フィンガーライムとはなに?キャビアみたいな話題の高級フルーツ
今アメリカやパリの一流シェフを中心に人気上昇中で、話題となっている高級フルーツ『フィンガーライム』。日本でのブレイクも間違いなしと密かに噂となっている『フィンガーライム』とはいったい何なのか、どんな味でどう食されているのか、などについて紹介していきます。
目次
まるでカラフルなキャビア!『フィンガーライム』
見た目はピクルス、切ればライム、粒の色は様々で歯応えはキャビア。オーストラリアから伝わったこの不思議なフルーツは、アメリカに渡りフランス料理の食材に使われる高級フルーツとして話題となっています。日本ではまだまだ馴染みがありませんが、そのうちブレイクする可能性大だと注目を集めている『フィンガーライム』について紹介していきます。
見た目や味だけでなく、どう親しまれて今に至るのか?また、どういった点でこれほどまでに注目されているのか?どう料理や加工をされ食されているのか?その存在さえも知らなかったフルーツ、フィンガーライムの謎を徹底的に明かしていきます。
『フィンガーライム』とは?
オーストラリア沿岸国境付近の乾燥した熱帯雨林(ニューサウスウェールズ州からクイーンズランド州にかけて)で採れる、オーストラリアの先住民族”アボリジニ”に古くから伝統的に利用されてきたブッシュフードの一種です。2~7メートルの木に生り、分類としては柑橘類にあたる果実です。
ブッシュフードの一種であることと、その見た目や食感などからフィンガーライムの他にも『キャビアライム』、『フルーツキャビア』、『キャビアフルーツ』、『ブッシュキャビア』、『ブッシュライム』、『森のキャビア』など様々な名前で呼ばれ、ビタミンC、ビタミンE、葉酸、カリウム、食物繊維が豊富です。
『フィンガーライム』の見た目とは?
フィンガーライムの果実はピクルスや獅子唐のように細長く、まさしく指に似た形状です。果実の皮の色は緑やオリーブ色をはじめ赤い物もあります。皮の表面の質感は名前の通りライムやすだちなどの柑橘系の果実を思わせるツヤと細かい凹凸を持っています。
輪切りにするとまさしくライムの果実といった断面で、薄皮が放射状に入り、潰すと出てくる果肉はライムと同じ緑がかった黄色の他、緑、赤、ピンク、オレンジなどと種類によって異なり、非常に鮮やかです。チョウザメの卵であるキャビアとは色こそ違いますが、ぎっしり詰まっていた丸い果肉が解け一粒一粒艶やかに主張する様は新鮮な魚卵を彷彿とさせます。
『フィンガーライム』の食感・味・匂いとは?
果肉は噛むと口の中でプチプチッと弾け、まさに『キャビアフルーツ』という名前に相応しい食感を楽しめます。また、その粒から飛び出してくるエキゾチックかつ爽快な香りと強い酸味はまさしくライムです。
そして一般的な柑橘系の果実とは違い、切ったり潰したりしても果汁が滴るということはなく、そのつぶつぶ感を存分に楽しめるフルーツになっています。つまりフィンガーライムとは、見た目だけでなく、食感、味、匂いすべてで五感を楽しませることができる食材というわけです。
『フィンガーライム』はどうして大人気なの?
元々はオーストラリアで昔から”ジャム”の原料として親しまれていましたが、オーストラリアの料理人がそのフィンガーライムのキラキラと輝く美しい見た目に目を付け、付け合わせに用いたことがきっかけです。そこから少しずつ注目をされ始め、フランス料理を中心に需要が高まったことから世界中で人気となりました。
『フィンガーライム』食材としてどう活かすのがオススメ?
その見た目の美しさとスッキリした香り、柑橘独特の酸味、プチプチ弾ける食感を持つフィンガーライムはフランス料理以外に実際にどんな料理に食材として用いられ、どんな食べ物と合うのか紹介します。
魚介類に
フィンガーライムの原産国であるオーストラリアと、ブームのきっかけとなった国のひとつであるフランスでは牡蠣がよく食べられています。日本でも牡蠣にレモンやライムをかけて食べる人は多く、フィンガーライムも同様に濃厚な牡蠣との相性は抜群です。
フィンガーライムは淡白な白身魚によく合わせられていますが、サバなどの青魚とも合います。そのため、魚をよく食材として使うフランス料理、イタリア料理などのヨーロッパ系の食材としてはもちろん、日本でもお寿司や懐石料理でも近年取り入れられています。
お肉に
オーストラリア産牛肉のオージービーフのようにしっかりとした肉感のお肉や、赤身肉などにもピッタリです。フィンガーライムの皮は少し山椒にも似た香りがするため、そのスパイシーさがお肉とよくマッチします。
他にも、牛タンや鶏肉にもピッタリですが、中でもラム肉との相性は見逃せません。オーストラリアでは”オージー・ラム”、つまり羊肉も愛されていて、フィンガーライムがよく合う食材として今ラム肉が特に注目されています。
串カツに
串カツに用いられる食材は魚介類をはじめ肉類、野菜など元からフィンガーライムに合いやすい食材が多いというのも理由として挙げられますが、揚げ物だからこそフィンガーライムの酸味がピッタリだと日本でも人気の組み合わせです。
柑橘類のフルーツであるフィンガーライムは串カツと合わせるとさっぱり食べられるだけでなく、みかんの3倍のビタミンCが含まれていますので、コレステロールを下げ、血糖値を安定させてくれる作用も併せ持っています。
焼き鳥に
日本ではお肉の中でも特に鶏肉を中心とした焼き鳥と合わせられることが多いです。部位としては鶏のセセリ、ちょうちん、皮、他にも豚バラや白子といった濃厚で脂っこい串とよく合います。
焼き鳥によく合うお酒と言えばビールです。その合性は昔から”黄金の組み合わせ”とまで言われています。コロナビールのように元からライムを絞って飲むことを推奨されているビールがあることや、皮の山椒っぽさから、焼き鳥にフィンガーライムという組み合わせはとても相性が良いと言えます。
ソーセージに
肉類、脂っこい物、ビールに合う、山椒のようなスパイシーさが合う、という要素で見ていくとソーセージにも合うことが分かります。画像のように割って挟んでも良いですし、粒マスタードをつけるように乗せても良いです。
中華料理に
洋食・和食に合う果実であると紹介してきましたが、忘れてはならないのが中華料理。中国でも柑橘類の栽培は盛んであり、山椒は日本よりも古くから親しまれています。フィンガーライムは四川料理などに使われ≪痺れ≫を生み出す”花椒”、その中でも”青花椒”に香りが似ているため、飲茶をはじめ麻婆豆腐など辛い中華料理にもピッタリです。
サラダに
画像のようにピンクのフィンガーライムをサラダに入れると、まるで花畑のようにも見えとても美しいです。トッピングとしてはもちろん、酸味や食感を活かしてドレッシングに混ぜるのも非常にオススメです。
シャンパンに
フィンガーライムは通常水や飲み物に入れると沈みますが、シャンパンに入れると泡に乗って粒が踊り、なんとも華やかです。また、カクテルの場合は沈めたりエスプーマ(炭酸ガスで作ったふんわりとした泡)の上にトッピングしたり、その鮮やかさと食感が楽しまれています。
ケーキに
料理やお酒だけでなく、生クリームを使ったケーキやチーズケーキにとてもよく合います。鮮やかな見た目を活かして上にトッピングするも良し、チーズケーキの中に入れて食感を楽しむのも良しです。
アイスクリームに
アイスクリームやジェラートには、フィンガーライムの粒を混ぜ込んだりパウダーをかけて食べたりすることが多いです。フレーバーは、バニラやココナッツをベースとしたアイスやジェラートと合わせるのが最もオススメです。
ヨーグルトに
ケーキやアイスクリームだけでなく、同じく乳製品であるヨーグルトにもよく合います。粒のままでもプチプチの食感が良いアクセントになり、パウダーでもヨーグルトに馴染んで大変美味しくいただけます。
納豆にも!?
「意外と合う!」と最近言われているのが納豆との組み合わせ。普通は納豆に柑橘を絞ったり山椒を振ったりはしないため、どうして合うのか?どうして合わせてみようと思ったのか?についての情報は残念ながら見つからず、冒険心の賜物と言えます。
『フィンガーライム』のパウダーも!
先ほどデザート系と納豆にかけてあった、このフィンガーライムのパウダー。生の果実を氷点下40℃でフリーズドライし粉末状にしたものです。パウダー状にすることであのプチプチした食感と美しい見た目は失われますが、フリーズドライされた果実の100gあたり70gを占めるほどの食物繊維や栄養素を余すことなく摂れるという利点や口当たりがよくなり汎用性が更に高まるという利点があります。
『フィンガーライム』はどこで買えるの?
生の他、冷凍やパウダーの状態だけでなく、種や苗でも購入が可能です。Amazonや楽天市場、ギンザシックス、築地市場、ネット販売での購入ができますが、栽培しているところが少ない上に棘があるため需要に対しての供給が追いつかず、まだまだ希少価値が高い状態です。
『フィンガーライム』は自分で育てられる?
育ててみたいという方も多くなってきているフィンガーライム、自宅で種と苗どちらからでも育てられます。種からなら種まきを3月~6月にすれば2週間ほどで芽が出ます。苗からなら3月~4月に植えるのが適しています。どちらも収穫時期は10月で、フィンガーライムが実るまでには約3年の歳月が必要です。
『フィンガーライム』についてのまとめ
いかがでしたでしょうか?フィンガーライムは≪見た目、味、香り、食感≫を活かし≪洋食、和食、中華、スイーツ、飲み物≫どれに対しても使える食材で、その食物繊維の豊富さや≪ビタミンC、ビタミンE、葉酸、カリウム≫などの栄養素にも注目されています。いずれ来る『フィンガーライムブーム』に乗って、紹介した魚介類や肉類、中華料理、乳製品だけでなく新たな組み合わせにもチャレンジしてみましょう。