炭水化物のカロリーと糖質の違いとは?太る食事はどっちか調査!
ダイエットの定番といえば、運動をすることやカロリーを意識して食事を摂取するやり方、ここ数年では炭水化物をできるだけ摂取しないことで糖質の摂取を控えるダイエット方法が流行しています。炭水化物を摂取しなければ太る原因になりやすい糖質の摂取も控えるられるのでやせるといわれていますが、実際違いがあるのを知っていますか?それぞれのカロリーやその違い太る食事などを紹介します。
目次
炭水化物のカロリーと糖質の違いを徹底調査!
カロリーを気にした食事や、糖質オフダイエットをしていても、実は、炭水化物のカロリーや糖質の違いを知っている人は少ないのではないでしょうか。
単純に炭水化物に糖質が多く含まれていて、カロリーが高いを思っている人も多いようですが、実際は炭水化物のカロリーの高さ=糖質の高さというわけではありません。炭水化物と糖質は違うものです。どっちがどう違うのか?まずは炭水化物のカロリーと糖質の違いを知ることからはじめ、自分に合うダイエットにつなげてみましょう。
炭水化物について知っておこう
まず知っておくことは「炭水化物」は「糖質」とまったく同じではないということです。これが同じものだと思っていると、気がつかないうちに太る食事をしていることになりますし、適切なダイエットにはつながりません。
そもそも炭水化物は三大栄養素のひとつで、人間の体を形成する上で欠かせない栄養素です。炭水化物とひとことでいっても実は炭水化物を構成している糖によって「単糖類」「二糖類」「少糖類」「多糖類」と種類が分かれています。炭水化物が多く含まれているのは穀物です。どういった食品類に多く含まれているのかは、後ほど説明します。
炭水化物の大切なはたらき
炭水化物は体のエネルギーの源となる大切な栄養素です。特に脳や神経組織など人間にとって重要な器官へ消化された炭水化物はブドウ糖になって、運ばれていきます。ブドウ糖は、ほかの栄養素と違い、すぐにエネルギー源に変わるので不足すると体に変化が起きてしまいます。
炭水化物ダイエットなどで摂取する炭水化物は減ると、ブドウ糖の摂取量も減ってしまいます。すると脳などブドウ糖を必要としている器官は、たんぱく質や脂肪を分解してブドウ糖を得ようと働きます。たんぱく質を分解してしまうと筋肉の減少につながり、さらに過度なたんぱく質の分解を行うとインスリンの働きを悪くし、糖尿病につながりやすくなってしまいます。つまり炭水化物は健康を保つためにも欠かせない栄養素なのです。
炭水化物の不足は注意力散漫の原因にも
また、人間が寝ているときも働いている脳は常に炭水化物に含まれているブドウ糖によってのみ働くことができます。ブドウ糖が不足すると注意力が散漫になったり、判断力が鈍るなど学業や仕事に影響してくる可能性もあります。極端な炭水化物オフダイエットを続けていると、さまざまな部分で体に大きな負担をかけることになってしまいます。
炭水化物が不足すると太りやすい体に
ダイエットをしている人にとって恐怖とも言えるのが、太りやすいからだになること。実は炭水化物が不足すると、脳はエネルギー不足になって機能が低下してしまい、間違った指令を出してしまうようになります。これはダイエットにとって最大の天敵ともいえます。
体全体に指令を出す脳がまちがった指令を出すと、太りやすい体を作ることにもなってしまうのです。脳はブドウ糖によって働くと説明しましたが、炭水化物が不足すると、「ブドウ糖が足りない状態」になってしまうので、脳は「おなかが空いている」と勘違いを起こします。すると、エネルギーを必要としてしまうので、脂肪を蓄えやすいからだを作ってしまうのです。
炭水化物不足は疲れやすい体になる
炭水化物不足でおきる症状は太りやすいからだを作るだけではありません。炭水化物が不足すると、体内のたんぱく質が分解され、疲れやすいからだを作ってしまうことにもなります。また、過度な炭水化物不足だと、血液中のPH値が来狂ってしまい、血液が酸性になります。そうすると、こん睡状態を引き起こすことにもなりかねないのです。
炭水化物の不足で抜け毛など症状も出る
炭水化物の不足で抜け毛の症状とは意外かもしれませんが、炭水化物を極端に減らすなど食生活に変化が起きると、髪の毛にも影響は出てくるのです。
海外の研究によると、炭水化物を極端に減らした食生活を継続しているとだいたい3ヶ月ほどで、抜け毛のような症状が出るといわれています。一時的におきているケースは心配することはありませんが、持続的に抜け毛の症状が出ているときは、食生活を見直すことが大切になります。また頭痛や吐き気が出ることもあり、この症状に関しては水分を多めに摂取することで、症状は軽減されるといわれています。
炭水化物1gのカロリーは?
体のエネルギー源となる大切な炭水化物ですが、食べ物によって多少の前後はあるものの炭水化物1gあたりに含まれるカロリーは大体において4kcalです。
一般的に食事をとる場合、三大栄養が含まれる理想的な%のうち、炭水化物は50%~65%と言われています。20代の女性の一日の摂取カロリーは1800kcalなので、このうち50%~65%を炭水化物が含まれるのが理想的ということになります。摂取するのは50%だとすれば900kcalご飯でたとえるなら1日に225gは食べるべきだということになります。
一日に摂取すべき炭水化物とカロリーを知っておく
炭水化物の摂取量はどの年代にも共通して50~65%、中央値57.5%です。ただしこれは、あくまでも摂取量です。
当然年代や性別によって必要とされるエネルギー、つまりカロリーは変わってきます。20代女性なら1800kcal、男性なら2650kcal,30~40代女性は2000kcalで男性は2650kcalです。50代になると男女ともに摂取カロリーは下がってきます。炭水化物は1gあたり4kcalなので、摂取量に4をかけて、1日に必要とされる炭水化物量を摂取するようにしましょう。
糖質について知っておこう
炭水化物が何かわかった一方、糖質とは何でしょうか。糖質とは炭水化物に含まれる栄養素のことを示します。糖質はでんぷんやオリゴ糖などがあります。しかし、糖質と糖類は違うもので、糖類は単糖類と二糖類というもので、糖質の一部のことをあらわします。共通しているのは糖質も糖類も炭水化物と同じグループにあたるということです。
糖質の大切なはたらき
糖質の最大の特徴は、たんぱく質などと違い、摂取するとすぐにエネルギー源に変わるということです。即効性が高いため、スポーツをする人などにとっては、とてもありがたい栄養素のひとつです。
また、即効性があるので、疲労を防ぐためにも摂取したい栄養素のひとつです。また糖質を摂取すると、筋肉や肝臓などでグリコーゲンとなり、必要な栄養素として貯蓄されます。スポーツの後などに摂取すれば、エネルギーの回復にもつながります。さらに、糖質は脳や神経系が必要とする唯一の栄養素なので、十分に摂取することで集中力を高め、維持することができます。
糖質を摂りすぎるとどうなる?
どんな栄養素も摂取しすぎると、体にとってマイナスになってしまいます。糖質も炭水化物同様、摂りすぎには注意しなければいけません。
糖質をとりすぎると、なんといっても解りやすい影響が「体重の増加」です。糖質は摂取すると、即エネルギー源となり疲労回復などに役立つ栄養素ですが、一方で摂取しすぎると、エネルギー源として消費されず、肝臓やお腹回りの脂肪になってしまいます。太るだけでなく、脂肪そのものが増加してしまうのが糖質の過剰摂取です。
糖質の摂りすぎは老化を早める
長期的に糖質オフを続けていると、女性にとって大きなダメージとなるのが「老化」です。糖質オフの長期化は老化を早めることにつながります。
これは、糖質が大切な肌の成分でもあるたんぱく質やコラーゲンなどに悪影響を与えるためです。これらにダメージが加わるとシワなどが増えやすくなるのです。さらに、糖質のとりすぎは、あごのラインなどに大人ニキビを作ってしまいます。これは糖質によって、腸内フローラのバランスが崩れたり、体内に炎症を起こし、肌に湿疹などを作りやすくなるためです。
糖質を多く摂取すると食欲にも影響が
糖質には「中毒性」があります。糖質を多く含む食事は、ドーパミンを放ち、脳の働きを活性化させますが、「食べたい」欲求をすぐに満たしてくれている一方で、中毒性があるため、つねに何か食べたくなってしまいます。さらに腸内でガスを発生させる悪玉菌は糖質を好むため、ガスを過剰に発生させたり、それが原因で食事をした後におなかの痛みを感じたり、嫌な膨満感を感じたりすることもあります。
糖質の過剰摂取は免疫力の低下や不眠症になることも
糖質を栄養分とする悪玉菌が腸内に増えると、からだによくないバクテリアや酵母菌が増え、免疫力の低下につながります。また、夜に甘いものなど糖質を多く含むものを食べると、からだのエネルギー源となってしまうため、良い睡眠につながりづらくなってしまいます。これが続くと不眠症の原因にもなりかねません。特に睡眠時間が短い人などは、夜寝る前などの甘いものの摂取は控えた方が良いでしょう。
糖質を摂らなすぎても太る原因になりうる
過剰摂取すると太ってしまう糖質ですが、実は過度に摂らなくても太るからだを作ってしまいます。糖質オフダイエットなどの場合、一生続けるならいいですが、なかなか難しいですよね。
ある程度カロリーを抑えた食事に戻したとき、それまで糖質を摂取していなかった分、体が糖質を求めて糖質の高いものを一気に食べてしまう傾向があります。これはエネルギーの多くを占める糖質がある食事を抜いたことでからだがストレスを感じているためです。すると、からだは糖質を含んだ食べ物を要求するため、また太りやすいからだを作ってしまうことになります。
お腹ぽっこり体型をつくることにも
糖質を過度に制限してしまうと、脂肪が落ちてやせるのは嬉しいのですが、一方で筋肉も落としてしまいます。すると内臓を支えていた筋肉も失われてしまうため「お腹ぽっこり」な体型になる可能性も。さらに、便秘をしやすくなることもあり、するとさらにお腹ぽっこり体型につながってしまいます。過度な糖質オフはダイエットをしても美しいからだ作りにはつながりづらくなってしまいます。
炭水化物のカロリーと糖質で太るのはどっち?
炭水化物と糖質の違いについてはわかりました。では、炭水化物のカロリーと糖質はどっちが太りやすいのかを説明していきます。炭水化物も糖質もどっちもエネルギー源として大切な栄養素ですが、実は、1gあたりのカロリーはともに4kcalと同じです。どっちも同じように太るのではないかと思いがりですが、違いがあります。
炭水化物は1日に必要とされる量を超えなければ、大きく太るということはありません。糖質も必要最低限であれば問題ありませんが、余った糖質は中性脂肪に変化し脂肪細胞などに蓄えられやすくなるので、糖質のほうが太りやすいのです。しかし、摂取しすぎると太ってしまうのはどっちも同じ、1日の摂取カロリーのうち60%を超えないように気をつけた方がよいでしょう。
炭水化物を多く含む食べ物
ここでは炭水化物を多く含む食べ物について説明します。炭水化物は穀物や芋類に多く含まれていることで知られていますが、種類によって含有量は違います。同じようにたんぱく質が多いイメージの豆類も種類によっては、炭水化物を多く含んでいることがあるのです。
炭水化物を代表するものといえば、主食の白米です。白米には100gあたり37gもの炭水化物が含まれています。また天ぷらに使われる天ぷら粉も炭水化物を多く含みます。うどんに関しては1人前あたり、80g近い炭水化物が含まれているので摂取を控えたい食品です。意外ですがパンは白米より炭水化物量は少ないのですが、ほかの食品と比べると多くなっています。
イモ類ならサツマイモやゆり根、山芋が多く、豆類なら小豆も100gあたり58gと炭水化物の含有量が多くなっていて、大豆の28g程度の2倍以上に値します。また、果物でも炭水化物を含んでいるものがあります。代表的なのが干し柿やレーズンです。そして糖質が高いイメージのある上白糖や黒糖も実は炭水化物が多い調味料の代表です。
糖質を多く含む食べ物
続いては糖質の多い食品です。基本的に炭水化物を多く含んでいる食品と共通しているのですが、それ以外で糖質を多く含む食品について説明します。
甘さがあるもの、つまり糖分を感じる食品に糖質は多く含まれています。炭水化物と共通しているもの以外なら、圧倒的に糖質が高いのがラーメン類と焼きそばです。焼きそばにいたっては1人前あたり73g以上もの糖質を含んでいます。さらに高いのがミートスパゲティで1人前あたり約78gです。そして、忘れがちですが調味料にも糖質は含まれていて、カレールゥも100gあたり40gもの糖質を含んでいます。
もちろん、スイーツ類も糖質が高いものばかりです。中でもショートケーキの糖質が高く、1個あたり50g以上の糖質を含んでいます。炭水化物を多く含む小豆を使った大福やチョコレートなども糖質が高いスイーツ。果物ならバナナが高く1本あたり30g弱の糖質を含んでいます。ほかに柿や桃なども糖質が高い果物の代表です。炭水化物が高いと糖質も高いという感覚で違いありませんが、炭水化物か糖質どっちかが低い場合があります。
両方の違いをきちんと理解して食事しよう
炭水化物・糖質どっちも適度な量を摂取すれば、太る心配はありませんが、糖質は炭水化物と違い脂肪になりやすいという特徴があります。つまり、炭水化物は食事によって上手に管理すれば健康的で、理想的な体重を保つことができるのです。似ているようで違う炭水化物と糖質。どっちも特性を知ることで、ダイエットにつなげることができるのです。
太りにくい炭水化物のダイエット食事方法
炭水化物も上手に食べることで、太るのを防ぐことができます。ひとつは食べ合わせです。炭水化物と一緒に食物繊維を多めに摂取することで、老廃物の排出の出助けをしてくれます。さらに、大豆やごぼうなどの不溶性食物繊維は、固めのものが多いので、よく噛んで食べます。よく噛んで食べると満腹感が増しやすいので、いつもより少なめの量で満足感を得ることができます。
気をつけるのはカロリーよりも「種類」
もうひとつ意識してほしいのが、「GI値」です。GI値とは血糖値の上昇を表すもので、血糖値の上昇が緩やかな低GI値の食品だと、同じ炭水化物でも脂肪の貯蓄を防ぐことができます。
低GI値のものは食物繊維が多い食品で、白米より玄米、うどんより蕎麦、小麦粉で作ったパンよりライ麦パンや全粒粉のパン、野菜ならブロッコリーや葉物野菜、たまねぎなどがあげられます。炭水化物のカロリーは確かに気になるものですが、カロリーよりも意識すべきはGI値など食べ物の種類です。うどんと蕎麦どっちにしようと悩むのなら、意識的に低GI値の食品を選ぶようにすることで、罪悪感のない食事を楽しむことができます。
低GI値の食品は穀物がおすすめ
炭水化物を摂取する食事でも低GI値の食品なら太りづらいからだ作りができることを説明しました。
低GI値の食品には葉物野菜などが多いため、サラダなどを多く取れば良いと考えがちですが、アメリカの大学の研究結果では穀物のほうが良いと出ています。これは、穀物のほうが野菜と比べるとカロリーは高くなるものの、野菜と比べると消化に時間がかかるため、総体的な摂取量を抑えることができるという考えからです。もちろん野菜は食物繊維が豊富なので穀物と野菜どっちも上手に摂取することが望ましい食事方法です。
炭水化物と糖質の関係
炭水化物と糖質、似ているようで違うものということはわかりましたが、どういう関係なのでしょうか。実は糖質は炭水化物という栄養素の枠の中にある栄養素のひとつです。また炭水化物は消化されるとからだのエネルギー源である糖質と食物繊維に分かれます。さらにその中ででんぷん質や単糖類、糖アルコールなどに分かれていくため、切っても切れない関係です。
炭水化物は糖質と食物繊維でできている
栄養学上で炭水化物とは炭素・水素・酸素で成り立っているもので、脂質・たんぱく質・ミネラルなどが除かれ、糖質と食物繊維を含んでいるものが炭水化物とされています。つまり、糖質は炭水化物の一種です。炭水化物には食物繊維が含まれていますが、糖質に食物繊維は含まれていません。炭水化物とは糖質と食物繊維の総称のことをいいます。
なぜ炭水化物や糖質の摂りすぎは太るの?
炭水化物・糖質どっちも摂りすぎは太るからだをつくってしまいます。これは、どっちも摂取すると消化する過程でブドウ糖を生成、一部はエネルギー源となるのですが、基礎代謝以上に摂取している場合、ブドウ糖は中性脂肪となり、からだの脂肪細胞を増やしてしまうことになるためです。
これでは、どんなに低GI値の食品を一緒に食べても意味がありません。かといってどっちも食べない食事では、リバウンドを起こしたり、痩せづらいからだを作ることになってしまうので、1日の摂取量を上回らない様にすることが大切です。
白米は炭水化物多めでカロリー高めだから太るは間違い
上で説明したように炭水化物には食物繊維が含まれています。これは白米も同じです。また、ご飯を炊くと水分を多く含み、必須アミノ酸なども豊富です。食物繊維を多く含んでいると、太りづらく、水分を多く含む白米は、満腹感が高く腹持ちしやすいため、適正量を守れば、白米が太るということにはなりづらく、むしろヘルシーな食品です。さらに玄米などであればGI値も白米と比べると低いので、ダイエット中の主食にはぴったりです。
カロリーや糖質の高いアルコールは太りやすい!?
アルコールは糖質が高いため太りやすいといわれていますが、これも炭水化物と同様にきちんとお酒の種類や飲み方を選ぶことで太ってしまうことを防げます。アルコールはカロリーが高いものが多いのは確かですが、実はアルコールのカロリーというのは熱となって放出されるため、体内にほとんど吸収されることがありません。
もちろん糖質は含まれていますが、これも糖質が低いお酒を選べば大丈夫です。むしろ気にするべきは、炭水化物や糖質・脂質の高いおつまみを食べることです。おつまみは炭水化物や糖質の低いものを選びましょう。お酒も糖質が低いウォッカやウイスキーなどであれば大丈夫です。ただしカクテルにして甘いものと割ってしまうと台無しになるので気をつけましょう。
炭水化物や糖質はカロリーバランスを考えて摂取しよう
炭水化物・糖質どっちもからだには必要な栄養素です。基礎代謝にそった摂取量を守り、食べ方を工夫することで太りづらいからだ作りを行うことができます。過度に炭水化物や糖質を控えず、カロリーバランスのとれた食事を心がけ、健康的なからだ作りを行いましょう。