暖房はつけっぱなしのほうが安い?電気代の節約に最適な温度とは
冬になると暖房をつけることが多くなりますが、外出する時はこまめに暖房を消した方が良いのでしょうか?もし消さないでそのまま外出すれば、帰ってきた時に部屋は暖かくて、それだけでホッとします。最近ではつけっぱなしにした方が実は電気代も安く上がると言われ始めていますが、実際のところはどうなのでしょうか?こまめに消した時とつけっぱなしにした時の電気代を比べてみます。また電気代を節約するための裏技や、最適な温度も紹介していきます。
目次
暖房との上手な付き合い方
寒くなると当たり前のように暖房をつけますが、その使い方で電気代は節約できているのでしょうか?暖房と上手に付き合うことによって、電気代がぐっと節約できますので、ここでは暖房の使い方のポイントを説明します。
暖房のフィルターは2週間に1回の割合で掃除をすることが電気代節約のポイントになります。理由は、フィルターにホコリが詰まることによって暖房能力が低下してしまいます。そうならないためにも小まめに掃除をすることをオススメします。
暖房の電気代を節約するためにもう一つ行いたいことは、暖房を使用する際は、カーテンやブラインドを閉めて冷気の侵入を防いでください。日中の日差しのある時は閉める必要はありませんが、夕方日が落ちてきたら直ぐに実行してください。カーテンを閉めた時と閉めなかった時で消費電力が全然違います。冷気を塞いで暖房を付けるのが基本中の基本になります。
暖房の電気代を節約するために行いたい最後のことは、扇風機やシーリングファンを活用することです。暖房から発せられる暖かい空気は、上へ上へと上昇します。そこで上に溜まってしまう空気を扇風機やシーリングファンを使って全体に行き渡るようにします。こうすることによって暖房効率も上がり、電気代も節約できるのです。
暖房はつけっぱなしだとお得なの?
どうして暖房をつけっぱなしにするとお得なのでしょうか?単純に考えると、ずっとつけっぱなしの方が電気量も多くなるから電気代も高くなると思います。ですが、暖房の電気使用量が一番高くなる瞬間は、暖房の電源を入れて起動させた時です。ですから何度もつけたり消したりしているだけで、電気代がみるみる上がっていってしまうのです。
では、なぜ暖房の起動時に電力使用量が上がるのでしょうか?それは設定温度と室内の温度に差があると、暖房は必死になって設定温度に近づけようと稼働します。その時が一番電力を使用するため電気代が高くなるのです。
夏は外気温が35度の時、室内の冷房設定を27度にしたい場合は8度部屋を涼しくするためにエアコンはフル稼働します。これが冬の暖房の場合だとします。外気温7度だった場合は20度の室温にするために13度も差があるため夏以上にフル稼働しなくてはいけません。これが原因で夏場より冬場の電気代の方が高くなるのです。このことからも分かるように、いかに冬の電気代を節約できるかが大きく家計に響いてきます。
暖房のつけっぱなしとこまめに消すはどちらがお得なのか?
ルームエアコンで有名なダイキンでは、暖房のつけっぱなしとこまめに消すを徹底的に検証しています。検証方法も2つあり1つは、つけっぱなしと30分間隔でこまめに消す、もう1つはつけっぱなしとスケジュールに合わせてこまめに消すです。さてどんな結果になったのでしょうか?
暖房のつけっぱなしの方が消費電力は小さいのか?
まず最初に行った検証は、つけっぱなしの方が消費電力量が小さくなる時間帯を探りました。30分間隔でこまめに暖房を消した時と、つけっぱなしの暖房の消費電力を比較し、つけっぱなしにした時の方が安くなる時間帯を探ってみました。
時間帯で消費電力量と電気代で比較して見ていきます。深夜から早朝(23:00〜6:00)ですとつけっぱなしは、消費電力は5kwh、電気代は135円になります。30分間隔でこまめに消した場合の消費量は8.5kwh、電気代は230円になります。日中(6:00〜18:00)ではつけっぱなしの消費電力は7.8kwh、電気代は211円でこまめに消した場合はの消費電力は11.2kwh、電気代は302円になります。
夜間(18:00〜23:00)のつけっぱなし消費電量は3.3kwh、電気代は89円で30分間隔でした。こまめに消した場合の消費電力は4.2kwh、電気代は113円になります。検証結果を見ると、どの時間帯でもこまめに消すより、つけっぱなしの方が消費電力は少なく電気代は安くなりました。このことから分かるのは、30分間隔で暖房を切るよりは、つけっぱなしの方が断然お得だと言うことです。
やはり暖房はこまめに電源をONにする際に多くの電力を消費するため、消費電力と電気代がかかってしまった結果になりました。エアコンは設定温度を維持する時より部屋の設定温度と室内温度の差が大きければ大きいほど多く消費しますので、つけっぱなしにして室内温度を一定に保つ方がお得だということが分かりました。
上のグラフを見るとつけっぱなしだと起動時の消費電力は最初だけかかり、後は一定量を保っいています。この2つのグラフからも分かるように、つけっぱなしの方がお得です。
つけっぱなしとスケジュールに合わせてこまめに消すを比べてみた
次の検証は暖房のつけっぱなしと、1日の想定スケジュールに合わせてこまめに消した場合を比べてみました。最初の検証は30分ごとに暖房を消していましたが、今回はもう少し間隔をあけて細かくスケジュールを立てました。まずは7:00起床です。7:00から7:30の間だけ暖房をつけます。
7:30に暖房を消して、子供の送迎へ向かいます。8:00に帰宅し暖房をつけますが、8:30に再び暖房を消して外出します。その後9:00〜11:00まで暖房をつけます。11:00に暖房を消して外出。その後12:00に帰宅して14時まで暖房をつけます。
14:00から14:30までは子供の送迎のため暖房は消し、15:00に帰宅してからは16:00まで暖房をつけました。その後16:00に暖房を消して散歩に出かけ、17:00〜18:00まで再び暖房をつけます。18:00〜20:00まで暖房を消して外食へ行き、22:00〜23:00まで暖房をつけ、その後は消して就寝しました。
30分間隔とまではいきませんが、今回もかなり細かく暖房を消していました。時間帯別の消費電力と電気代を詳しく比べてみます。先ずは深夜〜早朝(23:00〜6:00)のつけっぱなし電気量は3.5kwh、電気代は95円で、こまめに消す方の電気量は0.3kwh、電気代は8円でした。日中(6:00〜18:00)はつけっぱなしは電気量5.7kwh、電気代は154円で、こまめに消す方の電気量は8.9kwh、電気代は240円でした。
夜間(18:00〜23:00)のつけっぱなしの電気量は3.4kwh、電気代は92円で、こまめに消す方の電気量は2.4kwh、電気代は65円になりました。この検証で分かったことは、2時間の外食をした夜間の時間帯(18:00〜20:00)の消費電力はつけっぱなしよりは、こまめに消す方が電力量も電気代も安くなりました。このことからある程度外出時間が長くなる時は、つけっぱなしよりこまめに消す方が安くなることが分かりました。
ここまでで1日中つけっぱなしより、スケージュールに合わせてこまめに消す方が消費電力が少ないことが分かりましたが、金額で見るとたったの30円程度の違いしかありませんでした。24時間つけっぱなしと13時間は暖房をOFFにしているのに、電気代がたったの30円しか違わないのはなぜでしょうか?
つけっぱなしとスケジュールに合わせてこまめに消すの室内温度の違いとは?
24時間暖房をつけっぱなしにした部屋と、スケジュールに合わせてこまめに暖房を消した部屋で室内温度を比べてみました。暖房の設定は24度で風量は自動にしてあります。当然ですが、つけっぱなしの部屋の温度は24度を常に保っていましたがこまめに消していた部屋は違いました。
夜間に暖房を消していた時間帯に24度から16度まで室温が下がってしまいました。日中の外出時には19度、夜の外出時には16度まで下がってしまいました。この下がってしまった温度を電源OFにする度に24度まで上昇させるため、暖房の電力はかなりフル稼働していますので、それなりに電気量も電気代もかかるのには納得ができます。
今回の検証結果は、スケジュールに合わせてこまめに暖房を消す方が少しだけお得でした。ただ、もっとこまめに暖房を消す頻度が増えると結果はガラリと変わる可能性があります。このことから、30分ほどの外出であれば暖房は消さないでつけっぱなしにし、2時間以上外出する時はつけっぱなしにしないで、こまめに消す方が良いことが分かります。
暖房の電気代を節約する方法
どうしても冬になると暖房の電気代が高くなり家計を苦しめます。ここではそんな暖房の電気代を節約する方法を紹介します。
電力会社の見直しを検討しよう
最近では電力の自由化によって、生活スタイルにあった電力会社や電力プランを自由に選べるようになりました。選ぶプランによっては、年間で18,000円以上も節約できます。比較サイトなども沢山ありますので、一度シミュレーションをして電力会社の見直しをすることをオススメします。
エアコンの運転方法は?
エアコンをつける時に最初から弱運転モードにする方も多いかと思います。節約のためにやっているつもりでも実は逆に電気代が高くなっているのです。暖房は設定温度にするまでが一番電力を使いますので、自動運転にセットして、一気に室温をあげてしまった方が電気代はかかりません。ですから暖房を使う時は、自動運転モードがオススメです。
出典: https://wowma.jp
冷気をよせつけない方法
せっかく部屋が暖まっても外の冷気が入ってきては台無しです。そこで冬は窓の断熱をすることをオススメします。やり方は、窓ガラスを断熱ガラスにする、厚手のカーテンや断熱カーテンを使用する、ホームセンターなどで購入した断熱シートや断熱フィルムを窓に貼る、断熱ボードを窓際に立てかけるなどがあります。
室外機の周りをきれいにしよう
室外機の周りに物が置いてあるだけで暖房効率が落ちてしまいます。植栽やゴミなどはなるべく置かないようにしましょう。また雪の多い地域では防雪フードや防雪ネットなどを室外機にかけて、雪が室外機の周りに積もらないように対策をして下さい。
古いエアコンを買い換える
もし今使っているエアコンが10年以上も前のものでしたら、買い替えをオススメします。なぜなら15年前のエアコンの消費電力は1080Wで1時間の電気代は29円かかりました。これが10年前になると消費電力は755Wで1時間の電気代は20円、最新のエアコンであれば消費電力は605Wで1時間あたりの電気代は16円になります。やはり古い物より最新のエアコンの方が電気代は節約できそうです。
冬の暖房による電気代を節約するには、電力会社の見直しを検討し、エアコンの運転モードは常に自動運転にし、断熱ガラスや断熱シートで冷気が部屋に入ってこないようにし、室外機の周りを常にきれいにし、古くなったエアコンは最新式の物に買い換えればかなり節約できます。
暖房の電気代節約に適している設定温度は?
環境省が推奨している冬場の室温の設定温度は20度になります。20度は決して暖かさを感じる温度ではありませんが、快適に過ごせる温度なのだそうです。風向きは下に向けて直接暖かい空気が当たるようにします。そして扇風機などで部屋全体に暖かい空気が回るように工夫して下さい。
温度ばかりに気を取られがちですが、冬は湿度にも気をつけてください。人間が最も快適に眠れる湿度は50%前後と言われています。ただエアコンを使用することにより、湿度が30パーセント近くまで下がってしまうこともありますので、寝室に洗濯物や濡れタオルを干したり、加湿器を使うなどして湿度を上げてください。
電気代節約におすすめの暖房とは?
先ほども説明しましたが、電気代を節約したかったら最新のエアコンを購入することをオススメします。ここでは人気の最新エアコンを紹介します。
人気の最新エアコン・霧ヶ峰FZシリーズ
ルームエアコンで不動の人気と言えば「霧ヶ峰FZシリーズ」になります。最新のエアコンには先読み運転機能が付いていて、寒い、暑いを感じる前に先回りして空調を整えることができる優れものです。これは外気温や日射量をAIが予測してくれています。このような近未来エアコンは今後ますます増えていきそうです。
人気の最新エアコン・Eloisa(エオリア)WXシリーズ
このエアコンは独自の可動式アクティブクリーンフィルターとホコリレスコーティングのおかげで、部屋の中の空気環境を清潔に保ちます。冷暖房をしながら空気中に漂うPM2.5、カビ菌、花粉を除去しエアコン内部も清潔に保つことができますので、もし一日中つけっぱなしにしていたら、部屋の中はとてもクリーンな状態になります。
人気の最新エアコン・ダイキンうるさら7
暖房運転時には、人に風を当てない大風量の温風吹き出しと圧縮機の性能を更にアップさせ、直ぐに室内全体を暖かくすることができます。素早く快適な温度へと整えてくれるのがダイキンのうるさら7になります。
人気最新エアコン・ステンレス・クリーン白くまくんXシリーズ
ステンレスクリーン白くまくんXシリーズは、熱交換器を凍らせて霧をつけ、たくわえた霧を一気に溶かしながら汚れを洗い流す新方式の「凍結洗浄」が搭載されています。またくらしカメラAIが部屋の中を見て、人がいない時を見計らって自動で洗浄を行います。
どのエアコンも昔から馴染みのあるロングセラー商品ばかりです。毎回進化を遂げて行き、今ではAIを搭載している商品も出てきています。今後エアコンも AIによって更に快適に過ごしやすい環境を整えてくれるのかもしれません。
まとめ:暖房のつけっぱなしは結局お得なの?
検証の結果、暖房のつけっぱなしはお得でした。でもこまめに暖房を消すのではなく、1時間以上外出する際は、つけっぱなしにしないでその都度電源を消すことによって更に電気代を抑えることができます。そして暖房の運転モードは、常に自動にする必要があります。節約を意識しすぎて弱モードにするとかえって電気代がかかってしまうので気をつけなくてはいけません。
最後に、古いエアコンを使っていると電気代がかかってしまいます。10年以上前に購入した物であれば最新の物に買い換えることをオススメします。最新のエアコンは本当に快適に過ごせるし電気代も節約できます。