湯器が水漏れした場合は、まず大家さんに相談することです。設置されている給湯器が製造後どれだけ経っているのか住人にはわかりませんし、元々あった整備不良なのか自分に原因があるのかによっても対応は変わってきます。
給湯器の水漏れは突然起こる!焦らずに対応しよう
いままで見てきたように、給湯器の水漏れには様々な要因とその対処法があることがわかりました。具体的には、長期間使用していなかったことが原因の水抜き栓からの水漏れは様子を見る、劣化の場合は業者に見てもらう、整備不良の場合は設置した業者に頼んで修理してもらうなどです。
心配ない場合の水漏れもありましたが、水漏れは放置しておくと水道料金がかさみますし、バーナーに水がかかることで不完全燃焼も起こりえる危険な現象の兆候です。危険な水漏れが起こっていた場合はすぐ使用を中止し、業者の手にゆだねましょう。修理も、素人判断でやるよりはお金をだして業者に依頼すべきです。
整備不良での水漏れは、給湯器を設置した業者に頼むことで、新たに料金を支払うことはなくて済む場合がほとんどです。また給湯器本体の修理をする場合も、メーカーではなく販売業者に依頼することで割引されることもあります。
日々の生活に欠かせない給湯器ですが、いざ水漏れになっても必要以上に慌てないよう、日ごろから給湯器の作動に異常がないかを確認し、水漏れが起きた際の連絡先も確認しておきましょう。特に、使い始めてから10年以上経った給湯器は劣化が進んでいることが想定されますので、注意を払っておきましょう。