2018年07月16日公開
2024年07月25日更新
ウッドバーニングでスプーンなどをデザイン!道具とやり方を解説!
「ウッドバーニング」をご存知でしょうか?木製の板に、熱したペン先で焦がすことで、イラストや文字を描いていくものです。このウッドバーニングが、手軽に始められ、日常で使えるオリジナルのスプーン、トレイなどから手作りのアート作品作りまでできると注目を集めています。電熱ペンを使うので、難しそうにも見えますが、初心者でも始めやすいように、必要な道具、それらを購入できるところ、そして身近なものをウッドバーニングでアートできるデザイン例などを紹介します。うまく進めるためのやり方も解説します。
目次
ウッドバーニングが人気!
木製の看板に、手描きのような文字やイラストが描かれているウエルカムボードや、木製キーホルダーに名前が入っているものをみたことはありませんか?それらは、ウッドバーニングによって、作られているものが多いです。中には絵画のように、線に濃淡があるものもあり、複雑な模様などは慣れていないと難しいものがありますが、実は絵を描くことが苦手な人や、初心者でも簡単にできます。
ウッドバーニングは、電熱ペンなどをつかって、木材などの表面を焦がすことで模様を描いていく、技法のことです。電熱ペンの扱いが難しそうにも感じますが、慣れてくれば線の太さ、濃さも調整できて、オリジナルのスプーンやコースター、ウェルカムボードなども作れて楽しみが広がります。ウッドバーニングに必要な道具から、やり方のコツ、初心者向けにおすすめの素材などを紹介していきます。
ウッドバーニングは実は歴史あるアート
木製のみかん箱や茶箱に、生産者や問屋の屋号を焼きゴテで、焼き印をつけるということは、昔からありました。明治よりも以前には、焼きゴテを使い、木材の表面に絵を描いている作品もありました。ただ文明開化によって、西洋の油絵、水彩画などが広まると、一時的に木材の表面を焦がして創る作品は、注目されなくなってしまいました。
それでも、木製品や革製品に名入れをする工芸品やお土産品として、すたれることはありませんでした。それがこの10年ほどで、手軽に取り組めるアートとして、身近なものになってきています。世界的にみると、中南米では長く使い込む木製家具に、ウッドバーニングで表面を生き返らせる手法もあります。ヨーロッパやアジアでは、ウッドバーニングで民芸品を作り、観光客向けのお土産も多く作られています。
ウッドバーニングに必要なもの
ウッドバーニングに必要な道具は、焦がした線をつくるために、電熱ペンというものを準備します。熱っすることができればよいので、ハンダごてでも大丈夫です。そして、デザインを描くための素材が必ず必要です。おすすめは、木製のもので、初心者であれば、板、木製のまな板やコースターといった平らなものがおすすめです。慣れてきたら、木のボタンやアクセサリー、厚めの革製品にもウッドバーニングを施すことができます。
出典: https://makit.jp
後は、デザインやイラストを素材に下書きするための、鉛筆、消しゴムが必要です。板に直接デザインや文字を描きいれられる人はそれだけでよいですが、絵やイラストが苦手な人は、トレーシングペーパーに一度描きたいものを、写し描きします。洋裁などでつかわれるチャコペーパーをはさんで、素材の上におき、その上からイラストをなぞると、素材にチャコペーパーの色で線を書き写すことができます。
ウッドバーニングでデザインしやすい木材
ウッドバーニングは木材に、電熱ペンを使って描くことが多いですが、節や木目の主張が強いものは、ウッドバーニングのデザインが映えにくいです。選ぶポイントは、表面が白く、節がないもの、ある程度の硬さがあるものです。おすすめの材としては、シナ材、メイプル、イチョウなどです。慣れてきてアート作品に取り組むというときには、あえて木材の節や木目も活かすような方法もあります。
出典: https://makit.jp
ウッドバーニングの道具と材料をそろられるお店
ウッドバーニングに必要な道具は、ホームセンターで揃えることができます。電熱ペンでは、ペン先に種類があるものもあって、このペン先を変えることで、線の太さなどを変えることもできます。ホームセンターであれば、電熱ペンだけでなく、木材コーナーに、手頃なサイズの板や、カットされた木材の端などが安く売られていますので、初心者であれば、そうしたものを購入して、練習用に使うこともおすすめです。
最近では、100円ショップでも電熱ペンやハンダゴテが300円や400円といった価格で、売られていることもあります。先ずは試してみたい、という人であればこちらを利用するのも、おすすめです。あわせて100円ショップには、木製の日用雑貨、まな板、トレイ、コースター、スプーン、ボウルなどありますので、オリジナルのデザインを入れたいものを選ぶこともできます。
チャコペーパーはホームセンターや100円ショップにも売っていますが、もし見あたらないようなら、裁縫用品のコーナーか、手芸品店をのぞいてください。手芸用には、両面チャコペーパーというものもありますが、ウッドバーニングであれば、片面のチャコペーパーで大丈夫です。領収書発行などに使う、カーボン紙でもデザイン画を素材に写すことができます。
ウッドバーニングのやり方
ウッドバーニングに必要な道具が準備できたら、次にやり方です。まずは、木材にデザインの下書きを鉛筆で描きます。この時に、キャラクターや使いたい字体などがあって、そのままを下書きしたいときには、チャコペーパーを使います。下書きしたものは、後で消しゴムや水洗いで消せるような鉛筆やチャコペンシルなどがおすすめです。
やり方の2番目は、電熱ペンを温めることです。製品によって、温まる時間が異なりますが、電源をいれて、しばらくおくと、ペン先がかなりの高温になります。ハンダごても同様です。ここからは、ペン先に指先がふれて、火傷しないように十分に気を付けます。木材の裏面や、いらない木材に少しあててみて、焦げがでるようであれば、いよいよデザインを描いていきます。
電熱ペンを持ったら、一定のスピードと力で下書きの線の上を、なぞっていきます。最初のうちは、一定の力加減やスピードが難しいですが、練習をするうちに上達します。直線を描くときには、鉄の定規や、不要な真っすぐにカットしてある木材を定規にようにあてて、電熱ペンを動かすと、直線が描けます。円を描くときには、丸い木材や不要のガラス瓶などを置いて、その周りをなぞるようにします。
ウッドバーニング初心者向けのデザイン
ウッドバーニング初心者におすすめなデザインは、まずアルファベットで名前を描くことです。コースターやスプーンに家族の名前が入るだけで、特別感がありますし、全体でなくて一部分に描くだけで、ウッドバーニングらしさがでるのでおすすめです。
名前がかけるようになったら、単純な線で描かれたキャラクターや絵文字のような顔を練習してください。鉛筆で描くとしても、難しすぎないものであれば、ウッドバーニングでも、電熱ペンやハンダごてを同じように持って描くことができます。鉛筆よりも、ややゆっくりとペン先をすすめるというやり方を覚えてください。
ウッドバーニングでデザインにあわせて描くやり方のコツ
電熱ペンやハンダごてで、木材に描くことに慣れてきたら、より複雑なデザインも描けるやり方をマスターします。電熱ペンであれば、ペン先に種類があるので、太い線、細い線を描きやすくなります。また、曲線型であれば、ゆるやかなラインを描け、ナイフのようなペン先なら、直線を何本も描くのにおすすめです。
次にデザインの中に、塗りつぶしがある場合のやり方です。電熱ペンなどを寝かせるようにすると、焦げ目の幅が広くなり、塗りつぶしやすくなります。その時に強く押しつけるようにすると、濃い塗りつぶしになり、軽く表面をなでるようにすると、薄い塗りつぶしになります。グラデーションをつけたいときには、電熱ペンを動かす速度を変えて調整ができます。ゆっくりの時は、濃くなり、速くうごかすとかすれたような線になります。
塗りつぶしにもさまざまなデザインがあります。横に罫線を描くようにして、次に縦に線をいれると格子のようになります。電熱線のペン先を、表面におしあてるだけで、小さな丸ができます。それをたくさん密集させると点描画のようになり、太めのペン先をじっくりと押し当てるようにすると、濃い焦げ目も付けられます。
ウッドバーニングにおすすめ!「コースター」
ウッドバーニングを実際に、日常使えるものに活かすやり方として、初心者におすすめはコースターです。初めての場合なら、平らな木製のものがやりやすいですが、硬いコルク性のものでも、同じやり方で描くことができます。デザインは、鉛筆をつかって直接コースターに描いてしまいます。アニメのキャラクターでもよいですし、直線を組み合わせたようなデザインされた模様も、コースターならすぐにできあがります。
電熱ペンで描いた後に、下書きの線が残っているようなら、消しゴムで消すか、水でぬらしスポンジで表面をこすります。その後、キッチンペーパーなどで水分をしっかりとふきとって完成です。コースターの素材によっては、裏面も平らなものもあるので、練習としても両面に別のデザインを描いてみたり、プレゼント用なら、日付を裏面に入れるということもできます。
ウッドバーニングにおすすめ!「スプーン」
ウッドバーニングの初心者にも人気があるのが、スプーンです。木製スプーンは100円ショップでも販売されているので、取り組みやすい素材です。持ち手の部分に名前やイニシャルだけを入れたり、花やワンポイントのデザインを描くのもおしゃれです。
ウッドバーニングに慣れてきたら、スプーンの先の丸くなっている部分にも、挑戦してみましょう。やり方のコツは、平面と違い電熱ペンを真っすぐにすすめることが少し難しいので、花やキャラクターの顔など、曲線でできているデザインを選ぶと、失敗が少なく描けます。下書きを消すときには、スプーンは食品をのせたり、口にいれたりすることがあるので、電熱ペンを使った後に、食器用洗剤で洗って乾かしてから使うようにします。
スプーンにウッドバーニングを施したものは、プレゼントにもおすすめです。子どものいる友達へなら、子どもの名前を入れたり、同じ花模様でも、1本ずつ花の位置や葉の位置を変えたりして、3本や5本セットにすれば、素敵な贈り物になります。もらう方も、スプーンであれば、使いやすく、置き場所に困ることもありません。
ウッドバーニングにおすすめ!「トレイ」
コースターやスプーンといった小さなものに慣れてきたら、少し大きなサイズのトレイにウッドバーニングに挑戦してみてください。こちらも100円、300円ショップなどで、木製のものが販売されています。お盆のようにつかえる平らのものもあれば、食器皿としても使えるような曲線的なものもあります。また少し小さめのアクセサリートレイなどもおすすめの素材です。
トレイを準備したら、デザインを考えます。食品を盛り付けるのであれば、全体にデザインをするよりも、縁にそって模様を入れたり、ワンポイントでウッドバーニングをしたものの方が、実際の食器として使いやすいです。あえて底の部分に、スマイルマークやごちそうさまといった、食べ終わったときに出会えると嬉しいデザインをすることもできます。
ウッドバーニング上級者におすすめなデザイン
ウッドバーニングで作品の幅を広げたいときには、木製の、ティッシュボックス、マガジンラックにもデザインを描くことで、身の回りにウッドバーニング作品が増えていきます。ホームセンターには、木製の手作りできるラック、小さなチェア、テーブルといったものもあります。そこにデザインされたものを電熱ペンなどで描けば、一つの作品になります。玄関に飾るウェルカムボードも、手作り作品なら温かみがでます。
上級者になってきたら、キャラクターや文字だけでなく、風景画や動物などに挑戦してみるのもおすすめです。ウッドバーニングは焦げの濃淡、線の太さの違いで表現していくので、いくつもの色を使って描く絵とは異なります。また動物画は、毛並みはヒげといった細かな線をたくさん描きこむ必要があるので、完成にまで時間も要します。こうしたデザインであれば、インテリアの一つとして壁掛けのアート作品にもなります。
ウッドバーニングしたものは、アクリル絵の具などで色付けとの組み合わせをすることで、カラフルになります。子ども部屋のおもちゃ箱、テーブルなどには、色付きのものの上からウッドバーニンをしてもよいですし、ウッドバーニングの線を塗り絵の線のようにして、子どもに色づけをさせるという方法もあります。また、厚手の革製品であれば、同じ電熱ペンを使った、同じようにデザインを描くこともできます。
プレゼントにもおすすめなウッドバーニング
熱したペン先だけで描いていくウッドバーニングは、筆やペンを使って描く作品とはまた違った楽しみがあります。電熱ペンやハンダごてを動かくスピードや力加減だけで、デザインを仕上げていくので、同じ作品はなく、どれもオリジナリティがあります。自分で使うだけでなく、人へのプレゼントとしてもおすすめなウッドバーニングにぜひ挑戦してみてください。