2018年06月26日公開
2024年07月21日更新
ミネラルが豊富な食べ物・飲み物は?不足すると?その効果を徹底調査
人間の体にとって必須の栄養素・『ミネラル』。一口に「ミネラル」といっても、種類がたくさんあります。では、ミネラルには一体どのような種類の栄養素があるのでしょうか?また、ミネラルが豊富な食べ物・飲み物とはどんなものが挙げられるのでしょうか?今回は、ミネラルの種類や効果・不足した時の症状などについて調査するとともに、豊富な食べ物・飲み物についても併せて調査してみました。
目次
人間にとって必要不可欠な『ミネラル』。
出典: https://pepy.jp
私たち人間の体は様々な成分で構成されています。そんな中でも人間にとって必要不可欠な存在が『ミネラル』です。私たち人間の体に存在する元素は約60種類ほどあると言われていますが、その中でも一番多いのが65%程度を占める『酸素』。そして、『尿素』・『水素』・『窒素』で約61%程度を占め、残りの4%が『ミネラル』です。
『ミネラル』は五大栄養素と呼ばれるうちの一つであり、私たち人間にとって必要不可欠な栄養素です。多くの人が一度は耳にしたことがあるであろう、『ミネラル』ですが、そもそも『ミネラル』とは一体どんなものなのでしょうか?まずは、『ミネラル』について学んでみましょう!
ミネラルとは?
『ミネラル』とは、一般的な有機物に含まれる4元素(炭素・水素・窒素・酸素)以外の必須元素のことを指します。日本では13元素(亜鉛・カリウム・カルシウム・クロム・セレン・鉄・銅・ナトリウム・マグネシウム・マンガン・モリブデン・ヨウ素・リン)が健康増進法に基づく食事摂取基準の対象として厚生労働省により定められています。
ミネラルは、蛋白質・脂質・炭水化物・ビタミンと並んで、五大栄養素の1つとして数えられています。私たち人間の体に必要とされるミネラルは16種類あり、これらを『必須ミネラル』と呼びます。そのうち、1日の摂取量がおよそ100mg以上と、比較的多い7種類を『主要ミネラル』、100mp未満のものを『微量ミネラル』と呼びます。
『主要ミネラル』は、カルシウム・リン・イオウ・カリウム・ナトリウム・マグネシウム・塩素の7種類です。そして『微量ミネラル』は、鉄・ヨウ素・亜鉛・銅・セレン・マンガン・コバルト・モリブデン・クロムの9種類です。ミネラルは、生物の種類や性別・成長段階によって必要な種類や量は異なります。また、 ミネラルは人間の体内で作ることは出来ないので毎日の食事から摂取する必要があります。
ミネラルには一体どんな効果がある?
私たち人間の体にとって必須栄養素・ミネラル。一口に「ミネラル」と言っても様々な種類がありますから、それぞれのミネラルの種類によって効果も異なります。では、ミネラルには一体どんな効果があるのでしょうか?お次は、それぞれのミネラルによる効果について学んでみましょう。
主量ミネラルの『カルシウム』・『マグネシウム』・『リン』は、骨や歯の主成分となります。人間が健康に生きていく為に欠かせない骨や歯は、ミネラルによって作られています。『セレン』には、抗酸化作用があるのでアンチエイジングにも効果が期待できます。アンチエイジング効果は美容目的としてはもちろんの事、健康にも役立つ効果です。
近年増加しているという、糖尿病。そんな糖尿病を予防する効能が、ミネラルの『クロム』に含まれています。糖尿病は、膵臓で作られるホルモン・『インスリン』が悪化(2型糖尿病)することで発症するのですが、クロムにはインスリンの利用効率を高める働きがあるので糖尿病予防に期待できると言われています。
『鉄分』や『銅』には貧血に効果が期待できますし、酵素の構成成分である『亜鉛』は、消化・吸収、代謝の調節にも役立ちます。このように、ミネラルには私たち人間にとって嬉しい様々な効果が期待できる栄養素です。ミネラルが必須栄養素と言われているのにも納得できる結果ですね。
ミネラルが不足するとどんな症状がある?
とはいえ、「ミネラルが不足しているかどうかなんて目に見えないしわからないよ…」と思ってしまう方もいらっしゃるでしょう。私たち人間の体にとって欠かせないミネラルですから不足すると様々な症状が出てきます。では、ミネラルが不足するとどんな症状が現れるのか…お次は、ミネラルが不足した時に現れやすい症状についてご紹介します!
足がつる
あなたは寝ている時や運動中にいきなり足がつる…なんて経験をしたことありませんか?この『足がつる』という症状が起きた時、多くの人は「運動不足だったからかな…」と考えがちですが、単純にそれだけではなく、足がつる時にはミネラルが不足していることも関係しているようです。栄養バランスが乱れていたり食が細い方はミネラルが不足しやすく、足がつることが多くなってしまうようです。
また、スポーツ中などに十分な水分補給をしていないと足がつる場合もあります。なぜなのかというと、汗をかく際、同時にミネラルも流出しているからです。ミネラルが不足することで足がつる可能性が高くなるので、水分補給をしてミネラルもしっかり摂取することが大事です。
そもそも、足がつる原因って一体何か知っていますか?足がつる原因とは、筋肉を動かす為に命令を出す運動神経の一部・『末端運動神経』に不具合が起きて暴走してしまう事からです。ミネラルには神経の情報伝達として電気を生み出す働きがあります。ミネラルが不足していると、神経の情報伝達がスムーズに行えず、足がつるといった症状や痙攣などの神経障害を起こしてしまいます。
体調不良になる
人間の体にとって必須のミネラルですから、不足してしまうと体調不良になってしまうのは安易に想像がつくのではないでしょうか。例えば、『マグネシウム』が不足していると、食欲不振や筋肉の痙攣といった症状、『鉄分』が不足していると貧血に、『亜鉛』が不足していると口内炎や肌荒れ、『ナトリウム』が不足すると肩こりや頭痛・しびれなどの原因を引き起こしてしまいます。
ミネラルってどんな食べ物や飲み物に多く含まれているの?
ミネラルが不足すると、様々な体調不良や足がつるといった症状が現れます。そして、ミネラルは人間の体内で作ることは出来ないので毎日の食事から摂取する必要があるといった点からも、私たちが健康に毎日を過ごす為にはミネラルの摂取が非常に重要です。
体内で作ることは出来ない為、食事から摂取する必要があるというミネラルですが、ミネラルとは一体どのような食べ物や飲み物に多く含まれているのでしょうか…?お次は、ミネラルが含まれる食べ物・飲み物について調査してみましょう!
ミネラルが含まれる食べ物・飲み物〜カルシウム〜
私たちの体に最も多く含まれるミネラルといえば、『カルシウム』です。『カルシウム』は骨や歯を形成する為に欠かせない栄養素であり、『カルシウム』が不足してしまうと、骨が充分に成長しなくなってしまい、骨粗鬆症などの原因を引き起こしてしまう可能性があります。1日のカルシウムの推奨摂取量は成人男性で650~800mg以上、成人女性で650mgとなっています。
厚生労働省が公表している『日本食品標準成分表2015年版』によると、食材100gあたりのカルシウム含有量が多い食べ物としてトップに輝いているのは、『干しえび』です。干しえびは100gあたりに7100mgのカルシウムを含んでいるようです!続いて、2位が『がん漬』。がん漬は100gあたりに4000mgのカルシウムを含んでいます。
カルシウムというと、牛乳やチーズなどの乳製品を想像する方も多いと思います。しかし、『ナチュラルチーズ・パルメザン』で100gあたりに1300mgのカルシウム、『脱脂粉乳』で100gあたりに1100mgのカルシウム、『全粉乳』で100gあたりに890mgのカルシウムとなっています。『カルシウム=乳製品』というイメージが強く感じられますが、意外と少ない事に驚きです。
ミネラルが含まれる食べ物・飲み物〜鉄分〜
『微量ミネラル』の一つである『鉄分』は、酸素と二酸化炭素を運搬するヘモグロビンの構成成分として赤血球に多く存在する栄養素です。『鉄分』から作られる赤血球は、呼吸で取り入れた酸素を体内に運ぶという働きをするので、不足すると、貧血やめまい・軽い運動でも動悸がするようになったり集中力が低下するなどといった原因を引き起こす恐れがあります。
『鉄』には、主に魚や肉などの動物性食品に含まれ、体内への吸収率が高い『ヘム鉄』と、主に植物性食品や乳製品に含まれ、ビタミンCやたんぱく質と一緒に摂取することで体内に吸収されやすくなる『非ヘム鉄』の2種類があります。1日の鉄分の目安摂取量は成人男性で7.0~7.5mg、成人女性で月経なしの場合は6.0~6.5mg、月経ありの場合は10.5mgとなっています。
鉄が含まれる食べ物・飲み物トップ3
厚生労働省が公表している『日本食品標準成分表2015年版』によると、食材100gあたりの鉄分含有量が多い食べ物としてトップに輝いているのは、『バジル(粉)』です。バジル(粉)100gあたりに120mgの鉄分を含んでいるようです。2位は、『タイム(粉)』で、100gあたりに110mgの鉄分を含んでいます。三位は『赤こんにゃく』がランクインしており、100gあたりに78,5mgの鉄分を含んでいます。
ミネラルが含まれる食べ物・飲み物〜マグネシウム〜
骨の形成や細胞がエネルギーを蓄積・消費するのに必須である『マグネシウム』。不足すると、骨の形成に影響が出たり、不整脈・高血圧・神経過敏や抑うつ感などの原因を引き起こしてしまう可能性があります。1日のマグネシウムの推奨摂取量は成人男性で320~370mg以上、成人女性で270~310mgとなっています。
マグネシウムが含まれる食べ物・飲み物トップ3
厚生労働省が公表している『日本食品標準成分表2015年版』によると、食材100gあたりのマグネシウム含有量が多い食べ物としてトップに輝いているのは、『あおさ(素干し)』です。あおさ(素干し)100gあたりには3200mgのマグネシウムを含んでいます。2位は、『あおのり(素干し)』で、100gあたりに1400mg、3位は『乾燥わかめ(素干し)』で、1100mgのマグネシウムを含んでいます。
ミネラルが含まれる食べ物・飲み物〜カリウム〜
ミネラルの一種・『ナトリウム』を排出する作用があり、塩分の摂り過ぎを調節する働きをしてくれる『カリウム」。不足すると脱力感や食欲不振・不整脈などの症状を引き起こす場合があります。1日のカリウムの目標摂取量は成人男性で3,000mg以上、成人女性で2,600mg以上です。
カリウムが含まれる食べ物・飲み物トップ3
厚生労働省が公表している『日本食品標準成分表2015年版』によると、食材100gあたりのカリウム含有量が多い食べ物としてトップに輝いているのは、『干しずいき(乾)』です。干しずいき(乾)100gあたりには 10000mgのカリウムを含んでいます。2位は『きざみ昆布』で、8200mg、3位は『乾燥わかめ(板わかめ)』で7400mgのマグネシウムを含んでいます。
ミネラルが含まれる食べ物・飲み物〜亜鉛〜
血糖調節ホルモンの『インスリン』の構成成分等として働きかけてくれるミネラルが『亜鉛』です。『亜鉛』が不足すると、味覚障害や皮膚・粘膜・血球などの再生不良を引き起こす可能性があります。1日の亜鉛の目安摂取量は成人男性で10mg、成人女性で8mgです。
亜鉛が含まれる食べ物・飲み物トップ3
厚生労働省が公表している『日本食品標準成分表2015年版』によると、食材100gあたりの亜鉛含有量が多い食べ物としてトップに輝いているのは、『かき(くん製油漬缶詰)』です。『かき(くん製油漬缶詰)』100gあたりに25,4mgの亜鉛を含んでいます。2位は『こむぎ(小麦はいが)』で15.9mg、3位は『かき(養殖 水煮)』で14.5mgの亜鉛を含んでいます。
ミネラルが含まれる食べ物・飲み物〜リン〜
『カリウム』に次いで多いミネラル『リン』。骨や歯を形成に役立ちます。食品に豊富に含まれている『リン』は不足する事は基本的にはないそうですが、摂取のしすぎはかえって悪影響となるので要注意です。1日のリンの目安摂取量は成人男性で1,000mg、成人女性で800mgです。
リンが含まれる食べ物・飲み物トップ3
厚生労働省が公表している『日本食品標準成分表2015年版』によると、食材100gあたりのリン含有量が多い食べ物としてトップに輝いているのは、『ベーキングパウダー』です。100gあたりに3700mgのリンを含んでいます。2位は『かたくちいわし(田作り)』で2300mg、3位は『米ぬか』で2000mgのリンが含まれています。
ミネラルが含まれる食べ物・飲み物〜銅〜
鉄を吸収したり貯蔵をする働きや、エネルギー生成などに役立つミネラルが『銅』です。1日の銅の目安摂取量は成人男性で0.9~1.0mg、成人女性で0.8mgです。銅が不足すると貧血や成長障害などが起こる可能性がありますが、通常の食事をしていれば銅が不足することはないようです。
銅が含まれる食べ物・飲み物トップ3
厚生労働省が公表している『日本食品標準成分表2015年版』によると、食材100gあたりの銅含有量が多い食べ物としてトップに輝いているのは、『かき(くん製油漬缶詰)』です。『かき(くん製油漬缶詰)』100gあたりに2,81mgの銅を含んでいます。2位は『こむぎ(小麦はいが)』で0.89mg、3位は『かき(養殖 水煮)』で1.17mgの銅を含んでいます。
《まとめ》ミネラルが含まれる食べ物・飲み物、効果調査
ミネラルが含まれる食べ物・飲み物、効果調査まとめのご紹介はどうでしたか?ミネラルは私たち人間の体にとって必須の栄養素です。そんなミネラルが不足すると、足がつる・体調不良になるなどといった影響が出てしまうので注意が必要です。ミネラルの種類によって効果や1日分の摂取量なども異なりますから、しっかりチェックしてミネラルをチャージする食生活を送りましょう!