2018年08月28日公開
2024年07月29日更新
カルシウムの効果的な働きとは?吸収率を上げる摂取方法も紹介!
カルシウムの本当の働きを知っていますか?身体にいいものだとは知っているけど、具体的にどんな効果があるのかわからない、という人も多いのではないでしょうか?実はカルシウムは骨や歯だけではなく、血液や筋肉にとっても欠かすことのできない大切な栄養素です。しかし日本人は慢性的なカルシウム不足と言われています。カルシウムを効果的に摂れる食べ物や方法などを知って、健康な身体作りをしましょう。
カルシウムの効果について知りたい!
カルシウムというと、何をイメージしますか?「骨や歯にとっていいもの」となんとなくのイメージを持っている方が多いと思います。でも具体的には何がいいの?どんな風に骨や歯を作っているの?何を食べればカルシウムを摂れるの?など詳しい効果はわからないことが多いのではないでしょうか?カルシウムは身体にとってなくてはならない大切な栄養素です。カルシウムの効果について正しく知っていきましょう。
カルシウムの効果的な働き
カルシウムは骨粗鬆症予防や骨の形成をサポート
骨を形成する栄養素の代表はカルシウムです。カルシウムは99%が骨や歯に、残りの1%が血液や筋肉にあります。骨はカルシウムの貯蔵庫になっていて、血液中のカルシウムが少なくなると骨からカルシウムを出して調節しています。不足すると血液中に送るために、骨からどんどん貯めていたカルシウムを使ってしまうので貯蔵がなくなり、骨がカスカスになってしまいます。
普段からカルシウムをたっぷりとることで貯蔵がいっぱいになり、密度の高い骨が形成されるのです。カルシウムは日本人にとって摂取しにくいミネラルなので、効果的な摂取方法を知って効率よく摂取することも重要です。
カルシウムは高血圧の予防に効果的
血液中のカルシウムは心臓の筋肉や脳の神経細胞のコントロールなど命にとって大切な役割を持っています。なので血液中のカルシウムが不足すると、骨からカルシウムを取り出して補給するのですが、不足の状態が続くと補給の量がどんどん増え続けてしまいます。すると、血液中のカルシウム濃度が高くなってしまいます。
カルシウム濃度が高くなると、血管の壁が固くなるので血液を流すために強い力が必要になり、高血圧になりやすくなります。骨から出さなくても、血液中のカルシウムが足りる状態にすること、高血圧の予防に効果があります。
カルシウムは筋肉を正常に動かす働きも
筋肉は筋原線維と呼ばれるものが束になって出来ています。この筋原線維を動かすためのスイッチを入れるには、カルシウムイオンの力が必要です。脳から筋肉を動かす命令が来ると、カルシウムイオンがス放出されスイッチにくっつくことで筋肉を収縮させています。心臓を始め、人が生きるためには筋肉を動かすことが不可欠です。カルシウムは重要な働きや効果を持っています。
カルシウムが不足するとどうなる?
カルシウムが不足すると、体に異変が起こります。まぶたが痙攣する、運動していないのに足がつる、イライラする、物忘れをよくするなどの症状があればカルシウム不足を疑ってみてください。カルシウム不足は筋肉活動の低下、脳の神経細胞の働きの低下を引き起こします。カルシウム不足は痴呆症状や動脈硬化、脳卒中などに繋がっていくので要注意です。
カルシウムの摂取方法
日本人は慢性的なカルシウム不足といわれています。日本は軟水なので硬水の海外に比べてミネラルを摂る機会が少ないことや、チーズや牛乳などの乳製品の摂取量が少ないことが原因です。国民栄養調査でもいつも基準値の600gを下回っています。食材や摂取方法に気を付けていないと日本人にとってカルシウムは摂りにくい栄養素という事です。カルシウムを効果的に摂ることが重要です。
カルシウムを多く含む食品
では、なにを食べれば効率よく効果的にカルシウムが摂れるのでしょうか?次の4つの食品群を意識してバランスの良い食事を心掛けてみましょう。
乳・乳製品はカルシウムとたんぱく質が豊富で、吸収率も50%と高いカルシウムを効果的に摂れる代表的な食品です。牛乳1杯(200ml)230mg、ヨーグルト1/2カップ(110g)130mg、プロセスチーズ2切れ(30g)190mgが含まれています。一見、多く含まれているように見えますが吸収率は50%なので、実際に体内に残るのは半分の量のカルシウムだということをお忘れなく。
豆・大豆製品は吸収率は18%と高くはありませんが、イソフラボンは骨粗鬆症、納豆などの発酵食品には骨を強化するビタミンKが含まれているのでカルシウムと合わせて効果的に摂取できます。木綿豆腐1/2丁(130g)180mg、高野豆腐1個(20g)130mg、納豆1パック(55g)50mgが含まれています。大豆製品は料理に色々なかたちで取り入れやすいので、量を摂ることが出来ます。
小魚・海藻は吸収率は30%あり、日本人にとって効果的な摂取方法です。小魚などは骨も一緒にまるごと食べられるのでカルシウム量が多くなります。また、海藻はカルシウムの吸収を助ける助けるマグネシウムを多く含んでいるのでおすすめです。しらすぼし大さじ1杯(10g)25mg、桜えび大さじ1杯(3g)60mg、ひじき1鉢(10g)180mgが含まれています。
野菜の中でも小松菜、チンゲン菜、菜の花などの緑黄色野菜は比較的に多くカルシウムが含まれていると言われています。野菜を摂るときは1/3は緑黄色野菜にすることが効果的な摂取方法です。野菜自体の吸収率は18%と低いですが、吸収を助ける働きのあるビタミンが含まれていたり他の食材と組み合わせて調理しやすいのでぜひ取り入れていきましょう。
カルシウムの吸収率をあげる摂取方法
カルシウムは人の身体に必要不可欠な栄養素ですが、吸収率が悪いのでなかなか十分に摂ることが難しいと言われています。では、効果的なカルシウムの摂取方法はあるのでしょうか?まずは、カルシウムの吸収を促進する栄養素を紹介します。
カルシウムの吸収を助ける栄養素には、マグネシウム、ビタミンC、ビタミンD、タンパク質、イソフラボンがあります。これらをバランスよくカルシウムと一緒に食生活に取り入れることで効果的に摂取することができます。さらに、適度な運動をすることで骨にカルシウムが定着します。
特にマグネシウムは重要な働きを持っています。マグネシウムは循環器系の働きを支える役割をしていますが、不足すると疲れやすくなったり、イライラしたり、体がだるくなったりします。そんなマグネシウムとカルシウムは摂取量の割合が大切です。カルシウム2に対してマグネシウム1の割合で摂取することが最も効果的な働きを期待できます。
ビタミンDもカルシウムの吸収を助けるのに効果的です。ビタミンDは小腸や腎臓からのカルシウムの吸収を助け、血中のカルシウムの濃度を調整しながら丈夫な骨を作ります。ビタミンDは魚類やキノコ類に多く含まれています。魚類やキノコ類は同時にカルシウムも含んでいるので効果的な食材と言えます。
マグネシウムやビタミンDなどカルシウムの吸収率を効果的に上げるミネラルですが、摂りすぎると反対にカルシウムの吸収を阻害してしまう恐れもあります。サプリメントなどで一種類だけのミネラルを摂取するよりもバランスの良い食事を心がけるようにしましょう。サプリメントを摂るときは、マルチサプリや食事の補助として摂るようにしてください。
カルシウムの吸収を阻害してしまう原因
カルシウムの吸収を阻害してしまう原因になるミネラルに「リン」が挙げられます。リンは主に肉や魚、卵、乳製品、豆類などのタンパク質の多い食品に含まれています。また、腸から吸収されやすく、血中のリン濃度を上昇させやすいものが「無機リン」で練り物、インスタント麺、缶詰、ファストフードなどの加工食品や食品添加物も多く含まれています。
リンはカルシウムと結びつきやすく、骨の中でも「リン酸カルシウム」として結晶になっています。リンを摂りすぎると、腸の中でカルシウムとくっついて結晶になってしまうので、腸管に吸収されずに体外に排出されてしまいます。なのでリンはカルシウムの吸収を阻害するといわれています。
また、コーヒーに含まれるカフェインが利尿作用の効果があるので、飲みすぎると尿と一緒に排出されてしまいます。ただし、同じカフェインを含む紅茶や緑茶は骨粗鬆症を予防する効果があるそうです。リンは正しく摂ると身体にとって良い影響のあるミネラルであり、カルシウムの吸収を助ける栄養素の一つでもあります。添加物を避けて、良質なタンパク質から摂るようにしましょう。
カルシウムの効果を理解して積極的に摂取していこう!
カルシウムは身体に様々な効果や働きを与えています。サプリメントなどでも摂ることはできますが、他の色々なミネラルと関係しあって効果を発揮するので、健康的でバランスの良い食事を意識するところから始めてみてはいかがでしょうか?カルシウムの効果を理解して、摂取により効果的な食材選びも意識してみてください。